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更新日:2013年12月27日 訪問者数:6992
雪山登山 技術・知識
温暖な 四国の山でも 雪崩の遭難事故は発生しています
2006年1月26日徳島新聞温暖な 四国の山でも雪崩の遭難事故は発生しています。
shumiyama
2005年12月27日 徳島新聞
剣山(1955)山頂にあった剣山測候所は すでに廃止されましたが、貴重な公式 有人観測記録が公開されています。

剣山山頂(1955)測候所 1970-1990年の公式 降雪記録 (寒候年) を見ると 降雪の深さ 合計で 212〜802 cm と 雪崩があって当然の降雪量です。
http://shumiyama.blogspot.jp/2012/03/1955.html

http://shumiyama.com/nadare/2004/07/1955-1.html
温暖な 四国の山でも 雪崩の遭難事故は発生しています。
『ドキュメント 雪崩遭難』
阿部幹雄著 山と溪谷社 2003年2月
■『ドキュメント 雪崩遭難』阿部幹雄著 山と溪谷社 2003年2月

この本の中で 四国の山での 雪崩 遭難事例として2例とりあげています。

1997年2月11日 笹ヶ峰 1名死亡
2001年2月14日 石鎚山 2名救出

http://shumiyama.com/nadare/2012/03/19972111860.html

http://shumiyama.com/nadare/2012/03/2001214.html


■上記のほか 以下のとおり 四国内での雪崩事故例が あります。
『決定版 雪崩学』北海道雪崩事故防止研究会編 山と溪谷社 2002年 。

1943年3月29日 石鎚山 初芽成谷 上部 おたけ沢 1人死亡
1968年2月23日 石鎚山 初芽成谷 − 雪瀑間 4人死亡
1963年1月14日 高知県 天狗原 高原スキー場 5人救出
1965年3月16日 剣山山系一の森 測候所の方が 雪崩で遭難 1人死亡

http://shumiyama.com/nadare/2012/03/post-158.html
■三嶺(1893) 冬の名頃コース 特に ご注意。
2006年1月26日 徳島新聞
冬期 剣山(1955)の山域で とくに気になるのは 三嶺(1893) 冬の名頃コース。

三嶺 徳島県 東祖谷 側からの 登山ルート
として名頃からのコースは夏はポピュラーな一般コースですが

多雪の冬は
樹林限界を越えたところで

 雪の不安定なときは 危険な箇所がでてきて
 適確な雪質判断と 慎重な行動が要求される厳しいコースとなります。

ここは かねてから 積雪期には 雪崩のリスクありと 指摘されています。

http://shumiyama.com/nadare/2013/12/1893-1.html



三嶺(1893)南面、雪崩リスクの高い斜面
http://shumiyama.com/nadare/2011/12/1893.html

http://shumiyama.com/mt/shumiyama_web/2011/02/1893-1.html

http://shumiyama.web.fc2.com/kiroku-huyu/2006nadare.html

2013年12月21日の菅生道 下山中に  二組の 登ってくる宿泊パーティーとすれ違ったが

名頃ルートの冬期の危険性が認識されてきて
いやしの温泉郷からのルートが見直されてきているのではないでしょうか。


http://blog.goo.ne.jp/shumiyama/e/33e1a4a1811279589e4370e560b7f2dc
名頃ルート 気になること


三嶺南面


例年 雪崩痕が 多々みうけられ 雪崩リスクの高い斜面。
天狗峠 南面
平成17年2月13日 天狗峠南面
積雪状況など見て慎重に判断が必要で、場合によっては 引き返す判断も
2011年12月17日 三嶺南面
まだ初冬期で 特に問題はなかったが

雪が多くなって 不安定な状態の時は?
■2011年12月17日はまだ初冬期で とくに問題はなかったが、雪が多くなる積雪時期には 名頃から 夏道コースでは この斜面の通過が ポイント。

積雪状況など見て慎重に判断が必要で、場合によっては 引き返す判断も。
http://shumiyama.com/mt/shumiyama_web/2011/12/1893-4.html

http://shumiyama.com/mt/shumiyama_web/2011/12/231217-1893-1815.html

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■2008年3月8日 三嶺山頂
「三嶺山頂は風弱く、快晴。長居をしていると、突然、山頂南面で雪が崩れた。スローモーションのようだったが、雪崩中にはカメラのシャッターは間に合わず、直後の写真がとれただけだった。」

http://shumiyama.com/mt/shumiyama_web/2008/03/1757-1812-1815-1893-1.html


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■登る 登らないは その時の雪質 積雪の状況の「適確な判断」次第です。

以下 どちらのパーティーも 状況に応じて 適確な判断を下されています。
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■2012年1月7日 実力パーティーでさえも かなり苦労しています。
http://pinnacle-mountain.jp/hp/report/2012/20120106-miune.pdf


この日の いやしの温泉からのコースについては
http://shumiyama.com/mt/shumiyama_web/2012/01/2417-1893-1815-1812.html
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■2011年2月20日 雪質を 適確に判断し 撤退したパーティー
http://ohara98jp.exblog.jp/14950102/


前日の三嶺のようす
http://shumiyama.com/mt/shumiyama_web/2011/02/232191757-1812-1815-1893.html


翌週2月26日 お亀岩避難小屋をみるとビックリ 小屋が雪崩で押し潰れそうになっていた
http://shumiyama.com/mt/shumiyama_web/2011/02/23226.html
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■2013-2014年はヒョットして大雪の冬になるかも。

