中アと北アを結ぶ中央分水嶺 将棊頭山〜茶臼山〜大棚入山〜樽ヶ沢山(2171m峰)
- GPS
- 19:39
- 距離
- 30.2km
- 登り
- 2,286m
- 下り
- 2,294m
コースタイム
- 山行
- 5:19
- 休憩
- 3:50
- 合計
- 9:09
- 山行
- 11:21
- 休憩
- 1:38
- 合計
- 12:59
天候 | 22日:晴れのち曇り一時雨.23日:霧のち曇り一時晴れ. |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
白川コースはあまり歩かれていないようだが登山道はしっかりしている.分水嶺に出てから西駒山荘,茶臼山までは明瞭な登山道なので問題なし. 茶臼山からハイマツと岩が混じった歩きにくいやぶに突入する.最初は岩とやぶを避け稜線のすぐ西側を歩いたがすぐに行き詰まり途中で東側に移った.こちらの方が歩きやく部分的に微かな踏み跡もあった.しばらくやぶの中をトラバース気味に苦労しながら下ると次第にやぶの少ない針葉樹の広い稜線になる.ここから2230m鞍部までは歩きやすい場所が多い.鞍部から2260m峰(黒川の頭)付近も歩きやすく部分的に踏み跡あり.2110n鞍部が近付くにつれて笹やぶが目立つようになる.2110m鞍部は西側が崩壊しているので注意して通過する.鞍部から大棚入山までは登りが続くので笹のやぶ漕ぎが辛い.大棚入山から2082m峰までは歩きやすく部分的に明瞭な踏み跡もある.ここから2171m峰までは笹やぶと歩きやすい部分が混在している.踏み跡は西側に多いがけもの道も混在している.樽ヶ沢山(2171m峰)から下った尾根は比較的やぶが薄く踏み跡も所々にあるが,部分的にひどいやぶもあり疲労が蓄積しているのも関与し時間がかかった. |
写真
感想
金曜日に遅い夏休みを1日とり土曜日と合わせ2日間で長野の分水嶺歩きに来た.8月にも計画していたのだが,天気が悪くその時は津軽の分水嶺に行った.津軽半島から中央アルプスまでの中央分水嶺は繋がったので,今回の山行はここから北アルプスまでの分水嶺の起点になる.分水嶺は出来るだけ日帰りで少しずつ歩いているのでここも日帰りを考えたが,結局無理と判断し1泊とした.最初はテント山行も考えたが,やぶ山で重い荷物を担ぐのは嫌なので西駒山荘に泊まった.西駒山荘はとても快適な小屋で金曜日だったこともあり部屋は貸切だった.自炊は1人だったけど文化財の石室でさせてもらい寒いのでストーブもつけてくれた.
奈良井川林道の入口には頑丈なゲートがあり車は入れない.山小屋の主人の話ではこの白川コースは林道が長いので今はほとんど歩かれていないらしい.でも登山道はしっかりしていた.途中,登山道の近くで伐採作業をしていたので木が転がってこないか心配で少し緊張しながら歩いた.分水嶺に出てから西駒山荘までは明瞭な登山道なので問題なし.小屋に着いてから時々小雨が降った.雨の合間に将棊頭山に登ったがこの山は中央分水嶺から外れている.
翌日は朝から霧だったが雨は止んでいた.ネットでみつけた yamaga1banの椛澤さんの茶臼山から大棚入山までの無雪期の記録ではかなり大変だったみたいなので少し緊張しながら茶臼山から登山道のない分水嶺に入った.茶臼山からの下りはハイマツと岩が混じった歩きにくい稜線なので少し進んでから東側をトラバース気味に歩いた方が楽と思う.しばらく苦労しながら下ると次第にやぶの少ない針葉樹の広い稜線になる.2230m鞍部までは歩きやすい場所が多いが広いので迷いやすい.この後は2110m鞍部から大棚入山までの笹のやぶ漕ぎが登りも続くので辛い.その他の稜線は部分的に笹のやぶ漕ぎがあるが,針葉樹林の中に踏み跡も部分的にありひどいやぶで苦労するような場所は少ない.
2171m峰(樽ヶ沢山)から下った尾根は比較的やぶが薄く踏み跡も所々にある.しかしやぶ漕ぎの疲れが溜まってきたこともあり時間がかかった.林道に出た時には薄暗くなり約10分後にヘッドランプをつけた.
このコースのやぶ漕ぎはそれほど太くない胸までの高さの笹が大部分なので,東北や奥利根あたりの身動きできない太い根曲がり竹の密やぶに比較すれば楽に感じる.と言っても大変なことは変わりないので覚悟して入山しないと痛い目にあう.私見だが東日本の中央分水嶺を歩いてみてやぶの酷さは積雪量にある程度比例するような気がする.東北の密やぶだと1日でこんな長いコースは歩けず時速数100mの場合もある.
展望の悪い樹林の中の稜線が続き迷いやすい部分もある.迷うと夕暮れまでに林道まで下れないので地形図は当然だがGPSもあったほうが良いと思う.茶臼山から1日で下山するには長く体力的にもきついコースだが,途中でテントを張る適当な場所はほとんどなく水場もない.もし無雪期にここを歩くならばやぶ漕ぎに適した軽量な装備と緊急時用のツェルトや1泊できる最低限の水と食料も持参した方が良いと思う.
茶臼山から下山するまで誰とも会わなかった.今年の8月から過去の中央分水嶺の記録を北から連続して公開中だが,これは2ヶ月前に歩いた南西端の中央分水嶺として公開.
ここから北東に続く中央分水嶺山行:
中央アルプスの中央分水嶺 宝剣岳〜木曽駒ヶ岳〜将棊頭山〜1928m峰〜権兵衛峠
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1369657.html
ここから北に続く中央分水嶺山行:
中アと北アを結ぶ中央分水嶺 1600m峰〜2171m峰
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1354442.html
コメント
この記録に関連する登山ルート
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伊那市在住の者ですが、付近の中央分水嶺を繋げようと励んでおります。
行程が長くて逃げ道も無いこのコースを長い間躊躇しておりましたが、
先日やっと重い腰を上げ、茶臼〜大棚入を歩いてきました。
yukitsubasa様の本ログも、大変参考になりました。
どうもありがとうございました。
コメントありがとうございます.
私の山行記録はあまりガイド的ではなく感想が多いのですが,
yamaikuzeさんの山行のお役に立てて良かったです.
興味のある方が少ない中央分水嶺を歩かれているとのこと,
分水嶺主体に歩いている私にとっては大変嬉しく思います.
他の分水嶺も歩いていますので参考にしていただければありがたいです.
これからも分水嶺歩きを続けますのでよろしくお願いいたします.
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