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浅間山(あさまやま) / 釜山

最終更新:ハル

上信国境に美しく立つ三重式成層火山

"浅間山"
"浅間山"

浅間山は長野県と群馬県の境にそびえる火山です。日本百名山および、花の百名山に選ばれる名峰ですが、活発に火山活動をしています。気象庁により噴火警戒レベルが設定されており、火口から500m以内はレベルに依らず立ち入りが禁止されています。
浅間山なる山名は、複数の山の総称です。最高地点は標高2568mの釜山(かまやま)ですが、火口に近いため踏み入ることはできません。

"前掛山山頂手前:避難豪"
"前掛山山頂手前:避難豪"

登ることができる最も高い山は、標高2524mの前掛山です。ただし、噴火警戒レべルが上がると入山が規制されます。
登山を計画する際は最新の情報と、山域内の避難豪(シェルター)の位置を確認しておく必要があります。また予兆のない噴火等に備え、前掛山付近やJバンドなどの岩場はヘルメットの着用が推奨されています。

三重式成層火山の代表格

"前掛山より第一外輪山を望む"
"前掛山より第一外輪山を望む"

浅間山は、同じ箇所から噴火を重ねる成層火山です。加えて、小浅間山石尊山などの側火山も有しています。溶岩や火山礫などの火山噴出物を積み重ねた山体は、長く裾野を伸ばした円錐形をしています。
陥没した火口のふちには外輪山が連なります。火口の内側に新たに火山ができることで、外輪山は二重、三重と構成されますが、浅間山は三重です。外輪山は外より第一外輪山、第二外輪山、内輪山(中央火口丘)と呼ばれています。

"牙山"
"牙山"

第一外輪山は剣ヶ峰牙山(ぎっぱやま)黒斑山(くろふやま)蛇骨岳仙人岳鋸岳などで形成されています。
前掛山は第二外輪山に属し、最高所の釜山は内輪山です。

著名な「天明大噴火」

"鬼押出し園"
"鬼押出し園"

歴史に残る最も古い噴火は685年で、日本書紀に記載されています。
その後も爆発を繰り返していますが、特に1783年(天明3年)の「天明大噴火」は大規模であったと知られています。おびただしい数の家屋が流出し、千人以上が犠牲となりました。この時、関東地方は広く降灰に見舞われ、江戸の町でも障子戸が揺れたと伝わります。
北麓に流れ出た溶岩は、巨礫が広がる景勝地を生み出しました。「鬼押出し」と呼ばれており、鬼が暴れて岩を押し出したかのような迫力が由来です。

"鎌原観音堂"
"鎌原観音堂"

鬼押し出しが展望できる鬼押し出し園があるのは、群馬県嬬恋村の鎌原地区です。
ここは村全体が土石に埋もれたため「東洋のポンペイ」と語られています。唯一残ったのは「鎌原観音堂」で、ここへ避難した人のみが助かったそうです。

ぜひ見たい・冬限定の"ガトーショコラ"

"トーミの頭(第一外輪山)より冠雪した前掛山を望む"
"トーミの頭(第一外輪山)より冠雪した前掛山を望む"

浅間山の魅力のひとつは、火山によるダイナミックな山岳風景です。
山頂部は草木がなく荒涼としており、火山であることをまざまざと見せつけています。
黒っぽい山肌は、冬に白い雪をまとうとお菓子のガトーショコラに例えられることがあります。

人々が畏敬の念を抱く山

"浅間神社"
"浅間神社"

浅間山は古来信仰の対象とされており、かつては修験者が多く入峰していたようです。
長野県軽井沢町にある浅間神社(あさまじんじゃ)は、浅間山を遥拝する里宮です。明治時代には、浅間山が鎮静することを願い明治天皇の勅祭が行われたそうです。

日本の高峰を見晴らす絶景

"前掛山山頂"
"前掛山山頂"

前掛山の山頂周辺は、遮る物が無く抜群の眺望を誇ります。

"前掛山山頂付近より八ヶ岳を望む"
"前掛山山頂付近より八ヶ岳を望む"

四阿山や志賀高原の山、草津白根山をはじめとする群馬の峰々がよく見えます。
また、北アルプスや八ヶ岳、富士山など国内の高い山をいくつも眺め渡す贅沢さです。

花も愛でられる山

"湯ノ平分岐付近:マルバダケブキの花畑"
"湯ノ平分岐付近:マルバダケブキの花畑"

