559 無念の蝶ヶ岳(長塀尾根ピストン)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 34.3km
- 登り
- 2,252m
- 下り
- 2,240m
コースタイム
- 山行
- 4:07
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 4:45
- 山行
- 8:40
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 9:43
- 山行
- 3:51
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 4:09
天候 | 3日曇り後雪、4日快晴後曇り、5日曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
3日 沢渡6:55(予約タクシー3010円)7:05中の湯ゲート 5日 中の湯ゲート11:40(予約タクシー3010円)11:50沢渡 松本15:55(普通3両)17:07小淵沢17:22(普通3両×2)19:44高尾19:45(中央特快東京行き) |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はなし 中の湯~上高地~徳澤はトレースあり。 4日の長塀尾根はうっすらとレースが残っていたが、ほぼ全線ラッセル。 長塀山までは脛くらい。森林限界までは膝上くらい。 4日のすれ違いは、横尾→蝶ヶ岳→徳澤の1名と当パーティと同コース1名のみ。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
食器
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
テントマット
シェラフ
ヘルメット
ビーコン
ゾンデ
ハーネス
わかん
ビール2本
日本酒7合
|
---|---|
共同装備 |
ポール
テント
調理用食材
調味料
コッヘル
調理器具
|
備考 | もっと軽量化が必要。 |
感想
【2日 沢渡まで】
前日の奥多摩三条の湯山行から一部装備を移し替えて用意万端。意気揚々と昼過ぎに新宿駅に向かう。
今日はリッチに13時発のあずさ号で松本へ向かう。と言っても30%引きの「えきねっとのお先に特だ値」なので、普通列車利用との差額は千円にも満たない。
鳳凰三山や甲斐駒、八ヶ岳の車窓を楽しんでいるうちにあっという間に松本に到着。バスターミナル地下のフードコートで一休みして、17時5分発の高山行きバスで沢渡へと出発。
道中、ほとんど雪は無く、沢渡大橋のあたりから、ようやく雪が出てくる。やはり、今年は小雪のようである。
本日の宿は、沢渡の足湯公園向かいの「温泉山小屋ともしび」(電話0263-93-2338)。
すき焼きの夕食(ご飯食べ放題、漬物、デザート付き)が千円で、それを入れても5千円でおつりがくる安さ。
ビールやお酒も豊富に常備してあり、しかも安い。
個人的には、テントを張るよりもこっちの方が、体力温存にもなるし良いのではないかと思う。
【3日 沢渡→中の湯→徳澤】
5時半起床。各自朝食を済ませる。電気ポットや電子レンジもあり、コンビニ弁当でも大丈夫。
7時少し前に予定通り、予約したアルピコタクシーで中の湯へ。
ちなみに、予約タクシーは、松本から回送されてくるため、15時ころには下山してしまうので、16時とかには予約できないそうなので下山計画の時には要注意である。
また、下山の予約は、往路のタクシー車中で計画時間で予約したうえで、復路に大正池ホテルから電話して欲しいとのこと。これは、タクシーが一台しかないためで、電話を受けて時間調整するとの話であった。
約3千円10分ほどで中の湯に到着。閉まったゲートの先にある釜トンネルは、照明もなく真っ暗な口を開けていた。
釜トンネル入り口で支度を整え、いざ、上高地へ。
