奥秩父 雁坂〜甲武信〜国師〜大ダオ〜徳和 2泊3日
- GPS
- 51:42
- 距離
- 42.3km
- 上り
- 3,270m
- 下り
- 3,535m
コースタイム
- 山行
- 3:12
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 3:32
- 山行
- 8:57
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 10:11
天候 | 快晴・一時小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道の駅〜北奥千丈までは特に危険箇所等なし。北奥仙丈から大ダオまではやや不明瞭箇所あるがコーステープ頻出で迷うことは無い(巨大な倒木地獄に行く手を阻まれるが)。大ダオから徳和までの沢沿いの直下降は途中から道がほぼ消滅、沢沿いに道無き道を行くなかなかのハードルート。 |
写真
感想
(1日目)
とにかく暑い。暑すぎる。更に前夜の寝不足もあいまってしょっぱなからバテバテ、尋常じゃない量の汗をかいて半ば脱水気味でようやく雁坂着。いつもなら一旦小屋でテント張って再度峠まで上り返して峠でボーっとするのだけど今回はそんな気にすらならず、ひたすら小屋のベンチで見知らぬ方とビールを飲む。
この時たまたま一緒に飲んでいた、都留から来たという方と「スーパードライじゃない方が良いよね。」「そうそう、よなよなエールとまでは言わないが、せめてクラシックラガーとか、黒ラベルとか、苦味とコクのあるやつがいいね!」と盛り上がっていたら、側で聞いておられた小屋番・isiさんが早速オーナーのゴローさんに電話で掛け合い、なんと今後はドライ以外のビールも置いてくれることになったそうな!素晴らしい!このフットワークの軽さと、常に訪問者のことを考えてくれる姿勢が雁坂小屋の大いなる魅力です。isiさん、ゴローさん、そして一緒に盛り上がってくれた名も知らぬ方、本当にありがとうございます。
その後はようやく涼しくなってきたテント場に戻り例によって例のごとく一人でワインをガブ飲みして前後不覚で就寝。
(2日目)
3時半起床。今日は長丁場なので、本当は2時起床で4時出発のつもりだったのに大失敗。
静かで落ち着いた雁坂小屋のテント場は寝心地が良く、ついつい寝過ごしてしまう。
大慌てでメシ食って支度して5時20分頃出発。
峠までの登りの途中で何やら笹原をガサガサ掻き分ける小動物の気配。
ひょい、と目の前に飛び出してきたのはテン。初めて見たよ。
なかなか愛嬌のあるそのつぶらな瞳としばし見詰め合う形になり、次の瞬間そいつは草むらへ消えてゆきました。ちょっと、いや、かなりうれしい出来事でした。
稜線上に出ると、風が涼しくて気持ちよい。おかげで体調も回復、快調に歩を進める。
雁坂嶺を越え、東破風山を上りきったあたりで昨日ビールで盛り上がった方とバッタリ遭遇。なんでも、今日中に青梅街道沿いの花魁淵に停めた車まで戻らないといけないのだけど、どうしても甲武信まで行きたくなり、夜中12時に雁坂を出て明け方甲武信着、そのまま引き返してきた、そしてこれから笠取小屋を越えて花魁淵まで戻るとのこと。
ビックリ。あなた天狗ですか?と思わず言いそうになりました。世の中すごい人がいるもんだ。
奥秩父の稜線上最大のウンザリポイント、西破風山〜木賊山の鞍部をウンザリしながら越え、9時過ぎに甲武信小屋着。なかなか良いペースだ。しかし今日はここからが本番。細かなアップダウンと、最後に長大な登りが待ち構える甲武信〜国師ヶ岳間のルートへ。
このルートは昨年の海の日の3連休に歩き、その静かで落ち着いた雰囲気に大いに魅了され、ぜひまた行きたいと思っていたところなので、楽しみな反面、これからあと5時間以上歩かねばならないと思うとちょっと緊張する。
