赤兎山【ここは天国のド真ん中】
- GPS
- 11:45
- 距離
- 27.7km
- 登り
- 1,505m
- 下り
- 1,494m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
この場所では4〜5台ぐらいまででしたら駐車可能です。 小原集落には全く雪がなく車は普通に料金所Gate前まで入っていけます。 尚、積雪があった場合はGate前まで除雪が入ってくれるかどうかは分かりません。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【小原林道料金所Gate〜赤兎山登山口】 この区間は全て林道歩きとなります。 デブリは無いが落石は多数見受けられましたので注意が必要です。 今年は少雪の為、本来何ヶ所かショートカットしていた区間の藪が雪で埋まり切れず残っているので立ち入る事は出来ません。 むしろショートカットする方が難儀して余計に時間が掛かると思います。 林道を歩いた方がストレスはありませんし迷子に陥る心配もございません。 積雪状況としましては序盤の2kmくらいまでは全く雪がありません。 しかし露出したアスファルトの路面は凍結していてとても滑りやすい状況となっていて、それはお昼時の下山時においても続いていますので転倒による怪我には十分な注意が必要よ。 その後林道には雪が現れ出してつながるようになりますが積雪量も少なく全区間の半分以上はツボ足で歩く事ができます。 ちなみに雪質は上質ザラメで踏み抜きゴボリは殆どありませんでした。 高度が上がるにつれ徐々に積雪量が増え時折膝上まで踏み抜くケースが繰り返されたのでスノーシューを装備しました。 スノーシューを装備してからは一回も踏み抜く事が無く(ゴボリも無し)快適に赤兎山登山口まで歩く事が出来ました。 だけど飽きるほど変化が乏しい区間なので悶々とする自分との闘いは覚悟する事よ。 【赤兎山登山口〜小原峠】 どこでも歩ける雪面が広がりますが夏道もなんとなく分かります。 ここからはルーファイしながらショートカットするも良し、忠実に夏道を辿るも良しでございます。 夏道を辿ると沢の渡渉が一番の難関でございまして登りで3回繰り返される事となり、下山時にも自分の付けたトレースを辿ると合わせて6回となります。 一旦沢へ降りる際には高度感による恐怖を覚えますし、またそれらを登り返すのが結構難儀いたしますのであります。 【小原峠〜赤兎山山頂〜赤兎平】 危険箇所はございません。 雪質はとても締まってはいますがアイゼン歩行で挑むと股下まで沈み込むケースとなったため再びスノーシュー装備にチェンジいたしますた。 ちなみにこの区間ではホワイトアウトになってしまいますと全く方向感覚を失ってしまいますので迷子に陥る可能性もありますし、思いも寄らない急斜面からの滑落などにも注意する必要がございます。 【赤兎平避難小屋】 小屋は埋まっていません。 全然問題なく入る事が出来ます。 トイレは使用不可となっていました。 |
写真
感想
皆さまこんにつは。
ご機嫌いかがかしら?
今年の雪不足はとても深刻で全国各地の雪のイベントが軒並み中止となっており、それが観光の目玉となっている地域では死活問題とまで言われているほど。
全くその通りよね。
雪が降らないから生活も楽でいいやなんて思いますけども、例えば地元で言えば白峰の雪だるま祭りが開催以来初となる中止が決定と発表され、長年続けてきた事が途絶えてしまうなんてのはとても寂しい限りな事であります。
またお隣の岐阜県でも世界遺産で有名な白川郷も全く雪が無く情緒風情が乏しくて観光客が激減しているなんてのもニュースで見ましたわ。
そうだよね〜。白川郷に雪が無かったら雰囲気出ないもんね。
あとはスキー場関係者さんも頭が痛い状況となっていますね。
大会に参加したい選手の方たちは練習する事すらも出来ないし、調整やスケジュールがとても大変だと聞きます。
それとやっぱり心配なのは春以降の水不足が懸念され夏場の猛暑の盛りの時に渇水なんてのは命も脅かされる事であります。
いつもの当たり前が当たり前でなくなってしまう。これは脅威ですよね。
豪雪は勘弁してほしいですけどもそれでもあらゆる生命に潤いと恵をもたらしてくれる雪はやっぱりちゃんと降って欲しいですよね。
これより本題よ。
さて今回はどちらへ参りましょうかしら?
