瑞牆山(大面岩、末端壁、ボルダー)
- GPS
- 22:11
- 距離
- 7.6km
- 登り
- 970m
- 下り
- 899m
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
一部ムーブ記載あり、気にする方は読み飛ばしてください!
◆9/15
ラッキーさんと瑞牆大面岩のマルチ、フリーウェイ11cへ。全9pのルートで抜け切るなら早起きしたかったところ、夜中の雨を言い訳に二度寝したら7時まで寝てしまう。本気で完登するには気持ちが弱かったかも、反省。
個人的な目的としては高グレード(自分にとっては)のマルチピッチってどんな感じ?というオーバーグレードの体験にあった。そんなルートに連れて行って貰える機会も希少なので、有り難くショートルートより優先しての初日にマルチプラン。
【アプローチ】
みずがき自然公園から少し戻った駐車場に車を停め、瑞牆山の岩峰群に向かって右に進む。入口は芝生の綺麗な道だった。沢まで出たら右手に沢の音を聞きながら詰めて行き、程なく左手奥に大面岩が見えるので、テープと踏み跡を頼りにそれなりの傾斜を登っていく。ボルダーエリアでもあるせいか踏み跡が縦横無尽ではっきりせず、GPS無しで再現して歩くのはかなり難しいと思う。我々も思い切り迷いながら何だかんだ1時間近く余分に掛かって基部に到着。登りだしは10時過ぎていたと思う。
【登攀】
フリーウェイ11c
・1p目10d、自分リード
自分の受け持ちピッチではここが一番の高グレード、プロテクションもリングボルト多目で頼りない。朝から緊張する。出だしがかなり悪く、ポケットだったか粒カチだかで堪えながら片足で乗り込み、立ち上がる箇所が渋かった。ここだけで11aは付けたい気持ちになる。上部ハングまではプアプロテクションを除けばまあまあ。ハング下に入ってからカムを固めてようやく一息。ハング越えは上のボルトにヌンチャクを掛けてから這い出して直上。乗っ越しは勇気が必要だったが、やってみると意外に手が持ちやすかった。上がりきって左上だと思ったが右に伸びるダイクの先にリングボルトが見えるのみで、あれ?右トラバースだっけ??と急に自分の記憶に不安を覚える(冷静に考えるとそっちはイクストラン)。既に大分ランナウトしていて出来れば落ちたくない状況。進退窮まって必死でレスト態勢を作る。確かに左だった気がするんだけどと左のカンテ側に手を伸ばすとガバ発見。体1つ左に出すと左上に終了点が見え、一命を取り留めた。あ、危なかった…仕切り直して、直上し無事オンサイト。追い詰められたけどいい仕事が出来て満足。
・2p目11c、ラッキーさんリード
本ルートの最難ピッチ。序盤から悪いのだが、中盤、後半と毛色を変えながら、どのセクションも簡単には抜けさせてくれない。流石のラッキーさんも落とされていたが、それぞれムーブは起こしながら終了点へ。自分もフォローながら触ってみると、繊細なところもダイナミックなところもあり、自分にとってはオンサイトはとても狙えないが、良課題である事は十分感じられた。いつかもっと強くなって触りに来たい。
・3p目10a 自分リード
ハンドジャムのハング越えから始まるので、抜け口にカムを仕掛けて突っ込む。比較的簡単に抜け出す事が出来た。立ち上がると既にカムが足元だがレイバックで安定しない。1、2手進み、かなりランナウトしてしまっているので、どうしてもそのまま進む気がせず、レイバック態勢のままなんとかカム仕掛けようとする。ジワジワモジモジしながら、疲労していき、一旦態勢を…と口にカムを咥えるが既に余力無い。墜落距離がかなり出る事は承知だが、あ、カム咥えてるから下に声掛けられない。と、落ちる間際に思う。フォール。思った以上の距離落ち、右手がラッキーさんにぶつかった。どうも目に当たったらしく、しばらく登攀中止。やっちまった…。
反省点がたくさんある。
・ハング下のカムについて、スタックを嫌ってヌンチャクで延長したが、抜け口に近ければ無理に延長しなくても良かった。
・フォールの予想地点にもよるが、抜け口後の上部にも一個カムを仕掛けた方が良かった。実際下からなら仕掛ける余裕あった。
・レイバックムーブのリスク判断。立ち込む前にレイバックが長く続くのは目に見えてた。この先プロテクション取れそうか判断し、上がりきる前にクライムダウンも可能だった。
・ギアを口に咥えるのが有効な時もあるが、フォローとの意思疎通が取れなくなるので余裕がない時、落ちて危険のある時は特にNG。
しばらく休んで落ち着いたので継続。大分痛いがとりあえず登るには問題なしとの事。仕切り直して、終了点まで。一度落ちるとビビり出すといういつものやつで核心箇所で+2テン。ムーブ的にはたいした事ないのだが、プロテクションが難しい、グレードじゃないって事をあらためて教えてもらったピッチだった。
・4p目、10a ラッキーさんリード
