ヌマガヤの群落が昼光を受け暖かな、柔らかな大きな絨毯を広げている。見事な一景。小沼に足を伸ばす。北岸を散策、南岸の長七郎の山裾の紅葉🍁を楽しむ。これも見事。小沼の湖面の漣を見ていたら深沢部落(深沢宿)の赤城山小沼信仰の伝統行事を思い出しました。今日はそのお話をしてみましょう。
《深沢部落の赤城山小沼代参の由来》
上野の伝説に依れば勢多郡富士見村(現在:前橋市富士見町)赤城山小沼、佐波郡赤堀村(現在:伊勢崎市赤堀町)の豪族赤堀道元の娘は幼い時から赤城山に憧れていたが、16歳のおり登山して小沼の畔に着いた時、突然沼に入水して蛇体となった。
その後、道元の家では娘の命日には必ず赤飯を重箱に入れて沼に捧げる。
重箱は逆巻く波🌊に誘導され湖心に沈み、やがて空になって返される。
その中に蛇の鱗が入っていたと言う。
現在、桐生市黒保根町上田沢涌丸の涌丸山医光寺に道元の娘の帯が珍蔵されている。
医光寺が小沼代参信仰を執行していたことを物語る。
虚空蔵菩薩はその徳が虚空の如く無限大であり、破壊される事の無い事を示している。虚空蔵の名前から高い山に関係あるように思われ信仰されてきた。また東方の守り仏として考えられた。
赤城山東南に位置する深沢部落が医光寺の感化を受け虚空蔵菩薩を信仰したものと思われる。
深沢宿の西北に位置する赤城山小沼を高い所、虚空蔵菩薩の在られる所としてお参りするようになったと思われます。
毎年5月8日、村人代表2人が御神酒、赤飯、茶菓子などを持参し小沼西岸にある小さな社に供え、また湖にもお酒、赤飯を捧げて道元の娘の供養をしました。
また、同時に深沢全戸の無病息災、家内安全、五穀豊穣を祈願しました。
小沼へは深沢宿の北に流れる深沢川沿いの道を行き、途中梨木温泉からは山道(ほとんど獣道)を登り長七郎の中腹の尾根道に着く。そこから下り小沼に到着する。行き帰りの所要時間はほぼ一日がかりです。
車が普及してからは国道353号線、三夜沢の交差点から県道16号線を利用、それでも半日の日程でした。
近年、深沢部落も過疎化、少子高齢化が押し寄せ2人の当番組み合わせが困難となり、数年前から代参行事は残念ながら途絶えました。
ただ村人は各自5月8日には小沼の方向に手を合わせて参拝し信仰は続けています。
山に依って生活していた昔に、信仰や生活の道だったものが、今は廃れて痕跡を見つけるのも難しいというのが、いたるところにあるのでしょうね。道の維持のために、丁寧に道普請を続けてきた人たちに想いを馳せたいと思います。
tama4osakataさん
コメント有難うございます。どこの村でも同様と思いますがだんだん人手不足になり、伝統行事を守るのが大変になっています。
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