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ルートID: r291 中級 2泊3日 白馬・鹿島槍・五竜 「特集!夏に歩きたいおすすめルート・後立山編」

【特集!夏に歩きたいおすすめルート・後立山編】白馬三山縦走と鑓温泉
はくばだけ(しろうまだけ) / しゃくしだけ / はくばやりがたけ

濃い緑山行に最も適した時期 薄い緑山行に適した時期
1月
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11月
12月
国内屈指の規模で高山植物が咲き乱れる白馬岳。
白馬大雪渓をたどり後立山の稜線散歩から秘湯「鑓温泉」へと変化に富んだルートです。1泊で済ませる方が多いですが、できれば2泊すると充実した山歩きを楽しむことができます。
※2018年08月07日更新
ルート長18.6km
登り標高差1692m
下り標高差1692m
行程概要: 猿倉荘(1250m) → 白馬尻荘 → 白馬尻小屋(1560m) → 岩室跡(2280m) → 避難小屋 → 白馬山荘(2832m) → 白馬岳(2932.24m) → 白馬山荘(2832m) → 丸山(2768m) → 杓子岳(2812m) → 鑓ヶ岳(2903m) → 鑓温泉分岐(2748m) → 大出原 → 白馬鑓温泉小屋(2100m) → 鑓沢 → 崩沢 → 落石沢 → 杓子沢 → サンジロ → 小日向のコル(1824m) → 中山沢(1600m) → 水芭蕉平 → 猿倉荘(1250m)

【後立山北部・雨飾山】白馬三山縦走と鑓温泉の詳細解説

\ おすすめポイント /
  • 国内でも有数のお花畑には固有種や希少種が多い
  • 鑓温泉での宿泊と入浴
  • 日本百名山
モデルプラン
1日目
歩行時間:6時間30
猿倉山荘〜白馬尻〜白馬大雪渓〜小雪渓〜お花畑〜村営頂上山荘〜白馬山荘
2日目
歩行時間:5時間30
白馬山荘〜白馬岳往復〜杓子岳〜杓子沢のコル〜白馬鑓ケ岳〜大出原〜鑓温泉小屋
3日目
歩行時間:4時間
鑓温泉小屋〜杓子沢出合〜サンジロ〜小日向のコル〜猿倉
山と高原地図 《ヤマプラ》
http://yamare.co/XAeFTX
コース概要 県道の終点となる猿倉山荘前から登山を開始する。
ブナ林の登山道をわずかに登ると林道に出る。長走沢を渡って林道の終点から20分ほど進むと白馬尻小屋に到着する。
ここからは樹林帯を登り、白馬大雪渓の取付きへと至る。
軽アイゼンを装着して登るが、早朝は凍っていることがあるのでスリップには注意が必要だ。
雪渓を登り切り、急な尾根道をたどると葱平に到着する。
更に小雪渓を横切り、お花畑から長く急な登りを終えると後立山連峰の主稜線へたどり着く。
ここから白馬山荘へはわずかな距離だ。
翌日は穏やかな稜線をたどり白馬三山を縦走する。
白馬山荘から白馬岳・杓子岳・白馬鑓ヶ岳と縦走するが、時間的に余裕があるので写真などを撮りながらのんびりと歩きたい。
鑓温泉の分岐から大出原を通り、滑りやすい鎖場が続く岩場を下れば鑓温泉小屋に到着する。
最終日は猿倉へと下るが、鑓温泉〜小日向コル間の道は荒れており迷いやすい箇所がある。小屋で情報を確認してから下ることをおすすめする。
計画書提出先 長野県警察本部地域部山岳安全対策課または大町警察署地域課
※長野県警のホームページより電子申請可
※猿倉山荘に登山計画書提出ポストあり
宿泊 白馬山荘 / 0261-72-2002
鑓温泉小屋 / 0261-72-2002
https://www.hakuba-sanso.co.jp/
※繁忙期はどの小屋も混み合う。
