また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 2678796
全員に公開
沢登り
東海

【伊那山地】熊伏山 小河内川から

2020年10月25日(日) 〜 2020年10月26日(月)
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
13:15
距離
18.5km
登り
1,928m
下り
1,937m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
4:36
休憩
0:00
合計
4:36
8:30
20
林道ゲート
8:50
8:50
145
遠山川と小河内川の二股
11:15
11:15
111
13:06
宿泊地標高700m窯跡C1
2日目
山行
6:57
休憩
1:24
合計
8:21
6:45
258
宿泊地標高700m窯跡C1
11:03
12:23
8
12:31
12:31
37
14:39
14:42
19
15:01
15:01
5
15:06
ゴール地点
10/25【日】自宅発(500)平岡駅(730-50)林道ゲート(800-20)小河内川遠山川出合(850)一本目の右岸水線支流出合(920)明治沢出合(1035)立派な橋(1115)・684(1225-50)標高700m右岸台地泊(1300)就寝(2220)
10/26【月】発(645)標高1050m二俣(840-900?)熊伏山(1100-1220)林道ゲート下山(1505)帰宅(2000)
天候 両日晴れ
過去天気図(気象庁) 2020年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 自家用車
ファイル
(更新時刻:2020/11/03 08:28)
(更新時刻:2020/11/03 08:29)
満島神社から遠山川二俣への道
2020年10月25日 08:32撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/25 8:32
満島神社から遠山川二俣への道
遠山川本流 ミルキーな流れ
2020年10月25日 08:42撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/25 8:42
遠山川本流 ミルキーな流れ
小河内川と遠山川の合流点
2020年10月25日 08:47撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/25 8:47
小河内川と遠山川の合流点
砂地の花
2020年10月25日 08:49撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 8:49
砂地の花
砂地の花 背高泡立草
2020年10月25日 08:49撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 8:49
砂地の花 背高泡立草
小河内川へ
2020年10月25日 08:56撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 8:56
小河内川へ
函の予感
2020年10月25日 09:57撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 9:57
函の予感
両岸壁だが沢底は広い
2020年10月25日 09:59撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/25 9:59
両岸壁だが沢底は広い
両岸壁だが沢底は広い
2020年10月25日 10:01撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 10:01
両岸壁だが沢底は広い
函の予感
2020年10月25日 10:02撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/25 10:02
函の予感
函の予感
2020年10月25日 10:04撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/25 10:04
函の予感
函の予感
2020年10月25日 10:04撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/25 10:04
函の予感
函の予感
2020年10月25日 10:05撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/25 10:05
函の予感
右岸テラスへ
2020年10月25日 10:06撮影 by  iPhone XR, Apple
4
10/25 10:06
右岸テラスへ
右岸テラスへ
2020年10月25日 10:07撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/25 10:07
右岸テラスへ
右岸テラスへ
2020年10月25日 10:07撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/25 10:07
右岸テラスへ
その上段へ
2020年10月25日 10:07撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 10:07
その上段へ
滝の際はどうだ?
2020年10月25日 10:08撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 10:08
滝の際はどうだ?
行けず少し戻って右岸巻く
2020年10月25日 10:13撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 10:13
行けず少し戻って右岸巻く
巻きの上から見下ろす
2020年10月25日 10:16撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/25 10:16
巻きの上から見下ろす
美しい釜滝
2020年10月25日 10:25撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/25 10:25
美しい釜滝
うっとりする
2020年10月25日 10:26撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/25 10:26
うっとりする
通過
2020年10月25日 10:28撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/25 10:28
通過
釜付き小滝
2020年10月25日 10:36撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/25 10:36
釜付き小滝
朝の光
2020年10月25日 10:38撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/25 10:38
朝の光
函の予感
2020年10月25日 10:49撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 10:49
函の予感
美しい函と釜
2020年10月25日 10:50撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/25 10:50
美しい函と釜
美しい函と釜
2020年10月25日 10:50撮影 by  iPhone XR, Apple
3
10/25 10:50
美しい函と釜
暑ければ泳ぐのだが
2020年10月25日 10:52撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/25 10:52
暑ければ泳ぐのだが
少し戻って左岸はるか上にガードレールあり
2020年10月25日 10:59撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 10:59
少し戻って左岸はるか上にガードレールあり
土石流でぶら下がったガードレール沿いに、道に這い上がる
2020年10月25日 11:10撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 11:10
土石流でぶら下がったガードレール沿いに、道に這い上がる
高いところに立派な道
2020年10月25日 11:11撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 11:11
高いところに立派な道
登山口の橋
2020年10月25日 11:17撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 11:17
登山口の橋
炭焼き釜エリアの石垣
2020年10月25日 12:54撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 12:54
炭焼き釜エリアの石垣
炭焼き窯の跡
2020年10月25日 13:01撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 13:01
炭焼き窯の跡
炭焼きの河岸段丘
2020年10月25日 13:03撮影 by  iPhone XR, Apple
10/25 13:03
炭焼きの河岸段丘
ここに泊
