【釜無ルートから鋸岳】ルートミス&後輪パンクで13時間超え
- GPS
- 13:15
- 距離
- 28.7km
- 登り
- 2,314m
- 下り
- 2,310m
コースタイム
- 山行
- 11:24
- 休憩
- 1:51
- 合計
- 13:15
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
・ クルマは、釜無川ゲートの300mほど手前の採石場との分岐近くに駐車しました。そこから先は、折り畳み自転車でゲートを通過。自転車に乗ったり押したりして林道6km地点まで移動。途中は舗装された部分もかなりあり、自転車利用が効果的だと思います。ただし、今回のような、ダート走行時におけるタイヤのパンクには十分ご注意を。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・ 林道6km地点の崩壊地手前までは、何の問題もありません。 ・ 自転車をデポしたところから先は、写真の説明をご覧ください。同じ日に歩かれた方々の詳しいルート説明も参考になります。 |
その他周辺情報 | 下山後、約56km離れた、佐久市内の春日温泉「かすがの森」に宿泊しました。通常料金1泊2食13,200円のところ、GoToトラベルのおかげで、8,150円ほどで宿泊できました。そのうえ、地域共通クーポン2,000円付き。ただし、佐久市内で電子クーポン利用できる店舗がなく、お土産に使えなかったのが残念でした。 |
写真
感想
(経緯)
・ 日本200名山並びに日本百高山に選定されている、南アルプス北部の鋸岳に釜無川ルートで登ってきました。昨年秋の台風19号による豪雨被害で、実質的な登山口であるログハウスまでの林道が寸断されたため、最近の記録を拝見すると、皆さん10〜12時間をかけて歩かれている様子。還暦を過ぎ、スピードもスタミナも落ちてきている自分としては、12時間以上はかかるだろうと覚悟していたのですが、ルートミスや自転車後輪のパンクなどのアクシデントもあり、想定を上回る13時間超えの山行となりました。
・ 実は、横岳峠でテン泊する1泊2日での登山を計画して、前日の朝7時過ぎにゲート近くまで来てみたのですが、砂利砕石を運搬する大型ダンプの往来が激しく、林道は砂ぼこりで歩くのも危険なほど。戦意喪失で、その日は鋸岳登山をあきらめ、同じ二百名山である御座山に変更し、ダンプが通行しないらしい翌日に日帰りで鋸岳登頂を目指すことにしました。
・ 日没前には戻りたいことから、歩き始めは夜明け前の午前4時。真っ暗な中、ヘッドランプを点けて折り畳み自転車にまたがり、登山スタート。6kmほど進んだ最初の林道崩壊地点手前までは何の問題もなく行くことができました。ここに自転車をデポして、歩行開始。
・ 山側からの土砂崩壊箇所を何度も乗り越えながら歩いていくと、ヤマレコの記録で見た覚えのある、6.7km林道崩壊地点に到着。わずかに幅1mに満たない路面が残されているだけで、左側は高さ20mほどの崖となったところを通過しますが、ここは今後大雨が降れば、完全に崩れてしまいそうです。その際は、擁壁に付けられたハシゴを登って擁壁の上を歩くか、または河原に降りて進むしかなさそうです。
・ さらに進むと、林道が完全に崩壊した現場に到着。先行していた登山者が、あきらめて戻ってきたので、二人で河原に降りてルートを探り、砂防堰堤のところから、なんとか林道に復帰することができました。
・ 足の速そうな先行者の方には先に行って頂くように声をかけ、疲れない程度にマイペースで歩いて、午前6時半頃にログハウスに到着。ここまでは、概ね予定どおりでした。ここで朝食休憩をしていると、後続の単独登山者が到着。その方のあとを追うように登って行くと,一つ手前の涸沢から樹林帯に入り込んでしまいルートミス。その登山者はそのまま,ルートの無い樹林帯を無理矢理進んでいきましたが,私は安全策をとってログハウスに引き返しました。これにより,30分ほどのロス。
・ ログハウスからは、新しいテープのマークを発見。その先は基本的に岩だらけの崩れた沢を左手に見ながら樹林帯の中を歩きますが、登山道は崩落していて、ルートが分かりにくいです。沢沿いの岩の堆積したところを登っていくと、真っすぐに立つカラマツの木の根元に水場標識を確認。この先はルートがはっきりしてきますが、その代わり、傾斜がきつくなりロープを頼りの急登が始まります。テン泊装備の重荷では、この登りはきつそうです。
・ 横岳峠には、水場から30分ほどで到着。ここで15分ほど昼食&水分補給の休憩です。平坦な草地が広がっていて、幕営にはもってこいの場所ですね。樹林帯の中なので、風雨もしのげます。計画では、ここで幕営していたはずだったのに、残念です。
