爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳〜八峰キレット
- GPS
- 16:45
- 距離
- 28.1km
- 登り
- 3,162m
- 下り
- 3,193m
コースタイム
- 山行
- 8:28
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 9:48
- 山行
- 6:24
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 6:45
天候 | 稜線上をガスが覆う時間帯が多かったが、二日目のスタート時にはよく晴れて剱、槍まで見渡せた。 風が弱く、歩きやすいのが助かった。 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全体に整備が行き届いて技術的な危険はできる限り避けられている。 キレットの核心部も然りだが、鹿島槍南峰から吊尾根にかけてのルートが足元要注意。 |
その他周辺情報 | 扇沢から下った道沿いで看板を見かけて寄った「上原(わっぱら)の湯」 大町市のコミュニケーションセンターが運営するシンプルな施設だが、500円で汗を流せる手軽さが良かった。 |
写真
装備
個人装備 |
ウインドヤッケ
救急薬品
ナイフ
折りたたみ傘
非常食
携帯電話
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
マグカップ
タオル
水
カメラ
ヘルメット
シュラフカバー
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感想
昨年の不帰キレットに続いて歩きたかった八峰のキレット。
急に取れた時間で一年ぶりの遠征が叶った。
連休もあって心配した駐車場も問題なくスタートしたのは4時。
最初の急登は織り込み済みと余裕を持って稜線まで到達するはずが、基礎体力が落ちているのはごまかしようがなく、ペースが上がらない。
呼吸や心拍数よりも、筋力が落ちているので登りのペースが極端に落ちる。
それでもなんとか稜線に上がると、咲き乱れる花たちに癒されながらの縦走となった。
上がってきたガスが稜線を覆ったまま停滞して遠景は望めないが、変化しながら伸びる縦走ルートの面白さは変わらない。
天気予報では翌日が良さそうな情報だったので、現在のガスはそう心配をしていなかった。
冷池山荘のスタッフにこのあとガスが晴れそうか伺ったのだが、「このあと雨が降ると思います」と予想外の返事に動揺。
途端にいくつかの悪いイメージが頭をよぎったが、最悪なのは進退窮まるパターン。
雨によって先に進めないケースが実際に起こり得るのかをシュミレーションしてみる。
鎖場は何とかなるだろうし、岩場の下りが濡れると危険度が上がるがこれも想定できる。
時間の余裕はあるので急がずに安全第一で動けば行ける。
そこまで頭の中で整理してやっと落ち着けた。
鹿島槍の南峰から吊尾根に下る岩場が予想外にスリリングで驚いたが、いい緊張感でクリアでき、雨も落ちずに運よくキレットに向かうことができた。
その核心部よりも前後の岩場の上り下りを楽しめたキレットの通過後、すぐに眼下にキレット小屋が現れて初日が無事に終了。
チェックインのタイミングになって初めて気が付いた、財布がない。
信じられない大チョンボに頭が真っ白になりながら、クルマに財布を置きっぱなしにしていることをスタッフに伝えると、あれこれのやり取りはあったが、下山後に振り込めばOKとの処理をしていただいてこの問題は何とか片付いた。
しかし、宿泊料以外はすべて不可。
飲料水は雨水を煮沸する前提で分けてもらえたが、ビールもなしでさすがにショックは大きい。
翌日は五竜岳からスキー場に下山してゴンドラ、バスを乗り継いで扇沢に戻る予定だったが、一文無しではピストン以外の選択肢はない。
ならば今日とは違う環境の中を新鮮に楽しむだけ。
翌日、明るくなった青空の中、スタートを早めてキレットに向かう。
途中の岩場で日の出を眺め、稜線に出ると剱、立山、槍までの絶景に囲まれながら鹿島槍へ。
山頂ではまたガスが上がり、足元が白くなる中で期待通りのブロッケン。
昨日よりも少し風があってガスが動くので、視界が広がったり閉じたりとめまぐるしく動く。
そんな変化を楽しみながら昨日とは違った気分で同じ縦走路を歩いている。
スタート時に確保できていた飲料水は約700ml。
途中の水場の情報はなく、下山中の水分補給は考えないといけない。
稜線を歩きながら、次はあそこのピークで一口、なんて考えながらの復路。
行程上は何とか間に合う量なのでまだ気は楽だった。
鹿島槍から布引山、爺ヶ岳への稜線ではたくさんの人とすれ違い、ひと声ずつの挨拶に気分が高まる。
ちょっとした情報交換や「気を付けて」の挨拶に元気をもらいながら昨日の疲れをごまかしつつ進む。
冷池山荘のテント場で昨日事故があったらしく、レスキューのヘリが下りてきていた。
実際に活動のリアルな現場を目にするのは初めてだったが、救護のスタッフが本当に登山道を走って縦走路に上がってきたのを見て驚いてしまった。
ケガをされた男性は生命にかかわるほどではないようだったが、救護であったり登山道の整備であったり、支える側の人たちを想像する機会をもらえたのは貴重な経験だった。
種池山荘から柏原新道へ、同じように水分補給のペースを維持しながらひたすら下る。
果てしなく感じる下りの果てにスタート地点の扇沢駅にたどり着き、財布と再会!
自業自得の我慢大会のような二日目を終えた。
天候の回復はそれほどでもなかったが、往路と復路の時間帯やガスの様子も変わり、自分の体力や気分、行き会う人など何もかもが違う。
同じ道を歩いている感覚などない楽しい山行。
このスケールならピストンでもありだと実感した今回。
でも財布を忘れないこと。
単独行動の場合の人に頼れない悲しさをヒシヒシと感じました
最初にルートが目に入り往復?で不思議に思いながら読み進めるとガーン!
自分のことのようにショッキングでメンタルがヤラれそうでツライ状況
それでもポジティブシンキングを遺憾なく発揮され、水も何とか計算通り持ち堪えられホッとしましたよ
次の遠征がまた楽しみになりますね
へへっと笑うしかない大チョンボでした。
五竜岳まで縦走する予定でしたが、下山しようにもゴンドラにもバスにも乗れないのでは話にならない。
唯一の下山ルートはピストンだったのです。
水は雨水を煮沸する条件で無料で分けてもらえた分でした。
(小屋に販売用の水がない状態でした)
小屋の中で座り込んであれこれプランを考えているところに、スタッフの女の子が「元気出してくださいね」と飴をくれたのは嬉しかったですよ。
そんなにしょげていたのかな・・・
単独行動の場合の人に頼れない悲しさ、ということなんですね。
今回の場合も含め、トラブル時に同行者がいればと考えたことはないんです。
自分が招いたトラブルに対処するのは自分しかないので。
トラブルそのものより、基礎体力の低下の方が内心ショックです・・・
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