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Yamareco

記録ID: 114661
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ハイキング
日光・那須・筑波

奥鬼怒の山中に双龍を見よ(三沢大滝(仮称))

2011年06月04日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
10:04
距離
14.1km
登り
1,648m
下り
1,628m

コースタイム

06:44林道駐車場所-07:56沢へ下る-08:20最後の堰堤-09:48盆栽岩(1150m付近:南西から南南西へ)-09:58一本目支沢-10:31二本目支沢-11:50三沢大滝(仮称)12:49-13:31二本目支沢-14:03一本目支沢-14:17盆栽岩-15:33最後の堰堤-16:49林道駐車場所
(全行程14.3km/10時間5分)※滝前などでGPSがぶれているため実際にはもっと短い
天候 晴れときどき曇り
過去天気図(気象庁) 2011年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
日光宇都宮道路 今市ICから国道121号で鬼怒川、川治温泉へ。川治温泉手前から県道23号で川俣温泉方面へ向かう。
黒部ダムを越え、開運橋をとおり上栗山集落内の林道を終端まで詰める。駐車は林道突き当たりに2台程度。
コース状況/
危険箇所等
・基本的にバリエーションルートです。全体にがけ崩れや土砂崩れも多く、慎重な行動が必要です。
・三沢左岸のトラバースルートは崩落箇所や小さな沢が多く危険箇所を含みます。
・三沢の水深は浅く、滝も小規模なものがほとんどですがひざ下程度の渡渉が必要となる箇所もあります。
・沢のいたるところに渓流釣りの痕跡があります。お互い配慮が必要と思います。
・今回、利用しませんでしたが『開運の湯』という共同浴場が上栗山の集落にあり、たいへんアットホームな雰囲気で好評のようです。
  上栗山温泉 開運の湯 料金/500円 住所/栃木県日光市上栗山179-31 電話/0288-97-1952 時間/09:00〜17:00 休み/不定休
大谷PAにいたスタミナ健太くん。何気にりっぱなちからこぶ!
2011年06月04日 05:32撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 5:32
大谷PAにいたスタミナ健太くん。何気にりっぱなちからこぶ!
林道をつめると、すでに先客がいらっしゃる模様。
2011年06月04日 06:44撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 6:44
林道をつめると、すでに先客がいらっしゃる模様。
山側のトラバースルートを進んでみます。
2011年06月04日 06:50撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 6:50
山側のトラバースルートを進んでみます。
ザレザレの土砂崩れ跡が。。
2011年06月04日 07:01撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 7:01
ザレザレの土砂崩れ跡が。。
ツツジも咲いてましたが太陽のほうを向いているのでこちらからは裏側だけ。
2011年06月04日 07:17撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 7:17
ツツジも咲いてましたが太陽のほうを向いているのでこちらからは裏側だけ。
結局、沢に下りることに。
2011年06月04日 07:56撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 7:56
結局、沢に下りることに。
ミニ白糸の滝。
2011年06月05日 15:17撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:17
ミニ白糸の滝。
堰堤が出てきました。右岸側に石が積まれていて簡単に登れます。
2011年06月05日 15:24撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:24
堰堤が出てきました。右岸側に石が積まれていて簡単に登れます。
上はボコボコ、下はガレガレ。
2011年06月05日 15:27撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:27
上はボコボコ、下はガレガレ。
爽やかな清流です。
2011年06月04日 08:17撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 8:17
爽やかな清流です。
最後の堰堤。高い右岸端のコンクリのスキマから登ります。
2011年06月04日 08:20撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 8:20
最後の堰堤。高い右岸端のコンクリのスキマから登ります。
暑かったら泳げそうな淵も。
2011年06月05日 15:28撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:28
暑かったら泳げそうな淵も。
自然の作った立派な壁。
2011年06月05日 15:29撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
2
6/5 15:29
自然の作った立派な壁。
がけ崩れが多いのがこの沢の特徴かも知れません。
2011年06月04日 08:40撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 8:40
がけ崩れが多いのがこの沢の特徴かも知れません。
はしご状の岩を登ります。
2011年06月04日 08:51撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 8:51
はしご状の岩を登ります。
まだまだ登りますよ〜。
2011年06月05日 15:31撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:31
まだまだ登りますよ〜。
奥に見えるのは太郎山でしょうか。天気に恵まれてよかったです!
2011年06月05日 15:32撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:32
奥に見えるのは太郎山でしょうか。天気に恵まれてよかったです!
水量はそこそこありますが浅いところが多いのでザブザブいけます。
2011年06月04日 09:03撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 9:03
水量はそこそこありますが浅いところが多いのでザブザブいけます。
でも淵は腰までいきそうです。
2011年06月05日 15:32撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:32
でも淵は腰までいきそうです。
つるつるの岩に足跡。
2011年06月04日 09:06撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 9:06
つるつるの岩に足跡。
大きくえぐれてます。
2011年06月05日 15:36撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:36
大きくえぐれてます。
おおきく崩れてます。
2011年06月05日 15:41撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:41
おおきく崩れてます。
まだまだ登ります。
2011年06月05日 15:41撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:41
まだまだ登ります。
岩の間を抜けます。
2011年06月05日 15:43撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
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岩の間を抜けます。
涼しげなプール。
2011年06月04日 09:39撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 9:39
涼しげなプール。
またがけ崩れ。
2011年06月04日 09:41撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 9:41
またがけ崩れ。
まだまだまだ登ります。
2011年06月05日 15:44撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:44
まだまだまだ登ります。
がけ崩れマニアにはたまらない沢です。
2011年06月04日 09:45撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 9:45
