谷川・一の倉 二の沢本谷
過去天気図(気象庁) | 2006年10月の天気図 |
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ファイル |
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2209.xls
計画書
(更新時刻:2010/07/28 08:54) |
写真
感想
今年最後の攀登をとの意気込みで「一の倉沢・二の沢本谷」に行ってきました。
下山遅れでご心配をおかけしたことを深く反省するとともに二度と繰り返さないように今後の計
画をさらに慎重に行うことを互いに誓いあいました。
二の沢は古典的ルートで一の倉出合いから眺めても一気に山頂に突き上げる一直線のルートで
す。遠くから眺めると顕著なルートですが、沢の中に入ると2つの大滝を除き急峻な逆層スラブ
の連続でルートは何処でもいけるが正確なルートファインティング力を求められ、気を抜く場所
がありません。易しいルートを取るとどうしても壁に突き当たる難しさがあります。下降のピン
もなく懸垂下降の際には都度支点作成が必要になります。
スラブ上にはビレーポイントがないのでアンザイレンもできずに互いに信頼しあったPでの攀登
が必要です。
古典ルートとはあまり人気がなく、入山者も少ないルートのことでハーケン・ボルトの残置もな
く、あってもさび付いたボルト・頭が欠けたハーケンがほとんどです。
我々も取り付き時点からスラブの攀登で行き詰まり1p懸垂でルートに戻りました。
基本は水流に沿ったルートです。沢シューズが良いと書いてある記録もあいますが、ホールド・
スタンスが小さいので沢シューズでは困難な場面が多くあります。下から見ると大きなホール
ド・スタンスも上ってみると外傾したスラブのため、確実なフィット性のあるシューズの必要性
を求められます。
大滝は上下ともに難度の高い部分があります、それも上部にあり大変緊張します。支点の不確実
さが加わり滑落は決して起こしてはならない部分です。この部分の通過にも時間がかかりまし
た。
途中早く稜線に上がりたい一心からルートを見誤り早めに左のルンゼを上がり東尾根に突き上げ
るつもりが中間リッジに出てしまいルートに戻るのに1時間半もの無駄をしました。
上の大滝を過ぎ今度こそ東尾根へのルンゼと思われる場所でタイムアウトになりました(17:
30)。同時にガスが出てきて上部が見えません。ビバーグするにも連絡をしなければと思いビバ
ーグ適地と通信可能な場所をと少し上部に上がりましたが、圏外と適地がなく1m角の風を避け
るルンゼの滝つぼにザイル・ガチャなどの攀登用具を置きその上にザックを敷き着れるものはす
べて身に着けツエルトをかぶりシューズを履き替え(フラットシューズが濡れており)ビバーク
体制に入りました(18:30)。食べるものは菓子類と今朝の残りの海苔巻きがあり充分でし
た。
久々のビバークですが、安全な場所で風も当たらずビバーク地としては快適な場所といえましょ
う。18:30から何もすることがなく、二人で反省会を行い、「少し互いに甘かったな」の反省
しきりです、今ごろ下では何処に連絡して何をしているのかを想像しながら、救助隊が動く前
に、一刻も早く連絡をしなければならないなと思う反面、我々が安全に行動することが最優先で
ある事を確認しあいました。
翌日の5:30過ぎには周りが明るくなり撤収と行動ができると思いヘッドランプを交互に使いな
がらだらだらと食事(お菓子を食べること)をして時間を過ごしました。
20:00頃には星も見えていましたが、夜半になるとガス・風が出てきて寒さでなかなか眠れま
せん、背中をつけたり手足をこすったりしながら長い一夜が過ぎるのを待ちました。
ウトウトする間があり、互いに眠っていたよと相手の睡眠を確認していまいした。一時間毎に時
計を見ながら後何時間で夜が明けると互いに確認しあいました。
30日の5:00過ぎにツエルトの外が少し明るくなり夜が明けたことを知り長い夜も終わってみる
と短い一夜となりました。
これから慎重に確実に東尾根を目指し登ると、7:00過ぎには連絡が取れるのではと判断。しか
しここでも焦りがありました、wataさんがアプローチシュズでは難しいと言ったのに私が下から
見る限りでは登れるかと錯覚し取り付きました、ピンはなく5mほどのところですが最後のスタ
ンスでスリップし滑落、攀登を始めて30数年初めての滑落で気を落としてしましました。(甘く
見るなとの反省がなってないことに互いに気がつき、フラットシューズに履き替え)ここから4
Pすべてアンザイレンで東尾根に到着。皆さんに連絡ができほっと一安心。
肩の小屋に立ち寄り、下から何か連絡でもあればと思い馬場さんに挨拶。何も連絡がないとのこ
とで経過を少し話し昨夜は寒かっただろうとの談(小屋は3度まで下がったとのこと)。
西黒尾根を下山、鉄塔でKAMOG・ken両氏の出迎えを受け返す言葉がなくありがたいのみ。
当会のみの連絡で心配をおかけした方々が最小限でとどまり少しほっとする。
いずれにせよ計画通りの山行ができず下山遅れになり、帰路の車では互いに反省しきりでした。
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