先にも触れましたけどもしっかりと雪が降ってさえくれたら遊べるフィールドは贅沢なくらいいっぱいあるんですよ。
それが今シーズンはあるべきところに無い、降るべきところにも無い、こんな状況に陥っちゃっているもんだから選択できる駒が極めて少ないのよね。
地元で言えばこの時期メッカとなるのが取立山と医王山なんだけど、がっつり歩いてきました!ってなレコは殆ど出ないわよね。
それぐらい今シーズンはおかしなことになっちゃってんのよ。
う〜む、そうか…。
それじゃ山は行かないで家で人生ゲームでもして盛り上がろうかなんて思っても一人でルーレットを回している内に虚しくなってくるのも目に浮かぶ。
じゃぁどうしたらいいんだよぉ!と嘆きたくなるが、ここであるブロガーさんの御話を思い出した。
「ピンチをチャンスに変える」。
白い下着をピンクに変えるお話じゃありません。
(まぁそのブロガーさんも変態っぽい人には変わりないんですがね…)
話を戻そう。その「ピンチをチャンスに変える」って何?
それは厳冬期にしこたまラッセルを強いられ、とても日帰りなどでは行けない奥深い山へ雪の少ない今シーズンなら可能かも知れないというお話ですわ。
アプローチとなる林道に6時間ラッセルしてやっと登山口に辿り着いたってのはこの時期当たり前のところは多い。
「そんなの挑む前から却下に決まってるやん!」と普通は思うハズだし普通はこんなの出来ないって。
強靭な体力とスキルをお持ちのBCスキーヤーでもほんの稀な類でこれがハイカーとなると殆ど無理に近い。
だけどこれがアプローチとなる長い林道に積雪が無かった場合ではどうか?
「ピクン!」。
そうよ、厳しくて辛くて泣きたくなるラッセルしなくたっていいのよ。
これだけでヒーヒーが開放され、次の日筋肉痛に襲われて会社をズル休みしなくたって済みますわね。
更にはその長い林道をチャリを使う手だってある。
そうすると歩く距離も短くって済むし何よりも時短が出来ちゃうメリットがあんねん。
真冬に絶対見ることの出来ない幻の絶景がこれによってチャンスが生まれるって話なんですわ。
今シーズンは積雪量が少ないために標高の低いお山では取り付きたい場所が地面が露出していたり藪に支配されていたりと本来の雪山を満喫できるフィールドがとても少ない。
したがってちょっとした雪山気分を楽しみたいのであれば標高の高いところを求めるしか選択肢が無くなっている。
だけど標高の高いお山ってのは奥深いところが殆どなのでフカフカ雪が何mも積もるのが当たり前のフィールドへはハイカーの装備&体力&技術力をもってしても行けるものではない。
「しかし!」。
しかしこの冬に限って言えばそれが可能かも???って事やねん。
(根性無しの私に果たしてそれが出来るかしら?)
