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記録ID: 413405
全員に公開
ハイキング
関東

蟹ヶ谷古墳群現地見学会+お花見1

2014年03月08日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
1
日帰りが可能
GPS
02:12
距離
4.7km
登り
33m
下り
20m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

9:10日吉駅出発ー9:36蟹ヶ谷古墳群散策−10:00見学会(解説:日大の浜田先生)10:40〜10:55-11:20日吉駅(横浜経由で湯河原・幕山に移動)
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2014年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
蟹ヶ谷古墳群には東横線日吉駅から徒歩で往復(途中まで元住吉駅か武蔵溝ノ口駅からバスもある)
日吉駅から矢上川沿いに蟹ヶ谷古墳に向かって歩く途中の民家の梅の大木
2014年03月08日 09:15撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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日吉駅から矢上川沿いに蟹ヶ谷古墳に向かって歩く途中の民家の梅の大木
矢上川沿いに進むーー生田の南側・宮前区あたりの高台から流れだし、鶴見川にそそぐ川のようだーー少し先に蟹ヶ谷古墳に連なる高台が見え始めるーー
2014年03月08日 09:21撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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矢上川沿いに進むーー生田の南側・宮前区あたりの高台から流れだし、鶴見川にそそぐ川のようだーー少し先に蟹ヶ谷古墳に連なる高台が見え始めるーー
矢上川から古墳のある丘陵地帯に向かって登るーーこの信号の右側の階段を上る
2014年03月08日 09:26撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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矢上川から古墳のある丘陵地帯に向かって登るーーこの信号の右側の階段を上る
上から北方向を見下ろす
2014年03月08日 09:28撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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上から北方向を見下ろす
海抜4m位の川沿いの道から海抜40m弱の古墳群に出る
2014年03月08日 09:36撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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海抜4m位の川沿いの道から海抜40m弱の古墳群に出る
3号古墳はの発掘は来年以降、今回は事前調査だけだ
2014年03月08日 09:37撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3号古墳はの発掘は来年以降、今回は事前調査だけだ
受けつけーー発掘調査団の専修大学と日大の学生たち+川崎市教育委員会?
2014年03月08日 09:37撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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受けつけーー発掘調査団の専修大学と日大の学生たち+川崎市教育委員会?
テントもあるーー?・
2014年03月08日 09:37撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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テントもあるーー?・
一号古墳
2014年03月08日 09:38撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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一号古墳
2014年03月08日 09:38撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2014年03月08日 09:38撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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11号トレンチ
2014年03月08日 09:38撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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11号トレンチ
9号トレンチ
2014年03月08日 09:38撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9号トレンチ
2号古墳と1号トレンチ
2014年03月08日 09:39撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2号古墳と1号トレンチ
2014年03月08日 09:39撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2014年03月08日 09:39撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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里山の管理はボランティアグループで行われているらしい
2014年03月08日 09:41撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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里山の管理はボランティアグループで行われているらしい
2号古墳
2014年03月08日 09:43撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2号古墳
1号古墳周辺から出土した埴輪の破片
2014年03月08日 09:49撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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1号古墳周辺から出土した埴輪の破片
6世紀後半のものらしい
2014年03月08日 09:51撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6世紀後半のものらしい
発掘は、極力、古墳を破壊しないよう少しづつ丁寧に進めるーー
2014年03月08日 09:55撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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発掘は、極力、古墳を破壊しないよう少しづつ丁寧に進めるーー
ローム層は古い地層だが、黒土は新しい土で、古墳の周辺の溝の遺構と考えられるーー
2014年03月08日 09:55撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ローム層は古い地層だが、黒土は新しい土で、古墳の周辺の溝の遺構と考えられるーー
見学会の講師の日大の浜田先生ーー昨年、日大文理学部の博物館で一度お話を聞いたことがあるーー
2014年03月08日 10:14撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/8 10:14
見学会の講師の日大の浜田先生ーー昨年、日大文理学部の博物館で一度お話を聞いたことがあるーー
関東ローム層と黒土(腐葉土)の境目に注目して、古墳を区画する溝を探すーー
2014年03月08日 10:14撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/8 10:14
関東ローム層と黒土(腐葉土)の境目に注目して、古墳を区画する溝を探すーー
見学者は7〜80人近く集まったーー
2014年03月08日 10:24撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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見学者は7〜80人近く集まったーー
2号古墳で盛り土の部分との境目を示すーー
2014年03月08日 10:41撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/8 10:41
2号古墳で盛り土の部分との境目を示すーー
古墳を区画する溝と盛り土跡が見つかった。
2014年03月08日 10:45撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/8 10:45
古墳を区画する溝と盛り土跡が見つかった。
盛り土の遺構発見により、円墳の規模が見かけより大きくなりそうーー。
2014年03月08日 10:45撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/8 10:45
盛り土の遺構発見により、円墳の規模が見かけより大きくなりそうーー。
参加者の質問を受ける浜田教授
2014年03月08日 10:46撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/8 10:46
参加者の質問を受ける浜田教授
古墳の下を掘ると、8千年前の縄文の住居跡などとみられるものが出てくるようだーー土器の破片からの推定−8千年前は海岸べりだったらしいーー
2014年03月08日 10:52撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/8 10:52
古墳の下を掘ると、8千年前の縄文の住居跡などとみられるものが出てくるようだーー土器の破片からの推定−8千年前は海岸べりだったらしいーー
古墳の周囲を区切る溝がどのようになっているかは、今後の発掘の結果を見なければならないーーまた来年の報告会に期待するーー
2014年03月08日 10:52撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/8 10:52
古墳の周囲を区切る溝がどのようになっているかは、今後の発掘の結果を見なければならないーーまた来年の報告会に期待するーー
2014年03月08日 10:53撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/8 10:53
2014年03月08日 10:54撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/8 10:54
このあたりは神庭緑地になっているーー
2014年03月08日 10:55撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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このあたりは神庭緑地になっているーー
2014年03月08日 10:57撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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付近の養護施設の建設時の発掘で、縄文時代の遺構、出土品が出てきたようだーー(8千年前)
2014年03月08日 10:57撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/8 10:57
付近の養護施設の建設時の発掘で、縄文時代の遺構、出土品が出てきたようだーー(8千年前)
2014年03月08日 10:57撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/8 10:57

