八ヶ岳/広河原沢右俣アイスクライミング
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 663m
- 下り
- 663m
コースタイム
6:15 起床
7:00 出発→8:15 左俣出合→9:00-9:15 本谷右俣出合→9:50-11:20 武藤返しの滝沢→11:40 本流8m滝→12:10-15:00 クリスマスルンゼ→16:30 舟山十字路着
16:45 舟山十字路発⇒18:45 相模湖駅⇒19:35 JA伊勢原着
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2002年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
≪アプローチ≫
土曜日の夜であるからか渋滞に悩まされること無く八ツの山麓に入ることが出来た。
しかし舟山十字路の入口で少し迷う。美濃戸への分岐まで行き、間違いに気が付き引き返すが感覚的な距離以上を戻らなければならなかった。
左側へ入る筋で言うと2本目だっただろうか。別荘の販売センターがある角を東に入り未舗装路になってからしばらくで舟山十字路に至る。ここが十字路でなくT字路である点も紛らわしいところ。十字路から200m程先には頑丈なゲートで閉じられている。十字路に駐車しテントを張り仮眠を取った。十字路には2台既に駐車していた。
真夜中でも素手でそれ程に凍えない。空を見上げるが星は見えない。曇天のようだ。
5時過ぎには起きようかと話してはいたが、やはり明るくなってからにするかと6時過ぎまで惰眠を貪る。
しかし、5時半頃から周囲で動く気配がする。通りの向こう側に止まっていた四駆車が動き、林道を走っていき、更にゲートを開閉するような音がした。
結局6:15に起床し、7:00に舟山十字路を出発した。ゲートは歩行者は右から通過できるが、ピンで留めてあるだけで錠前は何も無かった。道理で容易に通過できるはずである。ゲート内には先の四駆車ともう1台乗用車を見ることが出来たが、四駆車は林道終点近くに停められておりどうやら2人パーティが三ルンゼから南稜を目指したようだ。乗用車は南稜取り付きへの分岐辺りに停められていた。
ゲートを通る時に正面に見ることが出来た阿弥陀岳も山間に入っていくと中々望めない。
たまに立場山の尾根の向こうにギボシらしい雪を被った頂きを見ることができる。林道終点近くで再び正面に阿弥陀岳を見ることが出来た。P3, P4の岩峰とルンゼが良く見える。雪はそれ程多くない。
翻って林道にも雪は無い。気温は氷点下では無い感じだ。素手でいても寒気につらくない。
ゲートから1時間ほどの歩きで林道終点を経て左俣との出合に至る。林道を終え谷筋に入っていくと積雪が見られるようになってきた。更に左俣出合から45分程で本谷と右俣の出合に辿り着く。この辺りはゴルジュになっている。
右俣に入ってすぐに3m程度の凍りついた滝が見えた。ここで装備を身に付けていくこととする。
≪武藤返しの滝沢≫
3m滝を乗越すと左岸からナメ滝が掛かっている。武藤返しの滝沢だ。3mのナメの上にザックが数個デポしてある。更に6m滝があり、下部2m程度が垂直である。
これを登ると沢は左右に分かれ、左側に8m滝が掛かっている。ここに先行4人パーティが取り付いていた。右側の沢はルート図にも書かれていない。貧相な8m程度の滝が掛かっているがこれだけなのかもしれない。
4〜5mの所にバンドがあり、左岸側からは比較的容易な様子に伺える。下部は垂直に流れが落ちている。
しばらく順番待ちをすることとなるが、先ずはH薗さんが荷を置いて練習を始める。ピックで氷を叩くと盛大にフレーク状になって破片が飛び散る。更にI久保さんのビレイでAki-CLさんが左岸側をリードする。中間のバンド辺りで支点を取るのかと思いきや、「悪い悪い」と呟きながらそのまま登っていく。結局支点を作らずに登りきってしまった。
