水芭蕉とトガクシショウマを眺めに 尾瀬沼・尾瀬ヶ原ロング散歩
- GPS
- 11:00
- 距離
- 23.9km
- 登り
- 394m
- 下り
- 588m
コースタイム
天候 | 曇り一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年06月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
今年は残雪が少なく、このルートには雪が道を覆っている所はほとんどありません。 ただし、濡れた木道はスリップ注意です。 |
写真
感想
昨年と全く同じ時期に再び燧ケ岳を一回りするコースに出かけました。雨が心配でしたが、ひどい降りにならなければ、尾瀬沼と尾瀬ヶ原を一日で楽しんでしまおうという欲張りロングコース狙いです。
いつもの事ながら、なるべく楽をしようと、登りの標高差が少なくなるように、沼山峠イン、御池アウトの右回りをチョイス。
東電尾瀬橋が架け変わったので、尾瀬ヶ原の散歩は、竜宮から東電小屋を経て温泉小屋へ至るルートを予定。始めて歩くコースなので楽しみです。
5時御池発のバスで沼山峠へ。すでに多くのハイカーで賑わっています。さすが水芭蕉の時期の尾瀬!
天気は曇り。ガスも出ています。でもウェアが濡れるほどでもないので雨具は付けずにスタート。最初は、ウォーミングアップにちょうど良い樹林の中の緩やかな登りです。やがて下りになれば大江湿原の入口に到着。
視界が利けば正面に湿原がずっと続いているのが見えますが、今日はガスの中に木道が延びているのが見えるだけ。それはそれでいい雰囲気です。湿原にはまだまだ緑は少なく、枯れ草色がメインですが、水芭蕉が沢山咲いています。今年はちょっと季節の進行が早いようで、大きくなった水芭蕉も見られます。
ちょっと心配なのは鹿が湿原を踏み荒らしている場所がやたらに多く見られたこと。このままだと植生に大きな影響が及びそうです。大好きな尾瀬の自然と鹿の生態、なんとか折り合いが付かないものかと思ってしまいます。
霧の中をゆっくり景色を眺めながら行けば、沼尻への道を右に分け、尾瀬沼畔の長蔵小屋に到着。ここでエネルギー補給。小屋前の水場で水も調達です。シラネアオイがいい感じで咲いていました。
休んでいると、雨粒は大きくはないものの、その密度が高まってきました。さすがに雨具上下を着込んで出発です。
一度大江湿原方向へ戻って、沼尻方面に左折。尾瀬沼北岸を時々水面を眺めながら、樹林や湿原を通過していきます。時間が早いのか、天気のせいもあるのか、まだまだすれ違う人もほとんどいません。静かな尾瀬歩き満喫です。
やがて沼尻に近くなるとナデッ窪に残雪が残る燧ケ岳が見えてきます。山頂には雲がかかっていますが、ほぼ姿を見せてくれました。雨も上がり、ラッキー!
