甲斐駒ヶ岳〜塩見岳〜赤石岳〜聖岳〜茶臼岳【南アルプス縦走】
- GPS
- 136:31
- 距離
- 129km
- 登り
- 12,270m
- 下り
- 12,116m
コースタイム
- 山行
- 1:50
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 2:42
- 山行
- 8:44
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 9:40
- 山行
- 11:39
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 12:22
- 山行
- 8:47
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 9:33
- 山行
- 11:23
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 12:28
- 山行
- 4:13
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 4:45
- 山行
- 2:26
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 2:29
天候 | 感想欄に記載 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
ゴールは赤石温泉白樺荘 バスでJR静岡駅まで |
コース状況/ 危険箇所等 |
ルート上の山小屋は七丈小屋以外は全てクローズ中 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
今年の南アルプスはアレの影響で山小屋はほぼ営業していない。静かな山を楽しむには絶好のチャンスだ。というかこんなチャンスは二度と無いかもしれない。ぜひ歩いてみよう。ということで南アルプスを縦走してみることにした。
【1日目】 曇り
朝一のフライトで札幌から東京まで移動。新宿でOD缶を調達後、あずさ号、普通電車と乗り継いでJR長坂駅で下車。ようやく今回の登山のスタート地点まで到着。遠いよ。
駅から白州道の駅までテクテク歩いていく。道の駅横のスーパーで夜メシと翌日分の行動食を追加で調達。水も汲んでおく。この日は道の駅からもう少し歩いて甲斐駒ヶ岳の登山口のキャンプ場でツェルト泊した。
【2日目】 曇り一時雨
甲斐駒ヶ岳へ向けて暗闇の登山道を登っていく。良く整備された超歩きやすい道だった。軽量化したとはいえ縦走用ザックが少々重い。こんな時期なのに暑くて汗だくとなった。
稜線まで登ると風が強かった。小雨も降ってきて今度は寒くなってくる。七丈小屋のテン場にはテントが多数あった。登るにつれ大きな岩の通過が増えてくる。ガシガシ登る。山頂が近づくにつれスライドする方が増えてくる。さすが人気のコースだね。
甲斐駒ヶ岳の山頂に到着したときはガスで真っ白だった。残念。風も強くて寒い。写真だけ撮ってすぐに下山を開始した。北沢峠まで急な尾根を下る。少し下るとガスが抜けて絶景が広がる。北沢峠は誰もいなくて静かな雰囲気だった。
北沢峠からは沢沿いのルートを薮沢小屋まで登る。これまでの道に比べると少し荒れ気味だった。薮沢小屋は毛布もあって想像より快適だった。
【3日目】 雨のち晴れ
昨夜遅くからポツポツと雨の音。朝起きて外を見ると濃厚なガスだった。天気予報を確認すると午後までには回復するとのこと。少し遅めに出発。
ガスの中を進む。稜線に出ると暴風雨だった。キツい。仙丈ヶ岳と大仙丈ヶ岳は通過するだけ。樹林帯に入るとようやく風地獄から開放される。ガスで霞む森は幻想的だった。徐々に天気は回復してくる。
三峰岳まで登る頃には雨も上がってガスも抜ける。絶景の風景が広がっていた。感動。相変わらずの強風だけどおかげで涼しくて快適だった。北岳は小屋にザックをデポして往復。農鳥岳は時間がないのでパスした。