・ 休憩後は、標高2,607m三角点を目指す標高差約600mのコメツガやシラビソなどの樹林帯の中の急登となります。何か所か倒木などもあり、疲れた体にはきつい登りです。途中の登りで、息を整えるため小休止していると、下のほうからすごい勢いで登山者が登ってきて、一気に私を追い越していきました。こちらはすでにクタクタなのに、すごい体力です。ペースは遅くとも休まずに登り続ければ、必ず山頂には到着するので、ここはじっくりと登り、三角点手前のピークに1時間半ほどで到着。このあたりからは、鋸岳の山頂も近くに見えるようになり、元気が出てきます。
・ 三角点ピークの先の岩場からは、険しい稜線の先に、ピラミダルな山容が見事な鋸岳の素晴らしい眺めが望めました。そしてその手前には行く手を阻むような角兵衛沢の頭。山頂までは、足場の悪い岩場のアップダウンが続きます。右下は岩場の断崖絶壁で、転落したら一巻の終わりです。でも、左手側はハイマツの茂る草付きの斜面なので、実際に歩くと、見た目ほどの高度感はありませんでした。角兵衛沢の頭を乗り越え、角兵衛沢のコルから急登を登り返し、鋸岳の山頂には11:27に到着です。横岳峠から、2時間半ほどかかりました。
・ 山頂からは期待通りの雄大な眺めを楽しむことができました。目の前には甲斐駒ケ岳、右手には仙丈ケ岳、その間には遠くに北岳や間ノ岳が望めました。山頂で写真撮影をしていたところ、午前零時に黒戸尾根をスタートし,甲斐駒ヶ岳から歩いてきたという登山者が到着。釜無川ゲートへと下って,スタート地点まで周回するらしいです。自分には考えられないような凄いパワーですね。TJARに出場するのかな?
・ 休憩を終え、11:45に山頂をあとにして下山開始です。来た道を忠実に戻ります。角兵衛沢のコルまで下って頭に登り返し、さらに小ピークのアップダウンをこなして三角点ピークまでは約50分。その先、横岳峠までの下りは1時間20分。疲れた体に鞭を打って下り続けます。水場には14:20頃に到着。この先の下りで少し迷いましたが、ログハウスには15:07に戻りました。
・ ログハウスから先も、基本的に往路と同じルートで歩きましたが、砂防堰堤の乗り越えでは、林道に上がらずに堰堤のハシゴを登り、そこから斜面の踏み跡を辿って堰堤の下の沢に降り立ちました。その先は沢沿いに下り、登ってきた時と同じようなルートで自転車をデポした地点まで戻りました。
・ この先の林道は、舗装部分も多い下りとなり、体感的には時速30kmほどの快適なサイクリングを楽しみます。ところが、残り2km地点のダートに差し掛かったところ、突然、後輪の空気が抜け、走行できなくなりました。パンクです。これでは自転車には乗れませんので、仕方なくゲートまで25分ほど自転車を押しながら歩きました。パンクしなければ5分もかからずに到着できたはず。
・ 結局、釜無川ゲートには17:09に到着し、さらに6分ほど歩いて、クルマに戻ったのは17:15でした。午前4時のスタートから実に13時間15分という、これまでで最長の日帰り登山となりました。
(感想)
・ 日本二百名山の中でも難関と言われる鋸岳については,以前から機会を捉えて登りたいと思っていました。昨年夏には,バイク利用で林道走行して登頂することを試みましたが,ゲートを突破できずに断念。
・ そうこうしているうちに,昨年秋の台風被害で,アプローチの林道が土砂崩れで寸断され,釜無ルートからの登山が困難との情報が入ってきてどうしたものかと,思案に暮れていましたが,幸い今年に入って登頂した記録がヤマレコにアップされるようになり,今年こそはとチャレンジすることにしました。
・ ただし,土砂崩れに伴い,ログハウスまでの林道のアプローチに,かなり時間がかかりそう。還暦を過ぎ、スピードもスタミナも落ちてきている自分としては、12時間以上の行動時間を想定し,夜明け前から歩き始めることとしました。
・ ルートミスや自転車後輪のパンクなどのアクシデントもあり、結果的には想定を上回る13時間超えの山行となりましたが,何はともあれ,無事に登頂できたことにとても満足しています。
・ それにしても,このルートを歩く登山者の皆さんは,すごい健脚揃いですね。同じ日に登ったヤマレコの記録を拝読すると,9〜10時間でゲートに戻られている方ばかり。私のように13時間もかけて歩いた記録は皆無です。でも,それであるからこそ,これから登ろうと考えている方,特に中高年登山者の方には,今回の私のような長時間を要したケースを考慮し,万全の備えで登山に臨んで頂ければと思います。
・ 鋸岳への登山は,ルートファインディングや急峻で高度感のある岩稜地帯の登降,標高差1,700m以上をクリアできる体力など,登山への総合的な能力が求められますが,それだけに達成感・充実感を味わえる,屈指の登山ルートだと感じました。
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