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Yamareco

記録ID: 265291
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
屋久島

積雪の屋久島縦断・温暖な海から雪の山頂へ(楠川〜宮之浦岳〜尾之間)

2013年01月28日(月) 〜 2013年01月30日(水)
 - 拍手
体力度
10
2〜3泊以上が適当
GPS
57:44
距離
51.4km
登り
4,138m
下り
4,128m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

<28日(日)>
楠川5:00―<ルート確認に11分>―7:37白谷雲水峡登山口7:45―9:00辻峠―9:09太鼓岩―9:24辻峠―9:52楠川分かれ―11:04大株歩道入口11:14―13:02縄文杉13:13―14:18新高塚小屋

<29日(月)>
新高塚小屋7:46―9:46平石岩屋10:03―11:42宮之浦岳12:12―14:32黒味岳分岐―15:56淀川小屋

<30日(火)>
淀川小屋7:01―7:42淀川登山口7:54―10:15鯛之川出合―12:33蛇之口滝分岐―12:46蛇之口滝―13:03蛇之口滝分岐―13:57尾之間―14:10尾之間港
天候 28日(日) 曇のち雪
29日(月) 曇のち快晴
30日(火) 晴れ

気温
<28日(日)>
5:00楠川(標高10m)11℃、14:18新高塚小屋前(標高1461m)-1℃
<29日(月)>
7:48新高塚小屋前 -2℃、10:00平石岩屋(標高1707m)-2℃、
12:00宮之浦岳山頂(標高1936m)1℃、14:20安房岳北の日向(標高1777m)17℃、
黒味岳北の日陰(標高1661m)4℃、15:55淀川小屋前(標高1380m)2℃
<30日(火)>
5:21淀川小屋内 -2℃、10:53鯛之河南の峠(標高1190m) 4℃、
12:32 蛇之口滝分岐(標高436m)8℃、14:08尾之間港(標高0m)14℃
過去天気図(気象庁) 2013年01月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス
行き:楠川まで、宮之浦港から徒歩35分
帰り:路線バス(尾之間〜空港)40分
コース状況/
危険箇所等
・山行当時、ヤクスギランド〜淀川登山口は通行止め
 (屋久島観光協会の最新登山情報)http://yakukan.jp/mtblog/
・トロッコ道までは積雪なし。
・大株歩道は木道が凍結。木の根を傷つけにくい、爪の短いアイゼン推奨。
・縄文杉より上は積雪。新高塚小屋付近でくるぶし程度。山頂付近でも脛までの積雪で、アルミワカンの出番はなかった。岩の上に氷が張るので、爪の長いアイゼン推奨。
・登山道は密生した植物に囲まれ滑落の心配もないので、ピッケルはいらない。
・水場はいずれも利用可能。新高塚小屋付近の水も、細いが出ている。清涼な湧水だが、動物がいる以上、簡易浄水器を通した方が安心。
・ピンクのリボンを目印に進めば登山道を外れることはない。北の楠川歩道や南の尾之間歩道は、人通りが少なく道が分かりにくいので、リボンの確認が大切。一部に階段が設けられていたり、迷いやすいところにロープが張られているが、大株歩道など中心部と比べると、最小限の整備。
・渡渉点があるので、増水には注意が必要。楠川歩道1か所、白谷雲水峡1か所、尾之間歩道8か所ほど。特に、尾之間歩道の鯛ノ川は過去に人が流されたことがある、要注意地点。雨量の推移をチェックして、不安があれば尾之間歩道を使わない方が無難。
・小屋にはネズミが出るとの注意書きあり。梁や渡してあるロープを利用して、食料を吊り下げておくといいらしい。今回は気温が低いせいか、新高塚小屋・淀川小屋ともに気配を感じなかった。
・既設トイレは、各登山口、三代杉付近、トロッコ道終点にある。携帯トイレブースは、各小屋、栗生岳〜翁岳のコル(水場の北)にある。新高塚小屋に「1回でも携帯トイレの活用にご協力ください」の表示あり。小屋には汲み取り式の登山トイレもあるが、できるだけ携帯トイレを使いたい。使用済みの携帯トイレは、各登山口の回収ボックスに捨てられる。
宮之浦港。待合所の中の観光協会案内所で登山届けを提出、最新状況を伺う
2013年01月26日 15:32撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/26 15:32
宮之浦港。待合所の中の観光協会案内所で登山届けを提出、最新状況を伺う
雲が厚く、小雨がぱらつく
2013年01月26日 15:34撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/26 15:34
雲が厚く、小雨がぱらつく
宮之浦の宿から走って、5時ちょうどに楠川に到着。気温は11℃と暖かい
2013年01月27日 05:00撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 5:00
宮之浦の宿から走って、5時ちょうどに楠川に到着。気温は11℃と暖かい
休憩所は施錠されていました
2013年01月27日 05:05撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 5:05
休憩所は施錠されていました
工場に映える夜雲
2013年01月27日 05:12撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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工場に映える夜雲
真新しい案内板。復旧した登山道を使わせていただきます
2013年01月27日 05:30撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 5:30
真新しい案内板。復旧した登山道を使わせていただきます
トトロの傘・クワズイモ。ただし有毒
2013年01月27日 05:40撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 5:40
トトロの傘・クワズイモ。ただし有毒
根元が融合した三本杉
2013年01月27日 06:56撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 6:56
根元が融合した三本杉
倒木を避けて道が続く
2013年01月27日 07:05撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 7:05
倒木を避けて道が続く
最初の渡渉地点。地図の登山道よりも東にいる? 間違えただろうか
2013年01月27日 07:23撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 7:23
最初の渡渉地点。地図の登山道よりも東にいる? 間違えただろうか
道を確認している間に夜が明けてしまった。堰を越え、倒木を潜って林道に合流
2013年01月27日 07:28撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 7:28
道を確認している間に夜が明けてしまった。堰を越え、倒木を潜って林道に合流
白谷雲水峡の既設トイレを利用
2013年01月27日 07:34撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 7:34
白谷雲水峡の既設トイレを利用
協力金を入れて再出発
2013年01月27日 07:41撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 7:41
協力金を入れて再出発
白谷雲水峡の美しい流れ
2013年01月27日 07:49撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 7:49
白谷雲水峡の美しい流れ
二代目くぐり杉の中から見上げる
2013年01月27日 08:20撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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二代目くぐり杉の中から見上げる
七本の枝を冠した七本杉
2013年01月30日 16:21撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/30 16:21
七本の枝を冠した七本杉
瑞々しい苔の森
2013年01月27日 08:37撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 8:37
瑞々しい苔の森
ヤクシカがこちらに気づいた
2013年01月27日 08:41撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 8:41
ヤクシカがこちらに気づいた
寄り道して太鼓岩へ。道幅が狭いので一方通行
2013年01月27日 09:01撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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寄り道して太鼓岩へ。道幅が狭いので一方通行
太鼓岩からの展望。これから向かう沢が見える
2013年01月27日 09:11撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 9:11
太鼓岩からの展望。これから向かう沢が見える
東から薄日が差す
2013年01月27日 09:11撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 9:11
