奥秩父縦走(黒岩尾根〜雁坂峠〜甲武信〜十文字峠〜白泰山〜栃本)
- GPS
- 55:38
- 距離
- 49.2km
- 上り
- 3,849m
- 下り
- 3,837m
コースタイム
(2日目)6:20 雁坂小屋出発 - 6:40 雁坂峠(7:00出発) - 7:30 雁坂嶺 - 8:55 西破風山 - 9:30 笹平避難小屋(9:45出発) - 11:10 木賊山 - 11:25 甲武信小屋(11:50出発) - 12:05 甲武信ヶ岳 - 12:40 三宝山 - 13:15 尻岩 - 13:40〜55 武信白岩山付近で道迷い - 14:50 大山 - 15:20 十文字小屋テント場
(3日目) 5:20 十文字小屋出発 - 5:45 栃本分岐 - 6:20 四里観音避難小屋 - 7:45 三里観音 - 9:25 白泰山非難小屋(9:45出発) - 10:55 一里観音 - 11:30 林道出会 - 12:05 両面神社 - 12:30 栃本関所(13:00出発) - 13:20 川又 - 15:05 出会いの丘駐車場
天候 | 初日・二日目は快晴、3日目は曇後雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雁坂小屋〜雁坂峠、雁坂嶺〜西破風山、木賊山取り付き〜十文字峠、十文字峠〜四里観音避難小屋の区間はほぼ全面雪ありアイゼン必須。 木賊山山頂付近はかなり雪深く踏み抜き注意。 三宝山〜十文字峠区間はトレースあるが一部不明瞭箇所&間違いトレースあり、間違いトレースに惑わされないよう注意! それ以外の区間はほぼ無雪だが、十文字峠〜白泰山区間の巻き道は登山道不明瞭な箇所多い。しっかり赤テープを確認のこと。 *昨年11月に同コースを歩いた際、白泰山避難小屋から白泰山山頂方面へ続き、最終的には道が無くなるという迷惑な赤テープの連続があり惑わされたが今回は撤去されていたようである。 |
写真
感想
(長文です すみません)
今年最初のテント泊山行は昨年最後と同じく奥秩父核心部をぐるりと周回するコース。
雁坂トンネルの埼玉側にある「出会いの丘」に車をデポし黒岩尾根から雁坂小屋へ。
前回は突出(つんだし)尾根経由だったけど、今回は豆焼沢源頭付近に雪崩の危険ありとの情報(雁坂小屋ブログ)により黒岩尾根を選択。
豆焼橋のたもとから林道に入り、土砂崩れ跡の残る林道をテクテク歩き、登山道入口まで来ると前方に大きな荷物をくくりつけた背負子を傍らに置いた人が休憩している。
近づくとやはり雁坂小屋の主人・ゴローさんであった。
「お久しぶり!」「今年もよろしく!」と半年振りの挨拶を交わし、一足先に出発。
黒岩尾根を登るのは初めてだったけど、突出尾根に比べると距離も勾配も控えめで、西沢渓谷からの道と同じ感覚で登れる気がする。これからちょくちょく利用しよう。
4時間弱で小屋到着。昨年のGWは小屋の玄関先まで埋まったということで心配していたテント場は先客2名だけでガラガラ。ホッとしつついつもの特等席にテントを設営、受付でビールを買いグビグビっとな!!
ふーっ、この瞬間のために生きてるな!っと。
ゴローさんがなかなか登ってこないので、ビールとウィスキーに裂きイカ(持参)を抱えて峠まで登り、峠のベンチで30分ほどまったり過ごし、大いに癒されて小屋へ帰還するとゴローさんが到着していたので挨拶・談笑しテントでくつろいでいると次から次へ来るわ来るわ最終的には玄関先までテントがビッシリと。いやー早めに来てよかったわ。
その後もテン場巡視中のゴローさんに無理矢理(?)ワインを飲ませたり、小屋番兼雁坂小屋ブログ主・イシワタさんとお話したりしつつ、いつも通りの静かでのどかな雁坂の夜は更ける。
翌朝は二日酔いで目覚める。2日かけて飲むつもりで持ってきた1Lのワインを飲み干してしまったんだから当然といえば当然か。
テント内気温3度。風も強く結構寒いが天気は快晴。
今日は十文字小屋までの長丁場。途中破風山・木賊山のキツイ登りも控えているので手早く準備を済ませ出発。
全面雪で覆われた峠までの道は、朝の冷え込みでツルツルに凍っている。危ないので途中でアイゼンを装着し登る。
峠から雁坂嶺までの区間は無雪、雁坂嶺から先は95%くらい残雪ありだけど、アイゼン無しでもなんとかなるかな、というレベル。実際アイゼン無しで甲武信まで来た人もいたけど、装着したほうが楽に歩けるのは間違いない。
なにげにキツイ東破風山の登り、急傾斜の西破風山〜笹平小屋の下り、ダラダラと長い木賊山の登りをヒイコラ言いながらやっつけて(甲武信小屋への巻き道はトレース不明瞭とのことにて使わず)11時半に甲武信小屋着。
もういいやここでテント張ってしまおうか、という悪魔の囁きを振り切り、徳さん社長から道の様子を伺ってコーラ飲んで出発!
