私はライトニングアッセントの25インチに5インチの浮き板(フローティング・テイル)を追加して30インチで使用しました。カミさんは同じく25インチで女性用、幅が2センチ細めのものを使用。
まず先行者のトレイルがあるところや、山頂手前の締り雪の登高。
登山靴の先端の真下にあるステンレスの前爪のほかに、金属フレームに短い鋸歯が数十個配置されたアッセントは、締まった雪にフレーム自体がよく食いつき、安定さは上々でした。
以前のTabus社のスノーシューは前爪がずっと大きかったけれど、丸い金属フレームで、雪面に足を置いたときに、前爪の食い込みの程度によっては、ときどき小さく滑ることがあったのです。
アッセントではその滑りが、ほとんど感じられない。
その威力を強く実感したのは、湯ノ丸山の中段の斜度15度から23度くらいの登りでした。
ザッザッと小気味よく雪面にフレームが食い込み、登って行けました。前のスーシューでは、このぐらいの傾斜になると、歩幅を小さくし、ときにはジグザグを小さく切って上がることもありました。
カミさんも、足が安定してとても軽い歩行ができる、と言っていました。
さすが「電光登高」の名が付けられただけのことがあります。「ディレクト・アッセント」でもいいぐらい。
傾斜の強い部分では踵の部分を5センチほど上げて受けとめる「ヒール・リフター」を持ち上げてセットしました。これも古い前のシューにはなかったもので、ふくらはぎが楽でした。
下降では、斜面を自由に歩きまわりながら試してみました。下降は、いままでのシューは苦手で、何度もジグザグを切らないと滑りました。アッセントでは、締まった雪面でしっかりフレームがグリップして、20度前後までならまったく安定して下降できます。凍っていないならば、軽アイゼンの役目もある程度してくれます。
しかし、粉雪上の深い吹き溜まりなどでは、30インチに拡張した私のサイズでも、ひざ上まで簡単に没してしまいます。試しに登り方向へ斜めに深雪を上がろうとしたら、膝下まで没した雪の中で、スノーシューはなかなか言うことをきかない。腰を着いて、雪中から手で掘り出すことも。
以前に報告しましたが、スノーシューは膝上までもぐるような深雪のなかでは、下降するのもややたいへん。登りだといっそう体力と時間を使ってしまい、行動半径が狭くなります。
スキーでは潜り込みがずっと少なく、雪の中でエッジングしてシールを利かせながら踏ん張れるので、深い雪の登りはまだ楽です。
膝前後までくるような、深い雪の行動の場合は、やはり山スキーがもっとも行動性があります。
私のいままでの体験から、25インチ+5インチという選択をしたわけですが、これは良かったと思います。
スノーシューの出番は、やはり雪がある程度、深い場面です。
立派なトレースがあったり、締り雪のときは、長いシューも短いシューも同じくばんばん行動できるし、ときにはわかんでも済みます。
膝の前後までもぐりだしたところで、登山者を助けてくれるのがスノーシューだと思います。
実際、今回30インチで軽荷でも現場ではかなりもぐります。
入山者が少ない山へ入るとか、トレースなしの条件では、男性で30インチは必須です。
男性で25インチでは、一定の積雪の場合、荷物の量や行動範囲に、かなり支障が出ると思います。そういう点で、シューに付いてきたMSR社の仕様説明は的確でした。
アッセントで良かった点で、もう一つは、登山靴を装着するベルトが4本締めで、かなりしっかり固定できることでした。斜度があるところや、深い雪にもぐって引き出すのに苦労するときも、より安心感があります。
以前のものはバックルでしたが、肝心のシューとの接合部が軟質プラスチックで両側1箇所で、常に切れることを考え、余計な気配りが要りました。でも切れそうで切れずに、10年持っていまも現役ですけど。
次のテストは上越方面の積雪2m前後の雪山です。状況によっては、林道部分の深雪のアプローチで、スキーを併用することも考えています。
関連する日記
ライトニングアッセント導入。さて深雪斜面での性能は
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-44728
スノーシューは、斜度がある深雪(斜登高)は、やはり苦手
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-17643
湯ノ丸山へ再訪。スノーシューテストと右腕リハビリ
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-262502.html#viewcomment
tanigawaさん こんばんわ
あとで私もMSRとTSLの比較日記をあげますよ
主に急斜面での取り扱いを中心に書くつもりです
bmさん、お待ちしてます。
今回の印象では、スノーシューはトレースのないところで自分でラッセルして見ると、すぐ膝の前後まで潜るし、体力のいる道具だなということでした。
30インチでも、新雪が残る場所では、ほどほどに潜ります。
25インチでは男性の場合、普通の冬山で単独でラッセルはたいへんそうです。
tanigawaさんこんにちは。
私が普段使っているのはカンジキ(軽くて軽快)とMSRアッセントの22.2”スノーシュー(下↓)(ベルト4本締めるのがちょっと面倒)です。
http://yamareco.info/modules/diary/upimg/6246/d030589b63047ae5861627b6cb322adf.jpg
急登の腰上ラッセルは死にそうですが、下山は雲の上を歩いてるようにフワフワ夢のように気持ちイイです。
フローティングテイルは膝上程度の深雪では効果がありそうですが、腰上の急登深雪では邪魔になり(足が上がらなくなり)そうですが・・・・・・
というか、そもそもスノーシューで腰上ラッセルなんかするのは非常識なもんなのでしょうか?
(雪山にはほとんど ドシロート ですので)
是非、上越の深雪でも試してみてください。
lizhijpさんは、地の利もあって、ヤマレコ内では屈指の深雪体験を重ねてますね。
実際のところ関東の人気の山々では、雪が降っても以前のトレースが消失しないことがしばしばだし、先行者がいたりする。だから、サイズに関係なくすいすい行けて、スノーシューの的確なサイズ問題が焦点になるケースはあまりなかったりしますね。
毎日のように降雪がある上越とか新潟県では、積雪量や雪質など状況に応じて、どういう機能が必要かが、検証にさらされるのだと思います。
> フローティングテイルは膝上程度の深雪では効果がありそうですが、腰上の急登深雪では邪魔になり(足が上がらなくなり)そうですが・・・・・・
日白山で2mは優に超す斜度20度前後のラッセルのときは、山スキーと同じでスノーシューも持ちあげるのではなく、前に押しだす感じで、使っていました。深雪はやわらかいので。押しだしながら雪を動かしながら、負荷が減るのを感じて、スノーシューのトップを雪の上に出す。
ところが、前の私のスノーシューでは、肝心の軸足側がエッジングできず、左右方向に斜めに傾いて、押しだす足を出す軸足が定まらないのです。
そこがアッセントではどう違いが出るか、が検証したい点です。
>そもそもスノーシューで腰上ラッセルなんかするのは非常識なもんなのでしょうか?
向いているのは、細身ながら底面積が大きくて、浮力を受けやすく、かつエッジを利かせてシールとともに軸足がしっかり定まる山スキーです。
北海道では、下降で転倒すると体がすべて埋まって消えてしまうような、サラサラ深雪の斜面でも、膝前後まで没する程度で登高ができました。
また膝上までくる斜面でも、軸足が決まりました。
スノーシューでも、ドカ雪など状況によっては深雪をすすむ場合に遭遇するでしょう。そのときに、どれぐらい踏破性があるのか? 性能はどうか?
雪質や季節によっても差があると思います。
自分で把握しながら、的確に使用して行くのが必要と思っています。
lizhijpさんの体験記と検討はこれからも楽しみに読ませてもらいます。
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