東から薄日が差す
大岩があったので持ち上げてみた
2013年01月27日 09:28撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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大岩があったので持ち上げてみた
トロッコ道に合流
2013年01月27日 09:52撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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トロッコ道に合流
前回来たときには読めなかった三代杉の解説板をじっくり読む
2013年01月27日 09:59撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 9:59
前回来たときには読めなかった三代杉の解説板をじっくり読む
横から見ると、二代目の切り株がよく分かる
2013年01月30日 15:53撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/30 15:53
横から見ると、二代目の切り株がよく分かる
土埋木(切り株)と若い杉の圧倒的な違い
2013年01月27日 10:07撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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土埋木(切り株)と若い杉の圧倒的な違い
今度は牡鹿が。今日は人よりも鹿に多く出会うのかな
2013年01月27日 10:10撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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今度は牡鹿が。今日は人よりも鹿に多く出会うのかな
橋の下が開いていて、結構怖い
2013年01月27日 10:20撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 10:20
橋の下が開いていて、結構怖い
ショートカット
2013年01月27日 10:22撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ショートカット
トロッコ道の終点、大株歩道の入口に到着。左手に既設トイレ
2013年01月27日 11:04撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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トロッコ道の終点、大株歩道の入口に到着。左手に既設トイレ
木道が凍結。どう気をつけても滑る
2013年01月27日 11:25撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 11:25
木道が凍結。どう気をつけても滑る
翁杉が倒れてぽっかり開いた空。300年後、新しい杉が空を埋めているだろうか
2013年01月27日 11:31撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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翁杉が倒れてぽっかり開いた空。300年後、新しい杉が空を埋めているだろうか
アイゼンを履いてないと、ニタニタ笑ってるように見えてしょうがない
2013年01月27日 11:34撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 11:34
アイゼンを履いてないと、ニタニタ笑ってるように見えてしょうがない
ウィルソン株の有名なハートマーク
2013年01月27日 11:42撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ウィルソン株の有名なハートマーク
以前はもっと沢山の植物が株の上に生えていたのが、心無い登山者に踏み荒らされたとのこと
2013年01月30日 15:54撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/30 15:54
以前はもっと沢山の植物が株の上に生えていたのが、心無い登山者に踏み荒らされたとのこと
小さな谷を何度も通る
2013年01月27日 12:22撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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小さな谷を何度も通る
夫婦杉が手をつなぐ
2013年01月27日 12:38撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 12:38
夫婦杉が手をつなぐ
ヒメシャラの根元もつながっているらしい
2013年01月27日 12:38撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 12:38
ヒメシャラの根元もつながっているらしい
この「ゲート」をくぐれば、縄文杉はすぐ
2013年01月27日 12:47撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 12:47
この「ゲート」をくぐれば、縄文杉はすぐ
正面デッキ閉鎖中のため、本来下り専用の階段を使う
2013年01月27日 13:01撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 13:01
正面デッキ閉鎖中のため、本来下り専用の階段を使う
閉鎖された正面デッキ。誰がつくったか、小さな雪だるまが
2013年01月27日 13:02撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 13:02
閉鎖された正面デッキ。誰がつくったか、小さな雪だるまが
縄文杉。成木ほどもある枝が落ちたら、一大事
2013年01月30日 15:54撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/30 15:54
縄文杉。成木ほどもある枝が落ちたら、一大事
名もない木も、堂々たる枝ぶり
2013年01月27日 13:13撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 13:13
名もない木も、堂々たる枝ぶり
小さな高塚小屋。時間があるので先を目指す
2013年01月27日 13:18撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 13:18
小さな高塚小屋。時間があるので先を目指す
縄文杉より高いところでは、霧氷の森林が広がっていました
2013年01月27日 13:22撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 13:22
縄文杉より高いところでは、霧氷の森林が広がっていました
新高塚小屋まで急な階段を登る
2013年01月27日 13:23撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 13:23
新高塚小屋まで急な階段を登る
直径2〜3mmほどのアラレが降っている。こんなつぶつぶのアイスがあったような
2013年01月27日 13:58撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 13:58
直径2〜3mmほどのアラレが降っている。こんなつぶつぶのアイスがあったような
新高塚小屋の水場。600mlのボトルを一杯にするのに2分近くかかる
2013年01月27日 14:14撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 14:14
新高塚小屋の水場。600mlのボトルを一杯にするのに2分近くかかる
新高塚小屋に到着
2013年01月27日 14:17撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 14:17
新高塚小屋に到着
野生動物に食料を与えないでください!
2013年01月27日 14:20撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 14:20
野生動物に食料を与えないでください!
山岳トイレの使用にあたって
2013年01月28日 07:43撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 7:43
山岳トイレの使用にあたって
携帯トイレブースの中。島内で売っている携帯トイレなら、便座にすっぽり被せて使える
2013年01月30日 15:55撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/30 15:55
携帯トイレブースの中。島内で売っている携帯トイレなら、便座にすっぽり被せて使える
新高塚小屋内。日中でも薄暗く、痛いくらい静か
2013年01月27日 15:42撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/27 15:42
新高塚小屋内。日中でも薄暗く、痛いくらい静か
2日目。明るくなってから出発
2013年01月28日 07:46撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 7:46
2日目。明るくなってから出発