※同一経営なので白馬山荘連絡所に予約を入れれば鑓温泉の予約も同時に可能。
交通 JR大糸線白馬駅より松本電鉄バス(猿倉行き:1,000円)にて猿倉バス停へ。
駐車場 登山口に駐車場あり。
※猿倉の駐車場が満車の場合は八方第5駐車場に停めてバスで猿倉へ向かうことになる。
アドバイス 逆コースは大雪渓が下りとなり危険(大雪渓の下りは推奨されていない)。
初日は体力的にも厳しく大雪渓は落石による事故が多発しているので注意が必要だ。
雪渓の真ん中や斜面の変わり目で休憩をしないこと。また休憩中は常に上方へ目を向けて注意を怠らないことが必要。
大雪渓の登行には軽アイゼンを持参のこと。
お花畑〜村営頂上山荘間は一部不均等な階段で登り辛い。
鑓温泉上部の鎖場は滑落死亡事故の多い所なので足元には十分注意すること。
鑓温泉〜小日向のコル間の道は年によって変動する。また、残雪が多いと道迷いが発生しやすいので注意しよう。
サンジロ〜小日向のコル間は熊の目撃情報が多いところなので要注意。
サブコース 1泊でも可能。2日目の行程が非常に長いので日数に余裕があれば2泊行程をお薦めする。
エスケープルート 悪天候の場合は栂池へ下ることになる。
入浴 《おびなたの湯》
猿倉から白馬へ戻る途中にある天然温泉の露天風呂。
http://hakuba-happo-onsen.jp/obinatanoyu/
おすすめ周辺情報 《アンクルスティーブンス》
メキシコ&アメリカ南部料理のお店。どれもボリューム満点で美味しい。
http://www.unclestevenshakuba.com/
《Sounds Like Cafe》
異国情緒満点のカフェ。ボリューム満点の本格的なハンバーガーはもちろんだがパンケーキなどのスイーツも絶品。
http://www.sounds-like-cafe.com/
《インディーモモ》
インド料理が楽しめる。おすすめはカレーとタンドリーチキン。
http://www.hakuba-joho.net/hindi/info.htm
《グリンデル》
白馬ではよく知られた食堂。自家製ベーコンの定食はリーズナブルでおすすめ。
https://goo.gl/maps/mrD3G1xUggB2
《林檎舎》
胡桃汁でいただく蕎麦が美味しい。
http://sobakoboringoya.com/
1
【1日目】
猿倉荘から登山を開始する。
夏山シーズンには登山相談所が開設され北アルプス北部地区遭難対策協議会の隊員が詰めている。
登山届を提出するときに情報を聞いてみるのもよい。
2
山荘の左手から道標に従って登山道に入る。
ブナの林が気持ちいいところだ。
3
わずかに登ると林道に出る。
正面に小蓮華岳を望みながら緩やかに登っていく。
4
長走沢は左手の木橋を渡る。すれ違いには注意したい。
5
猿倉から40分ほどで御殿場と呼ばれる林道の終点に到着する。
ここから本格的な登山道となる。
6
ほどなく追上沢を渡る。
悪天候時には増水することがあり重篤な事故も発生しているので注意したい。
7
何度か沢を渡って直線的な登りに掛かると正面に大雪渓が見えてくる。
8
猿倉から1時間強で白馬尻小屋に到着する。
雪崩による破損を避けるため積雪期前に取り壊されて春に再度立てられる珍しい山小屋だ。
9
小屋より樹林帯の登りを終えると大雪渓入口だ。
ここでアイゼンを装着する。
その年の気候により大雪渓の取付き地点は大きく異なるので注意すること。
10
大雪渓は落石の巣だ。
見通しの悪いところや雪渓の中心部で休まないように注意しよう。
また休憩中は上部に背を向けないこと。
常に落石を意識して注意を怠らないように気を配ろう。
11
上部へ行くに従い急な登りとなる。
正面には杓子岳の天狗岩稜が鋭くそびえる。