がけ崩れマニアにはたまらない沢です。
ツツジが咲いた巨大な岩。勝手に盆栽岩と命名。
2011年06月05日 15:47撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:47
ツツジが咲いた巨大な岩。勝手に盆栽岩と命名。
方向を変えさらに進みます。
2011年06月05日 15:51撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:51
方向を変えさらに進みます。
カタクリのような紫の小さな花です。
2011年06月04日 10:23撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 10:23
カタクリのような紫の小さな花です。
階段状に流れてきます。
2011年06月04日 10:29撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 10:29
階段状に流れてきます。
登って登って。
2011年06月04日 10:32撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 10:32
登って登って。
まだまだ。
2011年06月04日 10:43撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 10:43
まだまだ。
特徴的な露頭岩。
2011年06月05日 15:51撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:51
特徴的な露頭岩。
はるか上まで続く土砂崩れ。
2011年06月04日 10:57撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 10:57
はるか上まで続く土砂崩れ。
倒木も多くなってきました。
2011年06月04日 11:00撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 11:00
倒木も多くなってきました。
いわ、いわ、いわ。
2011年06月04日 11:04撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 11:04
いわ、いわ、いわ。
四条に分かれた滝。
2011年06月05日 15:52撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
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6/5 15:52
四条に分かれた滝。
CSぽい滝。
2011年06月05日 15:53撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:53
CSぽい滝。
大きな岩を抜けると、、
2011年06月04日 11:25撮影 by  PENTAX Optio W30, PENTAX Corporation
6/4 11:25
大きな岩を抜けると、、
お!
2011年06月05日 15:54撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:54
お!
見えてきました〜。
2011年06月05日 15:56撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:56
見えてきました〜。
雪がわずかに残ってました。
2011年06月05日 15:57撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 15:57
雪がわずかに残ってました。
でかい!袋小路の突き当たりに50m超の滝が2本!
2011年06月05日 16:01撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:01
でかい!袋小路の突き当たりに50m超の滝が2本!
まるで門のような滝つぼへの入り口。
2011年06月05日 16:06撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:06
まるで門のような滝つぼへの入り口。
滝つぼは飛沫でいっぱいです。
2011年06月05日 16:09撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
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6/5 16:09
滝つぼは飛沫でいっぱいです。
滝つぼは浅いですが水量はなかなか。
2011年06月05日 16:12撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:12
滝つぼは浅いですが水量はなかなか。
龍というか巨人のようでもあります。
2011年06月05日 16:14撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:14
龍というか巨人のようでもあります。
滝つぼはものすごく圧迫感があります。
2011年06月05日 16:16撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:16
滝つぼはものすごく圧迫感があります。
圧迫感の正体、右岸のダブルハング。二重の屋根のようです。
2011年06月05日 16:21撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
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6/5 16:21
圧迫感の正体、右岸のダブルハング。二重の屋根のようです。
雨具を着てても寒くて仕方ないので早々に退散します。さらば!
2011年06月05日 16:22撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:22
雨具を着てても寒くて仕方ないので早々に退散します。さらば!
自然の作るタック。
2011年06月05日 16:28撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:28
自然の作るタック。
自然の作るオブジェ。
2011年06月05日 16:29撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:29
自然の作るオブジェ。
わさびもいっぱい生えていました。
2011年06月05日 16:30撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:30
わさびもいっぱい生えていました。
2011年06月05日 16:32撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:32
下ります。。
2011年06月05日 16:33撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:33
下ります。。
大きな岩盤が剥がれ落ちて洞窟になっていました。
2011年06月05日 16:36撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:36
大きな岩盤が剥がれ落ちて洞窟になっていました。
盆栽岩まで戻ってきました。
2011年06月05日 16:37撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:37
盆栽岩まで戻ってきました。
はしごのような木。すこし登ってみたかったのですが、疲れていたのでパス。
2011年06月05日 16:38撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:38
はしごのような木。すこし登ってみたかったのですが、疲れていたのでパス。
鉄分の多そうな赤い岩が多いのですが、支流からの石は真っ白。砂岩のようでした。
2011年06月05日 16:38撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:38
鉄分の多そうな赤い岩が多いのですが、支流からの石は真っ白。砂岩のようでした。
この沢でおそらく一番大きなプール。
2011年06月05日 16:40撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
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6/5 16:40
この沢でおそらく一番大きなプール。
堰堤まで戻ってきました!
2011年06月05日 16:41撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:41
堰堤まで戻ってきました!
へとへとになって帰り着きました。
2011年06月05日 16:43撮影 by  SIGMA DP1S, SIGMA
6/5 16:43
へとへとになって帰り着きました。

