Great Walk : Tongariro Northern Circuit / New Zealand(トンガリロ・ノーザン・サーキット)
- GPS
- 27:16
- 距離
- 65.2km
- 登り
- 2,789m
- 下り
- 2,807m
コースタイム
- 山行
- 7:59
- 休憩
- 2:04
- 合計
- 10:03
- 山行
- 5:08
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:08
- 山行
- 3:05
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:05
天候 | 1日目:晴れ 2日目:曇り時々晴れ 3日目:曇り、雨、吹雪、雨 4日目:小雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
登山口のファカパパビレッジでは、ビジターセンター向かいの無料駐車場を利用。 ・トイレ有り ・ビジターセンター(DOC)で荷物を預けることも可能($3) |
コース状況/ 危険箇所等 |
最新情報はビジターセンター(DOC)で確認。 ※Tongariro Northern Circuitではテント泊をする場合、小屋利用時のようにDOCでのチケットの事前入手は必要なし(Web予約時に表示さえる画面を印刷して持参すれば良い)。 また、テント泊でも小屋のコンロ、水場、トイレ等は自由に利用できます。各小屋に常駐しているレンジャーさんに最新状況の確認したり、お世話になりました。 サンドフライ。 南島のグレートウォークでは苦しめられたサンドフライだけど、ほとんどいなかった。これは助かった。 |
その他周辺情報 | DOC公式 http://www.doc.govt.nz/parks-and-recreation/places-to-go/central-north-island/places/tongariro-national-park/things-to-do/tracks/tongariro-northern-circuit/ 拠点としたYHA NationalParkは、YHAとしては珍しくWifiが有料。近隣(?)のYHA Taupoは宿泊費自体も安いしWifiも無料。タウポには安いスーパもあるので、こちらをベースにするのも全然アリだったかもしれない。 ※下記のヤマノートも参考になるかと思います。 ニュージーランドの宿泊施設について(街中・グレートウォークの場合) http://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=1852 ニュージーランドでの携帯電話の利用について http://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=1856 |
装備
個人装備 |
バックパック
スリーピングバック
アルミシート
レインウェア
ダウンジャケット
着替え
グローブ
サンダル
クッカー・コッヘル・カトラリー
ウォーターフィルタ
ウォーターキャリア
緊急セット
携帯電話&携帯用品
サングラス
傘
食料
燃料
その他消耗品
ストック
シェルター
|
---|---|
備考 | ・浄水器。 各小屋では天水や沢水が提供されているため濾過器があると便利。 ・NZで調達したメリノのシャツは臭わない。長期山行では非常に有り難い。 ・90Lビニールバック。飛行機の預け入れ時には、ザックが傷付くのを防止するためパッキングに使う。雨天時にはインナーバックとしても使った。 ・地図アプリ(MapToaster) 事前にデータをダウンロードしておけば、ニュージーランドのウォーキングトラックが記載されている地図がオフラインでも使える地図アプリ。OpenCycleMapよりも、等高線がわかりやすいので位置関係を把握するのに使いました。 ・カーナビ。 今回の車移動では携帯電話アプリのGoogleMapsのカーナビ機能を利用。ニュージーランドの場合は、事前ダウンロードでオフラインでも利用可能。郊外では携帯電話は圏外となることも多いので事前にダウンロードしておく方が良いと思う。 |
感想
