道迷い遭難…自力下山まで25時間かかった和名倉山
- GPS
- 30:01
- 距離
- 27.8km
- 登り
- 2,041m
- 下り
- 2,043m
コースタイム
- 山行
- 26:11
- 休憩
- 2:22
- 合計
- 28:33
6:27 将監登山道入口
7:06 牛王院下
8:11 牛王院平(牛王院北)
8:18 山ノ神土
9:00 リンノ峰
9:26 西仙波(前仙波)
9:48 東仙波(奥仙波)
10:49 吹上ノ頭
11:17 八百平
11:57 二瀬分岐(二瀬・山頂・仙波方面)
12:26 和名倉山
道間違い
18:57 二瀬分岐(二瀬・山頂・仙波方面)
道迷い
21:10 ビバーク(ツエルト内で食事と少し仮眠)
22:00 ビバーク地点出発
激しい藪漕ぎ、道迷い
3:40 東仙波
道迷い
8:30 東仙波
13:00 民宿みはらし
天候 | 晴れ(本当に助かった) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
牛王院平付近から東仙波 積雪10〜20センチほど。 東仙波からリンノ峰方面 積雪30センチ〜40センチのところ一部あり リンノ峰〜和名倉山 積雪10〜30センチ |
その他周辺情報 | 丹波山村の道の駅の日帰り入浴を利用 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
|
---|
感想
今回は道迷い遭難を起こしてしまい、電子登山届コンパスの下山予定時刻を過ぎても下山届がだせなかったため埼玉県警と山梨県警からヘリが飛び、職場は無断欠勤、職場のみなさんや家族にも大変心配をかけてしまい、深く反省しなければいけません。
こうやって命を捨てずに記録を書いていますが、それは単に天候が良く、怪我や体力の限界を迎えることなく歩け、運が良かっただけです。天候が悪かったら、ツエルトは持っていても食料と体力が持ったかわかりません。
和名倉山頂上からは尾根伝いに歩くこと、とにかく谷に下りないことを意識しながら歩いていたのに4時間かかって着いたのが二瀬分岐だったこと、東仙波に6時間かかってやっと到着し、あとは山ノ神土まで迷うところがないはずなのに激しい藪漕ぎの道にいつのまにか入り込みなかなか進まず、東仙波出発後ピークに着いたと喜んだら東仙波に再び戻ってきたとわかったとき・・・心がすこし折れかけました。
東仙波から西仙波に行く途中西仙波を通過していないのに、激しい藪漕ぎ後尾根に上がり歩くと西仙波についたということはいつの間にかリンノ峰などのピークに直登していたのかな・・・
2度と道迷い遭難を繰り返さないために今回の道迷いの自分なりの原因をあげると・・
1.紙の地図を普段持たず、スマフォの登山地図とロガーに任せっきりで自分の位置を特定するスキルがなかった。
2.スマフォに頼るなら必須の充電バッテリーの予備を複数持っていたのに接続ケーブルを入れ忘れていた。つまり装備の確認不足。
3.コンパスで方向を確認するも、自分が登山時につけたトレースをたどれば下山できると信じ、雪のトレースを追いかけすぎた。しかもそのトレースがどのコース上のトレースなのか?本当に自分がつけたトレースなのか断定できないのに・・・
結局迷った時に付けた足跡を辿り、再び彷徨うことを繰り返したのは遭難原因として大きいと思います。
4.トレースに気が行き過ぎてピンクリボンの確認が疎かになったときにおそらくルートミスを起こした。
5.明らかに時間がかかりすぎているのに冷静さをかけていたのかそのことに気づくのが道標地点に着いたときで遅かった。
地図が見れず現在位置が確認できないのなら闇雲に歩くのではなく、二瀬分岐などの道標はしっかり確認してから進むべきでした。
なんで気づかないの!?なんで藪漕ぎ地帯なかったはずなのに無理に進んだわけ!?そもそもコンパスで方角ちゃんと確認できてたの?など、登山者からすると、そんなんでよく今までたくさんの山に登れたね・・・と呆れてしまう自分の意味不明な行動が嫌になります。
結局、頂上から25時間かかっての自力下山で、下山すると登山口で警察の方がこれから探索に山に入るところで、あたたかいお湯とポカリスエット、おにぎりをくれ、怒るのではなく「ほんと生きて無事に下山できて良かった」と喜んでくれ、もう・・・本当に申し訳ございません!と謝るしかできませんでした。優しい警察の方々に感謝するばかりです。
下山してからみんなのヤマレコの記録を見ながら自分が下山時どこを通ったのか検証しているのですが、はっきりとわかりません。ただ単に「正しい」ルートを行ったり来たりしただけかもしれませんが。
覚えているのは・・・
●バケツがぶら下がっているところを通過したこと(まさか二瀬尾根の水場?)