2020年10月25日 15:23撮影 by  iPhone XR, Apple
7
10/25 15:23
ここに泊
2020年10月25日 15:23撮影 by  iPhone XR, Apple
4
10/25 15:23
泊地
2020年10月25日 15:39撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/25 15:39
泊地
炭焼き窯周辺の古いガラス瓶
2020年10月26日 06:29撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/26 6:29
炭焼き窯周辺の古いガラス瓶
2020年10月26日 06:56撮影 by  iPhone XR, Apple
10/26 6:56
開放感ある渓谷
2020年10月26日 07:15撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/26 7:15
開放感ある渓谷
またも炭焼き窯
2020年10月26日 07:18撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/26 7:18
またも炭焼き窯
炭焼きワールド
2020年10月26日 07:19撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/26 7:19
炭焼きワールド
炭焼き穴
2020年10月26日 07:26撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/26 7:26
炭焼き穴
立派な6m滝、左岸巻く
2020年10月26日 07:29撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/26 7:29
立派な6m滝、左岸巻く
巻きの途中でナメコ。足場悪くザックおろせず。
2020年10月26日 07:32撮影 by  iPhone XR, Apple
7
10/26 7:32
巻きの途中でナメコ。足場悪くザックおろせず。
巻こうとしたら絶壁で懸垂
2020年10月26日 07:43撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/26 7:43
巻こうとしたら絶壁で懸垂
15m。ロープ20mなので二回
2020年10月26日 07:54撮影 by  iPhone XR, Apple
3
10/26 7:54
15m。ロープ20mなので二回
ナメっぽいところ
2020年10月26日 08:08撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/26 8:08
ナメっぽいところ
小滝続くところ
2020年10月26日 08:09撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/26 8:09
小滝続くところ
炭焼きコーナー
2020年10月26日 08:10撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/26 8:10
炭焼きコーナー
美しい滝
2020年10月26日 08:11撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/26 8:11
美しい滝
函の予感
2020年10月26日 08:21撮影 by  iPhone XR, Apple
10/26 8:21
函の予感
狭い函滝
2020年10月26日 08:22撮影 by  iPhone XR, Apple
3
10/26 8:22
狭い函滝
巻く
2020年10月26日 08:23撮影 by  iPhone XR, Apple
10/26 8:23
巻く
崩壊倒木の1050m二股
2020年10月26日 08:44撮影 by  iPhone XR, Apple
10/26 8:44
崩壊倒木の1050m二股
傾斜付いてきた
2020年10月26日 09:06撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/26 9:06
傾斜付いてきた
分岐多く思案どころ
2020年10月26日 09:44撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/26 9:44
分岐多く思案どころ
爽やかな稜線直下
2020年10月26日 10:51撮影 by  iPhone XR, Apple
3
10/26 10:51
爽やかな稜線直下
山頂へ
2020年10月26日 11:02撮影 by  iPhone XR, Apple
4
10/26 11:02
山頂へ
山頂のみ紅葉
2020年10月26日 11:03撮影 by  iPhone XR, Apple
4
10/26 11:03
山頂のみ紅葉
左の方、聖、茶臼、池口、テカリ
2020年10月26日 11:05撮影 by  iPhone XR, Apple
3
10/26 11:05
左の方、聖、茶臼、池口、テカリ
山頂二人
2020年10月26日 11:08撮影 by  iPhone XR, Apple
6
10/26 11:08
山頂二人
中央傾いて高いのが中ノ尾根山、手前少し低くて広いのが朝日山、
画面右下あたりが青崩峠。
朝日山の後ろの大モノっぽいのが大無間山、右端の三角が黒法師。
2020年10月26日 11:10撮影 by  iPhone XR, Apple
4
10/26 11:10
中央傾いて高いのが中ノ尾根山、手前少し低くて広いのが朝日山、
画面右下あたりが青崩峠。
朝日山の後ろの大モノっぽいのが大無間山、右端の三角が黒法師。
池口の右奥は光岳ではないだろうか
左から加加森、池口2つ、後ろ列の白いテカリ岩あるのが光岳か。
2020年10月26日 12:06撮影 by  iPhone XR, Apple
3
10/26 12:06
池口の右奥は光岳ではないだろうか
左から加加森、池口2つ、後ろ列の白いテカリ岩あるのが光岳か。
下山の尾根
2020年10月26日 12:22撮影 by  iPhone XR, Apple
10/26 12:22
下山の尾根
カラマツの落ち葉でよく滑る斜面。平岡ダムと遠山川で囲まれた島状の山が見える
2020年10月26日 12:43撮影 by  iPhone XR, Apple
10/26 12:43
カラマツの落ち葉でよく滑る斜面。平岡ダムと遠山川で囲まれた島状の山が見える
遠くの平らなあたりは段戸山の奥三河高原か
2020年10月26日 12:44撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/26 12:44
遠くの平らなあたりは段戸山の奥三河高原か
後ろの暗い緑が美しかった
2020年10月26日 13:04撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/26 13:04
後ろの暗い緑が美しかった
急斜面で踏み跡も微妙
2020年10月26日 13:04撮影 by  iPhone XR, Apple
10/26 13:04
急斜面で踏み跡も微妙
明治平(みょうじだいら)の苔むした切り捨て間伐
2020年10月26日 13:17撮影 by  iPhone XR, Apple
10/26 13:17
明治平(みょうじだいら)の苔むした切り捨て間伐
沢沿いは上り下りで巻道風
2020年10月26日 13:47撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/26 13:47
沢沿いは上り下りで巻道風
切通。わりあい危険。
2020年10月26日 13:49撮影 by  iPhone XR, Apple
1
10/26 13:49
切通。わりあい危険。
鉄橋。下は、上流も下流も結構な狭いゴルジュが覗ける
2020年10月26日 14:27撮影 by  iPhone XR, Apple
10/26 14:27
鉄橋。下は、上流も下流も結構な狭いゴルジュが覗ける
遠くの秀峰 戸倉山1167mか。
2020年10月26日 14:33撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/26 14:33
遠くの秀峰 戸倉山1167mか。
鉄橋から下は整備し過ぎな感じ
2020年10月26日 14:36撮影 by  iPhone XR, Apple
10/26 14:36
鉄橋から下は整備し過ぎな感じ
脇は絶壁。ここはきのう、美しい函釜を巻いて登った急斜面。土石流で壊れたガードレールが助かった。
2020年10月26日 14:47撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/26 14:47
脇は絶壁。ここはきのう、美しい函釜を巻いて登った急斜面。土石流で壊れたガードレールが助かった。
狭くて足元はタタキ風の粘土のトンネル
2020年10月26日 14:49撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/26 14:49
狭くて足元はタタキ風の粘土のトンネル
出口は湖面になっている。
2020年10月26日 14:52撮影 by  iPhone XR, Apple
2
10/26 14:52
出口は湖面になっている。
天竜川挟んで対岸から見るクマ伏山。勇壮な姿にジ〜〜ン。
2020年10月26日 15:44撮影 by  iPhone XR, Apple
5
10/26 15:44
天竜川挟んで対岸から見るクマ伏山。勇壮な姿にジ〜〜ン。