小説「春を背負って」に出てくる架空の山小屋・梓小屋はこのコースのちょうど中間(東梓のあたり?)にあるという設定だけど、本当にその辺に小屋とテント場が欲しいところである。
千曲川源流歩道分岐を越えると、人は全く居なくなる。結局このコースですれ違ったのは2人だけ。あとはずっと一人で、静かな静かな苔と倒木と木漏れ日の森をひたすら歩いていると、脳内麻薬物質がダダ漏れ状態で心底癒される。
そして最後に国師のタルからの長い登りを経てようやく国師ヶ岳山頂へ。
奥秩父では数少ない達成感を感じる山である。個人的には甲武信よりこっちのほうがよっぽど百名山にふさわしい気がする。ちなみに、頂上に着いて水を3口くらい飲んだところで背中のプラティパスが空に。ちょうどピッタリ過不足無い量の水を準備してくるとは、さすがだオレ(自画自賛)。
その後は大弛まで下ってテント泊。日曜の夜なのでテントは少なめだけど、一組のオートキャンパー(林道がすぐ脇を通っているので車で来れるのです)が騒がしくて参りました。
(3日目)
夜明け前、トイレの横でキツネに遭遇。昨日のテンに引き続き嬉しい出来事。
本日は初のルート、しかも点線コースということで安全を見込み昨日よりも早く4時半過ぎに出発。
まずは北奥仙丈ケ岳まで上り返し、そこから石楠花新道という道に入る。
昨日までの主脈縦走路とは明らかに異なる、石楠花と潅木が覆いかぶさる踏み後チックなマイナールートだけど、赤テープは非常に多く設置されているので迷うことは無い。
ただ、時折現れる倒木の処理にかなり体力を奪われる。
そんなこんなでシラベ平〜ゴトメキ(御止木)と問題なく到達。
なんだ意外と簡単じゃない、緊張して損した、と思っているといきなり広々とした笹原に道が飲み込まれ、赤テープもほとんど無く、更に巨大な倒木が折り重なるように行く手を阻む「倒木地獄」地帯に突入。
わずか数100メートル進むのに30分以上かかるという大苦戦の末、ようやく倒木地獄を越えたと思ったら今度はトサカという小ピークの手前で直角に曲がらねばならないところをそのまままっすぐ進んでしまうという痛恨のミスコース。
早い段階で間違いに気付き、傷が浅いうちに復帰できたからよかったようなものの、体力はかなり消耗しました。
その後も道不明瞭な笹原をかすかな踏み後をトレースしてなんとか大ダオに到着。
雁峠みたいな広々とした気持ち良い場所だけど、この後の点線ルートへの緊張で、その雰囲気を楽しむ気になれず、早々に出発。
まあとりあえず後は沢沿いの道を進むだけ、と淡々と下っていると、いつの間にやら苔むす岩と倒木の中に道が完全に埋没。地図によれば、ほぼ沢の真横を進むルートなんだけど、沢沿いには全く道らしきものが無い。しばらくはGPSを頼りに沢に下りてみたり渡渉してみたり尾根筋へ上がってみたりしながら、地図を信じて沢伝いに道無き道を右往左往しながら進みます。
あまりにも道が無いので、もしかしてGPSが狂ってて、全然違う沢に迷い込んでたらどうしよう?と顔面蒼白気味に小1時間さ迷ううちに、河原にグリコのカフェオレの空きパックを発見したときの安堵感!
更に進んで再び赤テープが現れた時は冗談抜きで「助かった!」と思いましたよ。
その後も何回も渡渉を繰り返しようやく登山道が再び現れ、なんとか無事徳和の集落にたどり着きましたとさ。
今回、改めて自分のルートファインディング能力の無さを痛感。
これからはもっとバリエーションなルートを多く歩いて、その辺の勘を養わねば。
いろいろありましたが、なかなか内容の濃い2泊3日でした。
やっぱり奥秩父最高!
コメント
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1900m上にある小屋と聞きましたが.それにしても、この日は暑かったですね!
