ダイトレ(大池〜岩屋峠〜竹内峠〜平石峠)
- GPS
- 05:06
- 距離
- 10.3km
- 登り
- 530m
- 下り
- 532m
コースタイム
【ダイトレを歩く人のためのサイトを立ち上げました!】
●ダイトレ Solo Walking Guide http://kupi-fw.com/wp/daitore/
---------------------------------------------------------------------------
9:00 葛城市ふれあい広場前駐車場
9:17 大池
9:31 祐泉寺
10:02 岩屋峠
10:43 竹内峠
11:12 NTT電波塔
11:57 平石峠
12:52 竹之内街道
13:29 当麻寺
14:30 葛城市ふれあい広場前駐車場
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【大池〜岩屋峠】 大池から祐泉寺までは舗装道です。祐泉寺から山道になりますが危険な箇所はありません。 【岩屋峠〜竹内峠】 岩屋峠から竹内峠へ直接下るルートです。(本来のダイトレルートである万葉の森駐車場を通らないルート) 岩屋峠からすぐのところに分岐があります。左が巻き道ですが、ザレて滑りやすいので注意してください。竹之内街道を横切る時は車に注意してください。 【竹内峠〜平石峠】 途中まで舗装道路です。ダイトレルートなので危険箇所はありません。 【平石峠〜当麻寺】 幅の広い林道です。途中から舗装道路になります。危険箇所はありません。 |
写真
感想
ダイトレ一の地味ルート「竹内峠〜平石峠」間を歩くのだ!
【プロローグ】
子供の頃から目立つ事が好きではなかった俺は、通知表の父兄への連絡欄にはいつも「真面目で優しい子なのですが、もう少し積極的に」などと書かれる地味な子供であった。青年期に至っては、初めて付き合った女子からいきなり「ネクラ」と言われ、受験、就職、結婚などの各節目においては何よりも安全を重視して、常に実力より一ランクずつ落とした無難な選択をしてきた。その結果、学歴、職歴、女性遍歴などなど、自分の人生そのものがとてつもなく「地味」なものになってしまった。
そんな日本一の地味男が、これまたダイトレで一番地味であろうと思われる「竹内峠〜平石峠」間を歩いてみたのだ。
【大池〜岩屋峠〜竹内峠】
目的は「竹内峠〜平石峠」なので、とにかく、竹内峠には早目に行きたい。しかし、ご存知のように、竹内峠へのアプローチはとてつもなくワルイ。電車の場合は上ノ太子駅から徒歩となるのだが、なんやかんやで一時間近くかかってしまう。しかも車が頻繁に行き来する峠道をエッチラオッチラ歩いて行くのだ。これはちょっと勘弁したい。
二上神社駅や二上山駅から一旦二上山に登り、そこから竹内峠に向うのが良さそうなのであるが、バスと電車の乗り継ぎに辟易しており、「やはりここは一気に車で」ということにした。
さて、問題はどこに駐車するか、ということである。竹内峠に一番近い場所は「万葉の森駐車場」だが、下山後、最寄駅から電車に乗って再び車まで戻ってくることを考えると、できるだけ駅から近い場所に駐車したい。
色々悩んだあげく、当麻寺近くの駐車場に停めることにした。前回、二上山からの下山途中で「たいま温泉」を探すため色々とこの辺りを歩いた際、空き地のようなところに十数台の車が停まっているのを発見したのだ。場所は二上山からの一本道を真っ直ぐ下ってきたところ、大麻病院のすぐ近くだ。
駐車場に到着。管理人はおらず、土の地面に駐車用の区画紐が張っているだけ、もちろん無料だ。何の駐車場なのかを確認し、場合によっては一言断ってから駐車させて頂くか、駐車代を払おうと思っていたのだが、それらを確認するすべが全く無いのだ。
幸いにも、駐車スペースはまだまだありそうだ。申し訳ないと思ったが、そのままそこに停めさせてもらうことにした。
ここから竹内峠への最短ルートは、大池から祐泉寺を介して岩屋峠まで一旦登り、そこからダイトレショートカットを通って、竹之内街道に下りるルートだ。9時過ぎにザックを背負い、祐泉寺に至る坂道をワシワシと歩き始めた。
9月だと言うのに、祐泉寺手前の長い網フェンスには、たくさんの朝顔が咲いている。ピンク色の大輪の朝顔はまるで子供の笑顔のようだ。たくさんの陽射しを浴びながら俺を見てニコニコと笑っている。とりわけ笑顔の眩しい一人の子を見つけたので、手持ちのカメラでパシャと撮ってやった。
祐泉寺から岩屋峠までの谷道をグワシグワシと登っていく。途中にある水場で少し休憩。けっこうなペースで歩いて来たのだが、いつもようにバテることもない。ちょっと傾斜が急になったかな、と思ったら広いところに出て、そこが岩屋峠だった。