12
大雪渓を終えると葱平への小尾根に取り付く。
高山植物の保護のためアイゼンはここで外すこと。
13
葱平へは厳しい急登が続く。
一部足場の悪い箇所もあるので焦らずゆっくり登ろう。
14
葱平までは白馬岳の固有種が多く自生している。
シロウマアサツキ
(白馬浅葱)
白馬岳の固有種で葱平の名称由来になった花。
15
シロウマタンポポ
(白馬蒲公英)
16
シロウマアカバナ
(白馬赤花)
17
シロウマリンドウ
(白馬竜胆)
余り見掛けることのない珍しい花だ。
18
葱平へと登り詰めると小雪渓の入口となる。
足場はあるが急な斜面のトラバースとなるのでアイゼンを装着したいところだ。
19
小雪渓を渡りわずかに登ると避難小屋を通過する。
雪渓から吹き降ろす風が涼しく休憩に最適なところだ。
20
避難小屋からお花畑までは緩い登りが続く。
21
クロユリ
(黒百合)
葱平〜お花畑周辺に多い。
22
ミヤマハンショウヅル
(深山半鐘蔓)
自生数は少なく稀にしか見られない。
23
ミヤマアケボノソウ
(深山曙草)
目立たないが意外と多く咲いている。
24
お花畑を過ぎると稜線まで長く厳しい登りとなる。
25
部分的に枕木で作られた階段を登るが歩幅が合わないと辛い登りとなる。
26
枕木の階段を登りきると間もなく村営の白馬岳頂上宿舎が見えてくる。
27
村営白馬岳頂上宿舎を通過する。
白馬山荘が混雑している時はこちらに泊まってもよい。
食事はバイキング形式で美味しいと評判だ。
28
頂上宿舎の脇から後立山の主稜線上に出ると巨大な白馬山荘が見えてくる。
29
本日の宿泊先となる白馬山荘に到着。
第1と第2の新館に分かれておりそれぞれ長野県と富山県に建っている。
30
夕食はスカイプラザで食べるとよい。
気持ちの良い開放的な空間で食事の品数も多く美味しい。
料金もそう大きくは変わらない。
31
【2日目】
白馬山荘から白馬岳を往復する。
白馬山荘から山頂まではわずか10分ほどの距離だ。
32
白馬山荘から緩やかに登れば白馬岳山頂に到着する。
33
山頂には新田次郎の著作となる強力伝で知られる山頂同定標が鎮座する。
これ(190kg)は人力で運び上げられたものだ。
34
天気に恵まれれば北アルプスの槍・穂高連峰から富士山・白山・南アルプスなどを一望できる。
35
山頂を往復したら本日の目的地となる鑓温泉へ向かおう。
36
主稜線は細かなアップダウンが続く道だ。
正面には白馬鑓ヶ岳が大きな山容を見せている。
37
稜線上にはウルップソウ(得撫草)が多く咲く。
特に村営宿舎脇から丸山付近には大きな群落が点在している。
38
タカネヤハズハハコ
(高嶺矢筈母子)
39
丸山から緩く下った鞍部が杓子岳山頂への分岐となる。
水平にトラバースする巻道とザレの急斜面を登り山頂へ至る道が分れる。
40
杓子岳山頂に到着。
分岐からは15分ほどだがきついガレの急斜面を登る。
41
山頂からは登りと同じくガレた急斜面を下っていく。
下りきったところが杓子沢のコルだ。
42
コルからは白馬鑓ヶ岳への登りとなる。
正面に見えるのは偽ピークで山頂はさらに奥となる。
43
白馬鑓ヶ岳山頂に到着。
麓から見ると尖峰の様だが実際には丸みを帯びた女性的な雰囲気を持つ山だ。
44
山頂からは鑓温泉分岐まで大きく下る。
ここはザレた急な下りなので転倒に注意しよう。
45
白馬鑓ヶ岳から下りきった小鞍部が鑓温泉への分岐だ。
ここで主稜線から外れて大出原へと下る。
46
分岐からはザレた急な下りが続く。
転倒やスリップには十分注意したい。
47
この周辺にはコマクサ(駒草)の群落が点在する。
48
稜線から大きく下れば大出原を通過する。