もし 名頃ルートを選択するのなら くれぐれも ご注意!
平成23年2月26日撮影 お亀岩避難小屋 雪崩 - YouTube
平成23年2月26日撮影 お亀岩避難小屋 雪崩 (C)2011趣深山 http://blog.goo.ne.jp/shumiyama/e/140207afdd66fc07b61912d5cd39b808
みんなが行けば怖くない式で、天気はいいしあいつらも行っている
岳人 2008年4月号 『備忘録』柳澤昭夫氏

「雪崩もそう。カナダの基準などがどんどんもちこまれてきて、雪崩は科学的に解明されたという錯覚が生まれつつある。でもおれはそんなことちっとも思っていないし、わからないことがたくさんある。(槍平の雪崩もそうですよね。)


でるかもしれないという予想は成り立つかもしれないけど、このいま雪崩はでないという確証は絶対に手に入らない。


きょうあたりは大丈夫だろうというのは甘い推測にすぎなくて、甘いか辛いかはいつも結果論。雪崩に遭へばバカもんといわれ、遭わなければたいしたものんだといわれるだけの話。結局は推測の域を出ない。


みんなが行けば怖くない式で、天気はいいしあいつらも行っている、軟弱と見られるのはシャクおれらも行こうよという連中がある一方、いやみんなは行動しているけどおれたちは何がなんでも今日は動かないという信念があるかどうかの違いに過ぎない。」


柳澤昭夫 氏
『岳人 2008年4月号 備忘録』
http://blog.goo.ne.jp/shumiyama/e/eb85ebd3d846c54ecdfa544e191444cf
20回に一回というリスク
「つまり、雪崩地形に行っても何も起こらない。もう一度行っても何も起こらない。さらにくり返し行っても、まだ何も起こらない。そう、味をしめるのだ!

だが そこには決定的な事実がある。積雪は95%の確率で安定しているのだ。

つまり 、雪崩についてまったく無知でも、20回に19回は何も起こらない。

これは かなりの勝算だろう。だが 逆を言えば、20回に1回は、とてつもない恐怖、打撲、ケガ、あるいは死を味わうことになる。」


『雪崩リスクマネジメント』Bruce Tremper著 日本雪崩ネットワーク訳
2004年12月1日 初版 株式会社山と溪谷社
痛い目にあっています 「良い判断は経験から、経験は悪い判断から得られる」
2011年3月26日 矢筈山(1848)
手持ちの「運」を19回使い果たし これが20回目だったのだろう。
■2011年3月26日 落合峠(1520)から 矢筈山(1848)への途中

http://shumiyama.com/nadare/2012/02/post-156.html

季節はもう 3月下旬。 例年の この時期にくらべ この年は雪が多く残っていたのに、雪も締まっているからと、迂闊にも判断。

夏道の トラバースコースをとってしまった。

積雪期は いつも意識して尾根通りのコースをとっているのだが 3月下旬という 先入観が判断の根底にあった。

途中 雪面から 例年より すこし 季節が違うなと暗示的な 違和感を感じとってはいたが もう少しで 鞍部へ という気持ちのほうが 先に立って 前へ前へ 進んでしまった。

そのとき 一歩 踏み出すと共に 突然 大きな雪面全体が 一気に 亀の子状に破れて 動きだし 雪面が滑りだした。

やばい!

はじめ 畳四帖半くらいが 瞬時に 10m四方 20m四方と どんどん広がって 瞬く間に さらに 大きく どんどん 亀の子のキレツが 広い雪面いっぱいに ひろがって動いていく。

一瞬 スローモーションのような 割れと 雪面の動きに 体勢は崩れながらも 必死に 端部に逃げようとするが、 はやい雪面の流れのなかでは どうしようもない。

 なんとか 主流の流れに だけは まき込まれないようと 立て直し 必死に逃げようとする。

このあいだ 時間としては ほんの数秒だったろうが ずいぶん長く感じた。

止まってくれ。

さいわい 端部の ほうだったので 流された距離も少なくてすみ 埋没せず 怪我もなく ことなきをえて 雪崩は 止まった。

 雪崩の主流の中に まき込まれたら さらに はるか下まで流されてしまうところだった。 

助かった。

本当に危ない。

すぐに引き返し 矢筈山 第二峰経由に切り替えて 矢筈本峰へ向かった。
『雪崩リスクマネジメント』Bruce Tremper著 日本雪崩ネットワーク訳
"僕は16歳の時、ほとんど何も考えずに、高い雪庇から飛び下りたり、険しいクーロワールに飛び込んだりした。

今は、ロープを装着せずには、雪庇の先端に近づくことさえあり得ない。

年齢と責任が増し、僕は注意深くなったが、それはバリー・ルバルトナーの言葉を借りれば「良い判断は経験から、経験は悪い判断から得られる」からである。"

『雪崩リスクマネジメント』Bruce Tremper著 日本雪崩ネットワーク訳
 山と溪谷社 2004年12月1日
「習慣がいつも問題だ。」Bruce Tremper
「習慣がいつも問題だ。アンカレッジ(アラスカ州)の近くにある、この明白なアバランチ・パスにおいて、なぜ皆がこの斜面の一番急な斜面をいつも横断するのか? 僕はそこに夏道が存在することに気がつくまで、その行為が理解できなかった。」

(Chugach Range,Alaska)(C)Bruce Tremper
『雪崩リスクマネジメント』Bruce Tremper著 日本雪崩ネットワーク訳
 山と溪谷社 2004年12月1日
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