写真2)同じ土器を上から見る
写真3)火焔型土器の文様パターン
縄文中期の過剰デザインで特徴的、世界的にも著名な「火焔型土器」に関する展示会が國學院大學博物館で開催されており、関連するフォーラムもあるので、尋ねてみた。今年は信濃川流域に分布する火焔型土器に関して「日本遺産」に認定されたことから、その記念に東京でこの展示会が開催されることになったらしい。その名称もユニークで「なんだ、これは!信濃川流域の火焔土器と雪国の文化」というのが日本遺産の名称だという。「なんだこれは!」という言葉は岡本太郎が最初に火焔土器を見た時に発した言葉を使ったという。新潟県外で国宝、重文を含む主要な火焔型土器が一堂に会して展示されるのは初めてだという。この土器は火焔型と王冠型に分類されるが、一つの遺跡から出土する土器の中の2割供台がこうした「過剰デザイン」の土器という。それでも煮炊きの煤の後がついているので、飾り物ではないらしい。2割というのは私の感じではかなり多い。もっと少ないかと思った。9割以上が普段使いの土器で数パーセント以下かと思ったが、意外と多いのは生活の中でそれなりに使われたということかーー。こうした土器は東北の大木8a式土器など周辺の土器に影響されつつ作り上げられた地域性豊かな土器となっていったらしい。こうした土器がなぜ作られていったのか、なかなか理解しがたい。縄文人が持つ世界観や信仰の表現か、部族社会のアピールなのか、それぞれの文様が何らかの意味や物語を持っているのではないかと、これまでの研究から様々な解釈がなされている。それをさぐることが縄文人たちの心象世界を探る手がかりになるだろうーー。世界広しと言えども、土器の口縁部の突起がこれだけ巨大化したものは日本のこの地域にしかないという。展示では文様パターンの研究や製作プロセスの解析、土偶や土版などのかんれん出土品の展示など見どころ満載だった。フォーラムでは展示会の図版と各報告がまとめられたものが配布資料となっており、火焔土器文化を理解する大変貴重な機械だった。
火炎土器、すごいですね。
それにしても、発見される土器の2割強がこうした過剰装飾の土器で、しかも煮炊きの跡がついているとは、、、、。けして飾り物ではないんですね。でも、当時の人にとって食べることができることは、とっても幸せなことかも。食材を自分たちの食べ物に変化させることができる土器は、魔法の器みたいなものだったのでしょうか。
そんな生活を送った彼らと同じ山並みを見ることができるのは、とっても幸せなことかもしれません。
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