こんなトラバースも。暗かったら判断に迷ったかもしれない
2013年01月28日 08:32撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 8:32
こんなトラバースも。暗かったら判断に迷ったかもしれない
今日一日は、ずっとこんな空だと思っていました
2013年01月28日 08:48撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 8:48
今日一日は、ずっとこんな空だと思っていました
風から身を守るように密生し、塊のように
2013年01月28日 08:51撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 8:51
風から身を守るように密生し、塊のように
凍りついた苔
2013年01月28日 09:04撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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凍りついた苔
ものすごい速さで雲が流されていく
2013年01月30日 17:19撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/30 17:19
ものすごい速さで雲が流されていく
宮之浦岳と翁岳が姿を見せてくれた
2013年01月28日 09:22撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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宮之浦岳と翁岳が姿を見せてくれた
白骨樹が更に白く
2013年01月30日 15:57撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/30 15:57
白骨樹が更に白く
積雪深は膝下まで。行動時間に影響するほどではない
2013年01月28日 09:32撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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積雪深は膝下まで。行動時間に影響するほどではない
今や、雲は眼下に
2013年01月28日 09:35撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 9:35
今や、雲は眼下に
この写真のどこかに、エビの尻尾にまぎれて階段があります
2013年01月28日 09:37撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 9:37
この写真のどこかに、エビの尻尾にまぎれて階段があります
神殿を思わせる、平石岩屋
2013年01月28日 09:46撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 9:46
神殿を思わせる、平石岩屋
岩屋の奥に潜って、宮之浦岳を望む
2013年01月30日 15:58撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/30 15:58
岩屋の奥に潜って、宮之浦岳を望む
凍りついた石楠花の道を行く
2013年01月28日 10:04撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 10:04
凍りついた石楠花の道を行く
ときには登山道を塞いでいることも
2013年01月28日 10:09撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 10:09
ときには登山道を塞いでいることも
凍りついた路面。爪の長いアイゼンの方が無難
2013年01月28日 10:18撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 10:18
凍りついた路面。爪の長いアイゼンの方が無難
腕の長さほどもあるつらら
2013年01月28日 10:30撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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腕の長さほどもあるつらら
永田岳との分岐に到着
2013年01月28日 10:47撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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永田岳との分岐に到着
太陽がまぶしい
2013年01月30日 17:23撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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太陽がまぶしい
この上ない快晴
2013年01月28日 11:24撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 11:24
この上ない快晴
途切れ途切れながら、木道が山頂まで整備されている
2013年01月30日 15:59撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/30 15:59
途切れ途切れながら、木道が山頂まで整備されている
石楠花の奥に、永田岳(左)とネマチ(右)を望む
2013年01月28日 11:35撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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石楠花の奥に、永田岳(左)とネマチ(右)を望む
湿った雪と強風で、一面エビの尻尾に覆われている
2013年01月28日 11:37撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 11:37
湿った雪と強風で、一面エビの尻尾に覆われている
正午を前に、宮之浦岳に登頂
2013年01月28日 11:42撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 11:42
正午を前に、宮之浦岳に登頂
三角点にタッチしておこう
2013年01月28日 11:42撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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三角点にタッチしておこう
山頂から南方を見渡す
2013年01月28日 12:01撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 12:01
山頂から南方を見渡す
登山道は密生した植物に囲まれ、滑落の心配はない
2013年01月28日 12:16撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 12:16
登山道は密生した植物に囲まれ、滑落の心配はない
白い花畑に見える
2013年01月28日 12:16撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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白い花畑に見える
南斜面は雪の付きが少ない
2013年01月28日 12:18撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 12:18
南斜面は雪の付きが少ない
丸と三角
2013年01月28日 12:22撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/28 12:22
丸と三角
かまぼこを切ったような花崗岩
2013年01月28日 12:25撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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かまぼこを切ったような花崗岩
「岳参り」で参拝されてきた栗生岳。中には社があります
2013年01月28日 12:27撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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「岳参り」で参拝されてきた栗生岳。中には社があります
栗生岳から宮之浦岳の裾野を見ていると・・・石仏?
2013年01月28日 12:34撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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栗生岳から宮之浦岳の裾野を見ていると・・・石仏?
貴重なトイレブース
2013年01月28日 12:49撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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貴重なトイレブース
まさかの17℃。直射日光を浴びて暑い暑いとは思っていたけど・・・脱ぎます
