燃ゆる富士(青ヶ岳山荘泊〜花立山荘泊)
- GPS
- 50:40
- 距離
- 25.9km
- 登り
- 2,583m
- 下り
- 2,489m
コースタイム
07:50 釜場平
08:25 雨山峠
08:53 雨山橋
09:05 ユーシンロッジ
10:05 大石山 10:20
11:25 同角ノ頭
12:40 檜洞丸
12:45 青ヶ岳山荘(泊) 07:10
08:10 臼ヶ岳 08:20
09:20 蛭ヶ岳 09:35
11:10 丹沢山 11:40
12:45 塔ノ岳 13:00
13:20 木ノ又小屋
13:35 塔ノ岳 14:00
14:20 花立山荘(泊)08:00
09:00 源次郎尾根&書策新道合流
09:15 戸川
09:30 新茅荘 11:30
天候 | 11月15日(金):10時頃から雨&濃霧 16時過ぎ晴れ 11月16日(土)〜17日(日):晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
新松田〜寄大橋:タクシー 新茅荘〜渋沢:タクシー 渋沢〜東京:小田急下り小田原乗り換え新幹線 |
コース状況/ 危険箇所等 |
寄大橋〜雨山峠:10月の台風の影響であちこち崩落・倒木あり。 雨山峠〜ユーシン:問題なし。紅葉がピーク。 ユーシン〜檜洞丸:同角ノ頭付近の「皮剥き丸太横置き」滑って危険。 檜洞丸〜蛭ヶ岳:臼岳まで昨年設置の木道で歩行しやすくなっている。 蛭ヶ岳〜塔ノ岳:泥濘の連続。 塔ノ岳〜木ノ股大日:1ヶ所細尾根を渡っていた木製架け橋がボッキリ折れて迂回路増設。ここが泥濘んで滑りやすい。 塔ノ岳〜花立山荘:問題なし。 花立山荘ーVR源次郎尾根ー戸沢:誰かが剥がしたのだろう、赤テープ皆無! 地形を熟知している人以外下りに使うのは非常に危険。 戸沢〜新茅荘:問題なし。 |
写真
感想
今回の山行の主目的は、青ヶ岳山荘と花立山荘の宿泊。
どちらも通過するばかりなので、時間のあるときに泊まってみることにした。
【寄大橋〜ユーシン】
新松田に6時40分前着。タクシーに乗り、「寄大橋へ」と告げる。
運転手は寄に向かいつつ「赤橋でいいんですよね?」と聞く。
秦野交通のタクシーを寄大橋に呼ぶ時も「赤橋」と言っていた。タクシーの運転手の間では、あそこが赤橋の様子。
他に赤い橋はないのだろうか?
7:00寄大橋着。管理棟に登山届を出して出発。
寄沢の水量が去年より多く、渡るときにドボンに要注意。
右岸左岸と時々登山道がスイッチするが、基本的に去年と変わりなし。
釜場平手前の鎖場、更にその少し手前で崩落が進み、一部迂回路あり。しかし危険はない。
雨山峠手前の滑滝川床歩行のところ、大きな木が2本倒れていて通行の邪魔をする。
雨山峠に8:30頃到着。小休止のあと雨山橋(旧車道)までは綺麗な水と紅葉が絶品。
ユーシンロッジに9:05着。
【ユーシン〜大石山】
立派な橋を渡って対岸へ。大石山にとり着くとすぐ急登。しかし、ペースを守って登ればたいしたことはない。
30分強で山の名称の元となった巨大岩が出現。ここでアクシデント。
岩の撮影のため左縁の倒木の際に寄っていたのだが、その倒木から膝上の高さに直角に太い枯れ枝が出ていることに気が付かず、思いっきり左足を前に踏み出したところ、左膝上を強打。無呼吸が数十秒続くぐらいの激痛が走った。
しばらく休んだあと、騙し騙し歩行再開。
10時大石山山頂着。雨が降りだしたため上半身Tシャツ、下半身半ズボン(ズボンの下半分をファスナーで外し)となり、上下に雨具装着。暑い!