噂の濡れワイド。この日も濡れ濡れだった。キャメ5番を仕掛けてワイドクラックからのムーブを検討するが、起こせず、リングボルト沿いにエイドで抜ける。合図がありフォローで続くと、確かに、ワイドからは何もさせて貰えそうにない(多分乾いていても無理)。止むを得ずリングボルトを踏みながら抜ける。ここからは楽しそうなチムニーサイズなのだが、いかんせん前も後ろもビチャビチャでやる気が起きない。適当にエイドを交えて抜ける。チムニーを抜けると右に真っ直ぐ伸びるダイクあり、本当はこれなんじゃないかと思ったが、見える範囲の7、8mくらいはボルトも何もない、鬼のトラバース。これを違うと判断しさらに上から回って右上したようだった。行くと確かにリングボルトもあり登られてる形跡はある。終了点はハンギングビレイで木+カムに。本来はもう少し伸ばしてその先の太い木まで行きたいところだがロープが重過ぎて限界だったようだ。そのまま自分がリードに代わり右上ワイドクラック後、トラバースして本来の終了点へ(意外にここが悪かった)。前ピッチに続き、10aとは何なのか考えさせられるピッチだった。
・5p目、10c 自分リード
取り付いてみるもキャメ4足りず撤退。#4サイズが延々続くが#4が1個しか無いので、ランナウトズラッシング登攀になるのが明らかだった。これアカンですとラッキーさんに伝えハング下からクライムダウン。尚、このピッチ終了点に#3、#4使うとのトポになってるので、どのみち最後まで#3、4は温存しないといけないようだ。
時間的な事もあり、あとラッキーさんがやはり目が痛いらしく、この日はここで撤収。丁度良い下降用の支点があり、80mロープでFIXまで降り、FIXを使って2回目の懸垂で地上へ。
途中撤退ではあったが学びの多いトライであった。ラッキーさんの目を犠牲に学ばせていただきました。いや、本当に申し訳ありませんでした。
この日はレオリサ家も来ており、おでん、とんかつを頂いた。登れてなくても酒は美味い!!!
◆9/16
ラッキーさんの目が思わしくなく、痛みから頭痛が起きてるらしかった。末端壁まで歩くのは申し訳ないんで、手軽に何か…?と言ったが、昨日は付き合って貰ったんで行くのは大丈夫と言ってくれる。これで登れなかったら申し訳なさ極まり無いなぁと思いながら宿題をやっつけに末端壁へ。
・春うらら1p目 11b
この日3日目。ムーブは考えてある。あとはやるだけ。
下部、2つ目のカムがなんか決まらない。サイズ間違いだし、ジャム位置定まらないし、やっちまった感あり。しかし朝一フレッシュパワーでリカバーして左上、レストポイントまで繋げる。ここまでギリギリ及第の65点という感じ。しっかりレストして、上にカム固めてからクライムダウンし、さらにゆっくりと心の中で200数えながら深呼吸。前回決めたムーブを反芻する。
右ジャム、左サムカム(親指出っ張りポイント抑え)、左手すぐ上に右手サムカムで両手支持にして(マッチしてる身体の使い方に近い)から左足上げ(目立たないが浅く踏めるポイント、左腰近く)、右足顕著な結晶、左足上げ(似たようなごく浅い凹みに浅いキョン)、【左手ジャム】、右足上げ、一段上がって右手ポケットで勝ち確。
出来なかった左ジャムを意識する。迷わず出す、他のムーブは捨てる。
右ジャムから出る。
左サムカム、場所は明瞭。
右手サムカムで両手支持にする。よく決まってるのが分かる、安心して足を切る。
左足上げ。
右足顕著な結晶。
ここで予定と違う右手レイバック持ち、その後、左足上げ。
ここだ、【左手ジャム】。なんだよ全然効くじゃないか。
右足上げ、
大きく上に右手ジャム。ジャムの安心感が強く、ポケットを使わずにそのまま左手、右手とジャム。
右手ポケットに足が置けた。
#1を仕掛け、クリップ。
不思議な程余裕がある。やっぱりムーブなんだなぁ。
RPへの高揚感を抑えながら、しっかりレストしウィニングロードの5.9セクションへ。冷静に。冷静に。
適度に休みながらいけばジャムもレイバックもよく決まる。初めてこのセクションを楽しいと思えた。
お昼寝テラスに到着、俺の夏はようやくこれで終わったなぁと感慨深い。
来てもらった甲斐を作れて良かったが、ラッキーさんはやはり体調悪そう。下に降りて気軽なボルトルートかボルダーでも?となり、末端はこれにて撤収。
その後、結局ボルダーへ転向
泉の家 初段 ×
あかね雲 3級 ×
桃源 左抜け 〜秘密のポケット〜 5級 ×
スーパークーロワール 7級 ○
ガリガリくん 5級 ○
指人形 初段 ×
もう記録が長いので割愛だが、どれも面白かった。やっぱりボルダーもやってみると楽しい。指人形でラッキーさんが急に元気で笑った。
楽しいクライミングでした、ラッキーさん、負傷申し訳ありませんでした!またよろしくお願いします!
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