2013年01月28日 13:14撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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まさかの17℃。直射日光を浴びて暑い暑いとは思っていたけど・・・脱ぎます
氷の下を水が流れる
2013年01月30日 16:01撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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氷の下を水が流れる
地形図にも載っている石碑。昭和31年3月に暴風雪で遭難死した方とのこと
2013年01月28日 13:39撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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地形図にも載っている石碑。昭和31年3月に暴風雪で遭難死した方とのこと
「雪の落とし穴」踏み抜くと、靴が水没することに。時期によっては、雪の下を雨が流れて空洞になるパターンもあり
2013年01月28日 13:41撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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「雪の落とし穴」踏み抜くと、靴が水没することに。時期によっては、雪の下を雨が流れて空洞になるパターンもあり
ロープをつかんで渡る場面も
2013年01月28日 13:45撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ロープをつかんで渡る場面も
南斜面にはこういったロープ場が何箇所かあります
2013年01月30日 16:02撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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南斜面にはこういったロープ場が何箇所かあります
正面に黒味岳。迫力ある断崖!
2013年01月28日 13:56撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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正面に黒味岳。迫力ある断崖!
ロープがある優しさ。尾之間歩道にはありません
2013年01月30日 16:03撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ロープがある優しさ。尾之間歩道にはありません
黒味岳分岐。迷ったけど、通過することに
2013年01月28日 14:32撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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黒味岳分岐。迷ったけど、通過することに
南部では珍しい泥炭層の花之江河湿原。今は雪の下に
2013年01月28日 14:48撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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南部では珍しい泥炭層の花之江河湿原。今は雪の下に
美しい雪の樹林帯
2013年01月28日 14:53撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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美しい雪の樹林帯
展望台から、無名の1711m峰と1666m峰
2013年01月28日 15:09撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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展望台から、無名の1711m峰と1666m峰
トーフが打ち上げられた高盤岳の山頂
2013年01月28日 15:16撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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トーフが打ち上げられた高盤岳の山頂
淀川のゲートと名づけよう
2013年01月28日 15:31撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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淀川のゲートと名づけよう
橋を渡ると、淀川小屋に到着
2013年01月28日 15:54撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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橋を渡ると、淀川小屋に到着
小屋は暗いので、日没まで外で過ごす
2013年01月28日 17:02撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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小屋は暗いので、日没まで外で過ごす
3日目。日の出の時刻
2013年01月30日 16:05撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1/30 16:05
3日目。日の出の時刻
屋久島にウサギはいない。コイタチの足跡だろうか?
2013年01月29日 07:25撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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屋久島にウサギはいない。コイタチの足跡だろうか?
淀川登山口に到着。回収ボックスに使用済みの携帯トイレを捨てる
2013年01月29日 07:42撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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淀川登山口に到着。回収ボックスに使用済みの携帯トイレを捨てる
尾之間大杉
2013年01月29日 07:58撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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尾之間大杉
苗床となった倒木に朝日が差す
2013年01月29日 08:13撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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苗床となった倒木に朝日が差す
岩の割れ目から杉が生えている
2013年01月30日 16:07撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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岩の割れ目から杉が生えている
倒木をまたぐのとも違う。どうしてこんな形になったのか
2013年01月29日 09:12撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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倒木をまたぐのとも違う。どうしてこんな形になったのか
乃木岳東の平たいピークから、北北東を望む。右に見えているのは太忠岳。ロケットのような山頂で、地形図で見ると灯台のような表記をしています。お手持ちの地形図をぜひご覧いただきたい!
2013年01月29日 09:16撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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乃木岳東の平たいピークから、北北東を望む。右に見えているのは太忠岳。ロケットのような山頂で、地形図で見ると灯台のような表記をしています。お手持ちの地形図をぜひご覧いただきたい!
地形図には載っている、尾之間歩道と紀元杉のある舗装路を結ぶ道。現在は廃道になっていて、ここから舗装路に向かうのは危険だと思います
2013年01月29日 09:23撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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地形図には載っている、尾之間歩道と紀元杉のある舗装路を結ぶ道。現在は廃道になっていて、ここから舗装路に向かうのは危険だと思います
古い解説板。時代のせいか、伐採に対する表現のニュアンスが白谷雲水峡にある新しい解説板と違う気がします
2013年01月29日 09:25撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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古い解説板。時代のせいか、伐採に対する表現のニュアンスが白谷雲水峡にある新しい解説板と違う気がします
狭く、足場の悪い尾之間歩道
