1日で行く 白山連峰全山縦走(銚子ヶ峰〜三ノ峰〜別山〜白山〜妙法山〜野谷荘司山〜三方岩岳)
- GPS
- 16:46
- 距離
- 40.6km
- 登り
- 3,705m
- 下り
- 3,259m
コースタイム
2:12 銚子ヶ峰
4:00 三ノ峰
5:08 別山
6:08 南竜山荘
8:41 御前峰
9:15 中宮道分岐
12:21 ゴマ平避難小屋
14:33 妙法山
15:44 野谷荘司山
16:34 三方岩岳
17:05 三方岩岳駐車場
天候 | 曇りときどき晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・美濃禅定道 比較的歩かれているようです。 岩場は少なく、ただひたすら歩くという感じです。 一部、笹が深いところもありますが、膝くらいまで。 ・中宮道(白山〜ゴマ平避難小屋) 草刈も行われていて、ある程度整備されています。 多少のアップダウンはありますが、比較的緩やかな道です。 ・北縦走路(ゴマ平避難小屋〜三方岩岳) 道はそこそこ荒れてます。 アップダウンが激しく、かなり体力を消耗します。 両手を使わないと登れない個所もいくつか。 熊に注意。北縦走路全般にわたって5、6個所、真新しいフンを確認しました。 ・水場 水呑釈迦堂=細いながらも出ていました。1L汲むのに1分くらい。 ゴマ平避難小屋=北縦走路を50mほど進んだところ。水量豊富です。 南竜山荘、室堂でも水が補充できます。 ・白山連峰の定義 白山連峰の定義は諸説あるようです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E5%B1%B1%E9%80%A3%E5%B3%B0 ウィキペディアによると、広義の白山連峰は、南の一ノ峰から北の笈ヶ岳までとなります。 笈ヶ岳は残雪期にしか登れないので省くとして。 銚子ヶ峰から三方岩岳までの区間で全山縦走としました。 |
写真
感想
28日(金)
遅い夏休みがとれたので、白山へ。
以前から計画していた、全山縦走を実行します。
三ノ峰避難小屋を利用して、一泊二日で行くつもりでした。
が、新幹線の遅れでバスに接続できず。
北濃駅で途方に暮れる。
急遽、予定変更です。
登山口の東屋で仮眠をとって、ナイトハイク。
30日は台風直撃なので、29日中に下山が絶対条件。
これしか手がありません。
※公式には、白山での夜間登山は制限されています。
北濃駅から石徹白登山口まで歩きます。
相当な距離ありますが。
途中、親切な方に車に乗せてもらったりして、18時に登山口到着。
約6時間、仮眠をとりました。
29日(土)0:10。
満月の二日前。
月明かりは充分。
美濃禅定道を行きます。
銚子ヶ峰、一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰と、順調に進んでいきます。
歩きやすい道。
途中、草原などもあって、明るいときに縦走したら楽しいでしょう。
三ノ峰からは、ライトの光が点々と見えていました。
福井県側の上小池から登ってくるようです。
御来光登山ですね。
2時スタートというところでしょうか。
別山には5時頃到着。
ほぼ予定通り。
順調です。
しかし、風が強い。
じっとしてると寒いので、先に進みます。
御来光は、御舎利山と油坂の頭の中間くらいの地点。
その前に、すごい景色に出くわしました。
一筋の光が、真上に向かって伸びていきます。
いったい、何が起こっているんだ?