感想

鬼怒川の奥、女峰山の北には無名ながら他を圧する二条の滝があり、双龍と呼ぶ人もいるそうです。無名である(公式な記録上に名前が確認できない)ことから沢の名前をとり「三沢大滝(仮称)」と呼ばれる滝、しかしその行程は長く滝を目指すものの気力と体力を奪い去ってゆくとか。果たしてたどり着くことはできるのでしょうか?

仕事が急に増え忙しかったのが、これまた急に解消し「それなら」ということで決行となった今回の山行き。不規則な生活が続いていたので、なるべく睡眠時間を増やしたかったのですが結局眠いまま4時に集合、高速道路を進みます。
普段はほとんど利用しない東北道。時間も早く、地震以降の諸々もあってか車もそれほど多くない様子です。大谷石で有名な大谷PAで休憩し、鬼怒川温泉街を抜け、川俣温泉への細い道を進みます。目標の林道の終端にはすでに車が一台。先客といえば(滝マニアでなければ)釣り客さんでしょう。沢筋を歩くときは少し注意が必要そうです。

今回のルートでは、最初こそ斜面のトラバースルートを歩きますが、後半の半分以上は沢を歩く予定でしたので沢靴にしました。水は行程の長さを考え1.8l。ウェアは着たきりスズメのファイントラック装備です。

薄暗いトラバースルートに入ると、最初こそ明瞭だった踏み跡も所々で途切れ、細かな流れをまたぐ部分では高度感もありなかなかヒヤヒヤします。ザレたルンゼを数回わたり、これまたザレザレの土砂崩れ跡を越えます。各ルンゼや土砂崩れの先のルートも不明瞭で、通りやすい広い斜面でツツジなどを眺めつつ1.5kmほど進んだところで、川の様子が伺える地点に出ました。行く手の斜面はかなり高い位置まで崖になっていて、高さが足りない様子です。
少し悩みましたが、少々回り込めば安全に沢に降りられそうなルートをmiyasan3が発見、沢へ降りることにしました。川原は広く、流れまでの間はガレガレの尖った岩が山積みになっています。ボコボコと立方形に出っ張った崖が20mほど上に見えます。どうやら現在進行形でガレガレを生産中のようなので、急いで下を通り抜けます。

