スノーマス山(Snowmass Mountain 4295m）コロラド・ロッキーの「ホワイトハウス」
tanno1967
その他1人 - GPS
- 13:49
- 距離
- 31.5km
- 登り
- 1,962m
- 下り
- 1,962m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 12:39
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 13:49
| 天候 | 晴れ時々曇り |
|---|---|
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
当時住んでいたカリフォルニアからは、グレイハウンド・バスをユタ州のソルト・レーク・シティーで乗り継ぎ、コロラド州グレンウッド・スプリングスに入り、そこからは付近のスノーマス・ビレッジに滞在していた友人の車を利用した。 地図はGoogle Mapでご覧ください。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
スノーマス・マウンテンはコロラド州のほぼ中央、コロラド・ロッキーの中でも景色がよいとされるElk Range (ヘラジカ山地)にある山です。標高は14092フィート(4295m）で、コロラドに54座ある14000フィート(4267m)以上の山(Fourteener) の一つでもあります。Fourteenerの中には、ロッキーの最高峰、エルバート山のように、天気さえよければいとも簡単に登れる山がある一方、ナイフリッジを這って進まねば登れない山、常に落石の危険にさらされる山などもありますが、このスノーマス山は、ハイキングというほど簡単ではないが、多少岩場に慣れていれば大きな危険なく登れる山です(岩登りで一般的に使われるYosemite Decimal Systemでは class 3)。 一般的な登山道は、標高2500mを少し切る登山口から、スノーマス・クリーク沿いのトレールを8.5マイル(13.5�辧砲曚品發�、標高3350mほどのスノーマス湖に達し、そこからガレ場や、山頂東面にある万年雪のカールを経て、頂上直下で尾根に取り付いて山頂に至るもので、私たちもそのルートを使いました。この東面のカールには毎年夏までかなりの雪が残ることから、Snowmass Mountain (大雪山？)という呼び名がつけられたといわれています。 スノーマス・クリーク沿いのトレールは片道13.5�劼猟甲�場ですが、道は良く整備されており、何の不安もありません。雪が残っていたり、クリークが増水していればクリークを渡る個所(1か所のみ）に苦労する場合もあるでしょうが、そうでなければスノーマス湖までは順調に行程を稼げます。このトレールの途中、対岸に Bear Creek (熊の沢)が合流してくるあたりで、スノーマス山の北峰がクリークの奥に尖った峰を見せ、その左奥には主峰の姿も見ることができ、標高差も高度感もあって素晴らしい眺めです。クリークにはビーバーも生息しており、ところどころに彼らの作ったダムやその跡が見られます。 スノーマス湖から先は決まったルートはありませんが、湖の左側を岸伝いにからみ、奥のガレ気味の斜面を登って上部のカールに出て、雪田を横切って山頂直下左側の稜線に取り付きます。私が登った際は、この雪田上部の標高差ほんの20m位の区間が、かなりの傾斜(45度くらい）になっていて、ピッケルもなく、つぼ足での登下降には緊張しました。稜線に取り付いてからはClass 3に分類されている岩場の登りに多少緊張しましたが、鎖・梯子はなくとも穂高あたりの岩場に比べれば大した場所ではありません。 頂上からの眺めは最高で、キャピトル・ピーク(4309m)、マルーン・ピーク(4317m）、ピラミッド・ピーク(4275m）など、コロラドのFourteenerの中でも屈指の難峰を連ねる Elk Rangeの全貌が望めました。夏は乾季で安定した晴天が期待できるカリフォルニアあたりとは異なり、コロラド・ロッキーでは夏に降雨があり、標高の高い個所では雪にもなるのですが、この日は基本的に晴れの天気で幸運でした。 普通はスノーマス湖にキャンプを張るのですが、この日は早立ちして日帰りでの往復を試みました。距離にして35�劼曚鼻�標高差も1800mほどあり、高地での登山でもあったので、往復にかかった時間は休憩も含めて13時間49分。午前5時過ぎに出て、登山口に帰り着いたのは午後7時を回っていました。日帰りの山行でこれほど疲れたことはありませんでした。 私の通ったルートについての詳しいガイドはこちらでご覧になれます。 http://www.14ers.com/routemain.php?route=snow1&peak=Snowmass+Mountain |
| その他周辺情報 | 登山口に最も近い町はコロラド州アスペンで、そこから登山口までは車で1時間くらいでしょう。グレンウッド・スプリングスからだともう少しかかるかもしれません。 |
写真
標高3300mのスノーマス湖。左の岩山はHagerman Peak（4219m） 、スノーマス山は右奥の雪田の上のピークだ。
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スノーマス山の頂上にて。中央右に見えるのが、Maroon BelPeakで、その左奥にはPyramid Peakが見えている。山道具は日本においていて、装備を買う金もなかったので下界用の装備で登ってしまった。
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西側にはElk Rangeの雄峰、Capitol Peak（4309m）が見える。頂上右手の稜線が、ナイフリッジで有名な一般ルートだ。
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感想
1992年の夏、友人がコロラドで一夏を過ごしていたのに便乗して、コロラドに1週間ほど滞在して登ったのが、ロッキー山脈の最高峰エルバート山と、このスノーマス山でした。エルバート山の記録はこちらです： http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-497838.html
エルバート山はただ高いだけで、面白みには若干欠ける山でしたが、このスノーマス山は溪谷あり、湖あり、お花畑あり、雪田あり、岩場ありの素晴らしい山でした。コロラドの山をあちこち登った人で、このスノーマス山を良かった山に挙げる人が多いと聞きましたが、それだけのことのあるのコースでした。私の登ってきた中では一番景色の良かったコースの一つです。
アメリカの山名には、人名を冠したものや、国柄を反映して政治にまつわる山名が多いようです。オレゴン・ワシントン両州に連なるカスケード山脈では、ワシントン、ジェファーソン、アダムスなど、建国の偉人に因んだ山名が目立ちますし、この山の峰続きの名峰、キャピトル・ピークは、その姿がワシントンの国会議事堂（キャピトル）に似ていることから名づけられています。このスノーマス山も、隣のキャピトル・ピークと呼応する形で(雪が多く白いことから）「ホワイトハウス」と名付ける案もあったとか。しかし、その案は退けられ、Snowmass という、いかにも雪がわんさとありそうな、即物的な名前が残りました。この名前も私は気に入っています。
隣のキャピトル・ピークももし機会があれば登ってみたい山の一つです。Glennwood Springs の町から Roaring Fork River に沿ってAspen方向に向かって車で走ったとき、正面にこの山が見えるのですが、きれいな尖峰で、登高意欲をそそられました。この山の一般ルートは北東稜ですが、多くの人が四つん這いで通る痩せ尾根で、コロラド・ロッキーのなかでも有名なルートになっています。奥穂高の「馬の背」のようなものかもしれません。スノーマス山が1873年に(記録上)初登頂されたのに対し、より困難なキャピトル・ピークの初登頂は1909年。日本の陸地測量部が剱岳に登頂して二年後のことでした。
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