鹿納山(宇土内登山口→鹿納山 往復)※荷物回収
- GPS
- 06:34
- 距離
- 12.9km
- 登り
- 1,035m
- 下り
- 1,040m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
鹿川渓谷から暫く進むと舗装は途切れ、待避所も無い1車線となります。 未舗装にしてはよく踏み固められていて走りやすい道なので四駆でなくとも大丈夫そうですが、レンタカーだったので飛び石に気をつけつつ慎重に走りました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
宇土内登山口→鹿納山登山口→鹿納谷分岐 鹿納山登山口までは林道を歩きますが、部分的に土砂崩れや崩落が進んでおり車の通行は困難。特に橋があったであろうとされる部分は完全に崩壊していて、どこを歩けばいいのか少し悩む所も多少あります。全体的にテープはよく張られていて小屋跡なんかもありましたが、あまり歩かれた形跡のない道でした。 鹿納山登山口からは一転して歩きやすい急登で、道筋もしっかりした普通の登山道です。一箇所くらい倒木を迂回したくらいで、後は特に何も考えずに進めました。 鹿納谷分岐→鹿納山(鹿納坊主)→荷物回収地点 前回の記事で通過したコースです。鹿納山までは尾根伝いで特に何も考えず進めます。しかしそれ以降は尾根を巻いていくので、踏み跡を注視しながら先に進みます。よく注視すれば自分のように迷うことは無いんじゃないかと思いますが、道自体も脆くて結構歩きづらいです。 |
写真
感想
九州登山旅行
3/22(日)〜3/24(火) 屋久島、宮之浦岳
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-611426.html
3/26(木) 霧島、韓国岳・高千穂峰
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-611440.html
3/27(金)〜3/28(土) 大崩山・鹿納山※遭難、救助
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-611450.html
3/30(月) 鹿納山※荷物回収
この記事
3/31(火) 阿蘇山、高岳
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-611461.html
3/31(火)〜4/2(木) 九重連山・涌蓋山
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-611471.html
この日も遭難した前回に引き続き、今回も多方面の方々にお世話になり、無事に荷物を回収することが出来ました。ご協力して下さった方々には今でも感謝の念に堪えません。ありがとうございました。
【救助の翌日】
当初、荷物は回収は不可能だと判断し、着の身着のままで帰宅するつもりでした。しかし人間助かれば欲が出てくるもので、登山はもうやめようなんて考えていた翌日には意識は置き去りにした荷物の方に移り、あんな不安定な所に置いてあって動物に落とされて居ないだろうかとか考えていました。
翌朝の退院の日、なんとかして荷物を取り戻すことは出来ないかと看護師さんへ地元警察の連絡先を聞き、それから一度警察署に出向いて相談。それから山に詳しい人を何人か警察の方や役場の方から紹介してもらい連絡先を入手、その内すぐに連絡の取れた方から指示を仰ぐ事にしました。
その方の話によると、動けなくなった付近は確かに尾根を巻くが大きく下ることは無い。巻く際は南側に巻くのだという事を教えて頂きました。
またそこに至るまでのコースですが、宇土内から登るのが良い(鹿納谷から鹿納山まで一度歩いているため)。その先の林道は若干崩壊気味だが問題ないとの事でした。
一緒に登って頂くのがベストでしたが次の週末まで都合が付かないだろうとのことで、とりあえず翌日宇土内から入山し、駄目そうだったらもう一つの案として出して頂いた日隠林道を経由してお化粧山経由で。それでも駄目そうだったら週末まで待って一緒に案内して頂くとのことでした。
短い電話でのやりとりでしたが、とても親身になって相談して頂きました。