今回狙ってみたいお山は冬の白山の大展望地である赤兎山にいたしますた。
ホント言えば毎年楽しんでいる大長山へ行ってみたいのですが冬季限定で楽しめる取立山からの稜線が雪不足の為屈強な藪の牢屋が形成され続け進入出来ない状況となっていますて今シーズンは高い確率で絶望視されている。
赤兎山への取り付きは小原集落にあります林道Gate前となり赤兎山登山口までは片道10kmの林道歩きとなりますねん。
先にライブカメラでチェックを入れると小原集落には全く雪が無く林道にも無い展開となっていた。
ならば下山時の時短の有利性も狙ってチャリ導入も検討出来ますわね。
そうと決まれば最寄りの駅に行ってチャリをかっぱらってくる事から始めよう。
(おいおい、何を言い出すねん)
だけどこれが中々根性のいる事で結構難しいねん。
ウロウロウロウロ…。
高校時代の制服を来て物色してみましたが、その不釣合いの姿の方が浮きすぎて決定力を欠いてしまい結局不発に終わってしまいますた。
その御蔭で犯罪者にならなくて済みました。
人間、悪い事をやっちゃいけませんね。
話は脱線しましたが、いつも思うのは深夜の林道をチャリでガシガシ漕いで行きましたってたまにレコに載っていますよね。
深夜のアスファルトむき出しの林道って凍っていないのでしょうか?
今回は最初からズッと歩きで通し続けたのですけども正直言うと薄っすらと雪が在ってくれた方が靴底との摩擦が生じて歩きやすかったのですが、濡れたアスファルトの路面はテカテカのスケートリンク状態でありましたの。
特に下山時の方がおっかなくて大変肝を冷やしましたわ。
だからこんなテカテカ道をチャリでヒュイーンなんてのはアリエナイと思いましたわ。
話を戻しましょう。
2017年2月に自身初となる厳冬期赤兎山山行を実施。
(もし宜しければコチラ↓もどうぞ)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1061764.html
この時は早朝4時発としたのですが繰り返されるラッセル地獄に苦しめられて赤兎山登山口に到着したのが約6時間後の10時頃となってしまい、体力の限界と時間の限界が見え結局山頂を踏むことが出来ず涙をのみました。
今回はその反省も踏まえ深夜の1時半発で始め体力&気力との相談維持で進めてみました。
序盤の雪の無い状態が2kmくらいあった後は雪がつながるようにはなったものの懸念されたフカフカ雪でラッセルを強いられるような事は一度もありませんでした。
これが体力温存となってめっちゃ助かりましたわ。
積雪が増え足元にスノーシューを装備した後も快調に歩が進みました。
ヘッデンで照らされる足元の雪面だけを見つめひたすら歩いたわ。
時折休憩を挟み煌めく夜空を眺めてRELAX。空気の澄んだ夜空に散りばめられたダイアモンドの星屑に心を奪われましたわ。
今回深夜初にしたのはこの素晴らしい冬の星座も楽しんでみたかったのも狙いの一つよ。
やがてヘッデンの明かりはあるものを照らした。
それは赤兎山登山口の標柱でありました。
ここまで無心で歩き続けるも身体のしんどさは殆どなくラッセルが無いってどんなに有難いか身に沁みましたわ。
登山口からしばらく進むと自慢のブナ林が展開していた。
もちろん森の中はどこでも歩ける状態で方向さえ間違えなければ確実にPEAKは取れる確信が持てたわ。
あとは雰囲気と空気を楽しもう。
緑が生い茂るWILDな森の雰囲気も好きだが静かな大雪面が展開する森もやっぱり好きだわ。
小原峠に着いたら白々とし始め樹間越しからは雲海に浮かぶ白山のシルエットがぼんやりとだが見てとれた。
そのまま気合で稜線に登り上げればご来光にも間に合ったと思うが静かな朝の森も満喫したかったので慌てる事は止めた。
ここで足元の装備をスノーシューからアイゼンにチェンジ。
きっと稜線上はカチカチであろうと読んでの判断でありますた。
ところがアイゼンに代えた途端に股下まで踏み抜くケースが続き、またスノーシューへと戻したわ。
ここから森を抜け高度をガンガン上げていく。勿論夏道なんて無視よ。
今しか歩けない場所を楽しみたいもんね。
稜線に出たら強風が吹き付けジッとしてるとめっちゃ寒いねん。
だけどロケーションは求めていたものがほぼ完ぺきに近いぐらいに素晴らしかった。
小原集落を出発してから6時間、何とか赤兎山の山頂に辿り着けた。
赤兎山を中心とした辺りの山々がどれもステキ。
ここは天国のド真ん中だね。
雪の赤兎平も素晴らしい。
ここの避難小屋を含めた白山&別山のアングルはとても絵になって好きなんだよね。
強風を避けるために小屋の中で早い昼食を摂りまったりとさせていただいたわ。
しっかりとした泊装備と食料持参で一度泊ってみたいと感じたわ。
夜は勿論天体SHOWで明け方は神秘的なご来光を眺めてみたい。
本当にどのシーズンに来ても素晴らしいお山ね。
今回幸運にもコンデション的にとても恵まれ思い出深い良い一日を過ごすことができますた。
ピンチをチャンスに変えた「1月厳冬期赤兎山」感無量デス。
おしまい。
コメント
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ミラーさんこんにちは!
