燕岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.8km
- 上り
- 1,429m
- 下り
- 1,426m
コースタイム
5:46 中房温泉
6:20 第一ベンチ(6:30出発)
6:56 第二ベンチ
7:30 第三ベンチ(7:38出発)
8:06 富士見ベンチ
8:43 合戦小屋(8:55出発)
10:01 燕山荘(10:10出発)
10:40 燕岳(10:56出発)
11:26 燕山荘(12:16出発)
13:05 合戦小屋(13:16出発)
13:30 富士見ベンチ
13:46 第三ベンチ
14:05 第二ベンチ
14:22 第一ベンチ(14:35出発)
14:57 中房温泉
15:02 安曇野市営第一駐車場
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
燕山荘HP http://www.enzanso.co.jp/ 登山口の駐車場情報 http://www.enzanso.co.jp/sansou/cyuusyazyou.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
1.登山口まで 登山口のある中房温泉までの県道327号線(槍ヶ岳矢村線)は全線舗装された1.5車幅の山岳道路ですが、ヘアピンカーブや離合不能な個所も連続する非常に気疲れする道です。当然街路灯などありませんので、夜間の通行にはご注意ください。なお、この道は冬季は閉鎖されていて、解除されるのは例年4月の下旬(2012年は4/20解除)です。中房温泉までの区間、積雪や凍結個所はありませんでした。 駐車場ですが、中房温泉と有明荘の間に三か所、安曇野市営の無料駐車場があります。(有明荘を過ぎ、中房川にかかる橋をわたってすぐ左手にあるのが第一駐車場、橋の手前右手の枝道の先に第二駐車場があります) 合計120台程度駐車できる広い駐車場ですが、このキャパシティでも繁忙期の週末には一杯になってしまうようです。また、連休の二日目などは前日に山入りした人の車で既に埋まっている可能性もあります。とにかく早めの到着をおすすめします。当日は土曜日のAM2:00の到着で、第一駐車場は7割方埋まっていました。なお、山麓のしゃくなげ荘などには無料の登山者専用駐車場があり、乗合バスも運行されています。 平成24年度 中房温泉行き定期バス運行表 http://www.azumikanko-taxi.co.jp/2011/04/030-01.html 駐車場にはトイレ等ありませんが、中房温泉には施設管理の公衆トイレがあります。また、中房温泉の「日帰り温泉客用」駐車場には飲み物の自動販売機もあります。 2.登山道 駐車場から登山口のある中房温泉まで10分ほどの車道歩き。トイレや売店のある中房温泉の施設の前を通って登山開始です。登りはじめから、いきなりの急登。カラマツ林の急斜面を我慢の登りです。眼下を流れる中房川の轟々と響く沢音が小さくなってくれば第一ベンチも近い。第一ベンチは樹林帯の中の少し開けた空間で、木製の大きなベンチが据えられています。登山口から第一ベンチまでの間にも所々雪が残っていましたが、ここから登山道は完全に雪の下に。当日は、ここでアイゼンを着用する人が多かったように思います。ここから傾斜は多少ましになりますが、樹林の中を同じような登り。燕山荘の荷揚げ用ケーブルの下をくぐったところが第二ベンチ。 ここからは尾根の両側がぐっと狭まり、登山道はヤセ尾根上につけられた緩やかな登りへと変わります。所々樹木が途切れ左手方向には東天井岳方面の山並み。再び傾斜がキツくなり、わずかな登りで第三ベンチへ。第三ベンチはこの時期完全に雪の下。北アルプスの三大急登にも数えられる合戦尾根。第三ベンチから富士見ベンチの少し先までの区間が最もキツイ登り。樹林帯の急斜面を九十九に登るとやがて富士見ベンチ。ここも深い雪の下。富士見ベンチを過ぎると、周囲の樹高も低くなり、空が一気に近くなります。相変わらずの急登ですが、後ろを振り向けば雪を抱いた大天井岳からの稜線が美しい。青空目指して我慢の登りで合戦小屋に到着。 半分雪に埋まった合戦小屋はこの時期不定期営業のようですが、GW期間中は小屋の前の売店で飲み物などを販売しています。小屋の前には休憩が出来るベンチがあり、また、トイレもあります。ここから合戦沢ノ頭まで灌木帯の中を最後の急登。森林限界を越えた合戦沢ノ頭では一気に展望がひらけ、ゆるやかに伸びる尾根の先には小さな燕山荘と目指す燕岳の山頂。左に目を向けると稜線の向こうに槍の穂先も顔を出します。山荘直下など急な登りもありますが、ここまで来たらあと少し。稜線も広く、天候次第だとは思いますが、滑落など特別危険と感じられるような個所はありませんでした。 燕山荘は2012年は4/26オープン。山荘前の広いテラスにはテーブルとベンチが設置されていて、北アルプスの雄大な眺めを楽しみながら、のんびりと過ごすことができます。規模の大きな山小屋だけあって売店のラインナップも豊富。食堂で食事を摂ることも出来ます。 山荘から燕岳までは往復約1時間。砂礫の稜線で、積雪は少な目。山頂直下がやや急ですが、おおむね穏やかな登山道です。山頂からは360°ぐるっと見渡せ、槍ヶ岳や厳しい風貌の北鎌尾根など迫力ある大展望が広がります。屏風のように連なる北アルプス深部の山々の向こうには立山や剣岳、双耳峰の鹿島槍まではっきりと見渡せます。帰りは往路を辿って中房温泉まで。全体的に危険な個所はなかったように思いますが、どちらかというと稜線上などよりも下部のヤセ尾根の降りで転倒したりする方が危険かもしれません。 |