トンガリロノーザンサーキットは、ニュージランド北島にあるトンガリロ山周辺の火山帯を歩くグレートウォーク。登山口・下山口が同じ3泊4日の1周43kmの周回コース。小屋のほかテント場も利用可能だが夏季は予約が必要。今回はテント泊で予約した。
アルペン的なルートでテント泊。となれば天候は非常に重要。現地には山行開始の2日前から滞在し予備日も入れて日程調整をできるように計画していた。実際のところ直前の天気予報は、メインとなるピークハントの3日目が雨予報。森林限界を超えた先で悪天候は惜しいし、リスクも大きい。
3日目以外の天候は比較的良い予報だったので、現地到着後ビジターセンターで日程移動ができないか相談する(可能なら返金なしのキャンセルのうえ再予約)。しかし人気のルート。職員用の空き状況が確認できる山小屋・キャンプサイト予約画面を見せてもらいながら、3日目にピークハント避ける日付変更、逆回りルート、別登山口での短期縦走などいろいろ代替案を考えるが、どのルートが予約が取れない。諦め計画通り突っ込む決意をすると。
「こういうのはどう?予約は変えない。2日目の行程が3時間だから、2日目に荷物をデポして3日目のメインルートまで歩いてきて、悪天候の3日目は戻ってくる案。3日目も予定通り歩きたい?当日、歩けるか小屋番に確認してOKなら可能よ。」と言われる。
もう、これしかないという案。これで行こうとお礼を言い、気合を入れ直して当日に臨んだ。
<1日目>
VisterCenterからWaihohonuHutまで14.3km 6時間
快晴。予報ではこの日が一番良い。樹林帯はスタート直後の一部だけ、あとは青空の下を荒涼とした風景をひたすら歩き続ける。Taranaki FallsやTamaLakeといった見所もあるが、これらを過ぎると日帰りハイカーはいなくなり人に会わなくなる。莫迦にいい青空。呆れるくらいの原野。360度人影はなく、彷徨っているような不思議な感覚になる。
人間が入植する以前(800年前)のニュージーランドは、島の8割以上を森に覆われた大地だったらしいけど、人間によって切り出されしまい、今の森林面積は3割ほどに激減したらしい(多くは牧草地になってしまった)。でも、ここは人間がこの島に到達する、ずっと前から同じような風景だったのかな。などと意味の無いことを考えながら歩いていた(笑)
15時に初日の幕営地となるWaihohonuHutに到着。Campsiteは沢沿いの樹林帯の中にあり快適な適地。このまま昼寝を決め込んでも構わないのだけど、貴重な晴れ日。幕営後は小屋から片道20分のところにある湧水OhinepangoSpringsまで散歩をして過ごした。
<2日目>
WaihohonuCampsiteからOturereHutまで7.5km 3時間
(+幕営後、Mt.Tongariro まで8km 6時間)
次の幕営地までは3時間の行程だけど、今日は天候悪化が予想される明日(3日目)のルートも先行して歩くため日の出前の朝5時30分に行動を開始する。樹林帯は、すぐに荒野となり展望は広がるが、大量の雲が湧き出しており日の出は望めない時間が長く続いた。似たような風景が続くなか朝8時に次の幕営地OturereHutに到着する。この時間の到着にOturereHutのレンジャーさんには驚かれるが、事情を話すと納得。幕営し小休憩をとって9時過ぎに再出発する。
ここまでは原野と言っても多少の草が茂っていたが、OturereHutから先は奇怪な溶岩石が目立つ岩石砂漠となる。高低差は小さく、前方にはトンガリロ山頂から伸びる稜線が絶壁のように周囲を囲んでいる。不思議な景色だ。1時間ほど歩くと稜線に近づくと稜線からの支尾根が伸びており、ここを伝って一気に200mほど上がる。
稜線上は日帰り縦走ルートのTongariro Alpine Crossing のルートと合流。エメラルドグリーンの湖側を横切り、地面からは水蒸気を吹き出す中を歩き、大きく陥没した噴火口のレッド・クレータを眺める。見所が多くTongariro Northern Circuitでのハイライトとも言える場所。明日の天候が望めない中、曇りがちとはいえ快適な天候での登山となった。さらにトンガリロ山頂までのサイドウォーク(Mt Tongariro Summit Route)を歩いた。
この後、幕営地に戻りあとは寝るだけ。。。だったと思ったが、夜からが大変だった。深夜2時過ぎた頃からの風と雨だ。