太陽柱現象。
まさにそれです。
神秘的な光景に、ただ立ち尽くすのみ。
太陽が昇るにつれ、空の色は刻々と変化していきます。
薄い雲に反射して、絶妙の色合いを演出してくれました。
こういう光景を見られるのが、ナイトハイクの醍醐味ですね。
真っ赤に燃える稜線上を歩いて、南竜山荘へ。
ここでやっと人に会いました。
室堂でトイレと食事休憩。
そして御前峰へ。
山頂からの絶景を楽しんだ後、お池めぐり。
定番コースですね。
ふと時計を見ると、予定よりちょっと遅れています。
ゆっくりと楽しみすぎましたか。
風も強いので、大汝峰はパスして中宮道へ。
ここも快適な縦走路です。
一人、すれ違いましたが、それ以外は誰にも会いません。
ちょっと飽きてきた頃に、ゴマ平避難小屋に到着。
時間は12:20。
このペースなら、日没までには下山できるでしょう。
そして北縦走路へと進みます。
これが大変でした。
ほとんど人が通らないのでしょう。
道はちょっと荒れてます。
さらに獣の気配が。
雰囲気で、なんとなく「出そう」というのが分かります。
しばらく行くと、やっぱりありました。
大きなフン。
まだ新しい。
間違いなく熊です。
この先、いくつも見かけることに。
妙法山を過ぎて、しばらく行ったあたり。
ほんの数十メートル先。
藪の中から現れました。
熊です。
鈴の音に気づいたらしく、登山道を逃げて行きます。
さて、困りました。
熊が逃げた先って、これから行く方向なのですが。
避難小屋まで戻ろうか。
いや、今から戻ると日没を過ぎてしまいます。
それに、別の熊に出くわす可能性もありそう。
意を決して先に進みます。
鈴を手に持ち、打ち鳴らしながら、ゆっくりと。
強烈な獣のにおい。
藪の中から、こちらの様子を伺っているのでしょう。
なんとかやり過ごすことが出来ました。
15:44。
野谷荘司山に到着。
時間的に、全山縦走は厳しくなってきました。
ここから鶴平新道を通ってエスケープできます。
それなら、17:30頃には下山できるはず。
残念ながら、三方岩岳はあきらめるしかありません。
分岐から鶴平新道へ進もうとした途端。
右前方の藪の中に、何かいます。
大型動物。
死角になっているので姿は見えません。
バリバリと、木の実を食べる音が聞こえてきます。
どう考えても熊です。
一日に二頭も出会うとは。
さっきと同じ要領で、鈴を打ち鳴らしました。
しかし、まったく逃げる気配はありません。
もう一度鈴を鳴らします。
と、「ウーッ」と威嚇する声が。
この熊はヤバイ。
熊にも、色んな性格があるはずです。
臆病なヤツ、好奇心旺盛なヤツ、攻撃的なヤツ。
どうやら、後者に出くわした模様。
食事を邪魔されて怒っているのでしょう。
これ以上近づくのは危険です。
エスケープルートはあきらめて、三方岩岳へ向かうしかありません。
結果的に、全山縦走する羽目に。
16:34。
三方岩岳に到着。
ここからの下山路は、CT3時間。
50%で駆け抜けても、18時は超えてしまいます。
なんか、3頭目の熊に出会いそうな予感もするし。
幸いなことに、もうひとつのエスケープルートがあります。
白山スーパー林道の駐車場に下りる道です。
これならCT30分。
ただ、ひとつ問題が。
白山スーパー林道は、歩行者通行禁止なのです。
駐車場に下りても、そこから先に進めません。
タクシーを呼ぶことは可能ですが。
とりあえず下りてみました。
と、駐車場に止まっている車が。
ここはもう、全力でヒッチハイクです。
交渉成功。
トイレで速攻で着替えてから、白川郷まで乗せてもらいました。
本当に助かりました。
ゆっくりと温泉に入って。
さて、今日も野宿です。
道の駅のベンチでごろ寝。
後から、バイクで日本縦断をしてるという学生もやってきて。
まあ、楽しい野宿となりました。
30日(日)
早朝からバスで高山へ移動。
丸一日かけて高山市内見物です。
問題は帰り。
台風の影響で、特急は早々に運行中止。
新幹線もストップ。
しかし、どういうわけか高速バスは通常運行していました。
新宿行きのバスは、1時間遅れで到着。
新幹線を使っていたら、その日のうちには帰れないところでした。
今回は、運が良かったこと、運が悪かったこと、それぞれ半々くらいありました。
色々ありすぎて疲れました。
熊は、ナナカマドの実を求めて、登山道付近まで登ってきたようです。
紅葉が進んで、もう少し低い高度で実が採れるようになれば、遭遇の確率も低くなるでしょう。
にしても、白山。
楽しい山でした。
来年は別ルートで。
まったりテン泊にしておきます。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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Westmalleさん 初めまして
地元では数年前から「白山神駆道」とネーミングされていますが、登山口と下山口へのアクセスが悪いので、なかなか行けないです。
遠方からのチャレンジは気力と体力と凄いですね。
私もいつかはチャレンジしてみたいですけど2日必要かな?