感想

 右手親指付け根の骨折も治療が終わり、かなり右手の握る力も9割以上回復し、左膝の変形ひざ関節症も痛みが少なくなったので、そろそろ山歩きを再開しようかというところーー午前中、神奈川県川崎市の蟹ヶ谷古墳群の現地見学会に行き、その足で幕山の梅見、松田山の河津桜と、早春の花見歩きをすることにした。リハビリの最初としてはこんなものかーー

 8時過ぎに自宅近くのコンビニに寄ってから、南武線の武蔵小杉で東急東横線に乗り換えて日吉へ。当初は元住吉から川崎市営バスに乗る予定だったが、幕山のある湯河原に出るのに日吉から横浜に出るので、日吉駅までの道を確認するためーー日吉駅から徒歩で往復することに。東横線の線路沿いを元住吉方面に戻り、矢上川沿いに西に向かう。日本山妙法寺を過ぎると、上流方面に丘陵地帯が見え始める。この奥が蟹ヶ谷古墳群のある尾根だ。対岸にある井田公園を過ぎるあたりで、河から離れ、細い路地を登ると中原老人福祉センター入口の信号とバス停に出る。元住吉からのバスはここに出る。地図をよく見て、中央右の階段を上る。丘陵地帯の上を目指すと住宅地の先に福祉施設群が見え始める。古墳見学会を案内する学生が立っていたので道を確かめる。福祉センター先の養護施設を右折し、道なりに古墳群入口に出ると、見学会の受付があった。

受付を済ませ、古墳群を散策する。三号古墳から一号、二号と歩いて全体の地形把握につとめ、四方の斜面の道を確認する。古墳に戻って出土品の埴輪のかけらやトレンチの発掘状況を見る。学生が丁寧に発掘している光景を観察しているうちに、時間となり、見学会が始まる。ケーブルテレビ局も取材に来ているそうだ。

