烏ヶ山 〜ブナの森を抜けて山陰のマッターホルンへ〜
- GPS
- 05:02
- 距離
- 5.1km
- 登り
- 515m
- 下り
- 499m
コースタイム
天候 | 晴(薄曇り) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道は明瞭です。笹(ネガマリタケ)が茂ってきているので長袖の方が良いです。山頂近くは岩場になるので手袋装着を推奨します。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ジャンパー△
ズボン
靴下
グローブ
日よけ帽子(キャップ)
靴
サブザック
昼食(パン+コーンポタージュスープ+紙パックジュース)
行動食(飴)
予備食(シリアルバー他)
飲料(お茶600mL
水500mL)
OD缶ガスカートリッジ
シングルバーナー
アルミ食器セット
箸
iPhone(GPS)
iPad mini
サブバッテリー△
カメラ
携帯電話△
腕時計
ラジオ△
ヘッドライト△
手拭い
ティシューペーパー△
|
---|---|
備考 | △は持って行ったけれど使わなかったものです。 |
感想
今年は部活動の大会が軒並み中止となり、遂に高校総体も中止となってしまった。本来なら5月末の週末に県の高校総体があって、各種運動部の大会が開催されるところだったのだが、何もない静かな週末となってしまった。緊急事態宣言は解除されているものの、「県外への移動は控えましょう」と呼びかけられているので、今週も県内で楽しめそうな山を探して娘と歩いてみることにした。
出かけたのは烏ヶ山(からすがせん)1448m、中学校の学校行事で登ったきりで、遠くから眺める大山の後ろにニョキっと突き出しているその岩山を見るたびに、登ってみたいなぁと気になっていた。ただ、地震が起こるたびに登山道が崩落し、危険なので登山禁止になったというニュースが流れ、現在登って良いものなのかダメなのかよくわからず、登るのを躊躇していた。しかし、山に詳しい人々からの情報によると、公式に登山道が開通したとはされてはいないが、問題なく登山できる状況になっているということだった。標高差約400m、行程は往復で5kmほど、何度か私と山を歩いてきた娘にも、ハイキングから一歩ステップアップして欲しいと思っていたところでちょうど良い山だと判断した。
この日の天気予報は晴れ、だが九州南部や四国は梅雨に入ったらしいので、この先しばらく天気のよい週末は見込めないかもしれない。何としても、この日登ってしまうぞと意気込んではいたが、早起きは苦手なものだから、家を出たのが8時半過ぎ、登山開始は11時近くになってしまった。新小屋峠の登山口には「登山口」の標識こそ無いものの、「熊注意」とか「縦走はやめてください」とか「自己責任です」の表示があり、どう見ても登山口だった。公式には登山道として推奨しませんよというスタンスなんだろう。
最初は傾斜も緩くブナなどの広葉樹が多く明るい森の中の道だ。足元には胸ぐらいの高さの笹(クマザサ・チシマザサ・ネマガリタケ)が時にはまばらに、時には密に茂っているが、登山道は草が刈られていて、踏み跡もしっかりしている。分岐もほとんどないので、地図やGPSを見なくても問題なく歩ける。
標高1230mの稜線ポイントに出ると右には烏ヶ山と大山、そしてその向こうに霞んで日本海が見える。そして後方には矢筈ヶ山と甲ヶ山、あの辺りの岩場を以前歩いた時は雨で大変だった(「甲ヶ山・矢筈ヶ山 〜ずぶ濡れ岩峰歩き〜」 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1606352.html )ことを思い出す。この日の空は少し霞んでいたものの、低い雲は無く、強い日差しが遮られているため少し汗ばむ感じが心地よかった。
稜線はイワカガミが花盛りであちこちにピンクの花、時に白い花を咲かせていた。ツツジ(ダイセンミツバツツジ?)の花はそろそろ終わりのようで、花びらのしおれたものが多かった。また、登山道にムシカリ(オオカメノキ)の白い花びらが散っているのを時々見かけた。
灌木の茂る稜線の坂を抜けたら一気に視界が開けた。「新小屋分かれ」だ。ここはサントリー奥大山の天然水CMで宇多田ヒカルが、#水の山行ってきた「はぁ〜」といっている所らしい。確かに絶景、意味も無くそこら辺の岩に娘を座らせて写真を撮ったりしてみた。
ここから岩場が続く。グローブをはめて、ロープや岩や木の根や枝を握りながら登って行く。南峰の上まで来たら、その先に目指す烏ヶ山の頂と後ろに構える大山のツーショットが目に入った。この光景はここでなければ見ることができない、登ってきてよかったと思える瞬間だった。そして、再び少し下ってまた岩場をよじ登ったところで烏ヶ山の山頂へ到着した。
出発が遅かったので、時刻は1時を過ぎていた。ここで昼食とした。行きがけに立ち寄ったパン屋で買ったパンと、沸かしたお湯でつくったコーンポタージュスープ、紙パックジュースの昼食だった。こんな山の上だのに、ハエとか羽虫が多くて戸惑った。つくったコーンポタージュに黒い羽虫が飛び込んできたりして、追い払うのが大変だった。
しばらく休憩して帰路についた。行きがけと同じコースを戻ったので、道の様子はわかっているし、稜線・尾根下りは遠くの山々を眺められて気持ち良い。森の中に入っても鳥のさえずりと新緑に透ける陽光が美しく、心癒され、足取り軽く降りることができた。
この日は数組の登山者と出会った。さすがにマスクをして歩いている人はいなかったが、密になることを心配する状況も無く、明るく挨拶を交わしながらすれ違った。さすがに私たちが一番遅いグループだったようで、下りがけは誰とも出会うことはなかった。
先週に引き続き、鳥取県の素敵な山を良いコンディションで歩くことができた。コロナ騒ぎによる自粛要請が無ければきっと兵庫県や岡山県の山に行っていたことだろう。そして、「鳥取県にはこんなにいい山は無いよなぁ」なんて言っていたに違いない。青い鳥は意外と自分の近くにいるものなんだと気付かされた。この烏ヶ山には危険個所もあるので、皆さんに薦めて良いものなのか判断が苦しいのだが、魅力のある山であることには違いない。このレポートでその魅力を伝えることができていたら幸いだ。
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