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Yamareco

記録ID: 62939
全員に公開
アルパインクライミング
道東・知床

斜里岳北壁/右リッジの左ルンゼ

2010年05月02日(日) 〜 2010年05月04日(火)
 - 拍手
GPS
48:39
距離
12.5km
登り
1,292m
下り
1,289m

コースタイム

一日目:札幌→斜里→玉石の沢登山口の除雪点(14:10)→右岸尾根Co.800m C1
二日目:C1(5:30)発→黒いピナクル基部でシーデポCo1220(7:10)→北壁トラバースして中央リッジ末端より登攀開始(8:45)→40+30m→白いバンド中央岩稜基部(9:30)左岩壁方面へ1ピッチ出してトラバース偵察→右リッジ基部登攀開始(10:30)→(40m×4ピッチ)→山頂(11:30-12:00)→北稜クライムダウン→シーデポ地点(13:10-30)→C1(14:00)
三日目:C1(6:40)発→林道(7:00)→車(7:00)→下山→越川温泉→弟子屈→南千歳駅(17:00)→函館→青森
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2010年05月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
天気快晴
三日の夕から翌朝にかけ強風
五月連休にしては雪の多い年。北壁のトラバース斜面やルンゼの氷雪の状態は申し分なし。ただし岩ルートの雪はもう既にない。
山麓ビート畑から斜里岳北面
2010年05月02日 13:13撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/2 13:13
山麓ビート畑から斜里岳北面
玉石沢右岸尾根を樹林限界まで
2010年05月02日 16:24撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/2 16:24
玉石沢右岸尾根を樹林限界まで
C1
2010年05月02日 18:15撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
1
5/2 18:15
C1
朝、北壁の見えるところ
2010年05月03日 06:07撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/3 6:07
朝、北壁の見えるところ
北稜目指して進む
2010年05月03日 06:24撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/3 6:24
北稜目指して進む
北稜、黒いピナクル基部にスキーをデポ
2010年05月03日 06:41撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/3 6:41
北稜、黒いピナクル基部にスキーをデポ
黒いピナクルを登る
2010年05月04日 22:58撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 22:58
黒いピナクルを登る
黒いピナクル登る
2010年05月04日 22:58撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 22:58
黒いピナクル登る
黒いピナクルの頂より北稜と北壁
2010年05月03日 07:54撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/3 7:54
黒いピナクルの頂より北稜と北壁
北稜(下降ルート)と北壁全貌ここからかこうし北壁をトラバースする
2010年05月04日 22:58撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 22:58
北稜(下降ルート)と北壁全貌ここからかこうし北壁をトラバースする
北壁への下降
2010年05月04日 23:01撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 23:01
北壁への下降
北壁中央リッジの基部へ長いトラバース
2010年05月04日 23:01撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 23:01
北壁中央リッジの基部へ長いトラバース
北壁中央リッジの基部へ長いトラバース
2010年05月04日 23:01撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 23:01
北壁中央リッジの基部へ長いトラバース
中央リッジ末端から登る
2010年05月04日 23:01撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 23:01
中央リッジ末端から登る
2ピッチ終え、黒い岩壁基部ここを直上するとカンテルート
2010年05月04日 23:01撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 23:01
2ピッチ終え、黒い岩壁基部ここを直上するとカンテルート
中央リッジより左ルートの偵察。
2010年05月04日 22:59撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 22:59
中央リッジより左ルートの偵察。
右ルート(右リッジ)の基部へトラバース
2010年05月03日 10:25撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/3 10:25
右ルート(右リッジ)の基部へトラバース
右ルートの2ピッチ目
2010年05月04日 23:00撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 23:00
右ルートの2ピッチ目
右ルートの3ピッチ目
2010年05月03日 11:14撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/3 11:14
右ルートの3ピッチ目
右ルートの2ピッチ目
2010年05月04日 23:00撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 23:00
右ルートの2ピッチ目
山頂
2010年05月03日 11:35撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/3 11:35
山頂
山頂の二人
2010年05月03日 11:54撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/3 11:54
山頂の二人
北稜降りて振り返る午後の北壁
2010年05月03日 13:50撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/3 13:50
北稜降りて振り返る午後の北壁
C2
2010年05月03日 18:42撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/3 18:42
C2
北辰とカジタ
2010年05月04日 06:26撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 6:26
北辰とカジタ
越川温泉
2010年05月04日 09:09撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 9:09
越川温泉
越川温泉の料金箱
2010年05月04日 22:59撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 22:59
越川温泉の料金箱
越川温泉
2010年05月04日 09:13撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 9:13
越川温泉
越川温泉のくつろぎ室
2010年05月04日 09:57撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 9:57
越川温泉のくつろぎ室
温泉効能
2010年05月04日 10:05撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 10:05
温泉効能
函館本線、長万部あたり
2010年05月04日 18:24撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 18:24
函館本線、長万部あたり
長万部かなやのかにめし
2010年05月04日 19:11撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
5/4 19:11
長万部かなやのかにめし

感想

斜里岳は26年ぶり。今年の5月連休は雪が解けのこっているので、日高の奥地へ通じる谷からの遠距離アタックカールスキー作戦はやめて、壁登りにした。狙い通りにひと月近く前の状態があり、とても満足。岩ルートはもう氷雪が取れてしまっていたが、凍ったルンゼを両手アックスでじゃんじゃん登れる楽しい登攀を満喫した。そうそう毎年この時期こうはならないと思うよ。
斜里北壁の記録はいくつかあるようだけれど、ルート名などはあまり決まっていないように思う。今回の名前も便宜的なもの。北稜からの斜里は利尻の南稜を思い出すような格好いい山。こんな面白い場所がまだ北海道に残っていたか!