2013年01月29日 09:31撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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狭く、足場の悪い尾之間歩道
雨の多い屋久島にあって、増水は現実的な危険
2013年01月29日 09:56撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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雨の多い屋久島にあって、増水は現実的な危険
山頂より警戒していた鯛之河に到着
2013年01月29日 10:15撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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山頂より警戒していた鯛之河に到着
幸い、水量は少ない。さて、どう渡るか
2013年01月29日 10:15撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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幸い、水量は少ない。さて、どう渡るか
水平な石が多い左側を飛び移ることに
2013年01月29日 10:18撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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水平な石が多い左側を飛び移ることに
鯛之川を過ぎても難所は続く。大木をまたぐこと数回
2013年01月29日 10:27撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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鯛之川を過ぎても難所は続く。大木をまたぐこと数回
行き止まり・・・と思ったら道で、木の根に上がって進む
2013年01月29日 10:36撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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行き止まり・・・と思ったら道で、木の根に上がって進む
広場のようなところで、装備の切り替え
2013年01月29日 10:55撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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広場のようなところで、装備の切り替え
標高1000mを切って完全に雪がなくなる
2013年01月29日 11:25撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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標高1000mを切って完全に雪がなくなる
オオゴカヨウオウレンの小さな花を見つけた
2013年01月29日 11:39撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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オオゴカヨウオウレンの小さな花を見つけた
ここだけで、何種類の苔が息づいているんだろう
2013年01月29日 10:07撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ここだけで、何種類の苔が息づいているんだろう
写真だと分かりにくいが、急傾斜の岩。木の根をつかんで降りないと滑る
2013年01月29日 11:46撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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写真だと分かりにくいが、急傾斜の岩。木の根をつかんで降りないと滑る
蛇之口滝分岐に到着。ここからはハイキングコースで、難所はない
2013年01月29日 12:33撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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蛇之口滝分岐に到着。ここからはハイキングコースで、難所はない
まさに、垂直分布を体験してきました
2013年01月29日 12:33撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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まさに、垂直分布を体験してきました
巨大な一枚岩の蛇之口滝。解説板によると、もっと上から滝が続いているそうです
2013年01月29日 12:46撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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巨大な一枚岩の蛇之口滝。解説板によると、もっと上から滝が続いているそうです
炭を焼いていた窯の跡
2013年01月29日 13:13撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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炭を焼いていた窯の跡
下から登ってきた人向けの解説だと気づくのに、しばらく時間がかかりました
2013年01月29日 13:39撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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下から登ってきた人向けの解説だと気づくのに、しばらく時間がかかりました
もうすぐ、ゴールが!
2013年01月29日 13:49撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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もうすぐ、ゴールが!
山頂は雪山だったのに、麓は南国の様相
2013年01月29日 13:52撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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山頂は雪山だったのに、麓は南国の様相
尾之間の登山口に到着
2013年01月29日 13:56撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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尾之間の登山口に到着
登山口に建つ尾之間温泉。温泉宿を予約しているので通過
2013年01月29日 13:57撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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登山口に建つ尾之間温泉。温泉宿を予約しているので通過
尾之間からはモッチョム岳を仰ぐ
2013年01月29日 14:01撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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尾之間からはモッチョム岳を仰ぐ
尾之間港へ走る!
2013年01月29日 14:09撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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尾之間港へ走る!
標高0mへ到着
2013年01月29日 14:23撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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標高0mへ到着
北の海岸から最高峰を経て南の海岸へ辿り着いた
2013年01月29日 14:30撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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北の海岸から最高峰を経て南の海岸へ辿り着いた
海へ行っている間にバスが出たというオチつき(汗)
2013年01月30日 16:14撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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海へ行っている間にバスが出たというオチつき(汗)
(おまけ)2011年のクリスマスは、こんな積雪でした
2011年12月25日 09:27撮影 by  DSC-TX5, SONY
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12/25 9:27
(おまけ)2011年のクリスマスは、こんな積雪でした