沼尻休憩舎で一休みしていたら、団体さんが続々到着。そろそろ前日に見晴に泊まっていた方々が尾瀬沼に到着する時間なのかもしれません。
尾瀬ヶ原を目指して再出発。池塘をたたえる白砂湿原を過ぎると白砂峠への登りになります。岩ゴロゴロのここは昨年は雪で覆われていましたが、今日はわずかしかありません。やっぱり今年は雪が少なかったようです。
峠を越えたところで、用心のため着ていた雨具を脱ぎます。やっぱり身軽に動けるのは快適!ここから先は、今日のコースの中で一番多くの種類の花が見られるエリア。ミヤマスミレ、ミヤマカタバミ、ミヤマエンレイソウ、ニリンソウ、リュウキンカ、キクザイチゲetcを眺めながら行けば、やがてブナの新緑の中を行くようになります。
燧ケ岳山頂からの見晴新道を合わせれば程なく小屋が沢山建つ見晴に到着。尾瀬ヶ原の向こうに、雲をかぶった至仏山が半分くらい姿を現しています。
小屋前のベンチに陣取って、ここでもエネルギー補給。今日は天気がいまいちなので大休憩はなしにして、ちょびちょび休憩作戦でいきます。
ここでのサプライズはカッコウです。休んでいたらすぐ近くで「カッコウ、カッコウ」の声。びっくりして後ろを振り向くと5メートルほどのところで鳴いています。鳩を一回り大きくしたサイズ。大きな声でしばらく鳴いていました。
ここまで来て、尾瀬ヶ原を歩かないのはやっぱりもったいない。見晴から竜宮方面へ木道を歩き始めます。雲も徐々に高くなり、雨の心配はなく、まずまずのコンディション。
湿原の中に伸びる木道。前に至仏、後ろに燧。いつ来ても気持ちのいいところです。
沼尻川を渡って福島県から群馬県に入ると竜宮十字路。ここはさすがに混雑です。朝、鳩待峠から入った日帰りバスツアーの方々にとっては、ちょうど昼食休憩するのにいい塩梅の位置にあるからかな。
竜宮十字路で右折し、景鶴山を正面に見て、ヨッピ橋方向へ進みます。ヨッピ橋から先は、初めて東電小屋方向へ進みます。昨年の途中までは、只見川に架かる東電尾瀬橋が改修中で通行止め。恒例の燧ケ岳ぐるりお散歩コースにこのルートを組み入れることができませんでした。
この周辺は尾瀬の中でも有数の熊出没ポイント。ここから先は熊鈴を付けて歩きます。でもこのコース、湿原、新緑の林、水量豊かな只見川など見所いっぱいの気持ちの良い道でした。只見川を渡って振り返ったところに、「この先新潟県」の案内看板。わずかな時間で福島県→群馬県→新潟県→福島県と渡り歩いたことになります。
この先で突然雨が降り出しました。木陰もないので木道の上で急いで雨具を着用し、温泉小屋へ向かいました。温泉小屋前の湿原のリュウキンカの群落も綺麗でした。
ここで再びエネルギー補給。見晴を出てから2時間近くも歩いていたことになりますが、景色がいいので時間が気になりません。いつもながらの尾瀬マジックです。
さ〜て、御池へ戻りましょう。
ルートは段吉新道経由。トガクシショウマを見たかったのと、三条の滝などを経由するコースは一度下ってから大きく登るので時間的にも、体力的にもパス。
トガクシショウマはというと、今年も見事に咲いていました。
その先はしばらくブナの新緑の中を行きます。日が差せば、光を透かして一層輝きを増すブナの新緑ですが、今日は光が足りません。それでも、気持ちの良い道が続きます。
雨も止んで、空が明るくなってきました。渋沢温泉小屋への分岐点で、雨具を脱ぎながら一休みしていたら、お年を召したご夫婦がいらっしゃいました。時刻は午後2時半過ぎ。
「今日は尾瀬ヶ原の小屋泊まりですか?」と聞くと、「渋沢温泉小屋に泊まります。山菜づくしの食事が美味しくて。この先小屋までのブナも綺麗ですよ。」とのこと。その後、お気をつけてと声をかけて一足先に出発しました。
お年を召しても、こうして尾瀬の渋〜いところ、おまけにアップダウンも距離もあるコースに、あたりまえのように通っているそのスタイル。いいなぁと思いました。
ここまではブナ林の中を歩いてきましたが、ここからは湿原が次々と現れ、変化があって楽しい道です。燧ケ岳の北面にあたるこちらの湿原の水芭蕉はまだまだ小さくて、可憐なものも沢山あります。
この燧裏林道の中で最も大きい横田代の湿原にあるベンチで最後の休憩です。ここまで来れば御池まで30分。あとちょっとです。
午後4時、無事に御池へ到着。天気も大きく崩れることなく、今回も楽しく歩けました。いつ行っても尾瀬は期待を裏切りません。さすが尾瀬です。
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