白峰〜三ツ谷〜杉峠〜赤兎山避難小屋(泊)〜赤兎山〜小原峠〜越前禅定道〜三ツ谷〜白峰 #29,30
- GPS
- 14:41
- 距離
- 39.0km
- 登り
- 1,839m
- 下り
- 1,843m
コースタイム
- 山行
- 8:18
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 9:05
天候 | 1日目 : 晴れのち曇り 2日目 : くもり時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
川上御前社〜小原峠は残雪多く、谷割れ多く急な雪の斜面をトラバース歩き、枝沢の横断があり難易度高いです。 |
写真
感想
さて徐々にコロナウイルスが忍び寄るこの頃、赤兎山避難小屋への最後のルートである三ツ谷から杉峠、そして小原峠を周回するルートに行ってきました。このルートを残雪期に入るのは初めてで、今回もロープ持参です。
先週末は鳩ヶ湯から赤兎山避難小屋でしたが、その時裏赤兎山から避難小屋のアプローチができると分かり、今回は三ツ谷から杉峠を経由して赤兎山避難小屋を目指すことにしました。
白峰の風嵐ゲートはまだ閉まってますから、三ツ谷の登山口まではチャリになります。斜度は強くないのですが距離があり、踏ん張らないといけません。三ツ谷への林道はダートなので慎重に走らせます。パンクしたら後が大変なので。
三ツ谷の登山口までは雪はまったくありません。標高1100mくらいまでは普通の登山道で、重い荷物とスキーが肩に食い込みます。
徐々に雪が出始め、いよいよ繋がったのでスキーを履いて歩きます。いきなり急登なのでクトー装着します。ピークまで詰めたのはいいのですがそこから薮で、GPSを見るとどうも登山道は右に巻いてました。残雪があると登山道を見失ってしまう好例です。
スキーは脱いでアプローチシューズに履き替え、無理やり薮を降りて登山道に合流します。雪のない登山道を歩き、またしばらくすると雪がつながってきました。
もうさすがにずっと雪がありそうなので、またスキーに履き替えます。杉峠はもうすぐな感じです。杉峠にはトラバースになるので尾根筋を歩き、県境稜線に入ってから右に折れて杉峠に到着です。ここでもう12時過ぎなのでお昼にします。ルートを探したりスキーを履いたり脱いだりと時間がかかります。ここから三ノ峰が近いですが、GPSを見ると4kmほど。そして赤兎山避難小屋までも4km。え、三ノ峰と同じ距離って知って愕然とします。もっとも三ノ峰の方が標高400mほど高いですが。
赤兎山避難小屋までのルートは細かなアップダウンが続きます。尾根筋の下りは枝尾根に入り込みやすく、2回ほど無駄に下ってまた戻りました。下りもシールつけたまま滑ります。
尾根筋を90度近く右に転回したところで大きく斜度を下げ、また登り返します。雪は硬めで急斜面でしたが、シールのまま滑りました。シールはスキー板より両幅2mmずつ細くカットするのですが、これはシールのまま滑る時に有効です。エッジをシールで覆うと、シールのまま滑る時にエッジがすっぽ抜けてとても危険です。
杉峠からの4kmはなかなか縮まりません。時速1kmちょいくらいでしょうか。雪切れがあればスキーを脱ぎ、また履き、クトーを表向けたり裏返したり、薮を回避し、枝尾根に悩まされたりと時間を浪費します。
そしてようやく裏赤兎山への最後の登り。それほど急ではないので左手の先週下山に使った尾根筋や、三ノ峰を振り返りながら登ります。気温が下がってきたのか雪の表面に薄い氷が張ってます。最後は広い山頂で、対峙する赤兎山避難小屋への斜面が目に入ります。
そこに至る鞍部へは急な下りです。ここもシール装着したまま滑ります。もう最近シール剥がして滑るということを忘れたかのようです。鞍部に届けばあとは左手に少し滑って、谷筋の出合から登り返します。
ここは登山道の尾根筋とは異なり案外穏やかです。特に沢があるわけではないので雪も割れていません。ただ急斜面が全層雪崩した跡もあるので、確実に安全というわけではありません。最初は直登、上部1/3は少しジグを切って登り、最後の二股を左手に進めば避難小屋の裏にひっそりと出ます。
すると赤兎山からこちらに向かって複数のトレースがありました。もしかして小屋に先客が?と思い入り口に近づくと、トレースは小屋には入ってませんでした。この先の急な登山道の手前で終わっていました。
