西山(鮎坂山)ー犬鳴ダムより往復ー
- GPS
- 05:04
- 距離
- 6.9km
- 登り
- 549m
- 下り
- 546m
コースタイム
- 山行
- 3:54
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 5:05
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ー犬鳴ダムは、右岸から左岸への一方通行ですー |
コース状況/ 危険箇所等 |
犬鳴ダム〜薦野峠の犬鳴古道は、倒木による災害で通行止めになっていたが、2015年5月5日より通れる様になったとの看板があった。行ってみたが、途中で道迷いした。初めて通る場合は、迂回路を経由した方が無難です。 |
その他周辺情報 | 脇田温泉入浴料850円 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
レジャーシート
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
カメラ
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感想
初めての犬鳴山地の山歩きに挑戦してきました。
「福岡県の山」のガイド本によると、古賀市の方から、西山に登って、犬鳴山へ縦走するルートが紹介されていたのですが、古賀市側の土地勘に全く疎くて、宮若市(旧若宮町)側の方が、仕事柄、若干、土地勘があるので、犬鳴ダム側から上って見る事にしました。
ただ、初めての山ですし、縦走の距離が、結構ある気がしたので、(特に、ダム湖畔の道を歩くのは、足に堪えそうな気がして)どちらかの山だけを登ってみよう!と思いました。
どうせならば、山を越えて、山頂から海を見てみたいと思いました。
そこで、ダム湖最深部から、西山に上って見る事にしました。
犬鳴ダムの湖畔の道を最深部まで、クルマを走らせて進むと、ピクニック広場と記された公園があり、駐車場もありました。そこに、クルマを駐車して、アスファルト道を更に奥へ進みます。するとほどなく、三叉路に出ます。そこを左折して、山奥深く入って行きます。ちなみに、右折すると、ダムの周回道路になっており、左岸を通って、堰堤の方へ戻ります。(クルマは、周回道路が、一方通行になっているので、道幅は狭いですが、離合の心配は、ないです)
さて、左折して、山奥へ入って行く道は、ダムへ流れ込む犬鳴川沿いの道のようです。舗装道をしばらく進むと、犬鳴川の起点を記した碑がありました。
そこが、登山道の取り付きになっていました。
取り付いて、すぐ、道が二つに分かれます。標識によると、左折して、犬鳴川の本流の沢沿いを行く様です。ですが、直進する道の方が広いです。どこへ向かうのか、標識がないので、分かりませんが、地形図的には、道があるとするならば、若宮の清水の方からの登山道へ合流するのでは、ないかな?と思いました。いつか、確認できたらいいな。って思います。
沢沿いの道をしばらく進むと、案内標識がありました。
それによると、この先、川沿いを直進するコースが、本来の登山道で、犬鳴古道と呼ばれるコースのようなのですが、2007年の雪による倒木の被害が大きく、通行不能となっていたようです。なので、沢を渡って、左側(西側)の斜面を登り尾根沿いに行くコースを開拓し、迂回路として機能させているとの事で、そちらを行く様に…。と書いてあります。
ですが、その案内板とは別に、新しい案内板が設置されており、そこには、2015年5月5日より、その直進するコースを通行出来る様に、なりました。と書いてありました。
そこで、思案して、上りは、その新しく通れる様になった犬鳴古道で…。下りを、迂回路で…。歩く事にしました。
犬鳴古道は、復旧に8年もかかったわけですが、それもそのはず、ものすごい数の杉の倒木がありました。完全に道は塞がれていました。それも一カ所だけでなく、谷全体を何百メートルもかけてあちこちに倒木があります。
素人の私が見ても、「これは、ひどい状況だな。災害当時は、すごかっただろうな」と容易に察する事が出来る程です。
これを8年という時間をかけて、一本づつ木を裁断したりして、道を歩ける様にした地元(おそらく)の登山愛好家の方達の、努力を想像すると、本当に頭が下がる気持ちでいっぱいになりました。
道は、倒木を乗り越え、時には、くぐりぬけ…。そういった状態で、沢を登って行きます。幾重にも倒木があり、そこに苔がむして、その周りに草が生え、小さな木まで芽吹いています。8年の月日の長さと、そこに、適応して、新たに芽吹こうとする植物のたくましさを、目のあたりにしながら、一歩づつ進んで行きます。さながら、ちょっとしたアドベンチャーです。未開の地を探検するかの気分にかられて、ワクワクしました。
