鳩ヶ湯から赤兎山周回 避難小屋泊 P1476経由下山
- GPS
- 13:00
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 1,358m
- 下り
- 1,359m
コースタイム
天候 | 1日目 : 晴れのち曇り 2日目 : 雪のち時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
さて連続して避難小屋泊まり山スキーが続きます。赤兎山避難小屋、小桜平避難小屋と来て次は三ノ峰避難小屋と行きたいところ、鳩ヶ湯から上小池のチャリがかなりハードなのでパス。で、鳩ヶ湯から赤兎山を経由して赤兎山避難小屋に行くことにしました。
例によってまた週末が微妙な天気。なにせ低気圧が通過すると。幸いそれほど強く降るわけでもなさそうなので行くことにします。それよりも気になるのはたんどう谷の渡渉ポイントです。それとそこに至るルートは急斜面のトラバースになっており、残雪があると通過が困難になります。なのでロープを持って行くことにしました。ただでさえ重い装備がまた更に重くなります。
幸いなことに今回はチャリがありません。鳩ヶ湯に到着するとまだ準備が始まったところのようです。そそくさと準備をして、重いスキー道具と泊まり道具を担いで、しめて23kg担いで登ります。
林道は登りで2箇所ショートカットがあります。重い荷物には堪えますが頑張りましょう。息が上がります。
それにしても周りに雪がないので、なんだロープとかアイゼン置いてきても良かったかなと思い始めました。
たんどう谷渡渉点が近づくと、トラバース道に雪が残っていたりして通過に緊張を強いられます。ただロープを使うほどではありませんでした。
そして渡渉点まで来るとだいぶ雪が増えてきました。さて水量は雪解け水でかなり多く、楽な渡渉にはならなさそうです。少し上を裸足で歩くか、はたまたロープに頼って石を渡るか散々悩みましたが、ロープを目一杯張って試しに空身で渡ろうとすると案外行けそうだったので、荷物はロープにカラビナで引っ掛けて、その荷物を持ってきたロープで後で引っ張る作戦に出ました。
実際に渡ってみるとロープが張っていれば割と楽に渡れました。荷物を持っていてもセルフビレイすればなんとかなるかな、という感じです。この渡渉で50分ほど時間を使ってしまいました。
その後しばらくするとトラバースの道に雪がたくさんあるのでアイゼンを装着しました。残雪があると登山道が分かりにくくなり、時間がかかります。
そこを通過するとほぼほぼ雪がつながっているので、念願のシール歩行に切り替えます。これでザックは17kgほどで、まぁ妥協できる重さになります。
しかし雪がザクザクと柔らかいザラメで、ちょっと斜度が強まると雪ごと滑り落ちてしまいます。これはクトーはないよりマシというくらいで、まったくもって安心して登れません。カニ歩きと枝掴みを多用して、なんとか急斜面をクリアしましたが、あまり精神衛生上よくありませんでした。
急斜面をクリアしたあとは素晴らしい森が広がってます。無雪期は笹薮のブナの森ですが、雪があるといい雰囲気に様変わりです。
ここまで来れば緩やかな登りで赤兎山の山頂に到着です。と言いつつ結構長いですが。標高が上がると雪も締まってきてシールの食いつきもマシになり、順調に進みます。登山道沿いは雪が切れてそうだったので右から巻いて登りました。もしかして小原峠からのトレースがあるかと思いましたが、なにもありませんでした。
山頂で写真撮影を済ませ、あとは小屋に向かうだけです。下り基調の500mはこれまでのルートに比べるまでもないでしょう。
小屋の周りの雪は先々週から70cmくらい減った感じです。でも入口の前の雪はまた埋まっていたので、少しだけ掘って階段にしました。
今回は掃除用のチリトリ付きブラシを持参しました。小桜平避難小屋と違ってここにはホウキがないので、掃除が簡単ではなかったのです。実際掃除すると結構埃や細かなゴミがあって、一通り掃除するとすっかりクリーンになりました。
今夜は夕方5時に夕飯にして、7時前には就寝しました。最初はとても暖かでしたが夜中にさすがに冷えてきました。外は強風が吹いているようです。
