おかめ山北東尾根 - 下れないなら登ればいいさ。最大のチャレンジだった・・・かも。
kinoe
体力度について
- GPS
- 09:01
- 距離
- 9.0km
- 登り
- 682m
- 下り
- 673m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 8:31
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 9:02
07:23 入山
07:37 印象的な岩
07:48 稜線
08:01 P417
08:42 岩峰（約390m）
09:31 P370
10:04 沢下降分岐
10:28 枝沢
10:44 本沢合流点
11:08 北東尾根取り付き
11:59 主尾根
12:22 開けた場所（約385m）
12:46 東峰直下の岩峰（約410m）
13:20 おかめ山東峰
13:37 おかめ山西峰
14:10 下山地点付近でランチ
15:15 下山開始
15:38 畑
16:06 墓地
16:18 駐車スペース
| 天候 | 晴れ。風強し。 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
※ すべて登山道ではありません。危険個所満載の秘境なので安易に真似しないでください。万一事故が起きても、当方は一切責任を負いません。 ※ もしチャレンジする際には、決して低山と侮ることなく万全の態勢で挑み、常に撤退の可能性を残しながら前進すべきです。 ＜宝明 〜 稜線＞ 危険個所はありません。尾根筋なので迷うことは無いでしょう。 取り付き直後と稜線直下が急登です。 薄い踏み跡があります。（人間のモノかどうか怪しい。） ＜ 〜 P417＞ 断崖の淵を歩く場所もあるので、一応滑落注意です。 踏み跡はあります。（人間のモノでしょう。） P417は三角点があるのみで眺望はありません。 ＜ 〜 沢下降分岐＞ 特に危険個所はありませんが、ヤブ漕ぎ必至です。 2ヶ所ほど岩が立ち塞がりますが巻けます。 薄い踏み跡があります。（たぶん獣道。） ＜ 〜 北東尾根取り付き＞ 本ルートの最大の難所です。踏み跡などありません。 下降途中には、地図から読み取れない枝尾根がありどれも急下降です。枝尾根の末端は岩壁の可能性が高いので、私は手前で枝沢に降りました。 岩や流木が多い沢に下りると、段差もあり難儀します。左右はほとんどが岩壁で、高巻ける場所は少なく時間がかかります。ロープも使いました。 ＜ 〜 おかめ山東峰＞ 取り付き地点は、辛うじてよじ登れる斜度の岩尾根末端で最大級の慎重さが要求されます。尾根が落ち着くまで、岩と薮が交錯します。 おかめ山東峰直下の岩峰までは、まさに手付かずの山そのものです。藪や低木/倒木をかき分けながら進みます。岩峰へは左から回り込めば乗れます。 おかめ山東峰直下は岩壁です。斜度50度くらいでしょうか。一見、手掛かり足掛かりがあり登れそうに見えますが、掴みやすい突起ほど脆いので危険です。 回り込むこともできず途方に暮れますが、唯一、2mほどの高さに木の根が這っている場所があり、それを伝ってなんとか登ることができました。 ＜ 〜 下山地点＞ 踏み跡もあり、特に危険個所はありません。 ＜ 〜 下山＞ 下山開始直後に小さな岩壁の難所があります。左から回り込みましたが急降下です。それを抜け傾斜が緩むと、人里にはまだだというのに畑が現れます。 畑から少し進むと、尾根筋への直進と、右に分かれる分岐らしき場所に出ます。私は直進しましたが、右に進めば容易に人里に出られるのかもしれません。 尾根末端直前で尾根は2つに分かれますが、右に進めば墓地に出て下山完了です。 |
写真
拍手
いきなりの急登が待っています。
P417に向けて稜線沿いを進みます。
眺望はありません。
絶対に踏み跡でしょ。でも人間じゃないのかな。
まだ鯉のぼりがあり、賑わっているようです。
気を引き締めて行きます。
コッチの方が傾斜は緩そうなので、このまま下ることに。
左の濡れていない場所をズルズルと降りました。
（沢屋さんもこんな所は歩かないか。）
