南アルプス縦走 甲斐駒ヶ岳〜仙丈ヶ岳〜白根三山〜塩見岳〜荒川三山〜赤石岳〜聖岳〜光岳
kobetaka
- GPS
- 320:00
- 距離
- 133km
- 登り
- 11,222m
- 下り
- 11,491m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 8:15
- 山行
- 7:35
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 8:00
- 山行
- 9:00
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 9:35
- 山行
- 8:45
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 9:40
- 山行
- 8:10
- 休憩
- 2:50
- 合計
- 11:00
- 山行
- 8:50
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 10:30
- 山行
- 7:20
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 7:35
- 山行
- 5:40
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 6:45
- 山行
- 7:50
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 8:35
- 山行
- 9:55
- 休憩
- 2:05
- 合計
- 12:00
- 山行
- 10:35
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 12:00
- 山行
- 11:00
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 11:30
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 8:20
| 天候 | 1日目〜12日目 晴れ 13日目 雨 14日目 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2015年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス タクシー
最終日 便ヶ島から国道152号線へ徒歩。バス停本谷口から和田まで信南バスを利用。バス停和田からJR平岡駅まで徒歩。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
森林限界上は雪が少ないがルート上あちこちに残雪が残る。 標高2300mより上の樹林帯は雪が多い。 |
| 予約できる山小屋 |
|
写真
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装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
雨具
ゲイター
バラクラバ
毛帽子
靴
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
スコップ
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図（地形図）
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
|
|---|---|
| 備考 | ガスをもっともっていけばよかった。プリムス大２小１では十分でなかった。 |
感想
予備日含めて20日分の食料を背負っているのでザックがかなり重く、バテるのも早かったので全体的にチンタラチンタラゆっくり前進。4/22〜5/3まで12日間ずっと晴天。晴れの日に停滞するのはもったいなく感じ、この間停滞無しで行動。10日目あたりからペースをやや上げ(行動時間を増やし)、12日で甲斐駒から光岳まで縦走できました。
甲斐駒ヶ岳：
黒戸尾根上部は足場が凍った鎖場が出てくるが腕力を使って、慎重に越えた。頂上からは岩尾根まで雪のないざら場を下降。岩尾根は歩きにくく何度もバランスを崩しそうになった。今回のような重いザックを背負った場合、どちらかといえば登り(黒戸)より下降(北沢側)のほうが難しく感じた。縦走登山の人は注意してください。
仙塩尾根 仙丈〜野呂川越：
森林限界に入ると一面雪で覆われ完全に迷路状態。コンパスのありがたみがわかる。独標の下りがちょっとした雪の急斜面だが、それ以外は危険なところはなかった。ただし道迷いに注意が必要。全体的には尾根が平坦で樹間が広く、高山裏などに比べると歩きやすいところのほうが多かったように思う。雪質は場所によって変わり、固い雪もあれば軟雪もある。わかんはなくても大丈夫だった(あったほうが楽にはなる)。
