鉢盛山〜本州横断の旅が終わった！〜
Junjapa
- GPS
- --:--
- 距離
- 28.4km
- 登り
- 2,316m
- 下り
- 2,316m
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07:55 工事の方のトラックに乗る（0:55)
08:15 工事現場着（トラックを下りる）
09:50 鉢盛峠着（2:50）
10:10 鉢盛峠発
13:17 鉢盛山着（3:07)
13:35 鉢盛山発
14:35 鉢盛山登山口通過（1:00)
15:00 鉢盛峠通過（0:25)
17:55 峯越林道ゲート着（2:55)
| 天候 | 快晴！ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2013年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
[復路]林道終点＝IC＝調布IC＝東伏見 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
■コース状況 �（�越林道ゲート ・駐車スペースは数台ある。 ・鍵がかかっていてはいれない。 �▲押璽函組�盛峠 ・延々3時間のコース（夏道） ・下部は積雪がないが途中から1〜2cm、さらに中盤では足首程度、最上部はフクラハギから膝下程度まで雪が深くなる。 ・途中の工事現場はクルマは通れない（もともとゲートで通行止めであるが） �Ｈ�盛峠 ・打ち捨てられたゲートがある。 ・南面の展望が広がる。 �と�盛峠〜登山口 ・林道が鉢盛山の南面のため、雪はくるぶし程度。 ・登山口は手持ちの1/25000地形図では峠から2本目の尾根の突端からとなっているが、実際には、1本目の小尾根を過ぎた2本目との間の沢状からスタートする。 （新しい地形図では直っている） ・入口には標柱が立っており、明瞭。 �ヅ仍蓋�〜頂上 ・明瞭な切り開きがある。よく整備されている感じがする。むろん今の時期は雪に覆われているのでこの切り開きを見つけながら登ることになる。 ・最初は尾根の東をからむがやがて尾根上に登りあとは尾根上を忠実にたどる。 ・急なところはジグザグを切るルート。 ・いったん、地形図での2240m地点で緩やかになるがまた急登が続く。 ・2350mからは平坦となるが、雪が深くなり能率が落ちる。 ・平坦になってからも結構、距離がある。雪は膝ていど。 ・頂上直下では鉢盛山荘の50mくらい手前を通る。 ・頂上は樹林に半分囲まれていて展望がきかない。 ・頂上の先に展望台がある（今回は時間切れで行かず） ■行動記録 朝5時ころにゲートに着いたがまだ暗かったので仮眠。気が付いたらもう7時前。あわてて支度をして出かける。下からランクルがあがってきて、下りてきたオジサンが、ガチャガチャいわせてゲートを開けている。 「調査かナニかですか？」と訊く。 「いや、猟だよ」とだけ応えるとさっさと林道の奥に消えてしまった。 もしや乗せて行ってくれるかな？との期待も裏切られ、がっかりしていたら、おじさんすぐに戻ってきた。 「このあたりシカは見ないかね？」と変なことを聞く。 「何度か来ていますが見ないですね。クマとカモシカは見たことありますが。ただしカモシカは死骸だったけれど」と答える。 「最近はシカの食害が激しくてね。電気で防ぐようにしているけれど、ほとんど効き目がなくて」 どうもシカの駆除をやっているらしい。 「シカは臭いとかいう人もいるけれど、冷凍にすれば殺菌もされて刺身も喰えるし、いろいろと喰い方はあるからオレは好きだけどな。食べるところは少ないけれど、後ろ脚はそこそこ肉が取れるんだ。」といつの間にかシカ肉談義。 「へぇ、そうなんですか…」と頷くしかない私。 「それにしても動き回るシカをどうやって撃つんですか？」 「笛を吹くとヤツは耳を澄まそうとしてちょっと止まるんだ。その時を狙って撃つわけ」 「でも仕留めたあと町にもってきて解体する場所が大変なんじゃないですか」 「山でやってあと穴掘って全部埋めちゃうね」 「そういえば」と携帯電話をいじり始める。 「これこれ」と出てきたのは、雪の上に印されたデッカイ足跡の画像。 「ナンですか？ これ…」 「おめぇ、こりゃビッグフットだよ。