IZTA4000(2016): 5時間41分のトレイルラン
- GPS
- 05:41
- 距離
- 25.1km
- 登り
- 2,010m
- 下り
- 1,961m
天候 | 晴れのち曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
コースタイム:5時間41分 コースは標高2,700mの州立公園(Dos Aguas)をスタート地点とし、Chalchoapan(標高4,650m)をピストンします。総距離25km。途中、通過点の情報は以下となります。前夜の雨が気になりましたが雨はふもとだけだったようでコース上には積雪箇所はありませんでした。ちなみにITZA4000のIZTAとは山名(Iztaccihuatl)からきており、Itzaccihuatl自体は5,230mあります(メキシコ国内では第3、北米で見た場合第8位の高峰です)。 余談まで、IZTA4000のトップは3時間ちょっとでゴールまで戻ってくるというので驚きです。 <コース情報> 2km地点:Don Lencho/Fin del tubo 標高3,060m 5km地点:Nexcoalanco 標高3,450m 6.6km地点:Trancas 標高3,470m 10km地点:Láminas 標高4,100m 12.5km地点:Chalchoapan 標高4,650m(折り返しポイント) 参加費:400ペソ(3,000円弱) 出走時刻:午前9時(実際は予定より15以上遅れてスタート) 大会HP: http://soloparasalvajes.com/index.php/calendario/22-uzta-4000 高度障害について: 私は今のところ高所では頭がボーっとして動きが遅くなる程度ですが、人によっては手がしびれたりするようです。大会前夜はほとんど眠れませんでしたが、ひどい高度障害もなくレースを終える事ができました。僅かな手応えですが、高所は何度も通えば体が慣れる様な気がします。言い換えれば、この大会では4,000mより上部でいかに高度順応できるかがタイムを大幅に上げる秘訣かと思います。 |
写真
感想
本日はIZTA4000に参加。この大会はメキシコでも珍しい高度を追及した山岳レースで毎年11月から12月にかけてTriple Coronaと呼ばれる3大会の第一弾です。スタート地点は2,700mで最高点の4,650mをピストンしてくる大会です。時期的には、メキシコは乾季に突入する為、気温こそ若干下がりますが降雪等の心配も少ないためこの時期に開催されるようです。
前日の11/3(土)午後に自宅出発。自宅から5時間車を飛ばしてふもとの町に宿で前泊。ホテル到着の30分程前から大雨に見舞われます。翌日のコース状況等が非常に心配になります。
翌11/4(日)朝も小雨が降ってましたが、天気はよくなったようです。しかし、メキシコで3,000m以上の高度を経験したことが無いため、コース状況が心配であるには変りません。ホテルをチェック会うとし30分程車を走らせて大会会場の集落のSan Rafaelに到着。当初、スタート地点がどこか分かりませんでしたが、地元の警察に聞いたところ、更に集落を上がっていくとDos Aguasというアウトドア公園があるのでそこに向かうようにとの事でした。
出走40分前に会場に到着し受付けを済ませます。出走直前に大会側からコースの案内と今回参加する過去の優勝者の説明を受けます。メキシコらしく定刻を15分以上過ぎスタート!参加者250人が一斉に狭い林道からスタート。
最初から細い登山道で渋滞です。どうも、昨夜の雨で登山道も相当ぬかるんでます。登山道の渋滞を20-30分程ガマンし抜け切ると、やがて走りやすいトレイルが始まります。走り始めて1時間少々したところでエイドステーションです。ここは喉も渇いておらず空腹感も無かったためスルーします。
最初のエイドから暫くは気持ち良いシングルトラックです。水分を多く含んだ森林のトレイルに心が癒されます。それが2,3km続いた後、乾燥した背の低いススキの様な登山道に変わり、ここから斜面を上り始めます。この斜面は最初はそうでもありませんでしたが、上部に行くにつれてどんどん傾斜がキツくなります。腕時計の高度を見ると既に富士山山頂より高い、しかし、まだこの時点では呼吸もいつも通りで元気に進んでいきます。