Westmalleさん こんにちは。
色々な意味でハードな山行でしたね
>ここはもう、全力でヒッチハイクです。
私はそもそもヒッチハイクなるものをやったことは無いのですが、全力で交渉とはさらに想像もつかないですね
うんと言うまで引き下がらないという事でしょうか
クマとの遭遇、ご無事で何よりでした
westmalleさん、こんにちは。
westmalleさんのレコの場合、もうコース取り、距離、時間には
驚きませんが今回は熊遭遇2回には超びっくりです。
でも、地図では小さすぎてよく分らないので、地形図で
みています。
やはり強い獣臭がするんですね。
ご無事でなによりでした。
コメントありがとうございます。
石徹白の登山口は、特にアクセスが大変ですね。
東京からだと、片道8時間かかってしまいます。
美濃禅定道。
人が少ない分荒れているかと思いましたが、しっかりと整備されていて。
歴史もあって、地元の方に愛されてる道なのだなぁ、と思いました。
hakusan319さんの山行記録を拝見すると、白山は相当な回数登ってらっしゃるのですね。
今度登るときは、参考にさせていただきます。
全力でヒッチハイク。
それはもう、精一杯演技することです!
何しろ、寝不足と疲労でボロボロの状態。
普通に話しかけたら、ただの怪しいヤツにしか見えません。
笑顔で明るくさわやかに。
「あやしいものではありません」オーラを出しながら。
世間話から入って、熊に遭遇したエピソードで相手の興味をひく。
ひと盛り上がりしたところで、ふと、思い出したように「下まで乗せてもらえませんか」と。
必死に頼むのではなく、あくまでもさりげなく。
交渉の結果、快く乗せてくれました。
熊と遭遇したことが、ここで役に立ったわけです。
まあ、とにかく大変で楽しい山行でした。
今回は久しぶりに、地図の縮尺が10km表記になりました。
このコースだと、標準CTが23時間30分。
72パーセントで歩けました。
熊との遭遇は、本当に運次第ですね。
有効な回避方法がないんです。
一歩間違えば、前後から挟み撃ちにあうところでした。
でも、熊鈴のメリットとデメリット、両方体験できたのはよかったと思ってます。
状況によっては、鈴の音で熊を怒らせることもあるようです。
そういえば獣臭。
2回や3回じゃなかった気が。
近くの藪に、もっとたくさん潜んでいたのかも知れません。
今考えると、ちょっと怖くなります。
westmalleさん、ご無沙汰です
白山、2005年の9月に一度だけ行きました。
別当出合からのルートで室堂に一泊しました。
所謂ガイドブック通りのルートです
お池巡りの写真、懐かしいです。
先日、熊要注意のルートを歩いてきました。
朝、小屋の方からはさんざん脅かされましたが
無事に会うことはありませんでした。
単独でしたが鈴やら笛やら賑やかな道中でした。
熊と最接近したのは、南アの早川尾根でした。
3〜4mといったところでしたがまだ若い熊で
先方が逃げてくれたので助かりました。
何やら今年も熊の話はよく聞きますのでお互いに
注意したいですね
白山、行かれたことあるんですね。
室堂、一度泊まってみたいと思いました。
お池巡りも、なかなか面白かったです。
今年は熊、多いみたいですね。
木の実が不作で、民家付近まで下りてきているようで。
室堂にも張り紙があって、室堂周辺で熊が目撃された、と書いてありました。
森林限界超えてるのに、出るんですね。
白山は国立公園で保護されているせいか、熊の数がやたら多いそうです。
今回、音と匂いで判断することも重要なんだと痛感しました。
目に見えるものだけではわからないことがいっぱいあります。
山では、五感すべてを研ぎ澄ませておく必要がありそうですね。
westmalleさん、こんばんは。
毎度けた外れながら、今回も凄いですね〜。普通なら2日いや3日かかるところをイレギュラーがあったはいえ1日で歩ききってしまうとは
また今度も脱帽です。
しかし熊に2回も遭遇とは大変でしたね。2頭目は食事中でじゃまされたくなかったんでしょうか。
難なく全山縦走に切り替えるあたりサスガです。
福井は地元なのに実家には寄らずにピストンだったのかな?