●東仙波手前に行く途中激しい藪漕ぎの尾根道を上り詰めると草木があまり生えていない夜景のきれいなピークにでたこと
最後に、こんな辛い登山誰も行きたくないところを途中で体力の限界を迎え自分の胸の中で寝てしまったけど嫌な顔せず途中まで頑張ってくれた愛犬コロにもお詫びと感謝をするばかりです。
迷惑をかけたレスキュー・警察の方々、友人、職場の方々、家族のみなさん本当にすみませんでした!!!
-終わり-
pepepeさん、とにかく冬山からの無事生還で何よりです。コロちゃんも。
レコを読んで他人ごとではないな、と強く感じました。
僕もスマホとロガーに頼ってばかりです。
予備電池を持って行って、ケーブルを忘れたこともあります。
やはり、紙の地図とコンパスは必携ですね。
もちろん地図の読み方も習得しなければ。
僕は日帰り登山が中心ですが、念のためヘッデンとツェルトは携行しています。
pepepeさんもしっかり装備していましたが、モノの充実だけではダメで、技術(地図を読む)と精神力(冷静さを保つ)が必要だと痛感しました。
今回のことを敢えて教訓として発信していただいたことを無駄にしないようにしたいと思います。
john_mさんコメントありがとうございますm(__)m
john_mさんのおっしゃる通り装備って充実させても使えないと駄目なんですよね。僕はピッケルや地図なんかは持ってるだけで使いこなせてないですね。
自分は遭難しても冷静さは保ててたと思ってましたが、実際は体は疲れていて判断能力が落ちてトレースを闇雲に追ってばかりだったから4時間で下山できるところ20時間以上かかったんだと思います。
謙虚にならないとですね(^_^;)
はじめまして
無事に下山されて何よりです。
それにしても28時間半もの長時間、行動し続けられたのにはびっくりしました。
もしもこれだけの体力や持久力、そして強靭な精神力がなかったら、座り込んだままで低体温症となり、行動不能となって命を落としていたかも知れません。
過去の長時間の山行体験に依るところが大きいと思います。
関東では、和名倉山や皇海山は入山したきり下山しない、行方不明の遭難事故が他の山より多いようです。
羽根田治さんや野村仁さんが山岳事故防止の啓発書を多く書かれていますので、宜しかったら一読なさってみてください。
和名倉山頂上近辺での遭難事例としては、『山岳遭難の教訓』(羽根田治著)で、”明暗を分けた分岐点” の項目で取り上げられています。
takayama2 さんコメントありがとうございます。
羽根田治さんのドキュメント道迷い遭難でも和名倉山の話があり、だいぶ前に読んでいたのですが、山行時はすっかり忘れていたので読んだことが役立てられませんでした。ただ、迷ったら沢にくだらない、登り返すという知識だけは役立ったと思います。
『山岳遭難の教訓』も先日読みました。まさに自分と同じような体験話で、自分以上に壮絶な話もあり、つくづく運が良かったと思いました。
また、無風で星がきれいな夜だったのも幸運でツエルトを初めて使うことになったのですが、やっぱりツエルトあるとないとじゃ温かさが違うのも実感しました。
今後、年をとっていけば体力も落ちていくので、自分を過信せずに、「怖い」という気持ちも忘れずに無理のない登山をしようと思います。
メッセージありがとうございました(^^)
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