翌朝は3時45分起き、日の出が早くなった分早起きにします。これで朝食を済ませて片付けして出かける頃にはヘッデン不要になります。
昨日の渡渉と急斜面を避けるため、また距離も短いということで杉峠方面に下りて尾根筋から帰れそうなら…と偵察に行きました。チェックしていた登山道隣の谷筋は斜度もそれほど強くなく、ここから帰ることにしました。しかし強風と降雪。シールは剥がさずにそのままで滑りました。この後もシールのお世話になるので、シールの付け剥がしで雪が付いて粘着しなくなると往生するからです。
雪はガリガリ、新雪がところどころ薄っすら積もっています。雪が硬いので雪崩の心配はないのが救いです。滑りは全く楽しめませんが…。下まで滑れば登山道のところまで登り、そこから杉峠方面に登ります。
雪が硬いのでクトーもよく効き、急斜面ですがそれほど苦労せず登れました。登り切ればガスの中それなりに眺望が楽しめます。特にこの時期の杉峠方面のルートをここから見るのは初めてで、感慨深いものがあります。
ここからいくつかのピークを登ったり下ったり。ずっとシール付けたままにしました。P1476から先はルートが分かりにくいので特にこまめにGPSで確認しました。スキーだと調子に乗って滑りすぎてしまう失敗を何度もしましたので。
気温は低く、飲み物が凍り始めました。時々薄く降り注ぐ太陽の光が心地よいです。
この絶妙の尾根に乗ればあとは下りのみ。なのでやっとここでシールを剥がします。ところが重い荷物、硬い雪、そして薮…とすぐにそれは苦痛になりました。結局またシールを貼って滑りましたが、それは薮の回避にはシール歩行が欠かせなかったためです。もうカニ歩きは結構です(笑)
しかしそれも束の間、もう薮が濃すぎてスキーでは疲れるだけになって、諦めて兼用履ツボ足で歩きます。スキーを担ぐのは重いですがこっち方が楽です。そしてまたしばらくすると雪がなくなってきたので兼用履から登山靴に履き替えます。しかし雪と落ち葉で滑りやすい斜面なのでアイゼンをつけます。アイゼンの歯で地面を刺したくないですが安全のため致し方ないところです。
ここは登山道でもバリエーションルートでもないのですが、微妙に踏み跡があります。もっともこれは獣の踏み跡かもしれません。
最後は植林地に入り、もうアイゼンも必要ありませんから脱ぎます。アイゼンがない方が足が楽なのも事実です。
登山道に合流し、途中の沢でアイゼンや兼用履、スキー板を洗います。あとは登山道から林道、ショートカットも3度交えて無事に鳩ヶ湯に戻って来ました。
戻ってきてもまだ雪は降り続き、外は寒いです。赤兎山避難小屋での限られた生活からまた快適な日常に戻れました。
どうして重い荷物にスキーも背負い、歩きにくいルートを通って時間をかけて避難小屋に泊まりに行くのでしょう。しかもスキーの滑りはほとんどシールつけて。おかしいとしか言いようがないのですが、それがまさに変態なのかも知れません。
コメント
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小屋開けモモちゃん、ごぶさたです。
土曜日、ボクは経ヶ岳に登ってましたよ!
もっとも、スキーは担いでいないですがね
5kmほどニアミスでした。
今回の渡渉を見て、
チロリアンブリッジという技術を思い出しました。
ソロではあんまり関係ないですが、
いろいろ応用の利くシステムなので
復習しておきたいと思いました。
くれぐれもお気をつけて!
変態行為を楽しんでください
相変わらずパワフルな山行
うらやましい限りです。
クマ
クマさんコメントありがとうございます!
実は不覚にもクマさんのことフォローし忘れてました…早速フォローしました。
チロリアンブリッジ!今回の渡渉はごく短いですが人間もチロリアンブリッジやりました。これは元々トラロープ張ってあったからできたのですが…
YouTubeでチロリアンブリッジ見たら、背中着水シーンもあって笑わせてもらえました。
あんまりロープ必要なところ行きたくないのですが…ただでさえ重い荷物なので。
コロナで大変ですがクマさんのご活躍期待してます!
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