蓬沢山
- GPS
- 05:11
- 距離
- 6.6km
- 登り
- 628m
- 下り
- 622m
コースタイム
蓬沢山 974.7m
往路 3時間20分
復路 1時間33分
移動距離 6.6km
天候 | 雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
2年前に遡る。膝を痛めて復帰2回目の山行が金山峠であった。あの時は峠直前で道に迷い、峠西側の県境稜線に取り付いてしまった。その後、去年も道に迷い金山峠にすら辿り着かなかった。今日は三度目の正直で何とか蓬沢山に登った。金山峠に続く金山越えは沢を辿るが上流に行くにつれ支流が合わさり迷い易いかった。夏ならば地元の小学生の遠足コースだが、厳冬期では蓬沢山までのコース中、やはり、手強かった。。 |
写真
感想
羽州街道の看板のある車道までしっかりと除雪されていた。周りには数軒の建物があるが人の気配はしない。廃屋を右に見て歩き始める。小さな足跡が残っていた。積雪期には沢沿いは避けたいが昔の街道沿いに残る杉並木が私を導いてくれるだろう。去年は左の沢に入ってしまい道迷いを楽しんでしまった。金山越えは右の沢沿いにあることを大きな石碑が教えてくれる。見覚えのある蔓状の木を越え、左の高みに登ると二段の沼が見えて来た。雪に被われて水面は隠れてしまっているが下流の沼に僅かに水が流れ込んでいた。
杉並木の途中に茶屋跡がある。沢の流れを聞きながら杉の木立の下で団子などを食べてみたいものだ。沢沿いに進むと二股に出た。左側にははっきりとピンクテープがあり山人を招くようだが、地図は右の沢を示している。丸太橋を渡り九十九折りの登りには七曲がりの標識が雪に隠れていた。右に輪をかいて尾根に取りついた。左上方に車道のガードレールが見えてきた。もうすぐ峠だ。足跡を辿って登ると、思わぬ急坂の登りを強いられた。
冬期間は封鎖される車道には名所の案内板が雪を被っていた。その案内板からは上山の町が雪にけむって見えた。車道は歩かず登れそうな崖を探した。するとトレースが見えた。急坂をものともしない、さっきのやつのものだろう。ずり落ちたような縦の溝ができていた。ここから稜線までの登りは獣に戻って四本足で登った。手先を深く雪に突き刺して這い上っていった。
崖を登り終えると地図を出した。稜線はほぼ南南西に伸びていた。コンパスの向きも一致していた。ここ先にもトレースがあったが、ストックの跡は見られなかった。鞍部を過ぎると尾根は消えていたが進行方向の方角を確かめつつ登るとヤセ尾根に出た。行く手を杉の木に阻まれながら登る。疲労で足が上がらない。寝坊を悔いた。昨夜からの頭痛と喉の痛みに朝は苦しんだ。今日も山頂を踏めないのか。
尾根の左の木立から蓬沢山の山頂へと登る稜線が僅かに見えて来た。見上げる高さだ。夏ならばまだしも厳冬期の単独登山には遥か彼方だ。地図で見てもルートは反時計回りで迷うことはないだろうが宮城県からの尾根が右側から合わさるまではまたしても急坂だった。もはや足だけでは身体を上げることは叶わず、両方のストックを突き刺して登る。記憶が跳んだ。稜線に立つとワカンが外れそうなのに気づいた。振り返ると自分だけのトレースがしっかりと坂を登っていた。
抜かった雪で外れかけたワカンを締め直す。稜線には目印が見えた。雪も締まって来た。宮城県側には雪庇が伸びていた。林に被る雪も厚くなっていてエビの尻尾も見える。幹も雪で磨かれて妖しく光っている。山頂が見えない。折り返しの2時半の目安にとGPSを取り出して現在地と山頂までを見比べた。837mのピークに繋がる南からの尾根が右側に見えて来た。
目印のピンクテープの位置がだんだん雪面に近づいて来た。風の道が横に走って雪の溝を作っている。その段を踏み越えるのにも苦労しない。足元がしっかりしてくると太ももの疲労も癒えて来た。眼前に相撲がとれるくらいの雪面があった。そこを右に回ると下りの尾根があった。その尾根をすこしすすむとGPSの山頂マークがずれてきた。あの雪面が蓬沢山山頂だった。なんの頂標もなく、ましてや三角点は雪の下深くにあるのだろうか。左側はヤセ尾根が上山に続いているのか。想像の中で登頂の展望を楽しむ。
山頂から少し戻った木の周りの雪の窪みで昼食にした。最近は熱湯を携帯用の魔法瓶に入れてセブンイレブンの蟹雑炊を食べる。なかなか美味い。カップ麺は湯がぬるくなると硬くなるが雑炊は冷めた湯でもイケる。それから玉子スープを飲んで帰り仕度をする。雪が舞って寒風が吹いて来た。ストックの紐は私から僅かに離れただけで氷ついて固まっている。ザックもゴワゴワして担ぎにくい。グローブは外さなかったが顔に吹き付ける雪で鼻先が痛くなった。放っておけば凍傷になるかもしれない。左手にハンカチを持って口と鼻を覆って下山した。歩けば寒くはない。鼻先も緩んできた。
帰路は自分のトレースを辿るだけだが、時計周りに回る稜線が7時にさしかかると急坂の下りになる。トレースがなければそのまま谷に迷い込みそうだった。右手に谷を見下ろせるように下るとよい。ヤセ尾根からは一瞬、蓬沢山が見えた。尾根を外れ左側に坂を下るが、往路で足跡を辿ったからだろう。峠からは尾根を下って沢に出た。右手下に自分のトレースが見えた。里に近づくを牡丹雪が降ってきた。その雪を被ったレンズを自分の舌で貫くいとってみた。ぼんやりとした雪棚が沢に浮かんでいた。
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