ボコボコの崩壊地を抜けると4番目の堰堤が見えてきました。下水面からの高さは1mほどと低いので、積まれた石組みを使ってらくらくクリアします。沢は広く、周囲の石の大きさは大きめですが、水深が浅いので気持ちのよい沢歩きができます。
堰堤かと思うような4mほどの垂直の滝などを眺め、しばらく行くと今度は10mほどありそうな本物の堰堤が。おそらく最後の堰堤だと思うのですが名称が三の沢第二コンクリート堰堤とかなんとか。うーん第二?
右岸の巻き道も考えましたが、堰堤の左側付け根にトンネル状の縦穴を見つけ、そこをくぐり抜けました。

徐々に小段瀑などが連続で見れるようになってきて、沢の雰囲気がよくなってきたな、と思ったところで行く手の大きな淵に人の影が。おお、釣り客さんです!
無用の接触は回避したいところなので、右岸側の樹林帯の中を大きめに巻くことにします。淵の上にやや回り込んだことを確認したところで目があったので、お互い軽く目礼。
明るく、がけ崩れの多い沢をひたすら歩きます。水深は浅いのでザブザブとはいってもスネまでというところが多いのですが、結構登り調子になりつつあり、思うように進めない部分もでてきました。

堰堤から1時間ほど歩き続け、ようやくチェックポイントと考えていた左岸の大崩壊地が見えてきました。3時間かけて4キロほどを進んできた計算です。巨大な岸壁を眺めつつ進んでいると沢の真ん中にまるで鉢植えのような4〜5mほどの高さの巨岩が転がっています。岩なのですが上面には土が堆積しているらしく、三色のツツジが群れ咲きとても鮮やかです!いい目印なので、勝手に盆栽岩と命名、そろそろ大きく方向が変わるのでコンパスを確認し南南西へとセットしなおします。
沢が曲がるごとに、削られた崖が現れ、登りがドンドンきつくなってきました。川原の岩が大きくなり周囲は1m以上のものがほとんどになってきます。と、釣りゴミ?が非常に多くなってきました。筌とかペットボトル製のモンドリとか四ツ手網の破れたものやらが大量に川原の落ち葉の上に転がったり、樹林帯の岩に挟まったりしています。釣り券では筌や網は使わせてくれないと思うので(参考:http://blog.goo.ne.jp/ojika-kinu/e/ac93cd97955eda7d168f5df3dedadd30)、地元の方が使用されてたものなのでしょうか、、?

岩をヨジヨジ登る様になり始めたところで、左岸に支流が見えてきました。岩に加え倒木も多くなってきます。周りに生えているのはシラカバですが倒木は肌色のダケカンバが多いようです。かなり上流から流されてきたのでしょうか?
左岸に2本目の支流が現れ、堆積した岩と倒木と土砂崩れを越えます。のぼりはますますキツク、岩をヨジヨジゼェゼェ。miyasan3もかなり疲れてきた模様で残りの距離を確認する頻度が高くなってきました。岩を越え水を渡り、としているうちにまたも先に二股が見えてきました。直進気味の左が細く、迷いましたがコンパスと水量から右と判断します。

二股を越え、30分以上登ってきましたが、まだ滝の気配がありません。地図上に見落とした支流がないか不安になってきます。それなりに鋭角に交わるのは右岸の支流だと再確認して進みます。行く手が高く狭まってきましたが岩はますます大きく、倒木、巨岩のオンパレード。ほとんど機械的に岩を乗り越え乗り越えしていくと、目前の2mほどの石積みを乗り越えたmiyasan3が何かいってます。
こちらも岩を登り越すと、100mほど見通せる傾斜のゆるい川原の奥に滝が見えます!しかも、話に聞いていたよりも大きい!70mくらいはありそうです!
幅20mほどの広い川原が漏斗のように急速に狭まった先に二条の流れが見え隠れしています。緩やかな滝前の川原は春の様相で、まだ葉も出掛かりのものが多いようです。わずかながら雪も残っていました。