これ・・・かぁ・・・
落ち着くために一服しながら、チェーンスパイクを履きました。
少し休憩し、おかめ山はもうすぐだと、元気を取り戻します。
へつるように、左の切れ落ちた側を通らざるを得ません。
左に見えるP417から、右にズーッと歩いたんだなぁ。感無量。
ココまで来てそれは無いだろう！？
埋め込まれたような個々の石は、意外に脆いことは知っています。
北東尾根は制覇したぞ！バンザーイ！
今日は風が強いので、弱い場所までランチはおあずけです。
写真から受ける感じ以上に、急斜面で危険です。
放棄されているわけではなく、耕作中のようでした。
尾根筋を直進します。
この先、右に流れている尾根に少し入ってしまい左に戻りました。
角材3本を渡しただけなので、少し怖かった。
感想
やり残したことを放っておけない性分なので、先週に引き続いて奥久慈に来ました。
先週歩く予定だったのですが、どういうわけか降り口さえ見つけられずに断念した、おかめ山北東尾根を歩くためです。
降り口さえ見つけられず、だと？
それならば、登ればいいじゃないか！
というわけで、今回のルートは、おかめ山北東尾根をおかめ山東峰まで登る。この目的を軸に計画しました。
ただ、この山域を少しでも知っている人なら理解してもらえると思いますが、行程の2/3が、どんな危険が待っているのか行ってみないとわからない、超リスキーなルートなので、ダメだったら潔く戻る、私なりの覚悟をもって挑みました。（念のためお断りしておきますが、ロープで降りた際には、何らかの方法で戻れることを確信したうえで、ロープを回収しています。）
ルートの状況詳細は、コース状況や写真のコメントを参照してもらうとして、何度となくギリギリのところでクリアし、辛うじて歩き通せたなぁ、というのが本音です。そういう意味では、今回も幸運だったのかもしれませんね。
ただし、達成感はあるものの、楽しかったのかと聞かれれば？？？なのが正直なところです。やはりヤブ漕ぎがあれほど多いと楽しいはずがありませんよ。ヤブ漕ぎのイヤな所は、止めるキッカケにならない点ですね。岩壁や断崖と違って、心が折れない限り進めてしまうわけですから。
ところで、珍しく今回は、撤退（引き返すこと）を4回考えました。
1回目は、沢に降りてロープを使う場面です。
最初はある程度冷静に、引き返す場合を想定できていても、そのうちに意地というか馴れ合いというか、あまり考えずに降りて行くようになってしまわないか、そんな自分になってしまうことを心配したからでしたが、幸いロープを使ったのは2回だけだったので、そんな自分にならずに済みました。
2回目は、沢から尾根末端に取り付く場面です。
最初の数mさえ登ってしまえば、ある程度安全なのですが、その数mの足場の状態がわからなかったので躊躇しました。手足を置く位置など、シミュレーションしてから一気に登りました。
3回目は、おかめ山東峰直下の岩壁を前にした場面です。
先週、降り口を見つけられなかった原因として、地形が初めだけ一気に落ち込んでいる可能性を考えており実際にそうだったのですが、不覚にも岩壁の可能性を考えていませんでした。幸いにも手の届く場所に木の根があり、よじ登ることができましたが、それに気づくまで「進めなくなったら戻るんじゃなかったのか？」と自問しました。木の根が無かったらきっと岩壁を登ったと思います。目的を目の前にして絶壁とまでは言えない岩壁・・・難しいですね。
4回目は、下山直後のプチ岩峰を越える場面です。
本当に落ちるような急斜面で危険だと思ったのと、ここで戻っても下山の尾根を変えるだけなので、それほどの負担ではなく、余裕をもって判断できました。結局は、そのまま慎重に降りたのですけどね。
奥久慈はまだまだ秘境だらけですね。10mの等高線では見えてこない低山の複雑な地形は、藪に覆われ、渓谷のような沢がいたる所を走り、ジャングルに近いかもと改めて思いました。
それにしても、もっと山での歩かない時間を満喫できる山行がしたいなんて言っておきながら、またまたハード（と言うよりリスキー）で、先週以上に、足ではなくヤブ漕ぎによる腕の筋肉痛に見舞われた山行になりました。