感想

 暖流からの上昇気流が多くの雨を降らせる屋久島。1900mほどの山頂部と沿岸部との気温差は12℃あり、冬の山間部には雪が積もります。日本列島の気候が垂直に凝縮されているとも言われ、併せて植生も高度とともに変化していきます。この垂直分布を楽しむべく、海岸から島の中心を通って反対側の海岸に抜ける山行をしてきました。
 屋久島には一度、2011年のクリスマスに行ったことがあります。暖かい時期には人であふれる世界遺産の島ですが、冬季は観光客が少なく、山も静かでした。このときには3人で、縄文杉までの日帰り登山でした。白谷雲水峡から積雪があり、白く染まった森が印象に残っています。
 グループ山行も楽しい経験でしたが、自分のペースで、思うままに行動したい。また、前回は行けなかった屋久島の主峰・宮之浦岳に登りたいと考えてきました。
 再訪は、前回と同じ積雪期。人が少なく、雪に包まれた独特の景色を楽しむためです。
 コース設定としては、島の北の海岸から楠川歩道を登り、縄文杉、宮之浦岳を経て淀川から尾之間歩道を下り、南の海岸に抜けるコースを選びました。途中、新高塚小屋と淀川小屋に泊まります。尾之間歩道には渡渉点が多く、川幅の広い鯛之河を渡らなければなりません。強い雨が降れば増水して、流される危険も。北上するコースではそこで旅が終わってしまうので、南下することにしました。永田岳から西の鹿之沢小屋に泊まり、花山歩道入口を下るコースも考えましたが、携帯トイレ回収ボックスが設置されている淀川登山口を通りたかったのと、バスでのエスケープルートを確保しておきたかったので、淀川小屋泊まりにしました。(淀川登山口までの道路が凍結通行止めになっても、山道を歩くより楽に下山できますし)
 所要時間は、当然ながら積雪状況によって大きく変わります。2日目の14:00までに宮之浦岳に登頂できなければ、来た道を引き返すつもりでした。雪は積もっていてほしいけど、積もりすぎても困る。そんな我侭な期待に応えてくれる絶妙なコンディションで、計画通り縦断することができました。
 2日目の9:00ごろまで厚い雲がかかっていましたが、その後は晴れ渡り、山頂からの展望を楽しめました。1か月以上前から飛行機や宿の手配をしていて天気のいい日を選べなかったのに、好天に恵まれたのは、とても幸運でした。

以下、行程の詳細です。

<前日27日(土)>
 出発時の荷物の重量は、13kg弱(ザック11.3kg、サコッシュ0.9kg、カメラ・携帯電話はジャケットのポケット、水なし)
 行きは鹿児島港から宮之浦港まで高速船に乗る。屋久島に着いたら、向かって右手、まずは観光案内所へ。登山届けを提出し、山の最新情報を聞く。(1)宮之浦岳山頂の積雪は23日時点で50cm程度(永田歩道を下山した人からの報告)、(2)白谷雲水峡までは凍結しておらず、車で上がれる、(3)ヤクスギランド〜淀川登山口は通行止め、安房〜ヤクスギランドはバス運行中、(4)携帯トイレ回収ボックスは冬季でも利用可能、とのこと。
 鹿児島まで飛行機に乗ったので、ガスカートリッジを現地調達しなければならない。港で売っているプリムス・EPIガスの缶でも使えるはずだが、できればジェットボイル用のジェットパワー110g缶が欲しかった。事前調査のとおり、宮之浦にある登山用品レンタルの店「ナカガワスポーツ」で無事購入。これで温かい食事をとれる。
 宮之浦川のほとりに建つ「田代別館」に宿泊。前回もこの宿に泊まったので、懐かしい。従業員の話では、島の人は中学生時代に宮之浦岳に登らされるのだとか。中学生にとっては、ハードな行程だと思うのだが。

 <28日(日)>
 弁当の受け取りが4:00からということで、その時刻に合わせて出発の準備をする。宿の中で弁当を食べ、楠川に向けて出発。まずは島の外周道路に出て、海沿いを東へ3km。5:00ちょうどに楠川に到着した。
 標高0mからをうたうなら海岸に足をつけるべきかも知れないが、海岸までの道が見えないので、やめておく。トイレも施錠されて使えなかったので、そのまま出発する。
 白谷雲水峡までの6.5kmの半分は、舗装された道。昨日からの小雨に濡れて、路面が滑りやすい。路肩には、クワズイモなど、南国の植物が茂っていた。地図上で城之川が終わっている辺りから、トレイルが始まる。ライトで暗闇を照らすと、光点が二つ並んでいる。小鹿がこちらを見ていた。
 暗くうっそうと茂った森の中では、ピンクのリボンが頼り。道が悪すぎると思ったら、おおかた道を外しかけている。落ち着いてリボンを探し、淡々と上がっていく。
 三本杉を通過し、ふとGPSを見ると、地図の登山道から外れて東の谷に入り込んでいる。リボンはついているし、道も明らかに整備されている。歩道から外れたとは思えないが、それでも戻って確認する。見落とした分岐はない。リボンを信じて進み、白谷雲水峡の駐車場につながる林道に合流。この時点で7:37、ほぼコースタイムどおり。駐車場には乗用車が1台だけ。期待どおり、登山者は少なそうだ。管理棟の筒に森林保全の協力金を入れ、出発。前回の山行をなぞるように登っていく。前回は夜明け前で積雪もあり、さ迷うように歩いた。今回は朝を迎えて、まっすぐ歩ける。
 9:00辻峠。往復30分ほどかけて、太鼓岩の展望台に寄り道する。風が強く吹き、高い山の頭は雲に隠れている。これから天気は崩れるだろうか。
 トロッコ道に降りても、人影は見えなかった。その代わり、ヤクシカが何頭も道の脇で地面に鼻をつけていた。楠川分かれから1時間ほどで大株歩道入口に到着。水平なようで、200mほど登ってきた。ここから、登山者の姿が見える。全員が、下山する途中。ソロ2人、高校生3人と引率の先生らしき男性1人(足元はスニーカー!)、夫婦1組、男性のペア、ガイドと一緒の登山者3グループ、合計28人。この時期に、これだけの人数にすれ違うとは、意外だった。
 縄文杉まではほとんど積雪がなかったが、木道は凍って滑りやすい状態だった。ウィルソン株の前でチェーンスパイクを履く。足元に不安がないと、快適に歩ける。13:02縄文杉に到着。前回はここで引き返したが、今回は通過点でしかない。標高1300mを越え、雪が増えてきた。木々の枝葉は霧氷で飾られている。アラレのような雪が降り、ジャケットに当たってパラパラという音を立てる。足跡がない雪道を辿り、14:18新高塚小屋に到着。
 小屋は無人で、暗く、寒かった。小屋内の気温は-1℃だが、それよりも寒く感じた。この寒さでもネズミが出るか分からないが、念のため食料を張ってあるロープに吊るす。ウェストポケットの行動食を荒らされたという記事を読んだことがあるので、それも忘れずに。明け方から行動し、疲れきっていた。明日は長丁場になる。早く起きるために、手早く夕食をとり、早くに就寝する。外では強い風の音が響いていた。