浅間山の麓は、深い森が広がります。

"アサマフウロ"
"アサマフウロ"

花の百名山にふさわしく、様々な高山植物を楽しむことができます。アサマフウロは、浅間山にちなんで命名された希少種です。

"賽の河原分岐付近:矮性したカラマツ林を歩く登山者"
"賽の河原分岐付近:矮性したカラマツ林を歩く登山者"

標高を上げるにつれ、木々の背丈は低くなり、黒々とした荒原へと移ろいます。この植生の変化が観察できるところも、浅間山登山の魅力です。

第一外輪山から目指す(黒斑コース)

"草すべりのつづら折れ"
"草すべりのつづら折れ"

前掛山へ向かう登山口は、主に2つです。
どちらも長野県にあり、ひとつは車坂峠です。
車坂山を過ぎ、第一外輪山のふちから急傾斜の「草すべり」を下ります。そこから火口の中を歩き、第二外輪山へと登り返します。

"黒斑山山頂"
"黒斑山山頂"

やや行程は長くなりますが、第一外輪山の黒斑山蛇骨岳仙人岳鋸岳を巡って前掛山を目指すプランも人気です。

天狗温泉から目指す(火山館コース)

"天狗温泉"
"天狗温泉"

もうひとつの登山口は天狗温泉浅間山荘です。(浅間山荘登山口
天狗温泉の湯は赤褐色で、その昔、天狗が入浴したためこの色になったとの伝説が残ります。

"道端に積み上げられた薪"
"道端に積み上げられた薪"

道中は3つの鳥居をくぐります。
二の鳥居を過ぎると、道の脇にたくさんの薪が積み上げられています。この先の火山館内でくべられるもので、登山者は任意で運び上げに協力します。

"火山館"
"火山館"

火山館は、避難豪を兼ねた学習施設です。近くには3箇所目の鳥居が建ち、浅間神社が鎮座しています。

浅間山(前掛山)の難易度(信州 山のグレーディング)

92. 前掛山(浅間登山口) 難易度B ★★☆☆☆(2)
93. 前掛山(車坂峠) 難易度B ★★☆☆☆(2)
登山口 浅間山荘登山口
車坂峠
基本情報
標高 2568m
場所 北緯36度24分23秒, 東経138度31分22秒
カシミール3D
釜山は山頂火口東側にある浅間山の最高点。
火山活動のため立入禁止となっている。

■小諸市 浅間山登山のご案内(噴火警戒レベル等の情報あり)
https://www.city.komoro.lg.jp/official/kanko_sangyo/kanko/kankoannai_spot/4653.html

■火山防災情報
・気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/306.html
・軽井沢町 https://www.town.karuizawa.lg.jp/www/genre/1000100000062/index.html
・御代田町 https://www.town.miyota.nagano.jp/category/matinobousai/2307.html
・嬬恋村 https://www.vill.tsumagoi.gunma.jp/www/contents/1000000000057/index.html
山頂

山の解説 - [出典:Wikipedia]

浅間山(あさまやま)は、長野県北佐久郡軽井沢町及び御代田町と群馬県吾妻郡嬬恋村との境にある安山岩質の標高2,568メートルの成層火山。山体は円錐形でカルデラも形成されており、活発な活火山として知られる。
数十万年前から周辺では火山活動が活発であり、浅間山は烏帽子岳などの3つの火山体とあわせて、浅間連峰もしくは浅間烏帽子火山群と総称される。これまでに噴火と山体崩壊を繰り返し、現在の姿となった。大規模な山体崩壊と崩壊土砂が流出した痕跡は、遠く離れた群馬県前橋市の台地上などに厚い堆積物として残っている。現在噴火活動をしているのは、前掛火山である。山頂火口からは噴煙が上がり、その周りには複合のカルデラがあり、内側の外輪山の西側に前掛山がある。北側のカルデラは山頂部から「鬼押出岩」へと流れ出た溶岩流により崩壊している。外側の外輪山には、黒斑山、牙山、剣ヶ峰などがある。気象庁は「100年活動度または1万年活動度が特に高い活火山」として、ランクAの活火山に指定している。
1949年(昭和24年)9月7日に山域は、上信越高原国立公園に指定された。2007年、日本の地質百選に選定された。日本百名山及び花の百名山に選定されている。

付近の山

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