杓子岳・東面AB間ルンゼ
- GPS
- 10:00
- 距離
- 21.5km
- 登り
- 2,145m
- 下り
- 2,125m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2020年03月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
自身にとって5年ぶり2度目の杓子岳東面滑降となった。ここは冬季のアプローチが長く、日帰りで行くにはそれなりにしんどく、また雪崩リスクも高い。パウダーを狙うのが本当に難しい山だと思う。前回は2015年の2月25日「杓子岳東面A尾根右ルンゼ」(たぶん御大によって後に命名された)を滑り、六左衛門滝が埋まった湯ノ入沢を通って二股へ下りた。当時は単独で、山への慣れもビビり度も今とはかなり異なり、それは限りなく新鮮だった。今回は強靭なパートナー・モーゼと二人で登り、滑った。山は毎回一度限り、同じ体験は二度とできない。
前日燧ヶ岳に登ったモーゼと道の駅ららん藤岡で待ち合わせ、一路白馬に向かう。当初別の計画もあったが、着いてみた感じの視界(ガスが出ていた)と雪の状態からサブプランの杓子岳を視野に入れるため、まずは猿倉を目指すことにした。延々の歩きで途中道路が3箇所ほど露出しており、板を脱ぐ。ヘアピンカーブの長いやつは省略したが、なかなかの藪で大変だった。道路標識はいつになく高く、雪の少なさをうかがわせる。
猿倉荘で小休止する。ここまでに腐り雪を散々見てきたので、辛うじて雪が活きてそうな北面よりの北東ルンゼを目指すことに決めた。猿倉荘の上からずっとスノーシューを含む5人を超える先行者のトレースがあった(あと単独ツボ足の登山者)。前日のものと思われ、くるぶしから所々膝くらいの深さがあった。人数の多さ、ライン取り、異なる用具、あれはガイドパーティな気がする。2,000m地点でトレースが消えるまでそれを使わせてもらい、そこからはノートレースの斜面を行く。ここでようやく霧が晴れてきた。
杓子尾根に合流してからもしばらくシールで登り、適当な場所でシートラに切り替える。JPまでは約6時間半かかった。ラッセルがほぼ無い状況だと鍛えられたパートナー・モーゼに追いつくことはほぼなく、ずっと距離をあけたままトレースを追い続けた。久しぶりの山頂は5年前よりも風が弱く、BC間ルンゼへのエントリーを探る時間も十分にありそうだったが、疲れていたせいもあってか、そこまでする気が起きなかった。
登りながら北東ルンゼも観察していたが、思っていたよりも狭く、雪もあまり溜まっていない(所々岩が出ている)ように見えた。他方、東面はしっかりと雪が付いており、地形的にもよりそそられるものがある。雪質は悪いだろうが、こちらの方が魅力的だろう。今回は無難なところでAB間ルンゼを滑ることにした。
モーゼがファーストを譲ってくれた。滑りだしの雪はまだマシだったが、ルンゼに入ると明らかに悪く、モナカや湿雪になり、日射で温められた雪がデロデロと雪崩れた。これ以上ない程に脆い岩壁からはたまに石が投下されてくる。ノドの部分がよく見えなかったので、左右にエスケープしながら慎重に滑降。下から見上げた杓子岳の東面は日本とは思えないほどのド迫力だった。
尾根に乗り上げて小休止。その後、樺平(という地名を初めて知ったのだが)まで少しだけ登り返し、最後は北面を長走沢に向かって滑り込む。今回初めてのパウダーで滑りにも満足する。陽が傾いて美しさが増した白馬の山々を眺めながら、満たされた気持ちで帰路に就いた。
コメント
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What a grand adventure. I enjoyed the YouTube video
Thanks for reading and watching! Glad that you are enjoying Japanese mountains.
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