甲武信山頂をパスしてさっさと巻き道で行く気満々でいたら「巻き道はまだ使えないので山頂経由で行ってください!」と小屋番さんのありがたいアドバイス。
マジっすか(泣)。しかたなく甲武信へ登頂(結構キツイんだよね)、人でゴッタ返す山頂を華麗にスルーして三宝山(地味に埼玉県最高峰)方面へ。
心配だったトレースもしっかりと付いていて、踏み抜きもほとんど無く予想以上の快適さ。
これならだいぶ早く付くかな、といい気になっていたら突然トレースが心細くなり、道無き道を転がるように下り始める。それでも数人分の足跡が付いているので大丈夫だろうと思いつつ進んでいるといつのまにか完全なヤブ漕ぎ状態で落ちるように下り始める。
足跡はまだ下に伸びているけど、これはどう考えてもおかしいとGPSで確認すると完全に道間違い。北へ進むところを東の谷へ下っているではないか。
ヤバイよヤバイよ。完全無欠の遭難パターン。
あわてて自分のトレースを逆に辿り、深雪の中をはいつくばるように攀じ登って元の尾根まで帰還、なんとか正しいルートに復帰できたときの安心感。
まだ先に続いていた足跡の主の無事を祈りつつ、いくつかの絶景ポイントとスリリングな鎖場を越えて3時半前に十文字小屋到着。
途中何度か抜きつ抜かれつを繰り返した2人組の方と「狭いから心配ですねー」と話していたテント場も、十分空いていて無事テント設営完了、早速ビールと日本酒(缶入りワンカップ)を買い込みテントで酒盛り。
風が出て寒くなった山の夕暮れに熱燗が沁みる。ああそして今日も酔いどれて眠る。
明け方、木々を揺らす強風の音で目覚める。
設置されたばかりのピカピカで清潔で無臭の素晴らしいトイレで用を足し、5時過ぎに出発。今日も長丁場だ。
ちょうどその頃下界では地震で大騒ぎだったみたいだけど、山の上に居ると気づかないもんですなー。
四里観音避難小屋までは全面残雪あり、そこから先はほぼ無雪。
人の少ない奥秩父でも特に人が少ない十文字峠〜栃本の旧信州往還は、静かな山と森と苔の美しさを存分に堪能出来る道。
7時間の行程中、すれ違ったのは一人だけ。昨年11月も確か一人だけだった。
そういうのが好きな人にはぜひオススメです。
天空の集落(と勝手に命名している)・栃本では、GW特別開放中の旧関所屋敷を見学。
武田信玄の署名のある古文書などが展示されていて、説明してくれる方も付いてくれたりして思いがけず楽しいひと時。
しかし、そこから車を停めている出会いの丘まで約8km、車がビュンビュン行きかう国道をひたすら歩いたのと、その後に待っていた大渋滞とのダブルパンチで疲労困憊して帰宅したのでした。
とはいえ、やはり奥秩父、それも埼玉県側は良い!
今年もまた何度もお世話になると思います。よろしく御願いします。
おわり。
コメント
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先日は雁坂をご利用いただきまして有難うございました。
あの日と翌日はテント泊のお客様、特に小屋へ着くのが遅くなって疲れている方を、小屋の脇や庭先、雪の上などにご案内する事になり本当に申し訳ない状況でした。namifuji様にも案内役をしていただき、助かりました。
また、お越しください。お待ちしております。
Isisan様
こちらこそお世話になりました。
今回はゴローさん初め小屋番の皆様ともお話しできて非常に楽しいひとときでした。
案内はしたものの結局場所が無く受け付けに連れて帰るという、役立たずな案内ですみませんでした。
山で必要最小限のものがしっかりあって、無くてもいいものは無い潔さ。そしてそれらを守ってくれている小屋番さんたちの暖かい人柄。それが雁坂小屋の良さだと思っています。
今年もなにとぞよろしくお願い致します。
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