鹿島槍北股本谷(標高2470m雪崩撤退)
- GPS
- 08:21
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 1,582m
- 下り
- 1,540m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
西俣出合前から残雪あり。 降雪直後は朝早くても雪崩注意、というか入っちゃいかんです(反省)。 |
写真
感想
連休後、晴天の北ア鹿島槍へ。日帰り可能な直登ルート北股本谷の山スキーに挑戦したが、標高2470mで表層雪崩に遭遇し、撤退となった。
前日の予報では立山連峰、後立山連峰で降雪が予想されていたので、表層雪崩の懸念し当初は穴毛谷から笠ヶ岳を考えていたのだが、穴毛谷は雪が少ないとの記録をwebsiteで見つけて、降雪量が少ないので大丈夫だろうとたかをくくって北股本谷にでかけることとした。大谷原に夜間駐車したときには数台先客はあったものの、人の気配はなく前日の入山者のよう。明け方4時薄明かりのなか出発。西俣出合の手前で残雪が出てきてこれ以降ほぼ雪はつながっていた。最初の堰堤でスキーを装着し左からまく。最後の堰堤を右から巻くと、ここからデブリの跡がはじまる。傾斜をますとともに、雪面がまだら模様になり新雪が積もっていることがわかる。途中スキーからアイゼンに履き替えるが2300mあたりから吹き溜まりでは脛ラッセルとなり、積雪の少ない所を選んでのぼってゆく。青空に白い稜線が美しい。
8時55分(GPS記録)、ふと見上げると雪煙が迫ってくると思った瞬間、雪塊の中に飲み込まれ、あっという間にながされてゆく。気がつくと雪崩の上に浮いた状態でだらだらと流されている。何とか沈まないようにもがき、少しずつ右端に寄ってなんとか雪面にウィペットを突き刺し脱出した。GPSではこの間約2分、標高差270m、距離で380mを流されている。初速44km/hとかなりのスピードが記録されているが本当だろうか。この時、時刻はまだ9時で、体もスキーも無事だったので、懲りずに登り返し始めたのだが30分程登ったところで、谷のあちこちでドーンという雪崩の音が聞こえるので登高をあきらめて下山することとした。西端の岩陰でシールをはがしていたら、上から登山者3人が下山してくるのが見えた、すると、第二弾の雪崩が襲ってきた。今度は雪崩の通り道から外れているので大丈夫で、登山者も1人が雪崩のなかの中洲に取り残されていたもののなんとか無事のようだった。
自分の滑降が雪崩を誘発する可能性も考え下山者をはるか下に見送って、滑降開始。これがまたデブリのため急な新雪+モーグル斜面と化しており超難儀。碌な滑りもできぬまま堰堤近くになってようやく、気ままに滑れるようになった。
積雪量が多くなかったため、雪崩の規模が小さく、埋まることはなかった。当たり前の結論になるが、降雪後の沢筋は注意が必要ということだろう。上部へ行けば行くほど傾斜が増し、降雪量も増えるので、新雪が現われた時点で下山すべきだったのだろう。今から思えば、新雪で不安定な北股本谷を稜線から降りてくる人がいたとはある意味驚き。
コメント
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こんにちは、鹿島槍の記録を探っていたらこちらに辿り着きました。東尾根からの下山中にお会いしたと思います(男3人組)。吊尾根付近は雪も比較的安定しており、「まあ行けるかな」などとと考えていたのですが、高度を下げる&気温上昇でどんどん状態が悪くなっていきました。この日の午後に下降した方も雪崩に巻き込まれたようです(ご無事のようです)。今から思えば、多少面倒臭くても赤岩尾根経由で下山したほうが良かったのかなと反省しております…。
山スキーメーリングリストに同日雪崩に巻き込まれた体験がレポートされていますね(メーリングリストに登録しないと読めないかもしれませんが、Youtubeの動画は探せばみられますね)。
立山や白馬の方が降雪は多かったはずなのに、雪崩のレポートが出てこないということは北股本谷は極端に雪崩やすいのでしょうか。
私も降雪が少なかったので助かりましたが、懲りずに登り返すなんて、本当に愚かだったと思います。
これまで本谷を下から登ったレポートも多いようですが、この日以外でも雪崩に遭遇した方もいますので、かなりハイリスクなルートだと実感し、報告しました。
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