奥穂高岳・ジャンダルム飛騨尾根
- GPS
- 35:00
- 距離
- 17.0km
- 登り
- 1,977m
- 下り
- 1,959m
コースタイム
4月13日:穂高平避難小屋(4:45)→白出沢出会い(5:45)→白出大滝(7:45)D尾根の針葉樹林限界(9:30)→D尾根標高2700m・C尾根への虎バース地点引き返し(11:00)→白出沢出会い(13:30)→穂高平小屋(14:20〜30)→新穂高温泉(15:00)
天候 | ガス吹雪 |
---|---|
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
ジャンダルムは独立峰では無いが、白出二股から延々飛騨尾根を登ってピークに至る今回のような山行では、一つの価値ある頂として数えよう。ジャンダルムの西に延びる階段状の岩稜は、奥穂の山頂から見て高校生の頃から知っていたが、残雪季には快適な岩ルートであることを知ったのはずっと後だ。残雪季のビッグルート研究にかけてはネンキの入ってる、沼田の清野さんの立案でいよいよ挑戦の運びとなる。 一日目は仕事の都合で遅くなり、松本で落ち合い、新穂高温泉の林道を進み、暗くなったころ穂高平の小屋に投宿する。古いが板張りの小ぎれいな小屋だ。山ボーダーと山スキーヤーが二人、さらに遅れてやってきた。でこぼこの硬いデブリだらけで穴毛谷を諦めて来たという。 朝は早くに出発、満天の星。気温は低く2度くらい。潜らないので快適に進む。白出二股からしばらくは左岸の見事な針葉樹林を登る。今日の予報は、上空5000mにマイナス24度の寒気団があるので、暖かい地表との温度差で午後不安定になり、飛騨地方で雷雨のおそれありとあった。適当な所から沢に降りると延々硬いデブリの山。先週の暖かい気候でジャンジャン落ちたようだ。 視界が利くのでルートがよく見える。ジャンダルムの飛騨尾根、T1,T2,T3と下る岩峰はC尾根に降りるがC尾根末端は崖になっていて取り付けない。その北隣のD尾根が、白出沢左岸に一番下まで延びているのでこれを使い、C,D間の沢のゴルジュが切れた標高2700mあたりでC尾根にトラバースして取り付くという算段。 そのD尾根末端の取り付きはタンネの密な急斜面なのでさらに白出沢を詰め、白出大滝を右岸からまいて超えた上からルンゼを使ってD尾根側面に上がる。これが雪崩に磨き抜かれたカキンカキンの急斜面で高度は稼げるが息が切れる。高度感、傾斜感も結構なもの。尾根上の針葉樹林が抜けたあたりでやっと腰を下ろせる傾斜になるが、前爪登りが続いたので結構くたびれている。最後のダケカンバ疎林を越え、C尾根へのトラバースを見込んで右の谷をのぞき込むが、エラい高度感で怖い。D尾根上部の岩稜帯が始まる間際あたりでやっとトラバース出来そうな様子になるが、とうとう不安定そうなガスがT2あたりにかかりはじめた。涸沢岳はすでにガスの中だ。C尾根へのトラバースをはじめ、高度感の結構あるルンゼを半分ほど行ったところで小尾根にさしかかる。雪質が結構嫌らしくなったのを潮時に、引き返すことにする。天候がもう少し持てばとここまで登ってきたが、次回への良い偵察になった。 下りは傾斜もきついのでバックステップ多し。D尾根は尾根上を降りた。後半は小雪が舞い始めた。引き返して良かった。今日の雪ではシリセードも怖くて出来ないので一瞬の下山も見込めないし。針葉樹林に降る小雪の美しさに見惚れて林道にたどり着けば、いつのまにか雨。急ぎ帰って新穂高温泉バスターミナル横の無料温泉に浸かり、松本に戻ると青空。でも穂高連峰一帯は鼠色の雲の中だった。また宿題が増えてしまった。 |
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感想
ジャンダルムは独立峰では無いが、白出二股から延々飛騨尾根を登ってピークに至る今回のような山行では、一つの価値ある頂として数えよう。ジャンダルムの西に延びる階段状の岩稜は、奥穂の山頂から見て高校生の頃から知っていたが、残雪季には快適な岩ルートであることを知ったのはずっと後だ。残雪季のビッグルート研究にかけてはネンキの入ってる、沼田の清野さんの立案でいよいよ挑戦の運びとなる。
一日目は仕事の都合で遅くなり、松本で落ち合い、新穂高温泉の林道を進み、暗くなったころ穂高平の小屋に投宿する。古いが板張りの小ぎれいな小屋だ。山ボーダーと山スキーヤーが二人、さらに遅れてやってきた。でこぼこの硬いデブリだらけで穴毛谷を諦めて来たという。
朝は早くに出発、満天の星。気温は低く2度くらい。潜らないので快適に進む。白出二股からしばらくは左岸の見事な針葉樹林を登る。今日の予報は、上空5000mにマイナス24度の寒気団があるので、暖かい地表との温度差で午後不安定になり、飛騨地方で雷雨のおそれありとあった。適当な所から沢に降りると延々硬いデブリの山。先週の暖かい気候でジャンジャン落ちたようだ。
視界が利くのでルートがよく見える。ジャンダルムの飛騨尾根、T1,T2,T3と下る岩峰はC尾根に降りるがC尾根末端は崖になっていて取り付けない。その北隣のD尾根が、白出沢左岸に一番下まで延びているのでこれを使い、C,D間の沢のゴルジュが切れた標高2700mあたりでC尾根にトラバースして取り付くという算段。
そのD尾根末端の取り付きはタンネの密な急斜面なのでさらに白出沢を詰め、白出大滝を右岸からまいて超えた上からルンゼを使ってD尾根側面に上がる。これが雪崩に磨き抜かれたカキンカキンの急斜面で高度は稼げるが息が切れる。高度感、傾斜感も結構なもの。尾根上の針葉樹林が抜けたあたりでやっと腰を下ろせる傾斜になるが、前爪登りが続いたので結構くたびれている。最後のダケカンバ疎林を越え、C尾根へのトラバースを見込んで右の谷をのぞき込むが、エラい高度感で怖い。D尾根上部の岩稜帯が始まる間際あたりでやっとトラバース出来そうな様子になるが、とうとう不安定そうなガスがT2あたりにかかりはじめた。涸沢岳はすでにガスの中だ。C尾根へのトラバースをはじめ、高度感の結構あるルンゼを半分ほど行ったところで小尾根にさしかかる。雪質が結構嫌らしくなったのを潮時に、引き返すことにする。天候がもう少し持てばとここまで登ってきたが、次回への良い偵察になった。
下りは傾斜もきついのでバックステップ多し。D尾根は尾根上を降りた。後半は小雪が舞い始めた。引き返して良かった。今日の雪ではシリセードも怖くて出来ないので一瞬の下山も見込めないし。針葉樹林に降る小雪の美しさに見惚れて林道にたどり着けば、いつのまにか雨。急ぎ帰って新穂高温泉バスターミナル横の無料温泉に浸かり、松本に戻ると青空。でも穂高連峰一帯は鼠色の雲の中だった。また宿題が増えてしまった。
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