<29日(月)>
 −12℃対応の寝袋、厚手のフード付きダウンジャケット、ダウンパンツにダウンブーツ。スリーピングマットは薄手だが、−2℃程度ではオーバースペックともいえる装備だったはず。それなのに冷え感が消えず、熟睡できなかった。不快だったせいか、夢見も悪かった気がする。
 4:00には起きて菓子パンを食べながら準備しようとするが、どうも気が進まない。誰もいない初見の雪山を暗い内に進む不安。持参したチェーンスパイクで登頂できるかという不安。10本爪以上のアイゼンも持ってくれば良かったが、チェーンスパイクだけを用意した。観光協会の登山情報では15日の時点で山頂に雪がなかったこと、山頂まで木道が整備されていると聞いていること、15日以降のアメダスをチェックしていてまとまった雨がなかったこと、屋久杉の根をできるだけ傷つけたくなかったことが理由だった。結果的には登頂できたが、賭けのようなものだった。
 もう少し寝て、気持ちが落ち着いたら出発しようと思い、横になる。
 6:58に再び目が覚める。寝すぎた。すでに、窓の外は白くなっている。大急ぎで出発の準備をし、7:46に行動開始。出発が遅れようと、タイムリミットは変えない。14:00までに登頂できなければ、来た道を引き返すつもりだった。
 夜に吹き続けた風雪は止んでいた。積雪もそれほど深くない。これなら、あまり時間をかけずに進めそうだ。さらに9:00ごろまでは空は真っ白な雲に覆われていたが、急速に雲が流され、青空が広がっていった。テンションとペースも上がる。
 9:46平石岩屋に到着。サングラスをかける。裸眼だと雪目になりそうな眩しさだった。稜線の登山道は密生する石楠花で囲まれ、白い線に見えた。状況によっては石楠花が登山道に覆いかぶさり、道が不明瞭になると聞いているが、今日はそれほどでもない。読みどおり木道や階段が整備されていて、傾斜も強くない。氷の上も、緩やかな傾斜ならチェーンスパイクの爪が刺さる。1か所、右に傾いた岩で滑ったが、トレッキングポールを使ってどうにか通過できた。
 11:42宮之浦岳に登頂。石楠花、花崗岩の塊、すべてが白いエビの尻尾に覆われ、青空を背景に際立っている。四方の山も展望できた。こんな美しい景色を見られるなんて。山の神に、感謝したくなる。長い時間休憩をしない主義だが、30分も山頂に留まっていた。
 期限までに登頂できたので、南部へ足を踏み出す。暖かい。直射日光を受けて、気温が上昇していく。山頂で1℃だったのが、少し下ると4℃に。栗生岳を越えると13℃。さすがに耐え難くなってきて、服を脱ごうとザックを下ろしたとき―背後から人の息遣いが。男性の登山者2人が登ってきていた。飛び上がるほど驚いた。このタイミングで人に会うとは思わなかったので、動転して挨拶がどもる。2人を見送った後、安房岳の近くまで移動して中間着、レインパンツ、タイツまでを脱ぐ。大分涼しくなった。
 雪が日光で緩み、スパイクについた雪ダンゴを落としながら下る。巻き道が多いため少し道が傾いていて、宮之浦岳北側よりも滑りやすい。木道を外れると雪に隠れた水溜りに足を落とすことも。ただ、変化していく景色に飽きることがない。
 14:32黒味岳分岐に到着。黒味岳まで片道500m、標高差150mほど。迷ったが、小屋への到着を優先する。直進。この頃には傾斜は緩やかになり、ハイキングを楽しんでいるようだった。
 15:56淀川小屋に到着。やはり、小屋は無人。淀川登山口の方を見ると、足跡はなかった。今日会った2人は、淀川小屋に1泊して登っていったのだろう。
 日没まで外で食事をとりながら過ごす。ガスカートリッジは空港で放棄するしかないので、贅沢に強火でお湯を沸かす。日没後は小屋に入って、早々に就寝。 