装備

個人装備
ハーネス+メット フェルト地下足袋 シュリンゲ+ビナ+ 確保器 防寒具 カッパ シュラフカバー マット 水筒 その他沢個人基本装備(ナイフや灯り地図磁石)
共同装備
ツエルトかタープ ストーブ(非常用) 焚き付け+ライター ロープ20m

感想

南部信州の気になる山、熊伏山の小河内川の下流部はくねんくねんの函記号があり、松がこれを遡行すべしと唱えてきた。4年前の万古川完全遡行の子分各として。記録未見のため、3日を当てたが、手こずると言うほどではなく、まったり2日で終えた。手こずらなかったけれども美しい川で、温泉にでも入ったように心がポカポカする良い沢だった。

退社と同時にザック背負って岐阜の松宅に前夜泊。小豆入り玄米おにぎり嫁さんに作ってもらって翌朝5時発で天竜川へ、2時間半で到着。恵那山の上の方、白くなっていた。
シカ柵ゲートで支度して遠山川二股目指すと、二人の古老にあいさつ。伊那谷の古老らしい、陽気で気さくな人達だった。「きっとマツタケあるぞう。エッ景色見るだけかい?」(軽トラのたぶん80代)。「若い頃は年に2度、2時間で登った」(PTボトルにえんどう豆持ったたぶん80歳前後)。