ここは残雪は遅くまで残るので高山植物が遅くまで咲き乱れる。
49
チングルマ
(稚児車)
大出原を代表する高山植物。
50
大出原から樹林帯に入ると鎖場が続く。
このルートの核心部となる岩場は蛇紋岩のため滑りやすく死亡事故が多発している要注意箇所だ。
51
鎖場は3箇所に分かれる。
特に中間部は沢水が流れていて非常に滑りやすい。
52
岩場を下りきると温泉沢沿いの道となり鑓温泉小屋が見えてくる。
この周辺も滑落事故の多いところなので小屋を到着するまで気を抜かないよう注意が必要だ。
53
白馬鑓温泉小屋に到着。
白馬山荘から約5時間半の行程だ。
54
鑓温泉小屋の露天風呂は時間で男女別に分けられているが基本的には混浴だ。
女性は水着可。
55
【3日目】
戸隠連峰の高妻山付近から昇る日の出を見ながらの朝風呂も一興。
56
猿倉へ下山を開始する。
鑓温泉〜小日向のコル間は非常に迷い易いので小屋で情報を聞いてから下り始めたい。
特に残雪期は要注意だ。
57
落石沢を通過する。
この周辺は崩落が多く年ごとに道が付け替えられる。
58
続いて杓子沢を通過する。
仮橋が架けられているが増水時は通過困難な場合もある。
このルートは天候により状況が大きく左右されるので注意のこと。
59
杓子沢を渡り大岩を回り込むと細かいアップダウンが連続する道になる。
60
オオイタドリが密生する平地がサンジロ(三白平)だ。
この辺りは熊の目撃情報が多いところなので熊避けなどの対策が必要だ。
61
サンジロから杓子尾根の麓をトラバース気味に登ると小日向コルに到着する。
周辺は湿地帯となっており水芭蕉が群生している。
62
小日向コルからつづら折れで下ると中山沢接近点だ。
獣道と山菜取りのための道が交錯しており道迷いには注意したい。
63
長く変化のない単調な道をひたすら下る。
64
ブナ林に入ると道は急な下りに転じる。
ここまでくれば鑓温泉登山口はもうすぐだ。
65
鑓温泉登山口に到着。
あとは林道を下り猿倉まで10分ほどの距離だ。
66
【入浴】
「おびなたの湯」は猿倉から白馬へ戻る途中にある天然温泉の露天風呂だ。
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【おすすめ周辺情報】
「アンクルスティーブンス」はメキシコ&アメリカ南部料理のお店。どれもボリューム満点で美味しい。
夜は国内でも有数の品揃えとなるテキーラを楽しむことができる。
68
【おすすめ周辺情報】
「Sounds Like Cafe」は異国情緒満点のカフェ。
ボリューム満点の本格的なハンバーガーはもちろんだがパンケーキなどのスイーツも絶品だ。
69
【おすすめ周辺情報】
インド料理が楽しめる「インディーモモ」のおすすめはカレーとタンドリーチキン。
70
【おすすめ周辺情報】
「グリンデル」は白馬ではよく知られた食堂だ。
自家製ベーコンの定食はリーズナブルでおすすめ。
71
【おすすめ周辺情報】
「林檎舎」は胡桃汁でいただく蕎麦が美味しい。
白馬は蕎麦処が多く駅近くの「手打ちそば双葉」や「いっぷく」などがおすすめだ。
※上記の情報は記事更新日(2018年08月07日)時点の情報です。最新の情報については、出発前に現地の各関係機関にお問い合わせいただく事をおすすめします。

※本記事内にて各山域に生息する動植物の紹介を行う場合がありますが、自然保護区域への立ち入りや希少生物の採取・捕獲・譲渡・販売等は、法令により禁じられています。多くの方が自然を楽しみながら登山ができるよう、動植物の保護にもご協力ください。
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