方やH薗さんは困難そうな中央部を単独で登り始めた。
3m程登ったところで打ち込んだアックスに体重を預けて、支点を作る。そこにセルフビレイを取ってさらに前進し、2m上に再度支点を作り、セルフビレイを掛け替えて不要になった支点を回収する。更に抜け口でも一度支点を設けて見事にソロで登攀しきった。
iEucalyptusさんと自分がAki-CLさんのローブを使ってフォローする。
久し振りのアイスで足元も打ち込むアックスも心もとないが、何とか登りきった。
この滝のグレードはIV+と付けられている。
我々が終了する頃に更に男女2人組のパーティがやってきた。我々はクリスマスルンゼを目指すこととした。
≪クリスマスルンゼ≫
右俣本流に戻り少し行くと8-10mの多少寝た滝に出会う。ガイドでは6mとあるがこれより少し大きく見える。寝ているので手ごわくは無さそうだが、ただ結氷が甘い感じがありザイルを出していくこととする。ここを乗越すと武藤返しから30分程でゴルジュが左へ曲がり左右から氷瀑が掛かっている十字路に出会う。
この左岸側から入るのがクリスマスルンゼであり、3段60mの大滝である。右岸側にはポストクリスマスルンゼの40mナメ滝が直視できる。 大滝は3段と形容されているが、第1段が60-70°程度で第2段がナメ、第3段が垂直の氷柱となっている。
H薗さんがビレイをしてiEucalyptusさんが支点を取りながら右寄りのラインをリード。その1-2m左よりの中央よりのラインをAki-CLさんがI久保さんが設けた支点でランニングビレイを取りながら登る。iEucalyptusさんのフォローをH薗さん、Aki-CLさんのフォローを自分と続く。
ナメの左岸に支点を取ってI久保さんがビレイし、H薗さんが上部に挑戦する。この大滝上部は下部の6-7mが垂直になっている。ガイドでは中央左寄りの凹角をIV+、それ以外の氷柱部分だとV-と評価されている。
H薗さんは凹角をちらりと見ただけで迷うことなく左岸よりの氷柱に取り付いた。後で尋ねると凹角の氷がもろく見えたとのことだ。取り付きに支点を取り、更に手の届く2mの高さにも支点を作る。そしてアイスアックスを振るいながら前進しようとするが、氷のブロックが激しく剥がれ落ちてくる。支点を打っても打った端から氷が裂けていく。レストしながら少しずつ攀じり、25分掛けて氷柱を突破した。
しかしその上部、遠目にはゆったりとしたバンドに見えるのだが、実際にはゆるやかに外傾したナメになっていて疲労のせいもあるだろうが、却って悪い。
油断できないツルリとしたこのナメ部分の突破にも10分を要した。そして苦闘35分の後に見事完登を果たした。
誰が来るのォと上から声が掛かる。
末端がつながっているiEucalyptusさんがフォローに掛かる。登りながらの支点回収は難しく、取り敢えず放置し懸垂で降りる時に回収することにする。
I久保さんも同じルートを攻めるが、果敢に氷柱に飛びつきアックスを振るう。氷柱を突破し、苦労しながらも上部をH薗さんと同様にクリア。
幸い?iEucalyptusさんがバックロープを引いていかなかったので、また、制限時間も近づいてきたので本日のメニューはこれで終了。
クリスマスルンゼは我々4人だけで実に静かに楽しむことが出来た。
こうだったら最初からここまで来れば1日楽しめたとの皆の感想である。
≪帰路≫
舟山十字路までの帰路は往路と同様ではあるが、下記の点気が付いたので記しておく
結氷が甘かった本流の滝は左岸側を巻くことが出来、固定ロープも張ってある。
本谷出合上流の3m滝は同様に左岸側に巻けるが岩陰に丁度良いアンダーホールドがあって安心できる。
クリスマスルンゼから1時間半の行程で舟山十字路に帰着した。
更にこの日は中央高速を含めて湘南までの帰路も渋滞に遭うことなく計画以上の好時間で帰ることが出来た。
渋滞が無しとはどう言うことだったのだろうか?
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