八方-唐松岳-餓鬼山-祖母谷温泉-清水尾根-白馬稜線-八方山麓
Tyonanonee
- GPS
- 18:30
- 距離
- 54.9km
- 登り
- 4,611m
- 下り
- 4,593m
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| 天候 | 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2010年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
八方の山麓で温かくても稜線は零下になります。特に明け方は凍えます。難しい場所はありませんが、稜線付近はいつ吹雪いてもおかしくありません。零下、単独、トレランスタイルだとしても疲労で行動不能になった際に一晩過ごせるだけの装備を背負っていく事が大前提です。（ツェルト、低体温シート、ストーブ、防寒着、着替え、食糧、カッパ etc） 唐松〜祖母谷温泉〜白馬の間は最盛期でもあまり人に会いません。この時期は温泉のおばさん以外は誰にも会いませんでした。携帯も通じません。山深い中でのプレッシャーを受け入れて落ち着いて行動できる心のゆとりが大事です。オーバーペースは命取りです。 10月になると大雪渓はほとんど雪がなくなって、雪渓両側の崩壊地を高巻きしてくだってゆく事になります。落石の多さや足元の不安定さは残雪期とは比べ物になりません。戻りが暗くなった場合、踏み跡をロストする可能性が大きく、滑落や流れに落ちたりすると重大な事故になります。 |
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感想
コースは、八方街中の第5駐車場→黒菱林道（車道上る）→唐松岳→祖母谷→清水尾根→白馬稜→猿倉（車道下る）→八方バスターミナルの周回コースです。
いつもの様に日付変更と共にスタート。八方第5駐車場から黒菱林道、八方池山荘、八方池と通って下の樺で小休止。まだ1時間半しかたっていないのに眠くなってしまい、太い嶽樺の下でツェルトにくるまって1時間ほど仮眠をとりました。唐松頂上は4時にぐらいに踏みましましたが、とても寒く周囲は霜で真っ白。一旦唐松山荘の玄関に入って薄明るくなる5時まで再度仮眠しました。
唐松直下をトラバース気味に下って大黒銅山跡に向かってゆくうちに周囲が見えるようになってくると、あたり一面紅葉真っ盛り。岳樺の黄色、ナナカマドの赤、針葉樹の緑、草原の黄金色といった塩梅で、つまずくのもの気にならないくらいに見とれながら下ってゆきます。
水場付近の地搪、褐色にザレた大黒銅山を通過するとそこから餓鬼岳への登り返しになりますが、この間、劔立山連峰、黒部峡谷、後立山連峰、日本海、白馬岳北方稜線など360度全て紅葉の大絶景が広がります。
餓鬼岳を過ぎて避難小屋から先はブナの紅葉の中をひたすら下り続けます。途中から紅葉限界より下がってまだ夏の雰囲気が漂う中を下ってゆきます。祖母谷が近くなると途中から滑りやすい石の上を歩いてゆくようになりますが、疲れている人はここは要注意です。祖母谷温泉には9時頃の到着で、一旦ここでで大休止です。
祖母谷を出て暫く林道を走ると名剣沢の合流点に「白馬岳登山道入口」という白い杭があり、いよいよ白馬稜線までの登り返しが始まります。走ろうと思えば走れる程度の登りですが、足が終わると怖いので歩いて登り返してゆきます。百貫の大下り、不帰岳避難小屋、清水尾根と経て清水岳に至りますが、さっきとは逆に深緑から始まり、見事な紅葉の中をゆき、稜線に出る…という感じで最後まで右手にカメラを持ちっぱなしでした。
特に清水尾根上部に広がるチングルマの赤い絨毯は素晴らしかった！清水岳頂上付近はだだっ広く、一旦吹雪くと方向が全く解からなくなるので、ビバークに備えてツェルト、低体温シート、着替え、固形燃料、など氷点下でも確実に生きて一晩あかせるだけの装備は持ってきましたが、当日はその必要はありませんでした。
白馬岳の稜線に出た時点で16時。ガスも濃くなり足元が不安なので、白馬岳頂上踏まずに直に大雪渓に下ってゆきます。10月、11月の大雪渓はシュルンド、クレバス、土砂の堆積、左岸から右岸にうつっての高巻きのトラバース、時折落ちてくる大小の岩など暗いと大変に危険でヘッデンだけではコースすらわかりません。これは過去に経験済みなのでどうしても明るいうちに白馬尻まで降りたかったのですが、それにしても白馬頂上を踏まなかったのは残念でした。最後は猿倉林道の舗装路を下りました。
八方の駐車場に着いたのは18時頃だったでじょうか。かつて栂池自然園から扇沢まで走った時ぐらいの運動量だったと思います。祖母谷〜白馬の間は感触的には早月尾根や読売新道を走った時とほぼ同じぐらいと感じましたが、むしろ祖母谷〜唐松岳に登る方が大変だと思います。それから人間とは一回も会いませんが熊には頻繁に出合います。しかし、里に出てくるような熊と違い食糧が豊富な大自然の中で暮らしているので、いきなり小熊を驚かせたりしない限り特に心配はないでしょう。（見た目にもお腹がパンパンでした）
翌日は絶景を思い出し仕事場で溜息をついておりました。
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