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天狗岳(てんぐだけ) / 西天狗岳

最終更新:yamaya

通年賑わう北八ヶ岳の最高峰


天狗岳は八ヶ岳連峰のほぼ中央に位置する双耳峰です。2つのピークは「西天狗岳」「東天狗岳」と呼ばれ、対照的な特徴を呈します。西天狗岳は丸みを帯びたピークで、ハイマツが茂り「青天狗」と称されます。

"東天狗岳:天狗の鼻"
"東天狗岳:天狗の鼻"

一方で東天狗岳は、岩がむき出した山肌で「赤天狗」に例えられます。東天狗岳にある「天狗の鼻」は天狗の鼻のように飛び出た岩です。この岩が立つ岩塔が天狗の横顔を彷彿とさせることから、山名が付いたと考えられています。
八ヶ岳は南北に大きく分けられ、天狗岳は北八ヶ岳の一座に数えられます。西天狗岳は北八ヶ岳最高峰で、標高2646mです。
レベルや好みに応じて多彩なルート選びが可能で、また本格的な雪山登山の入門の山として人気を得ています。

八ヶ岳の二面性を眺める好適地

"東天狗岳山頂"
"東天狗岳山頂"

東天狗岳の山頂は、ごつごつとした岩場です。八ヶ岳縦走路の要衝でもあり、たくさんの登山者が行き来します。片や西天狗岳は、なだらかな山頂部で落ち着いた雰囲気です。

"東天狗岳より:硫黄岳の爆裂火口と南八ヶ岳を望む"
"東天狗岳より:硫黄岳の爆裂火口と南八ヶ岳を望む"

どちらの峰も展望は良く、北八ヶ岳・南八ヶ岳それぞれの特性がよく分かる絶好の地です。以北に延びる山々は、針葉樹の原生林に覆われており、所々で縞模様に立ち枯れが発生する「縞枯れ現象」が見られます。翻って望む南八ヶ岳は、岩が多く鋭い山並みで、間近には硫黄岳の爆裂火口を望みます。
遠くは北アルプス、南アルプス、谷川連峰などが確認できます。

日帰り可能な周回コース

"モデルコース"
"モデルコース"

5時間24分/8.1km
唐沢鉱泉(81分)→唐沢鉱泉分岐(49分)→黒百合ヒュッテ(5分)→中山峠(59分)→東天狗岳(19分)→西天狗岳(44分)→第一展望台(67分)→唐沢鉱泉

"樹林帯"
"樹林帯"

唐沢鉱泉を起点にすれば、比較的短い時間で登頂することができます。(登山口:唐沢鉱泉
スタートからしばらくは樹林帯です。シラビソの原生林と苔が広がる森で、北八ヶ岳特有の幻想的な雰囲気を味わうことができます。

"黒百合平"
"黒百合平"

黒百合平には黒百合ヒュッテが建ちます。
黒百合ヒュッテから天狗岳を向いた斜面には「天狗の奥庭」いう窪地があります。大きな溶岩が敷かれており、かつての火山活動を伺わせます。小さな池がいくつかあり、摺鉢池(すりばちいけ)は天狗岳を見渡す好スポットです。

"東天狗岳へ向かう尾根"
"東天狗岳へ向かう尾根"

中山峠を越えると、徐々に木々は低くなり森林限界を越えます。東側が切れ落ちた尾根道で、高度感があります。

"東天狗岳から西天狗岳へ延びる稜線"
"東天狗岳から西天狗岳へ延びる稜線"

岩場の登りに変わり、天狗の鼻を過ぎれば間もなく東天狗岳です。
西天狗岳へは稜線歩きを楽しみます。帰りは西尾根を辿り、唐沢鉱泉へ下ります。

お目当てにしたい山小屋がたくさん

"黒百合ヒュッテ:ビーフシチュー"
"黒百合ヒュッテ:ビーフシチュー"

天狗岳が属する北八ヶ岳は、山小屋が数多く、喫茶メニューが充実していることも特徴です。
黒百合ヒュッテはテント場を備え、天狗岳登山の拠点としてよく利用されています。手作りのこけももカップケーキやおはぎ、ビーフシチューが名物です。

"高見石小屋:揚げパン"
"高見石小屋:揚げパン"

高見石小屋は、山では珍しい揚げパンをいただくことができます。注文を受けてから揚げるこだわりっぷりで、味はきな粉の他にココア、抹茶、チーズ、黒ごまがあります。

"しらびそ小屋:厚切りトースト"
"しらびそ小屋:厚切りトースト"

しらびそ小屋は朝食の厚切りトーストが評判で、小屋オリジナルのカップで飲むコーヒーも格別です。小屋の外には餌場があります。ニホンリスが頻繁に集まっており、そのかわいい姿は登山者を癒します。

登山後の湯あみも魅力

"本沢温泉:野天風呂"
"本沢温泉:野天風呂"

登山口と山域には温泉が点在しています。渋の湯唐沢鉱泉夏沢鉱泉本沢温泉稲子湯があり、これらへの宿泊や立ち寄り湯を加えたプランもお勧めです。
本沢温泉には日本最高所の野天風呂があり、標高は2150mです。硫黄岳の爆裂火口を望みながら入浴ができます。
夏沢鉱泉は温泉に加え、イベント企画が豊富な点も魅力です。登山教室やスノーシュートレッキングツアーなどを開催しており、積雪期の送迎ではキャタピラを装着した雪上車に乗ることができます。

"唐沢鉱泉:源泉"
"唐沢鉱泉:源泉"

唐沢鉱泉は武田信玄の隠し湯とも言われています。近くに湧く源泉は、苔と湯の花を纏い神秘的な美しさです。

本格的な雪山入門の山

"積雪期"
"積雪期"

天狗岳は冬季の登山も盛んで、アイゼンとピッケルを使用する雪山登山の入門の地としてよく選ばれています。
雪山登山初心者がメンバーに含まれる場合、黒百合ヒュッテを拠点として、中山峠から往復する行程が一般的です。
中山峠より上は、樹林帯を抜けるためしばしば強風が吹きつけます。アイゼンとピッケルをしっかりと効かせて慎重に登ります。
よりレベルの高い山行として、南八ヶ岳より硫黄岳や根石岳を経て至ることもできます。ただし、風衝地が長く続くため、十分な経験と技術が求められます。
登山口 唐沢鉱泉
渋の湯
桜平
本沢入口
ゲート前登山口(本沢温泉入口)
稲子湯旅館
ミドリ池入口
基本情報
標高 2646.04m
場所 北緯36度01分09秒, 東経138度21分19秒
カシミール3D
・二等三角点名は、東岳(ひがしだけ)
・山頂に、行者石仏が祀られている。
山頂
展望ポイント

山の解説 - [出典:Wikipedia]

天狗岳(てんぐだけ)は、長野県茅野市にある八ヶ岳連峰の山である。
八ヶ岳連峰は夏沢峠を境に南側を南八ヶ岳(狭義の八ヶ岳)、北側を北八ヶ岳と呼ぶが、天狗岳はこの北八ヶ岳の最高峰である。山頂部は300mほどの間隔を置いて東西に分かれ、西天狗岳と東天狗岳と称する。東天狗岳の標高は2,640mで、西天狗岳の標高は2,645.8mで2つのピークが存在し東天狗岳の山頂を八ヶ岳の主縦走路が通っている。
北八ヶ岳はなだらかな山容と深い針葉樹林、点在する湖などに特徴があるが、天狗岳はその中にあって唯一、南八ヶ岳に近い険しい山容をしている。日本二百名山のひとつ。

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