ダイトレの正式ルートはここを真っ直ぐ行って、一旦万葉の森駐車場まで下り、そこからUターンして国道沿いを竹内峠に向って歩いていく。しかし、何故か、ここ岩屋峠にあるダイトレの標識は直進方向ではなく、左側の竹内峠側に直接下りる方向に矢印が向けられているのだ。
実は、この「ダイヤモンド・トレール→」と書かれた茶色の標識は、ここだけではなく、いたるところで目にすることができる。ただ、正式のダイトレルートとは全く外れたところにも立てられていたりするので(先ほどに祐泉寺にもあった)、注意が必要だ。
何故こんな紛らわしいことをするのかよく分からないのだが、勝手に想像すると、この標識は、ここがダイトレルートであるという事をあらわすものではなく、この方向にいくとダイトレルートがありますよ、ということなのかも知れない。まあ、いずれにしても初心者にとってはややこしい標識なのだ。
岩屋峠を出てすぐのところに「境界」や「文化財」などとかかれた小さな石柱がある。このすぐ下の方に岩屋があるからだろうか。しかし、何故その上に石柱が必要なのだろうか。ウーム、よく分からないまま、歩いていくと、少し先に道標の無い分岐があった。
俺はここの分岐を左に行ったのだが、そこはザレた崖道になっており、ズルズルと谷側に落ちてしまうとちょっとやっかいな事になるような道であった。この分岐は結局後で合流するので、ここは安全な右の道を行ったほうがよいかもしれない。
その先にも分岐。左に幅の広い脇道がある。木に掛けられている手書きの地図を見ると、この脇道は先ほど俺が登ってきた大池のところに出られるようだ。
前回ここを歩いた時には、番号が書かれた赤テープがそこかしこの木々に括り付けられていたのだが、それらが今回はひとつも無い。その代わり、萌えイラストの描かれた緊急連絡先看板がいたるところに建てられていた。
車の走行音が聞こえてくると、木々を通して国道が見えてくる。車に注意して道を横切ると竹内峠だ。
【竹内峠〜平石峠】
この時期、竹内峠のダイトレプレートは草に埋もれて全く見えない。目印は墓石のような「林業組合」の石碑だ。このすぐ前辺りにプレートが埋め込まれている。
ここからは、セメントで固められた道をひたすら歩いていく。まわりに目ぼしいものは見当たらない。杉林の中の林道は日が翳って異常に暗く、雨さえ降りそうな気配だ。擦れ違う下山者は誰もいない。まるでたった一人で山の中に取り残されたような気分だ。
木々を通して右側に別の林道が見えてくる。NTTの専用道路だ。地図を見るとウネウネと折れ曲がりながらNTTの電波塔まで行けるようだ。ダイトレはこの道を通らず、少し先の合流地点を直進する。
林道が終わり、蛸の足のように張り巡らされた木の根の間を登って山道を少し歩くと、NTT電波塔との分岐に出る。時間があればここを右に曲がって、電波塔下で休憩をするのが良いだろう。木々の間から富田林市街の街並みを望むことができる。そして、実は、ここがこのルートの中で唯一、印象に残る場所なのである。
後はピークなのかどうなのか分からないような道がだらだらと続き、ちょっと下りかな、と思ったら、目の前に平石峠が現れる。
ウーム、なんかまるで俺の人生そのものではないか。前半のセメント道は安全志向の学生時代のようだ。薄暗い道をやたらと心細い気持ちで歩いていた気がする。就職してからは、蛸の足のように張り巡らされた複雑な人間関係の中を泳ぎ、30代で結婚して人生最大のピークを迎えた。初めての妻は、まるで先ほどの電波塔があった場所のように、俺に知らなかった風景を色々と教えてくれた。そこからはだらだらと、まるでピークがあるのかないのかわからないような人生。下り坂にさしかかり、気がつけば人生の分岐点に立っている。このまま次のピーク、岩橋山を目指すのか、それとも、平石か当麻に下るのか。答えはもう出ているのだ。
【プロローグ】
新卒で入社してから脇目も振らずに働いてきたのだが、人生も終盤に差し掛かり、起業という新しい道に踏み出そうと思っている。この先は岩橋山どころかエベレストのようなピークが待っているかも知れないのだ。
日本一の地味男がダイトレ一の地味コースを歩いてみた。
そして今思う。
「地味な人生もナカナカ捨てたもんじゃない・・・」
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
paparbackさんの山行記録は文才があっておもしろいですね
次も楽しみにしてます!
コメントありがとうございます。
マヌケな山行記録をダラダラと投稿しています。
こんなレコでも楽しんでいただけたら幸いです。
OUTZONEさんのレコも楽しみにしています。
今後とも宜しくお願いします。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する