天気予報では午前3時にレッドクレータ(1780m)で風速75km、雨量16mm、マイナス4度。テント場のあるOturereHutの標高は1360mなので大したことはない。と思っていたのが甘かった。風に煽られてテントは大きくたわみ雨が打ち付けてくる。まるで台風が直撃した様だ。持参した軽量シェルターの耐水効果の限界を完全に超えており、テント内で傘をさしてレインウェアを着込んで、ひたすらに耐えた。幸い、明け方には雨は止んだので数時間の出来事で済んだが、気づいた時には床は、たっぷりと水たまりが出来ていた。。。
<3日目>
OturereCampsiteからMangatepopoHutまで12.8km 5時間
3日目。小屋に常駐するレンジャーに先に進めるか相談するようにとビジターセンターでアドバイスを受けた日となる。
レンジャーはハイカーとは別室で寝泊まりをしており、通常8時30分頃に最新の気象情報を掲示板に書き込みにくるので、8時前に朝食を済ませて小屋前のベンチで待っていた。
ちなみに、今回歩いているTongariro Northern Circuitは、時計回り・反時計回りどちらからでも歩くことは可能。自分は反時計回りに歩いてきたが、DOCで紹介されているルートは時計回りでこれが一般的。ここに泊まっている大半のハイカーも昨日稜線を降りてきていて、今日の悪天候は影響は小さい。
ベンチで待っていると、自分と同様に反時計回りで歩いてきた人に「今日はこれから登るの?(前日更新された今日の予報が掲載されている)掲示板をみた?マイナス7度だって、もう諦めて帰るよ。」なんて言われてしまった。
確かに昨夜の大雨もあり撤退もやむなし。と思うのだけど、朝の時点で昨夜の雨は完全に止んでいる。今回の最高地点レッドクレータは厚い雲が掛かっているが、他所には青空も見え始めていた。後は稜線の状況をどう判断するかなのだろう。8時過ぎにレンジャーが小屋に来て掲示板を更新する。15時のレッドクレータ(1780m)で風速50kmだが、気温はマイナス4度。好転傾向だ。
レンジャーを捕まえて稜線側に行けるかと相談すると「行けるよ。防寒対策をした上で、泥道になっているので注意が必要。あと、出発は1時間遅らせた方が良い。」とアドバイスがありOKが貰えた。次の小屋に進められてホッとした。
その後、アドバイス通り9時に出発。序盤は問題なく進めたがレッドクレータから徐々に強風となる。向かい風で足場も悪いので、耐風姿勢をとりながらゆっくり進むが、レッドクレータ通過すると、さらに雨が混じり始めサウスクレータに降り始めると、一気に気温が下がりミゾレ・吹雪が叩きつけてくるようになった。
防寒対策はそれなりに準備していたが、目元は覆っておらずミゾレの直撃に苦しめられることになった。しかし、厳しかったのはサウスクレータ(1659m)まで。降りた後は、南からの冷たい風は吹きつけてくるものの吹雪は止んだ。
天候は回復傾向で最後のテント場があるMangatepopoHutに到着する。このまま、天気が回復してくれるのを期待したが、到着後は再び悪化。小雨→大雨をずっと繰り返していた。さらに夜半からは気温が低下。インナー3枚・ダウン・ウィンドジャケット・最後はレインジャケットまで着込む。今回の旅で一番の寒い夜となった。。
<4日目>
MangatepopoHutからVisterCenterまでまで8.5km 3時間
最終日。朝、外に出てみると、昨日登山口を通過したMt.Ngauruhoe が雪化粧をしていた。寒いわけだ。
天気が良ければ、Mt.Ngauruhoeを空身でピストンもアリと考えていたけど諦める。こうなると今日のルートは標高は1200m前後でコースタイムも3時間。寒さの影響は小さい。しかし歩き始めると連日の雨でコース状況は酷い有様だった。本来は木道や砂利なので整備されないといけないような柔らかい地質なのに整備が十分ではなく。道が侵食して削られていて歩きにくい状態。泥との格闘する最終日となった。
結局。グレートウォークでは毎回、天候に苦労してきたけど今回も簡単には済まされない山行となった。火山地帯を歩くTongariro Northern Circuit激しい天候の変化に振り回され、生命感の乏しい風景にも自然の厳しさを感じる場所だった。
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