要所に、赤い紐が木にくくりつけられているので、不安ながらも、進んで行けますが、先ほどの、案内板の言葉や赤い紐がなければ、絶対に進まない。いあや進めないコースです。なぜなら、道なき道といった状態ですから…。
紐が見当たらない箇所もありましたが、倒木の幹の皮が、剥げている箇所(つまり人の踏み跡)を頼りに、倒木を乗り越えて行きます。
どこまで続くんだろう?と不安になりかけた頃、右側の斜面へ赤い紐が見えたので、そちらに倒木を乗り越えて、進んでみました。
あとで、思い返せば、これがいけなかったのかもしれません。
実は、この後、完全に道迷いにはまってしまうのです。
薦野峠へに出るには、方角的には、沢を直進して谷を進んでいく方が正解だった気がしますし、よく観察してみれば、赤い紐の印は、あったのかもしれません。
土地勘が薄いことと、西山がどの山なのか、よく分かっていなかったので、GPSで確認したら、右側の斜面を登った方が、西山方面へは、近いと判断し、このときは、目印を見失ったので、なんとか、斜面を登ろう!と思いました。
斜面には、うすいですが、踏み跡らしきものもあったので、行けるだろう!と思ってしまいました。
見上げる斜面は、ものすごい急登でした。土も柔らかく、杉林の斜面をストックを確実に差し込んで、雪山歩きの様に、つま先を土に差し込みながら、滑らない様に登りました。ここは、本当にキツかったです。
ちょっと登っては、上を見上げますが、その見上げる先に、なかなか稜線らしきものは、見えて来ません。
20分〜30分ほど、喘ぎながら、登って行くと、やがて、赤いテープの目印が見えて来ました。そのテープの箇所まで行くと、そこからは、支尾根の稜線登りに変わりました。「まだ、登るのか…」それまで、必死に登って来ましたが、テープを見つけた安堵感からか、逆に、疲れが出てしまい、少し弱気になってしまいました。
水分補給と行動食のチョコを頬張り、小休止して、尾根を登ります。
しかし、このテープ。先ほどまでの赤い紐とは、違い、いささか古さがあります。おそらく、別の登山道に出たものと思われます。
やがて、ピークに達したのですが、その右側に、案内標識があり、「西山ー」と見えます!
なので、そのままそこを右折して、歩きやすい稜線を歩きます。ほどなく、鉄塔に出ました。開けて展望も良さそうです!
ですが、九電の説明板があり、工事中のため、立ち入り禁止となっており、登山道の迂回路がありました。
なので、鉄塔の下を左から巻く様に迂回路を進んで行きます。
そこで、ふと、「ん?何かおかしいぞ!」と気づきました。
このまま、進んだら、西山とは、真逆じゃないのか?
先ほどから、何度か確認したGPSの画面や、太陽の位置からすると、どう考えても、道は違うと思いました。
GPSで確認したら、やはり、尾根の稜線を真逆に歩いてます。
慌てて、引き返します。
さきほどの標識を、見てみると、「西山ー清水」となってます。
どうも、板が木の幹に沿う様に湾曲していて、先ほど見た時は、清水の文字がみえていなかったのです!!
それを、はやとちりしてしまったようです。こういう事が、日常でもおっちょこちょいな私には、よくあることです。ですが、山行では、命取りになることもある訳ですから、ちゃんと反省しなくては、いけないことでした。
また、この案内標識がある箇所は、「Y」字交差点になっていることに気づきました。登って来た方は、Yの文字の左上部からで、間違えて進んだのは、文字の真下です。なので、文字の右上部方向へ、進めば、西山方面です。
そちらを、進んで行きます。
尾根は、痩せ尾根ってほどではないのですが、左の谷は杉林、右の谷は自然林。と、福岡の里山のよくある風景です。その尾根上の稜線を気持ちよく軽快に歩きました!先ほどまでのアドベンチャーが、嘘の様です!!
やがて、でっかい『立ち入り禁止:防衛庁』と書いた標識に出くわします!こんなとこで、引き返すのは、勘弁だな…。そう思い、進んで行くと、やがて、急登があり、その先が明るいです!あそこまで登れば、山頂のようです!
さきほどの急登に比べると楽だったので、すぐに、登り切ります。やがて、階段が現れ、そこを登ると、また『立ち入り禁止:防衛庁』の看板と、ロープが張られていました。その脇をひょいと抜けて、未舗装の林道に出ました!開けています。その先が、山頂の様です!
山頂には、おそらく防衛庁が設置したであろう、弾薬庫かジープの車庫に使われるみたいな、壕がふたつありました。面白いのは、その壕の上が山頂のようで、そこに、山頂碑が置かれていることでした!
360度の眺望を期待したのですが、周りの木々が伸びているからか、犬鳴山や福智山方面の東側〜南側は、見えませんでした。
ですが、西側〜北側にかけての眺望は、素晴らしかったです!
眼下に、玄界灘の海がドーン!と広がっています!
海の中道〜津屋崎にかけての海岸線がキレイに見下ろせます。その海岸線は、今まで、何度も見て来た、まさに福岡県地図そのものでした!!
そして、先日も登った、立花山も目にする事が出来ました!