 この川崎市に残された最後と思われる前方後円墳の発掘は昨年から開始された。4年前の3.11の東日本大地震の際に、この古墳のチェックに訪れた市民ミュージアム担当者から、崩れた斜面の状況から前方後円墳発見の一方があり、調査の結果、昨年から発掘作業に入ったという。見学会が始まり、発掘事業代表者として、日大の浜田教授が解説を始める。発見の一報から、地元の専修大学考古学教室と川崎市と縁の深い日大の浜田教授と川崎市教育委員会とでチームを組んで発掘調査を担当することになったようだ。またこの辺り一帯は神庭緑地として、川崎市と、ボランティアとで管理され、下草刈りなどが行われていたため、前方後円墳の発見につながったといえる。川崎市は、歴史的には多くの古墳があったはずだが、急速な工業・都市・宅地開発などで、もはや前方後円墳などはすべて失われたと考えられていたが、最後の前方後円墳であるとすれば貴重な古墳だ。日大の浜田教授は昨年、日大文理学部の弥生土器展の時に展示解説(学生に対する考古学の基本解説をしていた)でお目にかかっている。

 さて、一号古墳からトレンチごとに、発掘調査の基本的な解説が行われた。昨年も見学会が行われたようだが、昨年はまず測量の段階で、発掘は始まっていなかった。今回は最初の発掘調査で、わかったことを報告する。

 まず、古墳の規模を確認するために、周辺を少しづつ掘る。トレンチという細長い溝に番号を付けて発掘作業を進めていく。発掘というのは一面遺跡の破壊につながり、一度掘ると永久に失われてしまう情報もある。したがって、「遺跡の保存」を考えながら、極力破壊しないように少しづつ進めるのが、考古学の発掘作業の基本になる、と解説の浜田教授。一度に発掘してしまうと取り返しのつかない事態にもなりかねない。発掘場所を残しておくのも、将来の世代がより優れた技術、方法を編み出すかもしれないし、「遺跡の保存」上も必要だ。だから、遺跡をいっぺんに掘り返すということは行われない。

 最大の一号古墳’前方後円墳)には2,9,10,11の4つのトレンチが掘られている。9〜11のトレンチでは墳丘の側面に並行した溝の跡が現れた。墳丘を区画する溝のようだが、上から見ると発掘側で白い線が引かれているが、それでなければよくわからない。円墳部の北西側の第二トレンチからは、より広い溝跡が見つかっている。しかし浜田教授によれば溝の外は赤い関東ローム層が出ており、溝の中になると黒い土が混ざっており、ローム層とはやや異なる。つまり、かつて、溝を掘ったために、ローム層でない新しい腐植土が最終的に溝に入り込み、現在のような姿になっているという。土質の違いがかつての溝の姿を示しているということだ。また一号古墳のトレンチからは、埴輪などの破片が出土しており、その破片の観察から、この古墳は6世紀終わりごろのものであるらしい。

 一号古墳の西側は農地造成のため、かなり斜面が削られて急になっており、遺構がかなり失われている可能性が高いようだ。そのため、溝の底の部分しか残らなかったとう。また第9トレンチからは、堆積の厚い黒色土が見つかったが、ここからは8千年前の縄文土器破片が出ている。この古墳の南側にある養護学校の建設時に縄文時代の住居跡などが出土し、8千年前はこの辺りまで海岸線が迫っていたことから、このあたりは古墳時代のはるか前にローム層を掘って居住した縄文人が存在していたようだ。その後人が住まなくなり、古墳時代になって、こうしたかつての住居跡を含めた場所に古墳を造成したものらしい。この一号古墳より後に造られたと思われる2号古墳は、現在第一トレンチの発掘が進められ、溝の部分と盛り土の跡が見つかっている。これは土の色の変化などから推定されている。このため、この円墳(と思われる)の規模は見かけよりも大きい可能性があるようだ。いずれにしても、まだまだ発掘途上で、未解決の謎もいくつか出ている。こうした謎を解いていくことが今後の発掘作業上のテーマでもある。今後の発掘成果に期待したい。



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