小河内川を遠山川出会からスタート。地形図通りに両岸崖になるが沢底は広い。標高500mを越えた屈曲あたりから、抜けられない滝があり、右岸を巻く。その先には美しい侵食で磨かれた洞穴のような函。手前には青い釜。寒くて泳ぐのは無理なのだが、その先にも結構な滝があるようだ。ここは小さくは巻けない。ここから先は両岸の壁が高くなってしまう。少し戻って左岸の急斜面、遥か上に道路のガードレールが見えた。樹林がかろうじてつながっているところを地下足袋の親指ツッコミホールドで登る。土砂崩れで垂れ下がったガードレールに助けられた。そのまま整備された道路を登山口の橋まで。下流部はここまで。凄いのを見られて満足。

登山口方向の橋を渡らずにまっすぐ進み、小河内川本流を行く。いきなりダブルの堰堤、左岸を巻く。この堰堤を作るために立派な林道とトンネルを作ったのだ。期待していた660mの屈曲部は、手こずるものは何もなし。標高700m右岸に、石垣組んできれいに平らになった河岸段丘があり、炭焼き窯がある。すごく快適なところなのでここで泊まることにする。炭焼は新しいものでも多分昭和30年ころと思う。満洲開拓移民の多かった伊那谷では、外地から引き揚げてきたり復員したけど実家に田畑の無い次男三男が携わったのだと思う。70年前の人々の営みを想像し、火を焚いて9時間もごろごろしていろんな話をする。タープと冬シュラフでぬくぬく眠る。

思ったよりも手こずらされなさそうだ。小滝、滑滝が次々現れるが、どれも美しく、脇を登る。ひとつ左岸を高まいたら、15mの崖の上というのがあり懸垂する。ロープが20mだったので、二度に分ける。
詰めは傾斜を増すが樹間の雰囲気なども良く、美しい山である。山頂少し南の稜線に上がった。山頂は紅葉していた。晴れ渡り、馴染みない深南部の山が正面。聖岳にわずか新雪が乗っている。茶臼、加加森、池口と来て、テカリがその後ろにあるのを松が指摘した。山肌に印があるという。そのぐぐっと右は大無間山、黒法師など。遠州深南部の山の姿を記憶し、また地形図を見て新しい山行の夢が生まれる。お茶を沸かしてのんびりする。

下山道平岡ルートの上部はカラマツの落ち葉が急斜面でよく滑り、フェルト地下足袋で往生した。尻もち数十回。肘を強く打ったりした。傾斜強く、踏み跡もかなり薄く、迷いやすい難しい道だ。崖のすぐ横も多い。下半分の沢沿いもかなり危ないところに道がついている印象。油断できない。ぼうっと歩いていると、前に道がなく、キョロキョロするということが多い。鉄橋から下は整備され過ぎなほど小綺麗な道。平岡の集落は円形競技場の半分みたいな立体集落で、魅力的。電車で来てトコトコ歩いてというのが理想なんだけど。

天竜対岸の阿南から順光の熊伏を最後に眺めた。中央構造線と伊那山地の延長でありながら遠山川によってぶった切られている独立山塊で、モコモコと盛り上がる様が勇ましい。松本から来るより、名古屋岐阜のほうがちょっと近いかな。高齢化している天竜川左岸地域の集落は今のうちに訪ねておきたい地域だ。

瑞浪駅まで乗っけてもらい、中央線各停で名古屋に帰宅。自宅近くの銭湯に下駄つっかけて行き汗を流す。番台のばあちゃん88歳に聞くと昭和初期からで、名古屋空襲で丸焼けになって昭和24年再建の風呂。あれこれ懐かしいタイル画や窓枠、建具や看板や鏡なんかがある。薪焚いてやっている。金太郎が人間大の鯉と相撲とっている絵柄のでっかい入れ墨を背中に入れた優しそうな兄ちゃんと湯船に浸かる。またここで会えるかな。

 4年前の万古川溯行から金森山々行に続く、伊那山地への第二弾山行は熊伏山を目指した。
 素晴らしい秋空の元、記録未見のクネリ沢をトレースできた。戦後昭和の人跡残る炭焼窯跡地の平坦地で火を焚き、花崗岩主体の清潔な空間を二人占めした。予想した程度のゴルジュあり滝はそこそこの、今の我々には程好い刺激で溯上、藪漕ぎもなく山頂に導かれた。
 良い季節、良いタイミングで溯行、登頂出来て大変満足した。

 我々に、こんな名のある山の登路として得難い未記録の沢を取り置いてくれる21世紀という時代は、まだまだ捨てたものではない。
 『やれやれ、われわれ登山者はいったいいままでなにをしてきたのだらう。【服部文祥著;百年前の山を旅する P.157より】』

※【2020.11.3 遡行図と記録書きました】

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