結構急な勾配の釜トンネルを抜けると、すぐにまた上高地トンネルへと入る。こちらの方は照明がついていた。
トンネルを抜けると、今シーズンは正月営業のない大正池ホテルを過ぎ、無人の上高地バスターミナルに到着。冬季トイレは無事稼働中であった。
期待していた河童橋での穂高や焼岳の眺めは全くなく、帰りに期待する。
淡々と重い装備を担ぎながら、お昼には徳澤に到着した。
早速テントを設営し、13時過ぎにはお湯を沸かしてティータイム。そして宴会へと突入した。
冷凍ポテトのマヨネーズ炒めや竹輪と玉ねぎのカレー風味炒めなどを肴に持参したビールや日本酒、焼酎を飲み始める。
今日の夕食は、豚汁。味噌味の根菜が美味しい。皆飲みすぎてしまったせいか、〆は無しで就寝した。
(リーダーに加え食事も作ってくれたぐぅぐぅさん、大感謝です。)
【4日 徳澤→蝶ヶ岳→徳澤】
午前4時30分起床。お湯を沸かして各自朝食を済ませ、予定より15分早い5時45分に出発。辺りはまだ真っ暗だが、星が瞬いている。天気が良いなら、これは今日はきっと登頂で出来ると期待に胸が膨らむ。
昨日の午後からの雪で、徳澤からの踏み跡はだいぶ薄くなっていて、のっけからラッセル気味の登山となり、やがてこれがしばらく続くと覚悟せざるを得ない積雪となった。
7時頃、明るくなってくると、上空が青くなってきた。しかし、樹林越しに横を見ると白く見える。
「低い所は白いから雲ですかね?」などと馬鹿な質問を投げかけると、
「あれは、山だよ。でも少し雲も出ているね」と教えていただく。
そうだ、ここは上高地。周りはぐるりと高い峰々に囲まれている。
急登をこなしていきながら、7時半ころようやく一旦勾配が緩んで、9時頃には中間点標識を通過。まだ3kmも残っている。でも標高はだいぶ稼いだ。そして、当初はくるぶしいほどだった積雪も、脛くらいまでにはなっている。皆で交代しながらラッセルで進む。
それにしても、今日はほかの登山者いないな〜と思っていると、長塀山の手前で単独行の女性とすれ違う。聞けば横尾から来たとのこと。すごい!この時間でもう下山しているんだ。一体何時に出て来たんだろう。
しかし、一同はそれよりも、「これからはトレースがある。ラッキー!」と考えていたが、この期待はすぐに裏切られることに・・・。
少し風も出て来たので、すぐ先の長塀山で防寒装備を着込んで、蝶ヶ岳を目指す。
だが、トレースはあるものの、雪は一層深くなり、苦しいラッセルが続く。最早、膝上くらいの積雪。しかもよく踏み抜いてしまう。
しばらくすると、kokudoは目の奥が痛くなり、頭が重くなってきた。先頭を歩いていないにもかかわらず、長塀山から1時間後の休憩でバテバテになってしまったkokudo。
先頭の免除をお願いし、「情けないなぁ」とぼうっとした頭で思っていると、ぐぅぐぅリーダーから「暑いから帽子を取ったら?」と声をかけていただいた。
そう言えば、バラクラバと毛糸帽に、ヘルメット、さらにその上から雨具のフードを被っていた。
フードを下ろして、毛糸帽を脱ぎ、バラクラバを大きく開くと、スッと涼しくなる。水を飲んだらシャキッとした。
今思えば、熱中症のなりかけだったのかも・・・。危ない・・・危ない・・・。
気分はよくなったが、タイムリミットが近い。
こりゃ無理かなと話しているうちに、森林限界に到達して、蝶ヶ岳最高点と遠くに蝶ヶ岳ヒュッテが見える。
「やったー。頂上だぁ」と喜ぶも、何とここでプッツリとトレースが途切れてしまった。
遠くに旗が見え、そこまで行けば、その先にはトレースがついているのが見えるが、途中の雪原はまっさら。
試しに先頭のYちゃんが乗り込んでみるとずぶずぶと埋まっていく。
泳ぐようにして行けば、なんとか進むことはできるものの、これでは相当な時間がかかる。
「見えているのに〜」
皆そう思うが、ここをラッセルして戻ってくると、どう見ても1時間以上かかってしまう。
時刻はリミットの12時を廻っている。
残念だが、ここで撤退と決断。