あっという間に滝前に見えなくなった写真班をゆっくりと追いつつ、パチリパチリと写真を撮ります。漏斗の細くなった部分には小さな滝と淵があり、左岸は丘状になっていますが高低差が大きそうなので、スレートのような薄い岩の転がる右岸側から近づきます。
両岸が急速に狭まっているため、二本の滝の全部がどちらも見える位置はごく限られているようです。滝下の層はどちらも5ブロックくらいからなり、10,7,13,10,10として50くらいでしょうか?もう少し大きい気もするのですが。
右岸から近づくも、のしかかってくるような2重のハングによってものすごい圧迫感があります。右の滝は左よりやや高めのように思えます。下からではよくわかりませんが5m〜10mくらい違うでしょうか?
漏斗の先端に当たる場所では冷え切ったしぶきが充満しており、滝つぼに近寄ろうとしたものの寒さのあまり断念しました。どんどん体が冷えてゆくので、写真班の撮影が終わるのを待って、広い川原部分まで戻り昼食にします。ただのおにぎりですが、うまい!最後の登りなどで気力が減っていた分、心にしみます!

小さな花を咲かせていたワサビや木の根のオブジェを観察し、帰り支度です。
行きに通った川原をひたすら降ります。樹林帯があれば、土がたまって歩きやすいことが多いので、なるべくそういう部分を狙って歩きます。川底も浅いのでなるべく巻かずに川にザブザブ入ってゆきますが、遠い。。おにぎりで補給された気力もザブザブと減ってゆきます。

ようやく、という思いで盆栽岩まで戻ってきました。ほんの2kmを一時間半もかけて歩いてきた計算です。行きも一時間四十分ほどかかっていますが、まだ三分の二ぐらい残っています。日もやや傾きだし、少しいそぎ足になります。さらに一時間以上歩いて堰堤がやっと見えてきました。登りで苦労した縦穴を案外あっさり降り、下流から四番目の堰堤も下り、行きで沢に下りたあたりに差し掛かりました。
ん?miyasan3が崖の方へ、、あらら?来た道で戻るの、、、?
、、、、、、まあいいか。川原にも飽きたことですし。
と思ったのもつかの間。

ぎゃー!

行きには何とか通れた、ルンゼや土砂崩れが怖い!疲れた足がズルズルと滑り、ますます斜面に体が近づき、また滑り、と悪循環におちいってなけなしの気力が奪い取られてゆきます。それでも何とかトラバースルートを進み、肉体的にも精神的にも疲労困憊で林道奥の駐車場所に帰り着きました。

20km以上歩いた角間渓谷からの湯の丸山よりも疲れました。。

・ルートの予習が足りず、もう少し良いルートを検討しておいてもよかったと(今回も)反省しました。
・帰りの沢歩きでは、多めに時間を見積もっていたこともあり行動時間の余裕はあったのですが、体力が足りませんでした。結果的に体力のなさが気力の低下も招いていたように思います。
・体力的に余裕があった行きの段階では、基本的にmiyasan3にルートをまかせきりでしたが、これまでの山行きで選択眼が磨かれていたのか的確なルートどりで安心できました。

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コメント

双龍
初めまして
三沢大滝(仮)は行程が長いけどそれに見合う感動がありますね

私も初めて行った時は沢通しで行きました
今は尾根道からのルートもありますが
(滝仲間の雪田爺さんがよく使っています)
いずれにしても長い行程ですね。。。

今じゃ滝業界(?)じゃメジャーになりましたが
「双龍」の言いだしっぺはたぶん私です
2011/6/14 15:28
名づけ親!
oyakataさん、はじめまして。といってもレコを参考にさせていただいたり、滝業界のソコココでお名前はかねがね伺ってましたcoldsweats01
尾根道もあるんですね!帰ってから何パターンかルートを引きなおしたのですが、ともかく長い行程で。。

でも本当にそれだけの甲斐のある空間でした!lovely

そして双龍の名付け親でらしたとは!表(?)の雲竜瀑との対比や、漂うロマン臭にひきつけられレコタイトルに使ってしまいました。coldsweats01

コメントいただきありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!happy02
2011/6/15 13:32
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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