焼岳 ≪日本百名山≫
山キチどん
その他1人 
体力度について
- GPS
- 13:33
- 距離
- 27.3km
- 登り
- 2,019m
- 下り
- 2,229m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:14
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 7:45
| 天候 | 曇り時々雨、一時晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス 自家用車
復路は徒歩であかんだな駐車場 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
よく整備された道 西穂山荘〜焼岳縦走路は、焼岳側で笹の被る部分あり、割谷山トラバースは難所 |
| その他周辺情報 | 平湯温泉、新平湯温泉、福地温泉など立ち寄り湯豊富 神の湯へは通行止め |
写真
拍手
チャンピオンピーク、ピラミッドピーク、西穂独標と続く
感想
1日目(8/21)
深夜の名神・東海北陸道を走り、4時にあかんだな駐車に着いた。コロナ禍の雨続きで駐車車両は少ない。上高地へは釜トンネルの先に乗用車は入ることができず始発のシャトルバスに乗った。上高地のトイレはチップ制で100円を料金箱に入れて用を足した。梓川沿いの遊歩道を西に進むと雲を被った明神岳の断崖や岳沢の下部が望め、川霧が立ち込める梓川に架かる河童橋など観光地としての上高地の風景を楽しめた。田代橋に到ると雨が振りだし東屋で雨具を着て梓川右岸に渡ると焼岳新中尾峠への直登ルートが左に分岐した。休憩舎の中を登山道が貫通し西穂山荘への道となった。玄文沢左岸尾根に付けられた道を登り出すと悪天候でジャンダルムを諦めたと云う若い男性2人が下山してきた。
標高2,000m付近にある“宝水”の水場まで来ると雨は上がり、西穂山荘泊まりの人達の下山とすれ違い出した。急斜面の単調な登山道を登り続けると焼岳分岐に到った。焼岳山荘に直行すると早すぎるので一旦西穂山荘に立ち寄って時間を潰すことにした。暫く進むと発電機の音が聞こえてきて、屋根が見えると山荘に到着した。発電機の音と思ったのは換気のために回された扇風機の音だった。3密の典型だった山小屋の経営はコロナ禍で多大なる影響を受けているだろう。おまけに此の長雨で書き入れ時に登山者も少なく泣きっ面に蜂と云うところか。
今日の行程は9�卍�の緩々さで時間調整の大休止を取って時間を潰した。晴れてきたので西穂丸山までピストンすることにした。稜線に出ると雲の上に焼岳のピークが見え、西穂高岳(2,909m)、チャンピオンピーク(2,820m')、ピラミッドピーク(2,772m')、西穂独標(2,701m)の稜線もスッキリ見通すことができた。晴れたのも束の間、丸山(2,452m)に達する頃には、再び雲に覆われそれっきり姿を現すことはなかった。
山荘に戻り1時間45分の休止を終えて元来た道に戻り、焼岳分岐で焼岳への縦走路へ踏み出した。登山地図にはこの辺りに「舟窪地形」と記され、何のことかと調べてみると「線状凹地」とも云うらしく二重山稜に挟まれた線状の窪地が舟底の形状に似ていることからこう呼ばれているそうだ。此処では舟窪地形の舟底に水が溜まり“きぬがさの池”を形成しているが藪で近づくことはできなかったが縦走路からは見ることができた。焼岳に向けての縦走路は基本下りだが顕著なピークの槍見台(2,250m)と割谷山(2,224m)がある。槍見台は東側が開けた稜線で上高地を俯瞰し、霞沢岳や西穂山荘を望むことができた。4年前は山頂標識があったが、何処に行ったのだろう。晴れて日射しが暑かったがまた雲が出てきた。
割谷山の稜線を乗越し、北西側の巻き道を進むと斜面に熊笹の茎がそのままで地形も険しく少し危険な感じ。何故稜線を歩かせないのだろう。4年前に来たときは、藪を漕いで割谷山のピークに登り、3等三角点「割谷」を見に行ったが今回はそのまま巻き道を進んだ。この後も難路が続き、空が暗くなってきて12:55また雨が降りだした。脱いでいた雨具を着て先を行くと30分足らずの雨中山行で焼岳小屋に到着した。
ビールを飲んで寛いでいると土砂降りの雨になった。長くは続かなかったが早く到着できて幸いだった。今日は雨のため宿泊は2人だけ。小さな小屋で2階が寝室となっており梯子で上がる。雨具は軒下に吊るし、ザックは土間の荷物置場に置いて必要なものだけしか室内には入れられないようになっていた。松本市によって令和元年から建て替える予定だったが入札に応じたのは1社だけで予定価格1億5千万円のところ3億円で入札したので入札不調となり工事は凍結されたそうだ。コロナ禍で丁度良かったのかもしれない。令和2年は例年の1/4程の263人の宿泊だったそうだ。昨日の23:30から起きているので眠い、18時から夕食を食べて早々に寝に付いた。
2日目(8/22)
夜間雨は激しく屋根を叩く事もあったが断続的で集中豪雨でなかったのが幸いだ。5時に出発し雨の中、焼岳への道を歩むと次第に小降りになり細かい雨が時折降る程度になった。霧は濃く山の姿は見えない。火山監視カメラのある焼岳展望所に達したが何も見えない。中尾峠に下り立つと中尾温泉への下山路が右に分岐したが草を被って歩く人は稀なようだ。何処からともなく流れてくる硫黄臭が鼻をつき、焼岳が活発な火山であることを実感させられた。登山道は完全な岩稜となりペンキで書かれた「○」印を追って進んだ。登山道の傍らで動くものがある、霧の中に2羽の雷鳥を見つけた。こちらの姿を見つけ遠ざかって行くが岩の上にのってしまい思案の末か羽ばたいて数メートル飛ん地面に下りた。雷鳥が飛ぶのって初めて見た気がする。