【大石山〜檜洞丸】
左大腿痛と雨のためペース上がらず。木道も、皮剥き丸太横置き階段もヌルヌルツルツルで面倒くさい。
同角ノ頭経由で檜洞丸に12時半過ぎに到着。
【青ヶ岳山荘】
まずはビールを頂く。そして、一平ちゃん味噌ラーメンが、五臓六腑に染み渡った。
メールで昼食のラーメンを事前に問い合わせたところ、「大丈夫」との事だったので温かいラーメンを楽しみに雨の中を歩いたのだ。
小屋オーナーの高城ママと色んな丹沢話をして時間を過ごす。
今日は遠方からの女性3人のグループが同泊予定という。
4時過ぎに雨が上がり、西丹沢の谷に幽玄な靄が漂い幻想的。上空も下半分が晴れていて上半分に雲が被さる形に。
T「富士山きっと見えてると思うから頂上に行って撮ってきたら?」
A「いや〜登山靴の中びしょ濡れになっちゃったからもう動くのはパスかな?」
T「靴下洗って乾かせばいいから、行って来なさいよ。本当にこの天気富士山凄いと思うよ。」
確信に満ちたアドヴァイスを聞き入れ、濡れた靴を履いて頂上より少し西の開放空間へ。
そこでは富士山や西の空が凄いことになっていたのだ。
丹沢に限らずあちこちから富士山撮っているのだが、こんな凄い風景は記憶に無い。
富士山頂に二重の笠雲がかかり、その背景の雲まで、富士の後ろに沈む夕日を透過して真っ赤に燃えているのだ。
朝焼けの紅富士ですら、薄いピンク色の染まり方だが、今日の雲の色はこちらの脳の許容範囲を超えていた。
少し遅れて、高城さんもやってきた。二人で「うわ〜」だの「何これ〜」だの歓声上げた幸せな時間を過ごす。
渋る私の背中を押してくれた高城さんに感謝。でも3人組を待ってなくていいの?
と、小屋に戻ると、3人組がもう到着していた。あまりに遅いので二人で心配していたので良かった良かった。
彼女らもツツジ新道から登る途中で、あの感動的な夕焼けの情景の一部を目にすることが出来た様子。
小屋の夕食は、高城ママ手作りの絶品カレー。あっという間に完食。
晴れた日に必ずトタン屋根の上で高熱地獄にして膨らませた贅沢な布団で就寝。
高城ママのポリシーは、疲れた登山者をもてなすポイントは、睡眠と食事。
睡眠は他の小屋では例がないほど直射日光で干し上げた布団、ママが小まめに洗濯した枕カバーでとることができる。山上の贅沢とはこのことか。
食事のレベルの高さは、翌朝改めて証明されることになる。
翌朝5時半、切り干し大根を作った熱々鍋、青菜を中心にした熱々の煮付け風お惣菜鍋が食卓に。
各々小皿にとると、主役の豚汁とご飯が登場。
豚汁は生姜のパンチが効いて、肉、野菜など十種類ぐらいの具材がグツグツと煮えて登場。
カセットガスボンベコンロの上で沸騰。そこへざっくり切ったネギが大量に投入。一煮立ちしたところで発泡スチロールのおワンに取り分け。
豚汁の油が表面を覆い、熱々の温度が下がらない仕組みだ。
いつまでも冷めない、コクや滋味の深い感動的激ウマ豚汁を飲み干すと、外は日が昇る寸前。
さっさとブーツ履いて昨日の撮影ポイントへ。
朝は朝で雲ひとつ無い、「松竹」映画のような紅富士が出現。
やはり雨の山を登って泊まると、ご褒美があるということか。
小屋を汚す登山者には遠慮無くて厳しい高城ママ。
彼女が初秋〜冬にかけて小屋に常駐して過ごす主な目的は2つ。
一つ目は、ご主人の闘病中に「閉まっている」「もうやってない」「宴会場のようだ」など、有る事無い事吹聴されてきた中傷の汚名を晴らすため、
「開いていて(ショートメールですぐ予約が取れる)」「極めて清潔で」「ふかふか布団の」「食事の美味しい」と言われる小屋にしたいということ。
つまり、ご主人と自分の名誉を復活させること。
二つ目は、縮小し滅びかねないブナを守ること。
ブナハバチという昆虫とブナ絶滅の危機について無知だった自分に彼女は言った。
T「Aさんぐらい色んなこと知っていて丹沢中歩いている人には、こういうことを他の人に教えていく立場にいてもらいたいのに知らないなんて・・・」
高城ママ、いやいやスマンスマン。
私は昆虫では蝶だけ、植物では蝶の食草以外、全くの植物音痴なのです。
でも、少しはブナハバチについて調べてみようと思います。
鹿がカンアオイ食べ尽くして丹沢山ギフチョウが絶滅したように、ブナたちも鹿やブナハバチに圧力を受けて続けているのですね。
彼女の自腹切って行っている植生保護ボランティア活動の努力が実るか、ギフチョウ絶滅のように、大きな自然界のモードチェンジには結局逆らえないのか?