しかしながら、敗退とは思えない笑顔の写真を撮って折り返す。
折り返しは下りが基本なので、楽なはずであるが、往路の疲れが出てきたのか、kokudoは遅れ気味。おまけに、よく踏み抜いて、船がどてっぱらに魚雷を受けたときのように左右に大きく傾いてはまってしまうこと度々。スピードが上がらない。
そうこうしているうちに、トレースの中央付近が踏み固められてはまりにくいことに気が付く(遅いよね。何回雪山登っているんだ・・・)も、それでも、何度もはまりながら下山を続ける。
長塀山を過ぎると、積雪も少なくなってきて、踏み抜きは減り楽になったが、最終盤の急坂に差し掛かるとまたもやkokudoの足が遅くなる。
積雪が少なくなり、埋もれている木の根や石などが顔を覗かせ始め、行く手を阻むようになる。
滑ったり足をひねったりしないよう、慎重に進むと、これまた、皆からおくれてしまう。
皆さんに待ってもらいながら、15時半。ようやく徳澤に戻ってきた。
「明るいうちに無事戻ってこれてよかったぁ~」というのが、kokudoの素直な感想。
でも、蝶ヶ岳の青い空は、「また来年トライしろよ!」と言っているようにも思えた。
疲れのせいか、アルコールではなく、水をがぶ飲みするkokudo。われながら相当疲れていたようである。
でも、水の補給が完了すると、やっぱりお酒が欲しくなってきた。現金なものである。
今宵のごちそうは、「きりたんぽ鍋」。楽しく語らいながら夜が更けていった。眠かったTさん、遅くまでつきあわさせて、ごめんなさい。
(22時頃お開き)
【5日 徳澤→中の湯→帰京】
午前5時半起床。今日も青空である。
昨夜のきりたんぽ鍋に、残っている野菜を追加して朝食とする。
それでも持参した野菜が余ってしまった。kokudoも疲れのせいか、呑みすぎのせいか、いつものような食欲はなく、残り野菜の全投入は勘弁してもらった。
朝食後はテント撤収。
テントポールが凍っていて、折り畳みが出来なくなってしまっていたが、Yちゃんが「息を吹きかけながら手でこすると、折れるよ」と教えてくれる。
さすが、冬山。何もかもが凍る。
7時半前に出発。まずは上高地を目指す。出発する頃には、だいぶ雲が湧いてきていたが、徳澤を出てすぐの地点で、明神岳を望むことができた。
昨日までの疲れのせいで、kokudoのふくらはぎはパンパンに張っていて、皆さんから少々遅れ気味。
なんとかついていって、予定の12時前に中の湯ゲートに到着した。
ちなみに例年、上高地ホテルで「カツカレータイム!」があるが、今年は工事のため正月営業はなく、ちょっと残念。
それから、今回は、雪の穂高や焼岳を望むことが出来なかった。これも残念だが、次回のお楽しみとして、取っておこう!
中の湯ゲートでは、大正池ホテルで電話したタクシーが待っていてくれた。10分程で、2日に泊まった「温泉民宿ともしび」へ戻る。
ここは、日帰り入浴300円なので、坂巻温泉よりもリーズナブル。ちょっと寒い半露天だが、お湯は良く温まる。
バスの時間まで、宿の缶ビールを飲みながら、待たせていただくと、ストーブには大きなお鍋がかかっている。中には程よく煮えた「おでん」が。
「これは売り物ですか?」と尋ねると、「違う」という。
「残念だなぁ」と言っていると、宿のおかみさんが、「泊ってくれたから、おひとり2品食べていいよ」とお皿とお箸に薬味の辛子味噌まで出してくれた。
大喜びで食べる一同。
味が染みて最高である。
その後、松本駅に移動。駅の食堂でまたまた、乾杯をした後、普通列車を乗り継いで帰京した。
今回は、時間切れで登頂することはできませんでしたが、「ラッセルは疲れる」ということを身を持って体験出来ました。来年にむけて、精進します!
同行の皆さん、このようなヘタレとご一緒してくださり、ありがとうございました。
(おまけ)8日もバリバリ筋肉痛。9日も階段を登る足どりがまだ重い。
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