この時期の赤兎ちゃん、凄いですね。
真似できないですけど(苦笑)
登山口まで車で行けるならなんとかなるかもですけど、
あの小原林道を片道4時間も歩いて行くなんて〜
行動時間も12時間!!
ミラーさん、やっぱり変態系ですね(笑)
取立山よりも近くで白山をどどーんと拝めて素晴らしいです。
真似したいけど出来ない凄いヤマレコでした👏
kumasuzuさん、こんばんは。
ありがとうございます。
いやいやいや、私なんざ時給785円の男ですから全然凄くないですですわよ。
って言うか真似するべき事じゃない恥ずかしいレベルですわ。
(つっても目標値は高く、せめて800円は欲しい…)
私はブナを愛する森オタクですので素晴らしい森が展開する小原峠は四季を通じてまったりとしたい場所なのであります。
そのブナ林越しから見られる白山&別山は私にしてみれば究極の絶景なの。
今回のアップの見出しに「天国のド真ん中」と大袈裟とも思える表記をしましたけれども、これはこの時期の静かな稜線から見た者の素直な想い。
それをkumasuzuさんに喜んでいただけて光栄ですわ。
こうゆう系の山行にはもう手を出さないのかと思ってましたよ。
って事は同じ日の同じ時間帯に歩いてたのですね、赤兎行かんで良かったー!(笑)
しかし真っ暗な小原林道を4時間近くもお一人で歩くとは凄い気合の入りよう!
暖冬とは言え一応厳冬期、ハニーちゃんもさぞ心配したでしょう、よくOK貰えましたね。
我妻も冬のソロ&ナイトハイクは結構心配みたい。「中途半端で帰ってくるくらいならしっかり死んで来い!」といつも激励してくれますわ(^◇^;)
お互い雪締まっていてラッキーでしたね。
kabuちゃん、こんにちは。
ありがとうございます。
こういう系はいずれ自分の意志や感情に関係なくやってる自信がめっちゃあるのでその時のための体力つくりってところかしら。
あとはももひき姿に裸足でも出来るよう鍛えないとね。(もちろんヘッデン無しで)
「同じ時間帯に深夜徘徊」。
そうよ、私も思ったのよ。
車で小原を向かう最中に白峰辺りのトンネルが連続する国道でね。
「あれれ?。もしや今すれ違ったのはkabuちゃん御自慢の超高級陸軍車輌だったのでは?」ってね。
(これがn先輩のピンクケイクレイジーマシーンだったら150km/hぐらいのスピードでぶっ飛んでいるハズだから気が付けなかったと思う)
で、アップを拝見しましたら、やっぱりそうじゃな〜い。
アナタ達のやる事も弾けすぎだわ。
あの日の夜は、ハニーちゃんは飲み会帰りで帰宅すると私は家出。
すれ違い夫婦って事ですかね…。(あつあつの君ら夫婦がうらやましいよ)
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