間ノ岳からは遠回りして巻道経由で熊の平小屋まで進む。途中で日没になってしまい暗闇で夏道をロスト。夏道に復帰するのにちょい難儀した。今夜は熊の平冬季小屋で宿泊。貸し切りだった。
【4日目】 晴れ
朝から快晴。今日も稜線は強風のおかげで前日同様に涼しくて快適。ひたすら絶景を見ながらの稜線歩きだった。感動。正面には塩見岳や後ろには昨日から歩いてきた山々も良く見える。素晴らしい景色に登りのキツさも忘れる。
塩見岳を過ぎると数名の方とスライドするようになる。塩見小屋手前でスライドしたおじさんは話し好きで長話しとなった。三伏峠までの間にも数名の方とスライド。ここも人気のコースのようだ。
三伏峠からは正面に荒川岳の稜線を見ながら進む。高山裏避難小屋に到着後は小屋に荷物をデポして水を汲みに行く。水場まではそこそこ遠かった。小屋は僕を入れて最終的に3組4名となった。珍しく大人数?だった。
【5日目】 晴れのち雨
今日は午後から天気が悪化するとの予報。高山裏避難小屋は暗いうちに出発した。稜線まで登ると荒川岳がドーンと見えてくる。結構遠くに見えて悲しくなった。荒川岳を往復するのが面倒に感じてしまい行くかどうか悩んだ。しかし結局は行くことにした。分岐から荒川岳を往復。
分岐まで戻ったら次に荒川小屋方向へ進んでいく。今度は正面に赤石岳の勇姿がドーン。赤石岳への登山道もくっきり見えた。百間洞山の家を過ぎた辺りから雨がポツポツと降ってくる。風がないのが幸いだった。兎岳手前辺りまで来た頃には本格的な雨となる。登るにつれ風が出てくる。聖岳山頂辺りだけは強風だった。寒くて辛い登りとなる。体に霜が張り付いていたのでマイナス気温だったのかもしれない。聖岳を過ぎて少し標高が下がると風は治まる。
泊まりは聖平冬季小屋。貸し切りだった。気温6度。濡れた体が冷えて超寒かった。火で暖まりたい気分だけどガスも残り少なくて食事以外には使えない。着干しできる気温でもなかったので下山後に着る予定だった服に着替えた。乾いた服は暖かい。雨はずっと降り続く。夜中は寒かったのでツェルトやザックまで総動員して包まった。
【6日目】 雨
朝から大雨だった。寒いし雨が酷いしですごーく行きたくない気分だけど明日以降も雨予報だ。このままここに停滞していても状況は変わらないと思われる。少しでも進んでおきたい。雨の中を出発することにした。悩み過ぎてかなり遅い出発となってしまった。乾いた服はキープしておきたかったので前日の濡れた服に着替えた。不快。
雨は強くなったり弱くなったりを繰り返す。ただ風も弱いし視界も良い。薄っすらと遠くの稜線まで見えた。天気が良ければ素晴らしい稜線歩きだったのだろう。上河内岳を過ぎると徐々に風が出てくる。茶臼岳へ近づくにつれさらに風が強まってくる。この気温でこの風は辛い。茶臼岳の山頂は強風で超寒かった。光岳まで行く予定としていたがこの環境ではしんどい。中止とした。
茶臼小屋で雨宿り後、畑薙湖方向へ下っていく。下山中も雨は弱まることはなかった。全身びしょ濡れ。稜線は酷い環境だったこともあって早く下山しておこうと思っていた。でも少し下ると風もなくなり暖かくなってくる。寒くなければ全身びしょ濡れでもOKだ。このまま下山してしまうとこれで山旅も終わりかと思うと寂しい気分になる。もう少し山に居たくなった。日程にもまだ余裕があるので今夜はウソッコ沢避難小屋に泊まって明日下りることにしよう。ということで今日はウソッコ沢避難小屋で宿泊。今日も貸し切りだった。避難小屋泊は快適だ。その後も雨は降り続く。
【7日目】 雨
朝になってもやっぱり雨。明るくなってから下山を開始。雨の登山道を下っていく。畑薙湖が見えたときは少し感動した。車道をトボトボ歩いていると白樺荘が見えてくる。まだ営業時間前だけど入れてくれるとのことだった。時刻表を確認するとここからバスで静岡駅まで戻れる。井川駅まで行こうと思っていたが雨でこれ以上車道を歩く気にもならずここを今回のゴールとした。
【まとめ】