間違いねー。巨大な足あとだ。俺らも長年山に入っているけど、これだけは、いったい何モノの足跡かわからねー。クマじゃねえことは確かだ。あんたもこれから山に登るんなら襲われないように気ィ付けた方がいい」 「やめてくださいよ、脅かさないで」と顔が引き締まった。 林道を1時間くらい歩くと、後ろから唸るようなエンジン音でトラックがあがってきた。 「山に登るの？」 「え？ そうですけど・・・・。皆さんは登山ですか？」 「上の林道工事だよ」 「あのー。すみませんけど乗せてもらえますか？」 「あ、いいですよ」 ということで車中の人に。 これがまさにラッキーでこれで時間が稼げなければ頂上には行けていなかっただろう。 車中の3人は色々と気さくに話をしてくれた。 この林道鉢盛山線は村のものだけれど、県からも援助が出て崩落部分を直しているんだそう。頂上付近にある避難小屋鉢盛山荘には6回も登ったけれど、全部天気が悪かったとか、登山者からこの林道を開放してほしいとの声もあるけれど修復中なのでまだ開けられないなどと話してくれた。 運転者は、野麦スキー場のコーチをしているそうで、ぜひ今度来られたらスキー場にもきてほしいと云われた。 工事現場に着いてお礼を言ってまた林道を歩きはじめる。 雪がでてきて1cm程度から徐々に深くくるぶしあたりになってくる。 峠へのトラバースに差しかかると、途端に雪が深くなり、ふくらはぎから膝まできて苦しむ。 それでも新雪なので軽いのがいい。 林道は長年の放置により雑草が生い茂り自然が回復されつつある。 鉢盛峠に着いた。打ち捨てられたゲートがあるが半分以上雪に覆われている。 静かな誰もいない峠。どこまでも青い空だけが広がっている。 初めてゆっくり休んでコーヒーを飲んだ。 雪が深くなることを考え、スパッツを付けると峠から林道を下って行く。 登山口は、手持ちの地形図と違って尾根の手前にあって道標が建っていた。 さぁて、頂上まで行けるかどうか。頂上まで約600m以上の標高差。もう時間は10時を過ぎている。雪と体力勝負だなと思いつつ行けるところまで行こうと登りはじめた。 最初は足首程度の積雪だったが、次第に深くなり、頂上台地周辺では膝となった。ワカンやアイゼンなどの飛び道具は持参せず、一歩一歩ツボ足で進む。 頂上台地に着くと、30歩すすんでは息を整え20歩云っては空を仰ぐといった歩き方になった。頂上到着時間リミットは13:00に設定していた。これを過ぎるのなら戻ろうと。 頂上には、13:17に着いた。 これで日本海〜太平洋がつながった。特別な感情は起きなかった。早く戻らないと日が暮れる。何か食べてエネルギー補給をしないといけないし、遅くなるのが確実になったので家に電話もしないといけない。そんなことを思っただけだった。 急いで念願だった横断記念の写真を撮ると3時間の林道を歩きに歩いた。ゲートに戻ったときはすでに真っ暗だった。 |
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感想
目の前のコブが頂上なのになかなか進まない。
雪が深いし足も疲れている。10歩進んでは真っ青な空を仰ぐ。先ほどまで30歩歩いて立ち止まっていたものが20歩になり10歩になっていた。
13：17やっと頂上に到着した。この瞬間永年ライフワークとして取り組んできた日本海〜太平洋の線が一本に繋がった。感動らしきものがあるかと思っていたけれどナニもない。目標時刻午後1時をオーバーしていた。早く戻らなければ、食欲はないけれど何か口に押し込まなければ、家人に遅くなることを伝えなければなどが次々と脳裏に押し寄せてきた。
いけない。まずは持ってきた「祝！本州横断！2013.11.30」で記念撮影だ。本州横断の旅が一本に繋がったら是非やろうと思っていたことだ。
ホントウはこれまで一緒に行った岳友たちと真夏の奥穂高岳の頂上かどこかで、記念撮影をしたかったが、横断の各ルートがつぎはぎになりそれらを適当に埋めているうちに、ここ鉢盛山がその舞台〜結節点〜になってしまった。
往復の林道歩きが長くて思案しているうちに季節は移ろいこの冬となった。ほとんどが林道歩きの山だし山もメジャーではない。かくして単独行の山となった。