目から鱗のレコありがとうございました&お疲れさまでした
疲れました。
いろんなことがありすぎて、精神的に。
熊に2回は、ヤマレコでも新記録かもしれません。
2匹も遭遇すると、もう1匹いるんじゃないかと思って、ヒヤヒヤものでした。
そういえば、長野駅構内にも熊が出没したとか。
きっと今年は、熊の当たり年です。
ShuMaeさんも気をつけてくださいね。
福井は……
まあ、実家に帰るよりも観光優先です。
せっかく遠くまできたので。
westmalleさん、初めまして!
タイトルを見てびっくりして読ませていただきました。
凄いルートをそれも一日でやられたとは驚きです。
このコースは行きたいと思っているのですが、交通をどうしようか考えていたところです。
一人で行くには車は難しいし、誰かを誘うにも、誰も一緒に行かないだろうし、カミさんに送ってもらおうか。。。なんて、考えていました。
クマはいやですね。
まだ出会ったことはありませんが、強烈な匂いにビクビクしながら歩いたことはあります。
あわないようにと祈っています。
また、楽しそうな、ビックリのレポート楽しみにしています。
P.S.ナナカマドの実とありますが、写真の木はオオカメノキです。ナナカマドの葉は細いですよね。
あっ、それと実家が福井何ですか?
私は足羽山の下に住んでいます。
コメントありがとうございます。
このコース、公共交通機関だと、けっこう大変ですよね。
石徹白登山口は特に。
数年前まで大野からのバス便があったと思いますが、廃止されてしまいましたね。
北縦走路には驚きました。
こんなに熊が多いとは。
足を踏み入れた瞬間から、なんかヤバイなぁ、と感じてました。
ヤマレコで検索しても、ゴマ平避難小屋〜妙法山は、ほかにちゃんとした記録がないようです。
それだけ歩かれてないルートなのでしょう。
ルートはちょっと違いますが、白山神駈道登山というイベントもあるようですね。
http://blog.livedoor.jp/hakusankamikake/
あれはオオカメノキですか。
書いた後、なんか違うよなぁ、と思っていたんです。
謎がとけました。
足羽山、懐かしいです。
実家は福井市で、九頭竜川の近くです。
westmalleさん、おはようございます。
westmalleさんの事なので、ロングには驚きませんが、太陽柱現象と熊に2度遭遇には驚きました
自分もそんな経験は無いですね 前者は是非経験したいですが、後者は今後も経験したくないですね
20日に再開できますね。21日の打ち上げでゆっくりこのお話をお聞きしたいです。
ではまた。
太陽柱は、ちょっとレアな現象みたいですね。
氷の結晶の反射で起こるらしく、冬山のほうが発生率高いようです。
熊は・・・
一歩間違えば前後から熊に挟まれるという、これまたレアな経験でした。
21日に再会できることを楽しみにしております。
果たして、19時までに打ち上げ会場にたどり着けるかどうか、が問題ですが。
無理せず、適当なところでエスケープします。
今回は気楽に行こうかと。
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