甲斐駒ヶ岳より先は人も少なくて静かな山歩きを楽しむことができた。合計10人ぐらいしかスライドしなかったと思う。台風が近づいていたためか雨の時間も多かったけどそれほど荒れなかったのもラッキーだった。雨の登山も嫌いではない。避難小屋泊や冬季小屋泊は居心地が良すぎてマジ快適。つい長居してしまうのが欠点か。農鳥岳をパスしたことと光岳に行かなかったことだけが心残りである。
【自分用メモ】
ザックの荷物(約6.5kg) + 食料(約3.5kg) + 水(約2.7kg) = 約12.7kg
サコッシュへスマホ x2台(自分用、会社用) + カメラ、両手にストック
・ザックの荷物 約6.5kg
ザック48L、ツェルト、寝袋(650FP ダウン400g)、エアマット(90cm)、Escape Bivvy(カバー・防寒兼用)、ダウンジャケット、長袖ソフトシェル、レインウェア、クッカーとガス110缶、ヘッドライト(メイン+予備)と予備電池(単4 x4本)、etrex 30xと電池(単3 x4本)、モバイルバッテリー、8インチタブレット、救急セット、衛生用品、地図、下山後の服
・食料 約3.5kg
6日分の食料(パッケージは全て開封しジップロックへ詰め替え)
朝夜はカレーメシ系に15gの乾燥野菜と100gの早茹でパスタでかさ増しした物がメイン。パスタでかさ増しはあまり旨くはないのでもうやらないかも。粉末のマッシュポテトは旨かったのでリピ決定。アルファ米は持って行かなかった。行動食は甘系(チョコバー、ようかん、フルグラ等)としょっぱ系(柿の種梅しそ味、カルパス、チータラ等)を半々。お茶やコーヒーはなし。水のみ。
・水 約2.7kg
折りたたみ水筒 1500cc、ペットボトル600cc x 2本
(水場ごとに水筒は満タンにしておいた)
この時期の一週間の山行としては軽量化できた方だと思う。食料はあと200gは無くても良かったし、ペットボトルも600cc一本で良かった。タブレット端末はそもそも必要なかった。色々合わせるともう1kgは軽量化可能だったと思う。
素晴らしい縦走でしたね。
自分が歩いてるかのように、楽しく読ませていただきました。ありがとうございました。
コメントありがとうございます!
雨で辛いときもありましたが、それも含めて山歩きを楽しむことが出来ました。
この山域も色々なルートで歩いてみたいと思っています。
いやー、すごすぎますね。10月になってから南アルプス縦走とは驚きです。今年はコロナで山小屋が休業と聞いていたので、南アルプスはあきらめていましたが、挑戦していた方がおられたのですね。来年の参考になりました。ありがとう。
こんにちは。参考にしていただき幸いです。
夏より荷物は増えますが、この時期の方が涼しくて山を歩くにはちょうど良い感じでした。(雨が降ると寒いですが…)
僕は山小屋が営業していないと知って「チャンスだ」と思いました。どうせなら人が居ない山の方がいいですよね。来年は例年通りの営業スタイルになることを期待しています。
ロングの縦走、素晴らしいですね。
情報が少ないこの時期、参考にさせていただきました。ありがとうございます。
山の水情報ついて詳しく教えていただけますか?。
聖平で泊まっていらっしゃいましたが、水は充分に汲むことできましたか?。
今週末、訪問しようと計画しているのですが、状況を確認できましたら幸いです。
よろしくお願い致します。
taromiiさん、こんにちは
聖平小屋では雨が酷かったので水を汲みに行きませんでした。水は百間洞山の家と翌日のウソッコ沢で汲みました。寒くて水の消費が少なかったのでそれで足りました。参考にならなくて申し訳ないです…。
aofukurohさん、
早速に返信を下さり、ありがとうございました。
状況を伺い、レコ中で「乾いた服は温かかった」との一節があったのを思いだしました。いろいろな状況あってのロング縦走、改めて過酷な中、達成なさったaofukurohさんは凄いと思いました。
様子を聞かせていただき、ありがとうございました。
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