コメント
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うーん、kinoeさんが思ってる理想の山行とはまた違うハードな完全バリルート登山、本当にお疲れ様でした！
下山目標が墓地ってのもなかなかスリリングに感じます！
僕の実家のまわりの山々もそうですが踏み跡あったりなかったりと全く地図では読めない行ってみないとわからないルートって低山だからこそたくさんありますよね・・・近年ではものすごい数で増殖中のイノシシがどんどん崩してるのがヒドイですけど
今後も頑張ってくださいね、くれぐれもご安全に楽しんでいきましょうね
drunkyさん、
ヤブ漕ぎがあれほどでなければ、私自身の印象も違ったと思いますけどね。
でも、やり遂げた感はありましたよ。
他の山域であれば、多くの尾根は至極明瞭で、Ｖルートとは言っても誰かしらは歩いているものです。でも、奥久慈においては、本当に誰も歩いていないような場所がまだまだ一杯あるんですよね。
そんな場所だからこそ、魅力を感じるわけなんですけどね。
一体、私はどこに向かっているんでしょうか？
再び奥久慈に行かれたのですね。
前回よりもさらに緊張感ある山行に感じます
kinoeさんも本文で自問自答と書かれていますが、
相手はおかめ山なのに、まるで自分と戦っているかのような印象を受けます。
沢を下っていくのは写真でもなかなか怖いものですね
なによりご無事で下山できて良かったです、これは絶対に真似できません
お疲れ様でした！
hiroumiさん、
今回は、初めて撤退を覚悟で挑みました。
また、これほど真剣に注意深く歩を進めたことも、かつて無かったと思います。
以前hiroumiさんから、「冒険のよう」とのコメントをいただいたことを思い出し、どの山行だったかと見返してみると、やはり奥久慈でした。うーむ、確かにそういう欲求が、私にはありそうですし、それを満たしてくれるのが奥久慈みたいですね。
本当にギリギリのところで踏破でき（てしまい）ましたが、他方、そろそろ撤退を経験すべき人間だろうとも思っています。
kinoeさん、こんにちは
昨晩もう就寝しようかという時刻にこのレコを開けたのですが、この濃い内容を咀嚼するにはやはり時間を要しまた。IEのタブを５つ以上(地図／標高グラフ(写真撮影ポイント確認用)、地形図、写真及びそのコメント、感想/記録、過去レコ等々)開いて読み解く作業をしました。というわけで、また一晩おいてのコメントとなりました。
コメントを総括すると「脱帽です」の一言に尽きます。まず、P416.5〜P370の尾根(写真10〜32)と、おかめ山北東尾根(写真50〜64)とを、その間の沢を横切って結んでしまう(写真33〜49)という発想に驚きました
おかめ山北東尾根から東峰。写真65-70は、4/20弊レコにて北東尾根と東尾根の間の沢から這い登ったところのような…(トラウマになりつつある思い出
下山の支尾根(写真78〜88)も超マイナールートですね。4/20弊レコにて何本かの支尾根に対して北から順番に� 銑�の番号を付けましたが、今回のkinoeさん支尾根ルートを�イ箸垢襪函�地形図では��と�イ隆屬砲發Π賈椨い�あるような気がします
kilkennyさん、
奥久慈の過酷さを理解してくれる人がいて、本当にうれしく思っています。そうでなければ、山行以上の時間をかけたレコなど書きません。
それと、また寝不足にしてしまったようで、申し訳ありませんでした。
P417（正確にはP416.5?）から竜神湖に向けて進むのには、ある種向こう見ずな勇気と、それを上回る撤退を決断する覚悟が必要でした。（ちょっとカッコ良過ぎる表現ですけど。）
それは、単に情報が無いＶルートだということだけでなく、竜神湖に向けて下ることが、進めば進むほど暗闇が濃くなるルートなのだと、私にはそう思えたからです。ですから、沢を越えて北東尾根末端に取り付いた時には、そこから先は進めば進むほど光が射してくるような思いに変わり、精神的にはだいぶ楽になりました。決してリスクが減ったわけではないんですけどね。