軈て火口の縁に達すると中ノ湯への下山路が分岐し、折り返すように北峰への斜面に取り付いた。黄色くなった岩の向こうに噴気が上がり迂回するようにルートが付けられ焼岳北峰(2,439m)山頂に達した。平成13年以来実に20年振りの訪問だ。あの時は快晴で雄大な景色が眺められたのに・・・今回は残念だ。
分岐に戻り中ノ湯への道を辿り火口縁を暫く進むとジェット機のエンジンのような音をたてて吹き出す噴気が岩の向こうに見られた。中ノ湯登山道は左側に下って行き先へは通行止め、此処からが南峰への道で霧の中にうっすらと立ちはだかる岩稜が聳えている。今回の目的は南峰への登頂、焼岳の最高点は南峰で2等三角点「焼岳」が置かれているが、昭和37年噴火終息後平成2年に登山解禁された後も南峰へは登山禁止となっている。焼岳小屋に泊まり、人のいない時間に“盗っ人登山”を試みることにした。姿を眩ますためには丁度良い霧の中、尤も宿泊者は他に居なかったので全く問題なく“仕事”に取り掛かった。
なだらかな火口縁の道が岩壁で終わり、両手を使って取り付いた。雨に濡れた岩は滑りやすく此処で事故を起こす分けには行かないので慎重に登った。何ヵ所か難所もあったが山頂域に達するとまたなだらかな稜線歩きで焼岳南峰(2,455m)山頂に到った。小さな山頂標識が置かれ、ケルンが積まれている。石の中に石仏も混じっているようだ。回りを探してみるが三角点はなく此のケルンに埋もれているのかもしれない。
南峰には噴気はなく、ガスで危険なのではなく、単に岩稜が危険と云うだけで登山禁止となっているようだ。最高所に登って初めて「登頂」としているので、今まで焼岳は「未登」となっていたがこれで漸く日本百名山全山登頂となった。こう云う山は他に利尻山（最高点は登山禁止の南峰1,721m）、草津白根山（最高点は2,171mで登山道無し）があり、利尻は盗人登山、草津白根は積雪期に登った。
中ノ湯下降点に戻り、下山に取りかかった。谷筋の道でガレ場から熊笹の道となると降り続いた雨で泥濘み足元は悪い。半分位下った処で登ってくる男性に出会い、その後ドンドン登ってきた。パステルツアーの19名の団体が極めつけで退避には時間を要した。新中ノ湯登山口に到り国道158号線に降り立った。広いスペースがあり駐車可能なようだが車は1台も止められていなかった。平湯と中ノ湯の間は降り続く雨による落石、崩土の恐れのため8/13から通行止めとなっている。小屋番さんの話しでは歩く分には支障ないとのことだったので予定通り安房峠を越えてあかんだな駐車場に戻ることにした。
白骨温泉に通じる上高地乗鞍林道も長らく規制が続き一般車は入れないようだ。分岐点の11号カーブを回るとゲートが閉じられていたが此処までは入れると云うことか。国道歩きは10�厖召蠅△襦�先ずは安房峠まで3.3�辧�標高差180mを登る。雨は止み車の来ない国道を右に左に自由に歩き谷越しに焼岳の姿を望めたが山頂付近の雲は厚い。北の谷が収束し安房山の尾根を乗り越すと東側に巨大な舟窪地形の“小船”が現れた。標高差100m程の凹地で水はない。樹木が茂り様子はわからないが地形図に1,661mの標高点が打たれている。小船の縁を進み安房山と白谷山の稜線が括れた所が安房峠(1,790m)で長野・岐阜の県境となっている。此処で休憩し栄養補給をした。この峠の直下に安房トンネルがあり普通車だと770円も取られる。昭和54年初めて買った車で通った時、安房トンネルはなく平湯トンネルも無かったのでくねくねと細い道を長い時間をかけて松本へ抜けたのが懐かしい。
安房峠の南側は、安房山の西山麓を巻くように道路が付けられ舟窪地形と呼べるのか谷底は安房平の湿原となっているが中々見通せる場所がない。地形図には安房谷を渡る前に安房平への点線道が分岐するようになっているので歩こうと思っていたが、道形はなくそのまま国道を歩いた。安房谷の二つ目の橋を渡ったすぐ先に点線道が合流するようになっているが此方はしっかりした登山道があり、送電巡視路として使われているようだった。標高1,500mを切ると平湯温泉街とあかんだな駐車場が眼下に見えたが、道は遠くヘアピンカーブ3回で高度を下げてゲートに到った。
下山後は、温泉で汗を流し、平湯大滝と飛騨大鍾乳洞に立ち寄った。平湯大滝は落差64mの豪快な滝で嘗ては姫ヶ原経由、乗鞍岳への登路があったそうだ。今日は遊歩道も通行止めで駐車場から滝を眺めた。飛騨大鍾乳洞は、高山市丹生川町にあり、昭和40年に村の実力者大橋外吉によって発見され、800mの区間が公開されている。洞内気温12℃と肌寒かった。
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録するこの記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
焼岳の最新記録
焼岳北峰の最新記録
割谷山の最新記録
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する