もう夕刻、水作りの雪を集めて小屋に入ります。雪には雪虫の卵か幼虫が時々入ってますので、浮いたそれを箸で外に出します。
夕飯は6時くらいに済ませ、満腹になったら歯磨きしてもう寝るだけです。
翌朝は3時半起きです。昨日作った水からお湯を沸かし、お雑煮のお餅を焼いていただきます。片付けてパッキングし、小屋の中を掃除して荷物を外に出します。5時前ですがもう外は明るく、ヘッデンは片付けました。
昨日のルートはアップダウンも多く長かったので、今日は小原峠から谷筋を下山することにしました。心配なのは残雪期の谷筋がどうなっているか?標高は1200m以下ですが北向きの谷筋なので結構雪が残っているかも知れません。
赤兎山までの登り返しはいつの通り、背後に朝日を浴びながらです。赤兎山に着く頃にご来光もどきが現れます。昨日のトレースは3名くらいのトレースが鳩ヶ湯から、単独のは小原林道からのようです。小原峠までスキーで慎重に滑ります。雪は固くガリガリ言わせながら、重いザックに揺られながらの滑りです。
小原峠から先は無雪期しか歩いたことがありません。しかも一度だけ。果たしてどうなっているか、GPSを見ながら慎重に谷筋を進みます。最初は十分な雪で谷も埋まっていました。
しばらくすると谷筋が割れ出し、左岸と右岸を使い分けながら滑って行きましたが、ついにそれも困難になり、雪が割れたりそこに至るところが切り立っていることが出てきます。ここは安全優先でスキーを諦めて兼用靴にアイゼンにします。そして薮を掴みながら降りたり登ったりを繰り返し、このまま谷筋を歩くのは難しいので斜面を登り返してトラバースしながら歩くことにしました。
トラバースと言ってもどこでどう急斜面になるか分かりません。少しずつ標高を下げ、苅安山の南から伸びる尾根筋に乗ったところで少し安堵、休憩することにします。
苅安山の南への尾根筋は安定して伸びているようで、分かっていればここから下ってくればスキーで快調に行けたと思います。休憩を終えて、ここからは尾根筋よりも左の安定した斜面をアイゼンのまま下ります。スキーに履き替えたかったのですが、実際アイゼンのままの方が履き替え時間がないので速かったでしょう。そこから谷筋を渡るところが急で、45度くらいの雪の斜面をバックステップでアイゼンで下りました。ここもスキーならサッと滑れるのですが。
谷には雪がないので沢をアイゼンのまま歩いて渡ります。そしてまた雪に乗り、左岸を歩きます。この辺りまでくれば谷も浅くなり、左岸をほぼ安定して歩けるようになります。
そしてようやく越前禅定道の道標が現れたと思えば、もう林道終点が見えてきました。もうこれで際どい沢沿いの歩行から解放されました。渡渉はアイゼンのまま終えて、ここから林道を滑れるとスキーに履き替えている途中、スキーのブレーキが下りてなくてそのまま雪の面をサーっと滑り落ち、沢の中にスキーがドボンしました。
幸いスキーはストックを使いながら釜の中から拾い上げ、改めてスキーを履きます。これが深い谷に落ちていったら大変なことになりますが、そんなところでは決して油断しないものの、こういう平凡なところで緊張の糸が切れた感じです。
あとは雪が切れるたびにスキーを脱ぎ、雪が出ればスキーを履きの繰り返し。雪が完全になくなってから2kmほど歩いてチャリを取りに300mほど登山口まで戻りました。ここからはダートな林道を慎重にチャリで走って、あとは快適なチャリ下山で無事に風嵐ゲートに帰還できました。
巷では不要不急の外出に登山は含まれるのか?という議論が賑やかですが、人は誰しも自分の考えや行動を肯定する論理が好き、自分を肯定することで生きることができるものです。なのでそれぞれに多種多様な考えや行動がある以上、その議論は自分を肯定するためにやはり多種多様になります。
目的は感染防止なので、同居する家族でのパーティーあるいは単独での登山で、できるだけ他に登山者がいなくて、小屋に入るとすれば他に誰もいない、道中どこにも立ち寄らないのであればパーフェクトでしょう。安全の観点から言えば力量の揃ったパーティーで行くのがベストですが、それは感染リスクを高めることになるので、とても難しいところです。
あと健脚さんは体力があるので感染しても無症状なことが多いでしょう。そうすると無意識のうちに感染を広げてしまっているかも知れません。そういうところにも気をつけないといけないので、自分が元気でも自ら隔離生活を送った方がいいかも知れません。
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