写真
感想
GWが近づくとやはり気になるのが天気予報。3日から6日まで珍しく休みがとれたのですが、どうもGW終盤の天気は良くなさそう……。とりあえず予定の空いた初日の土曜日、どこか日帰りで行ける良い山はないものかと探していて目についたのが燕岳でした。言わずと知れた北アルプス屈指の人気の山ですが、人気と聞くとその混雑ぶりも恐ろしくて、これまでなかなか足が向かなかった山でもあります。もちろん、冬場は限られた人しか入山しないのでしょうが、それはそれで心細く、何より冬季閉鎖されている道路を延々と中房温泉まで歩くのが面倒くさい。GWなら車で中房温泉まで入れるし、山小屋も営業中。雪の残るこの季節なら、多少は混雑も緩和されるだろうと期待して目的地は燕岳に決定となりました。そうなると気になるのが駐車場の状況。登山口には120台ほどが停められる大きな駐車場があるようですが、それでも繁忙期の週末は車で一杯になってしまうこともあるみたいです。とにかく早い時間の到着がカギ。金曜日は終業のチャイムが鳴ると同時に、周囲の冷ややかな視線を受け流してさっさと帰宅。夜の早いうちに自宅を出発して登山口の中房温泉を目指しました。
到着は土曜日の午前2時。第一駐車場は既に半分以上が埋まっていましたが、まだまだ余裕のあるうちに駐車することができました。とりあえずホッと一安心。5時まで仮眠をとり、周囲の様子を見てみると既に日は昇ったあと、この時期はもう日の出の時間も早いですね。ちょっと出遅れた感じがしますが、あわてて準備を整え5時半に駐車場を出発しました。
駐車場から登山口のある中房温泉までは舗装道路を10分ほど。中房温泉の建物の脇から登山開始です。燕山荘までひたすら登りと聞いていましたが、登りはじめからいきなりの急登。今日は長丁場。いきなりバテてしまわないようにゆっくりと進みます。それでも中房温泉の建物があっというまに遥か下に。登山道には雪が残っている個所もありますが、アイゼンをつけるほどではありません。雪解け水を集めて流れる中房川の大きな川音が聞こえなくなってきたところで第一ベンチに到着。このあたりの登山道はすっかり雪の下。まだまだアイゼンなしでも行けそうですが、丁度腰を下ろせるベンチもある。休憩がてらここでアイゼン着用。
さて、北アルプスの三大急登などともいわれる合戦尾根。どれだけキツイのかと心配していたのですが、実際のところ、想像していたほどではなかった気がします。ありがたいのは一定間隔で設置されたベンチ。登り疲れて現在地が気になり始めるタイミングで次のベンチが現れるので、気持ち的にかなり楽になります。しかし、天気がいいのは嬉しいのですが、とにかく暑いのが困りもの。樹林帯で展望もなく、時折冷たい風が吹き抜けるからいいものの、これで無風だったら嫌になりそうです。第三ベンチから富士見ベンチまでの急登はさすがに手こずりましたが、着実に登って登山口から3時間、合戦小屋に到着です。
合戦小屋の前では数人ほどが休憩中。小屋前の売店では飲み物などを販売。今日の暑さで携帯した飲み物の残りが少し気になっていましたが、もし無くなっても下山時にここで補充することができそうです。やっぱり小屋が営業しているというのは安心感が違いますね。ここでストックからピッケルに持ち替え。合戦小屋からは灌木帯の尾根を直登。森林限界を越え合戦沢ノ頭まで登ると、周囲の展望が一気にひらけ、たおやかに伸びる尾根の先には小さな燕山荘と目指す燕岳の頂。左手に目を向けると、大天井岳へと続く稜線の向こうに槍の穂先が顔を覗かせ、後方には大きな有明山と安曇野の町並みを見下ろす開放的な風景が広がります。森林限界を越えて風景が一変する瞬間はいつもドラマチックですね。青空のもと一直線に山頂を目指す白い尾根、本当に気持ちのいい稜線歩きです。多少のアップダウンはありますが、30分強の空中散歩で燕山荘に到着。
山荘前のテラスでは先に到着した登山者が休憩中。とりあえずザックをおろして軽身で山頂を往復です。山荘からはすぐそこの距離に見える燕岳の山頂ですが、歩くと意外と距離があります。風が強いためか地面が見えている個所も多いですが一応アイゼンは着用。到着した山頂からは遮るもののない360°見渡せる大展望。槍ヶ岳や厳しい風貌の北鎌尾根、屏風のように連なる北アルプス深部の山々の向こうには立山や剣岳、双耳峰の鹿島槍まではっきりと見渡せます。今日は遠くの山は霞んでしまっていますが、この景色を目の前にしては些細なこと。
燕山荘に戻ってくると、来たときとは比べものにならないくらいの多くの登山者で賑わっていました。山荘前のベンチで昼食をとりながらのんびり休憩。冬山は寒くて山頂でのんびりとはなかなかいきませんが、またこうしてゆっくり景色を楽しめる季節になったんだなあとしみじみ。テラスの前の天場でテントが組み立てられていく様子を見ていると、下山するのが惜しくなります。下山後に山麓から見上げると、相変わらず雲一つないきれいな青空。山荘で過ごした人はきれいな夕焼けがみれたかな? やっぱり一泊したかったなあと、ちょっと後ろ髪ひかれる燕岳でした。
ホームページ「旅の道標」もよろしくお願いします
http://aralagi.travel-way.net/
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