私は、地形図を見て独自のルートを考え実践するのが大好きですね。ただ、予想時間がドンブリのため、往々にして窮地に追い込まれたりもしますが。
実は今回、初めは北東尾根を下ることを目的にしていたので、今回の逆を回るルートを計画していたのでした。ただ、前回同様に降り口を見つけられないかもしれないと思い、ならば北東尾根は登ろうと考え、ルートを練り直しました。
そして第２の案は、今回最初に稜線に乗った場所（写真7）からP417には向かわず、東に向かって尾根末端で沢に降り、北東尾根から北西に延びるどれかの支尾根に取り付くルートでした。が、これも沢歩きが長過ぎると判断し、結局このルートに落ち着いたわけです。
それにしてもあの沢は谷ですね。いや渓谷ですね。GPSログもチョコチョコ飛んでいますし。私が歩いたのは枝沢も含めても、せいぜい200mあったかどうかですが、そこだけで約1時間かかっています。第２案では到底歩き通すのは無理だったでしょう。
え？もしかしてkilkennyさんは、あの危険な岩壁を登ったんですか？それとも私が岩壁の左（東）に偵察に行って見た絶壁、もしくは沢を詰める急斜面でしょうか？どれにしても相当ヤバかったですね。
おかめ山東峰から北東尾根に下るには、写真70の場所からでも良いですがわかりにくいので、一旦数mだけ東尾根に入り岩がある辺りから北にトラバースすれば東峰直下の岩壁の上に出ますので、そこから（ロープを使うのが安全だと思いますが）写真68の木の根の場所から降りれば、ひとまず難関突破できるでしょう。
�と�根って、あの短い奴のことですよね。国土地理院の地図によれば、末端付近には点線が走っていますがどうなんでしょうね。私は前回その辺で猪らしき唸り声に進路を阻まれているので、そこは是非kilkennyさんに！
そのうち刺激を求めに、また奥久慈に行くことでしょうが、やはり赤線が有るのと無いのとでは大違いなので、それまで一杯赤線を引いていただけるようよろしくお願いします。
前回に続き、コメント本当にありがとうございました。
kinoeさん、またお邪魔します。
やっぱり相応の時間を掛けてレコを作成いただいているんですね。感謝です。kinoeさんのレコはちゃんと追跡できるので記録としての価値が高いし
>え？もしかしてkilkennyさんは、あの危険な岩壁を登ったんですか？それとも…
小生の4/20山行では東尾根と北東尾根との間の谷から這い登ったわけですが、そのGPSログとkinoeさんのとを比較すると標高425-429m辺りの赤線が酷似しているんですね。で、写真67-68は見覚えがあります
�と�根。機会があったらトライしてみたいと思いますが、短いだけに勾配が半端なさそう。途中の屈曲したあたりで跳ね返されるような予感がします
おかめ山周辺もですが、奥竜神(亀ヶ渕の上流域。ヤマレコでは未踏かも)にも興味を持っております。一人で奥久慈の赤線マップを完成できるとは思えませんので、分担していただければ幸甚です。またの御降臨を楽しみにしております
こんばんは。次々と深みにはまって、藪岩山行、激しくなってきましたね。このまま行くと、登攀用具必須となりそうです。ソロのクライムアップも練習しておいた方が良さそうです。漕いでいく藪は、どうにも好きになれないのですが、そこをガシガシ進んで行かれる kinoe さんのパワーは凄いです。
くれぐれも無理なさらないように。でも、人が歩いていないところを通過する魅力はたまらないものがありますね
misuzuさん、お久しぶりです。
勘違いしないでくださいね。藪は決して好きではありません。
登攀用具ですか？いやいや、めっそうもないです。
クライミングなんて怖いし・・・
何て言うか、地に足が着いていないと、安全な気がしないのです。
そうそう、誰も触れてくれないので自分で言いますが、おかめ山を見上げる後姿の写真(No.64)、未踏だった場所から撮ったという点で、最高に気に入ってるんですけどぉ！
これからもお互い無理せず、それぞれの形で楽しみましょう。
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