ちょうどフリークライミングでクラックのクライミングが流行っていたころだったので、この山奥のすっきりした岩のクラックも注目され、高難度クラックルートが開拓された直後でもありました。
「普通のルートを登りながら、話題のルートを横目で見るのも楽しいんじゃないか?」
それまでは主に北アルプス主体で岩登りをしていましたが、たまには南アルプスもいいだろうということで、同期のMと甲斐駒ケ岳の赤石沢奥壁にやって来ました。
アプローチの長い尾根を登り、岩場への下降路付近の岩小屋にてビバーク。翌日は下降路を赤石沢に向かっておりて、Aフランケ赤蜘蛛ルートの取り付きに向かいました。
この時、下降路でちょっとしたスリップをし、激しく右手の前腕を岩にぶつけて、怪我をしました。見ると傷は3cmほどで、小さいけれど皮膚がえぐれて血が流れ、なかなか深そう。普通なら医者に縫ってもらうところですが、この場ではそういうわけにも行きません。
手のひらの小指側にしびれ感もあったけれど、痛くて登れないというほどではなかったので、そのままバンドエイドで傷口を塞いで登攀開始。
途中で話題の「ホットライン」という凄まじく高度感のある前傾したクラックを横目で見て、
「ひぇ〜、こんなところを良くフリーで登るなぁ・・・」
などとしゃべりながら、登攀自体は何の問題も無く終了しました。
下山後、傷口を見たらかさぶたが出来てもう塞がっていたので、結局医者には行かずじまいでした。
この日記を書いていて、ふとあのときの傷口はどうなったかな・・・と思って見てみたら、30年経過していてもまだ傷跡がわかりました。
アルバムを見ると、この後はアルプスでのクライミングの写真は無く、六甲、城ケ崎、岡山の王子が岳や、小川山でのフリークライミングの写真ばかりになっています。
フリーは、クライミング自体が面白いので結構のめり込みました。トレーニングするにつれて、高いグレードが登れるようになり、またそれが励みになりました。でも手軽にアプローチできるところばかりであったせいか、後から思い起こすと山で色々経験する「深い味わい」というのが薄い気がしますねぇ・・・写真を見返しても、あまり記憶が蘇ってきません。やはり山という大自然の中に入って、色々苦労することが大切なのかも・・・と、30年前の昔を振り返ってみて思う次第です。
写真1:赤蜘蛛ルート2P目のジェードル。
2:赤蜘蛛ルートから横に見える、オーバーハングしたクラックルート「ホットライン」
3:赤蜘蛛ルートにて。
Cross-hillさん、遅ればせながら、こんばんは^^
赤蜘蛛、チョッピリ残念な思いがあって・・・・・・
私もよく、本チャン出発直前に限って、慌てて調理中に包丁で指切ったり、ハッキリ覚えてるのは直前に肋骨骨折してしまった前穂四峰正面壁です。勿論オールリードOSしましたよ(^^)v
dejavuさん、こんばんは!
残念な思い出ってなんでしょうか??
肋骨骨折で前穂四峰で岩登りですか!?それはすごい!!
でも万が一のことでももしあったなら、無謀登山って言われますね〜
お互い、コンディションは調整して安全なクライミングを楽しみたいものです。でも最近は年のせいか、中々ベストということにはならないんですが。。。
ところで、dejavuさんの思い出話も、中々面白そうですね〜
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