雪も深いだろうし誰もいないだろう。でもそれがあっている。今日も峯越林道を片道3時間たどってここにやってきた。頂上から家人に電話がつながった。登山口に着くのは夜7時ごろになること、そうして、日本海〜太平洋がつながったことを話した。「おめでとう！」と云ってくれたけれど戻ったら必ず電話が欲しいと念を押された。家人にとっては無償の行為の完遂よりは安全ということなのだろう。
終わってみるとナンだという気もしないではない。あれだけ熱情を燃やしてきた自分が同じ人間とも思えないとても不思議な気分だ。これまで一本の線に繋げることをひたすら考え未知の尾根に拘って山にわけ入った。
友人につきあってもらったり、あるいはとりでも出かけた。岳友の中には熱心さに打たれて付き合おうと云ってくれて思い出を共有した人もいたし、モチベーションが湧かないと云って途中で一緒に下山したりしたこともあった。そんなことも含めてすべてが思い出だ。それぞれの山が点になり線になってキレイな一本となって二つの海をつなげている。
それぞれの山はどこであれ必ずこちらの思いに答を返してくれた。山は自分の思いをぶつける場所であり会話の場所であり、カタルシスの場でもありくつろぎの場でもあった。
くわえて「戻って来たぞ」と懐かしい気をさせてくれるところでもあった。
午後の陽が溪谷に寒々と陰翳を刻んでいる。
でもどこか心は温かかった。
それが一本の線でつながったことの山の答ではなかったか。
登山家マロリーは「そこに山があるからだ」と山に向かう理由を述べたけれど、自分の場合には、そこに答があるからということなのだろう。
そんなことを思いながら迫ってくる夕闇と競うように林道を下った。
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後日、いくつかの山に付き合ってくれたH2O氏からメールが来た。
本州横断おめでとうございます。いざ達成してしまうと意外に素っ気ないでしょう。達成に向かって苦労し、努力することに意味があり楽しみがあるのですね。
しかし、達成したことは後から味が出てくるのです。烏賊も刺身は素っ気ないが時間をかけて干してスルメになると実に美味ですよね。思い出というスルメは時間がたてば経つほど味わい深いものになるような気がします。今度は横断に制約されずにご一緒願います。今年は5月に四国、中国に行こうかと思っています。昨年11月に行こうと思っていたら雪が降ってしまい断念。やはり春から初夏がベストですね。
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鉢盛山が結束点とはまた物凄いですね。反射版があったりしてびっくりしますが人がいなくて景気もよい頂上ですよね。
長い間かけて海から海までトレースが繋がって行くのは楽しいものでしょうね。私はまだまだですが...
どうやら同じ日に私は深南部にいました。空気の澄んだ最高の一日でしたね。何はともあれおめでとうございました。
コメントありがとうございました。元気ですか。
長い間に、鉢盛山は４回も登っていました！
本州横断のために野麦スキー場から、そして今回の鉢盛峠から。あとは北側の林道からと今回の林道の途中の今は廃道となっている登山道から･･･。
北ア〜中央アは低いながらも尾根が繋がっており、その間にあってひとり気を吐いているのが鉢盛山なわけで、ま、横断の旅らしい(笑)終了点だったような気がしています。
南アの深南部も魅惑的ですね。貴殿の記録を参考に行ってみたいと思っています。
気づくの遅くなりましたが・・・横断達成していたのですね。おめでとうございます。
最後が静かな雪山っていうのも良いですね。
中ア〜鉢盛〜乗鞍の経路は素晴らしいですね。自分には発想すらできませんでした。
きっと次の構想も有るのでしょうね。
これからもがんばってください。
malembeさん、コメントありがとうございました。今は、空気の抜けた風船みたいになってしまっています。次の構想を立てて…そうですよね。どんな構想を立てるんだろ？！なんて言っていないで次の行動にすぐに着手ですよね！（(笑)） ありがとうございました。頑張ります。malembeさんの次の構想はナンですか？
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