さて、ひと通りやることを決めたらこの日は暇になってしまったので、山に持っていくリュックや飲料、非常食などを買った後は高千穂の町を散策。翌日は宇土内登山口まで行かなくてはならないので必然的に車を借りることになるのですが12時間、24時間の区切りのため少しそれまで自転車を借りて暇つぶししました。
高千穂峡や高千穂神社、槵触神社。車を借りてからは天岩戸神社へ向かい、行く先々で「荷物が無事に回収できますように」と普段より一際大きく柏手を打って拝んできました。
病院食も完全にカロリー不足のため、その後は身体を本調子にさせるために色々な所で食べて回りました。特に神代庵の蕎麦が非常に風味豊かな田舎そばで絶品でした。
宿は岩戸地区に「ゲストハウスいわと」。この地点では何泊するか分からない状況だったのでできるだけ安い所にしました。ゲストハウスというだけありドミトリーなのかと思いましたが、個室だったのでのんびり寛げました。
【荷物回収日】
翌日はなるべく早く登り時間に余裕を作るため、未明のうちに出発。国道を走っている内は「早く着きすぎてしまうかな」なんて考えていましたが、比叡山林道に入ると狭隘でスピードも落とさざるを得ず、鹿川渓谷を越えると未舗装のダートとなって予想よりも時間が掛かりました。林道内だけで1時間半くらい走っていたような気がします。
宇土内に到着し、少々食事休憩したら出発。もう日は昇り周囲も完全に明るいです。最初に1時間ほど林道を歩いて鹿納山の登山口まで向かいます。地図では途中まで車が入れると記述されていましたが、此処から先は四駆じゃないと厳しそうです。入れたとしても中間くらいに大規模な崩落地帯があるので、宇土内に置くのが無難です。
いくつか崩壊地帯がありましたが、もとは林道なので道は間違えようもなく乗り越えながら進んでいき、鹿納山の登山口に。あまり踏まれた形跡はありませんが、大きな看板が立てられていて分かりやすい入口です。
その後の道自体も歩きやすく分かりやすい道で、何事も無く鹿納谷の分岐へ到着しました。
さて、鹿納谷分岐まで来れば鹿納山まではそれ程苦労しなかった道なので、目の前に見える鹿納山を目指して進み、そして前回何度か迷った鹿納山〜鹿納の野へ。
確かにこの区間は風化しやすいのか、踏跡は崩れていて一見すると道が無いのではないかと悩みます。しかしよく注視してみると道は確かにあり、テープもその道上に括りつけられています。
ということで、余りにもあっさりと救助現場に到着。遭難したのはなんだったのか、やはり脱水症状となり正常な判断が出来なくなっていたのでしょうか。
救助地点に到着したらまず荷物の確認。置いてあった所に荷物がありません。あれ?無いぞ?落ちたのか?と思い谷底を覗きこんだりしてもそれっぽい物は見えず、頭を抱えながら周囲を見てみると、別の平らで安定している所に置かれていました。誰かが落ちないように移動してくれていたようです。
なんとか荷物と再開を果たし、現在持っていたリュックを中に押し込んで下山開始。大荷物も水を含んでいて重量も増していましたが気分は軽く、前回は立ち寄らなかった鹿納山(鹿納坊主)に寄ったりしながら帰りは軽快に下って行きました。
【下山後】
下山後は天岩戸神社と高千穂神社に行ってお礼参りのついでに御朱印を貰い、警察署に出向いて報告。アドバイスを下さった方にも報告しお礼を申し上げました。
さて、荷物が戻ってきたのならば慌てて飛行機で帰る必要もありません。バスを利用すれば本来の予定通りこの日のうちに阿蘇まで行くことが出来そうです。以降の登山は全て百名山でそれ程困難なコースでも無く人も沢山いるような所です。
何より、どこかに山に行って記憶を上書きしないと遭難した記憶が最後となって登山自体やめてしまいそうな感じだったので、どこでもいいから行きたいなという思いが強かったのです。自分でも懲りないなと思いました。
というわけで、バスに乗って阿蘇のカルデラ内の高森へ、そこから南阿蘇鉄道で立野駅まで行き、豊肥本線で阿蘇駅へ。色々あり祖母山には登れませんでしたが、奇しくも最初に立てた予定と同じ経路に戻ってきました。
しかし、色々な人に助けられ、色々な人に迷惑をかけ、予定とは全く違う状況に陥ってしまいました。今回のような事二度と無いように、一つの教訓として死ぬまで胸に刻んでおこうと思います。
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