近江長岡駅への終電から逆算して、家を出る。
事件は、米原駅への新快速の中で起きた。
突然の車内放送が、緊急停止を告げてくる。
<急停車します!お近くの手すり等におつかまり下さい>
車内がざわついたのは、その一瞬だけだった。
家内が運転する時の急ブレーキには程遠い、
ゆったりとした停車だった。
立っている人、誰一人として、揺れることなく電車は止まった。
幾度か、業務連絡があり、乗客への報告があった、。
<急病人が出たため、隣の駅に臨時停車します>と。
目の前の西洋人は、日本語が解るのか、
少しも気にせずスマホと遊んでいる。
一番驚いたのは、立っていた娘さんが家まで待てなかったのか、
(氷結)の引き金を引いて、飲み始めたことだろうか。
つまり、それほど車内はのんびりとしていた。
慌てていたのは、終電に間に合わなくなると困る、私だけである。
スマホを使って、終点米原駅からの連絡を調べるが、
予定していた電車が最終だ。
伊吹山までは19キロ、徒歩で4時間と、親切な羊が知らせてくれる。
<駅まで十分>の不動産屋による1分80mの計算だ。
だが、現実は、信号が阻むし、陸橋が聳えている。
荷物も重い。
夜である。
この蒸し暑さが味方になるわけもなく、
日の出に、麓に辿り着くのがやっとだろう。
そして、そのあとに待っているのは、
ヴィン・ディーゼルが不時着した3つの太陽を有する灼熱の星。
きっと、溶ける。
おそらく、溶ける。
多分、溶ける。
間違いなく、溶けてしまう。
三角点ではないが、伊吹山の麓を踏んで、
登山口の6時過ぎの始発バスで帰ろう。。。。。。。
<運転状況について、ご案内いたします。
この電車は約25分遅れで発車します。>
ため息一つ聞こえない、静かな車内。
電車が,ゆるやかに動き出す。
<お乗換えの方にお知らせ致します。
接続電車が待ち合わせをしております・・・・・>
JRって凄い!!!
この国って、凄い!!!
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