野呂川越付近は夏道が出ていた。
仙塩尾根 野呂川越〜三峰岳：
森林限界を超えてからがしんどい。夏道が雪で隠れている一方、ハイマツが結構出ていて自由なルートが取れない。基本尾根通しで、それが危険なときはトラバース(藪漕ぎ)をした。また、一部凍結した岩場があったがそれほど危険ではなかった。
三峰岳〜白根三山：
三峰岳〜間ノ岳間は、間ノ岳手前の岩峰を右に巻く。この辺りに雪が残っていて多少危険。しかもはじめはルートがよくわからなかった。北岳と農鳥岳はほぼ空身で往復。西農鳥岳手前の雪壁が危険で、復路はクライムダウンで降りた。
仙塩尾根 三峰岳〜三国平：
何箇所か雪渓のトラバースがあった。
熊ノ平：
期待通り水場には水が出ていた。小屋は2階が利用できる。
仙塩尾根 熊ノ平〜北荒川岳：
ほかの樹林帯のルートに比べて見通しがよく、道迷いの心配が少ない。ただし、歩いても歩いてもなかなか塩見が近づいてくれない。北荒川岳上部はハイマツが完全に出ており、夏道を通る必要があったが、これがどこにあるのか意外とわかりにくく、探すのに時間がかかった。全体的に雪が多く、基本アイゼンつけたままで行動した。
塩見岳：
北俣岳分岐からは完全な雪山。とはいえ一部急なところがあるが難しくはない。頂上からは仙丈ヶ岳からの道のりが一望でき、仙塩尾根を歩き通した感動に浸った。頂上からの下りはほとんど雪がないが、ところどころに雪や氷が残っていてアイゼン着脱が忙しい。塩見小屋まで意外と時間がかかった。ここでちょっとミスをした。塩見小屋からは権右衛門山の斜面をトラバースするのが正ルートだが、地形図をよく確認しておらず、塩見小屋から西に直進してしまう。そのまま下っていくと木が密集して進むのも困難になるほどの場所に出てしまった。この時点でルートのミスに気づいたが引き返すのもめんどくさく、このまままっすぐ進み、そのまま谷底に降りてから尾根に上り返すことにした。幸い谷底からの雪質はよく登りやすかった。この後、本谷山までは歩きやすかったが、本谷山〜三伏山は軟雪で樹間も密で歩きにくかった。
三伏峠小屋〜高山裏避難小屋：
小河内岳までは楽。樹林帯まで下ると急に見通しがつきにくくなる。大日影山分岐から下ると東へ方向転換。板屋岳まで雪の樹林帯をトラバースする。この間小ピークがいくつかあってだまされそうになった。板屋岳から森がさらに深くなる。木が密生してコンパス通りまっすぐ歩けない。10歩ごとぐらいにコンパスで方角を確認しながら、とにかく尾根通しに進む。自分のルートに不安になってきたころ高山裏避難小屋を見つけ一安心しました。
高山裏避難小屋〜荒川東岳：
夏道が出ていないので前岳カールまでは適当に行くことにする。地形図で見るとカール底が標高2500mくらいなので、まず2500mまで登ってから、水平に尾根をカール底までトラバースすることにした。原生林のような森を2500mまで登り、そこからトラバースを開始。1時間半ほどでカールの底へ到着したが、これが永久に続くかと思うほど長くてしんどかった。ところどころかなり急な斜面もあり、神経も使った。カールの雪は固く締まっていて登りやすかった。中岳〜東岳間も雪は少ないものの、ところどころルート上に雪や氷が残っていてアイゼンの着脱がめんどくさい。この日は荒川小屋まで行く予定であったが、中岳カールの雪が完全に腐っており、雪崩の危険を感じたため本日は中岳避難小屋までとした。
中岳避難小屋〜荒川小屋〜赤石岳：
中岳カールは雪の締まった早朝に下り荒川小屋へ。小屋付近では水は手に入らなかった。ここから赤石岳までは特に危険箇所はなかった。
赤石岳〜百間洞〜中盛丸山：
赤石岳から百間洞まではルート上あちこちに残雪があり、またも何度もアイゼンの着脱をしなければならなかった。これがめんどくさいを通り越してかなり腹が立ってきた。あまりにもめんどくさすぎる。とはいえアイゼンをつけたままではすぐに刃が磨り減ってしまうし、バランスがとりにくい。この日で入山して10目だが、実際にアイゼンの刃がかなり丸くなっていた。そこでアイゼン着脱を休憩時間と割り切ることにした。百間洞では小屋の少し上の斜面から水が出ていた。小屋で少し休憩。この日は兎岳まで行く予定だったが、また少しルートを間違え、百間洞から中盛丸山手前までトラバースするのに2時間半近くもかかってしまい断念。中盛丸山と小兎岳の鞍部にテントを張った。
中盛丸山〜聖岳：
兎岳までは簡単。兎岳避難小屋は屋根以外雪で埋まってスコップで掘らなければ使えない状態。兎岳〜聖岳頂上はこの縦走で一番危険だったと思う。実際、兎の頂上から聖岳を見てもどこを登っていくのかよくわからなかった。まず聖兎のコル付近のやせ尾根が危ない。尾根上部は藪で右側は崩壊地になっている。尾根左側を巻きぎみに行くが、岩や藪が邪魔してスムーズにいかない。雪質も悪く、朝7時台にもかかわらずもう雪が腐ってきていた。聖の登りも予想通り時間がかかる。聖平側は雪がほとんどなくてもこっち側は雪山。しかも雪が固い。夏道が雪壁で隠れてルートがわからずけっこううろうろしたりもした。登っていくうちに、ルートが一度稜線から左側に大きく迂回したあと、また稜線通しに戻っていることがわかった。聖頂上からは遠くに小さい仙丈が見え、しばらく感動に浸る。