<30日(火)>
 5:21起床。小屋内の気温は-2℃。新高塚小屋と変わらない寒さのはずだが、気持ちの持ちようだろうか、少し快適に感じた。
 日の出の時刻は7:14ごろ。日の出20分くらい前からライトなしで歩けるので、7:00ごろ出発できるよう準備する。淀川小屋から登山口までは40分の道のり。途中、丸っこいお尻の小動物が木の根に隠れるのを見た。屋久島に生息する野生の哺乳類はわずか6種類で、ウサギはいないらしい。見かけた小動物はネズミよりは大きかったから、恐らくコイタチだろう。
 淀川登山口には既設トイレと、携帯トイレ回収ボックスがある。使用済みの携帯トイレをここで捨てていく。生々しい話で申し訳ないが、重さは全部で1.5kgにはなったと思う。たった1人の登山者が、2泊3日の山行でこれだけのし尿を排出する。それも一部で。(小屋の汲み取り式トイレは使わなかったが、既設トイレは利用した)多くの登山者が山を訪れることで、大きな負荷が山にかかっていることをこの1.5kgで実感した。
 身軽になったところで足取りも軽く、最後のパート、尾之間歩道へ足を踏み入れる。川の水量も、問題ないだろう。下山するだけだから、すんなり海岸まで降りられるはず。
 ところが、結構疲れるコースだった。整備は最小限、道はピンクのリボンが頼り、何度も倒木に阻まれ、狭い登山道で枝葉にもまれ、苔むした浮石に足を取られ・・・荷が軽くなっているのに、コースタイムに追いつかない。(正直なところ、屋久島の「山と高原地図」のコースタイムは、ほかの山域より速く設定されている気がする)
 10:15鯛之川出合に到着。川幅6〜7mほどの渡渉地点。幸いにも飛び石はすべて顔を出している。足を濡らすことなく対岸に渡れ、拍子抜けした。もっとも、雨量の少ない1月だったから問題なかったのであって、ほかの季節ではかなりの難所になっただろう。
 鯛之川から登り返し、広場になったところで、トレッキングポールのスノーバスケットを取り、下山に備える。標高1000mを下回ったところで完全に雪が消えたので、つけっぱなしだったチェーンスパイクも外した。
 ところで、この尾之間歩道は暖かい季節、ヤマビルが出ると聞いている。丹沢の鍋割山荘の解説によると、ヤマビルは7℃以上で活動するらしい。そして、このとき7℃・・・。立ち止まったら取り付かれるとばかりに、急いで下っていく。コースタイムで2時間30分のところを、1時間30分で、東屋のある蛇之口滝分岐に到着。ここから片道20分で蛇之口滝に立寄れる。蛇之口滝は、屋久島でも特に大きな1枚岩の滝。ぜひ見ておきたい。
 15分で蛇之口滝に到着。見える範囲だけでも30mの落差があるが、滝の上部には幅50m、長さ100mの一枚岩が続いているという。3日目のハイライト。
 滝には、女性の登山者4人がいた。日帰り用のザックを背負っているので、尾之間から登って、ここで折り返すのだろう。滝から下は、ハイキングコース。尾之間歩道と比べれば、平坦で歩きやすい道のり。気候も南国のそれに移っている。シダや大きなシュロの林を抜けた。石楠花などの低木が耐える雪の山頂から降りて、巨木が謳歌する中腹、南国の植物が茂る麓へ、植生の垂直分布を目の当たりにした。
 13:57尾之間登山口に到着。そのまま、海岸線を探して尾之間港へ下る。

 北の海岸から山頂に至り、南の海岸へ。ずいぶん遠くへ来た気がする。
 宮之浦の観光案内所に、電話で下山の旨と山頂の状況を報告する。これで、今回の山行は終わった。

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コメント

島の縦断!すごいですね
kizitoraさん
はじめまして。
大変興味深いレポートに思わずコメントしてしまいました。
冬季屋久島縦断達成!おめでとうございます。
海抜0m〜1,936mの高みまで、南国っぽい暖かそうな雰囲気のところから雪山まで。感動もんです。
15年くらい前の夏の終わりに縦走したことがありますが(淀川〜楠川までですが…)、せっかくの晴天だったのに写真がイマイチで、もう一回行きたいと思ってました今日この頃。
世界遺産になってからだいぶ様変わりしているようにも聞いているのと、なかなか遠征に行くほどの休みが取れることもなく…。
この季節には行けそうにもないですが(体力的にもトレイルランナーのkizitoraさんとは雲泥の差…)、大変詳しいレポートには感謝です
2013/2/1 8:55
ありがとうございます
WV_KAZZさん、はじめまして。コメントをありがとうございます

翁杉の自然倒壊などは仕方ないにせよ、
世界遺産登録後の影響は大きかったようで、
トイレや小屋のキャパをはるかに超える人が
押し寄せるようになって、環境が悪化しつつあるようです。
一方、トロッコ道中間のトイレは比較的最近できたようで、
便利になった面もあります。
課題のある山ですが、やはり美しいところです。

WV_KAZZさんは写真に力を入れていらっしゃるんですね。
レコを拝見して、甲武信岳からの赤富士、木曽御嶽に押し寄せる雲の写真に感動しました。
御嶽には夏に「おんたけスカイレース」で登ったことがありますが、秋もいいですね! また行きたくなりました。

WV_KAZZさんの写す屋久島も、見てみたいです
2013/2/2 2:18
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