やがて、潅木の登山道を抜け展望の良いゴツゴツした登山道に入ります。この辺りから少しずつお腹がすき始めます。どうやら他の参加者によるとエイドはこの先ナシとの事です。失敗です。ロードのハーフマラソン程度の準備で水も350ml、ブドウ糖だけしか準備してきませんでした。途中でランナーに少し食べ物を分けてもらったりしながら先を急ぎます(感謝x2)。
4,000m以降でしょうか、この辺りから目に見えて歩幅が小さくなります。高度の影響で自分の勢いを自制しようとしているのか、急登による影響なのか分かりませんが、だいぶペースが落ちます。見ると周りの選手もペースが落ちてあえぎながら進んでいくのが目に取れます。急登は岩稜地帯に始まり、最後は富士山の須走りの様に一歩上がるごとに半歩後退するな感じで足を持っていかれます。下り降りるランナーからの情報であと少しという状況は理解できていたので、根気を入れて一気に上がります。すると目の前がパーっと開けました。
折り返し地点は開けたお鉢状の平地の真ん中にポツンとそびえる小山の上にあります。見ると大会運営委員が待機し、ランナーに折り返しの腕輪を引き渡してます。それにしても素晴しい景色です。これまで全くなかった雪が山頂を覆ってます。規模にすると富士山の宝永河口を少し小さくしたくらいでした。
折り返し地点では案の定水も食料もありませんでしたが、近くの女性ランナーが「食べ物がほしかったらどうぞっ」という事で分けてくれました。ここで少し元気が出て、後半の下りに臨みます ⇒ここまでスタートから4時間弱経過。
後半は最初は勾配と高度の関係からかスピードが出ませんでしたが、4,000mを下回り始めると嘘の様に元気が出てきます。暫くゆったりペースで走っているといつものペースを思い出しリズムに乗ってきました。長い長い笹のトレイルを慎重に抜けていきます。多くのランナーは体力を使いきったようで歩き始めているのが目に付きます。「後半は完全に下りだけなんだから」と自分に言い聞かせ、重力に従うままに走り抜けます。そんなこんなで最初のエイドまで何とか走りきって到着しました。
エイドからゴールはそれ程の距離はありませんでしたが、水分をたっぷり補給しクラッカーとイチゴジャムのおやつをいただきます。どうしてか分かりませんが、これが滅茶苦茶うまかったぁ~!
そこからは針葉樹林の林道をひたすら下り、最後は登山道を抜けます。終盤、雨がパラつきましたが、上部の気温に比べれば寒さもなく、シャワーを浴びているようで気持ちが良かったです。最後は先を行くランナーと一緒にペースを上げてゴール!ゴールでは、ずっと待っていてくれた家族が待っていてくれました。初めての4,000m超えの体験に感謝、無理して連れてきた家族に感謝!
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よく見ると2回ほどainuが映ってます。
コメント
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ainuさん、お疲れ様でした。
ご家族も応援に駆けつけてくれるとはありがたいですね。
富士山よりも高い場所ですね〜〜〜
これぞ海外レースですねえ。
日本にいたら富士山より上はあり得ないですから。。。
参加賞のTシャツ、カッコいいです
日本人は誰ももっていないのでは??
yamayoさん、こんばんは。
今回は日本人は全くいませんでした。メキシコでは富士登山競争の様な登りだけの大会は珍しいので良い経験になりました。メキシコでもこの手の激しいレースにハマっているランナーがも結構いるみたいです。やはりトップは同じコースで練習を重ねているのか早いです、高度慣れも相当なものですね。
日本人は概してトレイルランというとアメリカや欧州に目を向けがちですが、メキシコも地理/地形には恵まれているので、そういったエリアにも目を向けるのも一案ですね。10月にNHKで放送されたパタゴニアのレース(鏑木さんが参加)なんかは良い例ですね。ただ、こういうレースに参加するには一般的な日本人にとってはアクセスが悪かったり、言葉の問題もあるので大変ではありますけど(笑)。
⇒ ただ、メキシコは治安の問題もあるので、場合によっては会場までの移動も命がけです。
メキシコには別に有名なレース「カバーヨ・ブランコ」なんかがあって、これはララムリ族と一緒に走るレースです。ここからは飛行機で移動して参加することになります。Born-to-Runの世界です。
ainu
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