先のことはわからないけれど、彼女の心意気に一票。ボランティア活動に寄付をして小屋を発った。
【青ヶ岳山荘〜蛭ヶ岳山荘】
7:05小屋を出発。
先に出た3人組をまもなく追い越す。臼ヶ岳まで約1時間。このままのペースだと花立山荘の昼食戦争の時間に着いてしまって迷惑になるので、少し休憩入れてペースダウン。
蛭に9:10ごろ到着。水補給とコーヒーを注文。
【蛭ヶ岳山荘〜みやま山荘】
笹原の散歩道。天空のプロムナードを行く。日光を受けて道の霜が溶けてぐちゃぐちゃの泥濘道と化していた。
登山道の左右端、泥濘の少ないところを右に左に歩くので非常に疲れるし時間がかかる。
みやま山荘でランチにカレーを注文。
おそらくレトルトだが、ラッキョウ+福神漬、水も出てきて至れり尽くせり。
何度も泊まったり立ち寄ったりしていたが、おかみさんとは初対面。
【みやま山荘〜塔ノ岳】
泥濘傾向変わらず。
このまま花立山荘に行くと早すぎるので木ノ又小屋へコーヒー飲みに行く。
表尾根から上がってくる登山者に「木ノ又は開いてましたか?」と聞くと、「開いているように見えました。」との答え。
しかし、行ってみるとカーテンは閉まっており、完全なる休業状態。
中森さんに電話してみると、風邪をひいて寝ているとのこと。明日も休業という。おだいじに。
しかし、これで明日の下降路は決まった。木ノ又小屋で珈琲飲んでホソノノ尾根で降りるか?花立山荘から直に源次郎尾根で降りるか?迷っていたのだ。
明日木ノ又が開かないのなら、源次郎で決定。
【塔ノ岳〜花立山荘】
塔にデポしておいた荷物を整理していると、昨晩同泊の女性3人グループが丁度塔に上がってきたところ。
金冷しに向かうところまで案内。その後花立山荘でチェックインしてビール飲んでいるところを彼女らが通過。
お気をつけて。
【花立山荘】
シュールな展開にびっくり。あまりに濃い内容ゆえここには書けない。
先週土曜日宿泊客ゼロだったのに今日は20人以上!特に夕方飛び込んできた非予約ソロ2組がヤバかった。
他の皆さんとは懇親を深め有意義な小屋泊まりとなった。小屋番のEさんは本当に親切で出来た人です。
【花立山荘〜源次郎尾根降下】
山荘の道路反対側にあるトイレへのアプローチをまっすぐ突っ切り尾根に出る。ここからが源次郎尾根の始まり。
上の草原〜下の草原と順調に下りていくが、以前目にした赤テープが皆無。どこにも赤テープがない尾根になっていた。
自分のほうが支尾根に入ってしまったのか?と勘ぐりたくなるほどまったくテープがなかった。
無事、書策新道合流地点まで行くが、ここでアクシデント。ストック先端が並行する木の根の間に刺さったまま泥で滑って後ろに重心かかり、ついにストックがボッキリ3つに折れてしまった。
【戸川〜新茅荘】
戸川駐車場では、ゲリラテントが5張り。作事小屋は今日芋煮会で大賑わい。
9時半過ぎに新茅荘につくと、もう常連さん2人とお母さんで炭起こして酒飲んでいる。
遅れて烏尾尾根の登山道整備に行っていたお父さんも帰ってきた。
私も負けじとビール350ml4本飲み、皆さんが持ち寄った鍋や焼き物をただでご馳走になり満腹。
今年はヤマガラの餌付けを余りしなかったというので、手の平にひまわりの種置いても、鳥はまったくやって来なかった。
巣箱に住み着いたムササビが穴からお尻を突き出している。相変わらずここはトトロの世界。
新茅荘のご夫婦は夫婦の一つの理想形。いつも心を癒やされる。
折れたストックはお父さんが部品を使うというので置いてきた。
気持ちのよい酔に包まれ、呼んだタクシーに乗って渋沢駅まで。電車で帰京。
タダ飯いただいた恩返しに、近々食材持って再訪せねばと誓ったのであった。
3人組の1人です。
おかげさまで16日4時半に大倉に着き、弦巻温泉に入浴して長野新幹線にて10時半帰宅できました。
あのときの素晴らしい富士を再び見させて頂いて感謝です。
お疲れ様でした。
一日目も二日目も、ドンピシャで日没ギリギリまで歩かれましたね。皆さんの踏破距離&時間はお見事でした。
次回は是非、ヤビツ峠〜塔〜蛭〜姫次〜焼山登山口の、丹沢表尾根&主脈縦走をチャレンジしてください。
秦野在住のママです!
覚えて頂いて嬉しいです。
こんばんは、ほぼ一年ぶりですね。
その後丹沢ライフ楽しんでおられますか?
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