私はビール8缶も飲んでしまいましたよ 居酒屋『雁坂』商売繁盛でしたね
調子よければ、国師ヶ岳と言っていましたが流石!それ以上に足を運んでます。
「みとみ道の駅」の駐車情報.ありがとうございました。
私は今度そこから,金峰山へ行ってみようかと...
またどこかの山で出逢えたら やりましょう
karasiko7様
コメントありがとうございます!
なんと、8本も空けてしまったのですね?
そしてそのまま夜中に甲武信往復・・・(汗)。
やはりどう考えても天狗様です。
ぜひまた「遠い居酒屋」でお会いしましょう!
次回は首長 を。
namifuji 様
今回はすごいお客様に大勢来ていただき、ときどき小屋番の心臓は、ドキドキでしたよ。karasiko7さんもあれだけ飲んで、夜中に出発されたり、トレランのお客様も夜明け前に奥秩父を走り抜けていったり、そしてnamifujiさんも、あの暑い中、素直に大弛から金峰方面ではなく、渋いコースを歩きましたね。この夏最初の暑ーい夏に。素直にすごいです、本当に。
あ、それから首の長ーいのかな?オーナーの奥さんが仕入れに走ってくれたようです。私としては、消費税アップ前に仕入れておいた分がなくなるまでは、難しいと思っていたのですが。思っていることは言ってみるものです。
また、ごちそうさまでした。頂いたあれ、namifujiさんもあけに来てくださいよ。スタッフの間ではウイスキーは私の担当。モリさんは飲まない。ゴローさんはたまにビール。セイちゃんはショーチュー、日本酒、ウイスキー…の順かな。私一人ではあんな大きいのは大変ですから。
それから、またちょっとしたヒントをお願いします。『テントが暑くって」などのつぶやきが、ああそうだったと過去の記憶を呼び出し、「どうすれば」とか考えるきっかけになります。
また、遠い居酒屋へお越しください。お待ちしております。
「遠い居酒屋」のマスター・isisan
今回もいろいろお世話になりました。
ヒミツのヒカリゴケ、なんとも神秘的でうれしい体験でした。
小屋開けの時のブログに、「ドラム缶の氷でウイスキー・・・」とあったので、皆さんウイスキー好きなのかと思いあんなデカイの持っていってしまいましたが、これは次回は焼酎も持っていかなきゃ?ですね(笑)
karasiko天狗さんとの雑談をすぐに取り上げていただき、その場で採用してくれるなんて、本当にビックリです。
山小屋の主人というと「泊めてやるんだ、文句あっか?」的な人(本心はそうではないにしても、表面的には)が多い中、雁坂の皆さんの軽いフットワークと、客思いの姿勢には本当に頭が下がる思いです。
我々訪問者も、そんな皆さんの優しさに甘えることなく、幾久しく良い関係を続けていけたらと思います。
というわけで、まずは焼酎ボッカから(笑)。
追伸
いただいたブツ、ありがとうございました。良い記念になります。
fujinamiさん、こんにちは!
相変わらず、シブかっくイイ山行ですね!
甲武信岳から国師ヶ岳の静かな苔の道、いいですね〜!!
まだ、雁坂や甲武信岳は行ったことがないのですが
今年は勝手に奥秩父Yearと思っている割に、
あっちゃフラフラ〜こっちゃフラフラ〜
秋こそは! な感じですので参考にさせて頂きます〜
しかし、どっきどきなルーファイも、さらっと次回への課題へと受け流す
ライトで前向きな?姿勢
気持ちの良いレコでにやにや拝読しました
有り難うございました!
miouさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。
実物見ていただければシブくもかっくいくもないヘロヘロ単独行なのですがそれはさておき。
甲武信から国師の間は、本当に静かで人が居らず、苔と倒木の殿堂・奥秩父の真骨頂だと思います。
なかなか行きにくいパートですが、ぜひ一度おいでませ。できればソロで。
ルートファインディングのくだり、さらっと書いてますが実際はマジでガクブルもの、おまけにダニに噛まれまくって散々でした。。。
では、miouさんの奥秩父レポ、楽しみにしております!
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