聖岳〜上河内岳〜茶臼小屋：
聖岳からは夏山同然の下り。途中尾根からはずれ、聖平小屋まで沢沿いルートを使ってショートカットした。さすがにGWだけはあり、このあたりの雪からしっかりとしたトレースがついている。小屋前で大休止した後、明日の光岳のため茶臼小屋を目指す。体は疲れているがトレースがあるので、精神的にかなり楽。上河内岳までの大きなのぼり返しをひたすらチンタラ登る。一度夏に上河内岳に来たときはバッテリー切れで写真が取れなかったが、今回はしっかりと撮れた。この日茶臼小屋に着いたのは17時ごろ。やれやれ。
茶臼小屋〜光岳：
茶臼岳から光岳方面もトレースがあり、ルートファインディングの必要はないようだった。雪のところどころ残る稜線を易老岳へ。ここまでは何の問題もない。易老岳からはやや森が深くなって歩きにくい。樹林帯を尾根通しに進み三吉平へ。ここからなぜかトレースを見失うが、かまわず稜線を左に見ながらまっすぐ南に進む。途中から長い雪の斜面が出てきたが躊躇せず登る。登りきると広い雪原が現れ、ここが静高平だろう。時間がないので急いで光岳を往復。甲斐駒から入山しついに光岳まで縦走できた。
光岳〜易老岳〜便ヶ島：
自分のつけたトレースを正確に追い三吉平へ。ここから易老岳までもトレースを追うだけ。さすがGWだけあり、下りはじめから易老岳までで15人くらいの登山者とすれ違う。聖岳に上るまでは10日で5人にしか会わなかった。易老岳からはひたすら長い尾根を下り易老渡へ。便ヶ島キャンプ場でテントを張って行動終了。
便ヶ島〜下栗の里〜国道152号線〜JR平岡駅：
13日目は雨なので便ヶ島で停滞。入山してから停滞無しだったのでいい加減休養がほしかったところだ。また食料がかなり余っていて、できる限りこれを減らし、荷物を軽くして帰りたかったので停滞日は朝からずっと何かを食べていた。聖光小屋には管理人さんが入っていて、幕営料タダな上、自分ひとりのためにキャンプ場のトイレを開放していただきました。本当にありがとうございました。なお、聖光小屋は今年で営業終了するそうです。
14日目この日はJR平岡駅まで行き、神戸の自宅に帰る予定。縦走の最終日も結構ハードだ。5:20キャンプ場出発。4時間ほどで下栗の里へ。下栗の里からは兎岳と聖岳、上河内岳が見える。国道152号線にでてからは本谷口から和田まで信南バスに乗った。和田からはさらに徒歩で平岡駅へ。結局歩行時間は8時間半ほどであった。
反省と感想：
計画ではもともと15日＋予備日5日の計20日で、20日分の食料を背負っての登山となった。これまでは長くてもせいぜい1週間くらいの登山しか経験がなかったので、これだけの荷物を背負って縦走できるかかなり不安だった。4日目に仙丈ヶ岳から仙塩尾根を経て北岳山荘着き、ここまで予定通りに進めていることでようやく自信がついたくらいです。後半は予定を繰り上げて先へ進み、14日で達成することができた。それにしても予定より早くできたのは運よく天候に恵まれた結果であると思う。
予定を早めたのはガスの量が少なかったからです。プリムスの大2小1で十分と思っていましたが、雪を溶かして水をつくるとするとせいぜい2週間持つかどうかだと気づいたので急ぐ必要があった。今回改めてガスが食料と同じく生命線であることをきづかさた。これからは余分にガスを持っていこうと思います。
この縦走では雪が少ないが故の大変さを味わいました。とにかく2週間でもう何十回とアイゼンの着脱をしたが、これが本当にめんどくさい。その上時間がかかるので歩行のリズムが完全に乱され、ペースが上がらない原因になった。アイゼンをつけたままでは刃がすぐに丸くなるし、重い荷物を背負っているのでバランスがとりにくくなる。アイゼンつけずに雪渓を渡るのも、空身ならともかく、荷物が重いし難しかった。最後にはアイゼン着脱を小休止にしてあきらめていました。
一方で雪山を楽しめなかったかというとそうでもなく、仙塩尾根や高山裏などの樹林帯には腐るほど雪があり、それをずっと踏み続けてきたし、甲斐駒や塩見、荒川前岳、聖岳は下りは雪が少なくても登りは十分な雪山だった。縦走という登山の形が、残雪登山を充実させたものにしてくれたのだと思います。
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残雪があるこの時期に南アルプスの完全縦走、本当にお疲れ様でした。天気にも恵まれて素晴らしい山行になりましたね。
北岳山荘でお会いしましたね。
その後、僕らも2日から荒川〜赤石〜聖と縦走したんですが、3日の停滞が百�瞭兇世辰燭里妊痢璽箸鮓�て無事に通過したんだなと安心していました。お会いしたら差し入れをと思ってましたが、意外と早く通過されましたね。
お疲れさんでした。
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