ルートは後日写真に赤線を入れて示します。

札幌から足寄経由で斜里へ。7時間。平野にそびえる斜里をみると北海道に憧れてきた20歳の頃を思い出す。風景は全く変わっていない。
玉石沢の入り口林道は前回も迷ってずいぶん歩いた。そのときの書き込みが地図にそのまま。雪の季節はとにかくスキーで直進すれば良い。
カンバとタンネの緩い斜面を登り、いい時間になった頃樹林限界。北壁が少し望めるよい天場。僕は風邪で咳がひどい。焚き火でバーボンを飲んでいたら治ってきた。ラジオは忌野清志郎一周忌で泣けるナンバーが続く。オホーツクに落日、平野に光、満天の星。

朝は国後の上に旭日。日が長い。さすが道東だ。3時半には明るい。風邪はすっかり治ってしまった。登攀道具を背負って出発。斜里北壁はまるでバルトロ氷河からみたガッシャブルム4峰のように神々しい。道東のG4と呼ぼう。北壁を愛でるこのルート、斜里の正面玄関と呼ぶにふさわしい。「ごめんくださ〜い」と言いたくなる。
北稜上のピナクルの基部でスキーをデポ。黒く見えたピナクルはハイマツだった。右に巻きながら最大の黒いピナクルの上に立つ。ここからの北壁はまるで利尻南稜のP2からの眺めを思い出す。はじめ北稜を往復の予定だったが、行けそうなので北壁の中に入り、中央リッジか右リッジをいこうということにこの場で決まる。
延々固い斜面のトラバース。潜るよりはマシだが斜度45度はあり高度感満点。日が当たらない北壁だから良い。
中央リッジの末端からザイルを出してスタート。トップは全部斉藤。ピンはすべて掘り出したカンバ。凍ったリッジ沿いに両手アックスで快適に2ピッチ上がり、雪のバンドにあがる。黒い岩壁帯の基部だ。岩壁帯7、8mを超えてしまえばあとはまた雪のルートになりそうだ。弱点を探して1ピッチ左へ進んでみる。が多角的にみると、傾斜がきつい岩壁は7、8mでは終わらず、もっと長いことがわかる。さすがにこれも真っ白な季節は、3月上旬あたりだろうか。岩登りルートより今回はダブルアックスでスカスカ行けるルートを、ということで、一番右のリッジのほうへまた40mトラバース。そのリッジの左脇のルンゼが調子良さそうだったのでそこを直上することにした。ザイルいっぱい4回で快適に上がり、山頂。
屈斜路湖や摩周湖のカルデラ、海別岳、それに南東には見たことのないペルーアンデスみたいな尖峰群がある。武佐岳と周辺の山群だ。絶景。斉藤が昔敢行した、摩周岳から知床岬までの3週間大縦走のやっと半分が見渡せる。よくやるよなあ。空前絶後だと思うよ、そんなことする人。
北稜の下りは怖い。日が高くなって雪も腐りだし、五月の感じなってしまった。幅1m以下の急な雪稜が続く。バックステップで下るが、アイゼンもアックスもずりずり決まらず。時間をかけて下る。一カ所アプザイレンする。スキーまでもどってBCまでは快適なスキー。あっというまに天場に戻って乾杯。
ラジオは去年と同じく岩槻さんが有楽町からラフォルジュルネを生中継やっていた。今年のお題はショパン。ベレゾフスキーのピアノ協奏曲。でも山の焚き火にはバッハの方がいいなあ。夕方から風が強まる。ツエルトの周りは雪が解け、寝床だけ盛り上がったので、幕が風で夜中に舞い上がり、目を開けたら外にいた。気温は高く、別に平気だった。

翌朝の下山はタンネとカンバのスラロームをしながらあっという間に降りてしまった。近所の越川温泉という共同浴場にて、地元のおやじと風呂の話。風呂に引いている熱すぎる源泉うめ用の沢の水、ためてあるところをよくシカが濁らせるとこぼしていた。「鹿の野郎がまた水浴びしやがったな!」なんていうんだ。「ここのお湯はホントに疲れがとれるんだ」と朝野良作業あがりのおじさんが言っていた。
セイコーマートで、下山牛乳1リットルイッキ飲みして、延々7時間かけ道東より帰還する。高速道路もできたけど、さすがに遠いよ。足寄の駅前目抜き通りの「両国」っていう蕎麦屋の豚丼とカツ丼がすごくうまかった。やはり蕎麦屋の丼ものはうまい。

武佐岳周辺の尖峰群一筆書き縦走の案も練った。夕張、トマムの道路がつながったら近くなるかも。

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コメント

焚き火
ヨネさん、焚き火はやっぱり良いものですね。

天気も良くて最高の山登り楽しんだようですね
2010/5/5 20:31
雪の状態
この時期は年によって雪の状態が全然違うから、山域も山行ジャンルもそれに応じて組み立てるのが肝心ですね。
相棒の手持ちの計画と研究の多さに導かれています。

okuyaさんの、この時期の激流の沢登りというのも、新ジャンルだと思います。いろんなバリエーションがあるものですね。何にしても焚き火は不可欠です。
2010/5/5 23:01
美しい山容ですね
山麓ビート畑からの姿も不思議なほど
三角形の尾根がバランスよく配置されているようです。

山野井氏の美しいからそこに向っていき、
登りたくなるといった言葉を思い出しました。
2010/5/7 7:22
斜里は美人山
jazzyさんこんにちは。

人と同じで山の美しさにもいろいろありますが、シャリは間違いなく美人山です。美しくカッコもよく、満足の壁もあり、申し分なしです。南側のすそ野にはあまり知られていない広大な針葉樹林名があり、さまようのにもよいところです。
2010/5/7 13:20
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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