あれだけ、険しい沢沿いから急斜面を上り、深い稜線を歩き、登り切った頂から、初めて海を目にする事ができるわけで、今回の私と同じ様に、山を越えて、この景色を眺めた、昔の人の感慨も、きっとひとしおだったに違い有りません。
今回の山行は、最高のものでした!
海を見下ろしながら、昼食です!
昼食を終え、下山です。
下りは、予定通り、薦野峠へ下り、そこから、迂回路で戻ります。
先ほどのロープの張られた「立ち入り禁止」の看板のところに、よく見ると「薦野峠」への案内標識と道がありましたので、そちらへ下ります。
ロープの張られた、ハンパない急坂を下って行きます。
やがて、鞍部まで、一気に100メートル近くくだりますが、そこが、「薦野峠」でした。薦野峠は、四叉路の交差点になっており、古賀からの登山口は、ここに来る様です。そして、反対側には、犬鳴ダムへの登山道もあり、さきほどの「5月5日から通行可能になりました。」の同じ立て看板もありました。やはり、さきほどの道は、こちらに通じているようです。私は、途中で道迷いをしてしまい他の登山道へ出た様です。ここを下れば、さきほどの間違いが何処だったのか?解決するのですが、その答え探しは、次回への課題として、予定通り今回は、ここを直進して、迂回路で下山する事にします。
迂回路は、犬鳴山への縦走路になっているようで、ここから、下って来たと同じくらいの急坂を一気に登り返す様です。ものすごい急登で、目の当たりにすると、ちとメゲそうでした。あまり上を見ない様にして、足下を見ながら、コツコツと登って行きます。なんとか、ピークまで達すると、そこからは、軽快な稜線歩きで、気持ちよいです。展望はなく、自然林(古賀側)と杉の人工林(若宮側)の間の稜線を歩いて行きます。古賀側には、海があるせいか、森林の中ですが、風も感じられて、涼しく感じました。
この稜線、「古賀高校鍛錬遠足コース」の標識がありました。ここを歩くのは、結構キツいだろうな?と、高校生の団体が歩く姿を想像しながら歩きます。そういえば、私が高校のときは、貫山を歩きました。懐かしいです。ですが、貫山よりも、ここの方が、アップダウンも激しく、キツいと思いました。
何度かのアップダウンをくりかえし、ピークに達した時、標識が現れました。
ここを左折すれば、犬鳴ダムへ下れる様です。GPSで確認したら、行きに登った「犬鳴古道の谷」の右側の尾根伝いに下っていくようです。
途中、二カ所、植林が伐採された開けた場所を通りました。そのうちの一カ所には、高圧線の鉄塔がありました。そこからは、若宮側の展望が少し開け、あれが、犬鳴山だろうか?と思われる双耳峰も見えました。
なだらかな傾斜で、高度を下げて行き、「非難番所2番」の標識があるところから、左の谷へ向かって、一気に急坂を下ります。ロープが張られているので、すぐに分かりました。結構な傾斜の斜面です。慎重に下ると、沢に出ました。そこを徒渉すると、行きがけに、使った5月5日に復旧された犬鳴古道の分岐に出ました。帰りは、道迷いは、しなかったようで、ほっとしました。
沢の水で、顔を洗い、ここからは、来た道をテクテクと帰りました。
初めて、歩いた犬鳴山地の西山でしたが、なかなかハードな一日でした。
しかし、沢伝いに倒木をかき分け、道無き道を進む感じがあったり、急斜面を必死に登ったり、帰りは、アップダウンの激しい縦走路があったりで、充実した山行となりました。近いうちに、今度は、犬鳴山へ登ってみたいと思います。
ひとつ書き忘れましたが、上りに使った、犬鳴古道の沢で、シカを見ました。水を飲んでいました。私に気づくと、一気に、急斜面を駆け上がって、瞬く間に尾根の上に消えてしまいました。
その光景を見て、いかに人間(特に現代人)が、自然の中で、無能な存在なんだ!と思い知らされました。
そういった事でも、自分自身を見つめ直せるのも、山歩きの魅力のひとつなんだと思います。本当に、魅力が尽きないですね。
これからも、コツコツと頑張ろうと思います。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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犬鳴山系への山行、お疲れさまでした〜
例の雪害でやられた本道が復活してるんですね!!
知りませんでしたので、今度、通ってみようと思います
あ、でも、夏場は、蛇とか、、、怖い
⇒古賀市側の「イノニタ」登山道も復活してないかなぁ・・・?
犬鳴山系は樹林帯の中、展望も効かずに、地味〜にキツいアップダウンを繰り返すので、標高以上に疲れますよね〜(苦笑
ただ、その樹林帯のお陰で真夏でも熱中症にならずに歩く事が出来ますよww
⇒水場はありませんので、飲料水を充分なほど用意を!
犬鳴山系はKUROCHANさんやpapitoccsさんが良く歩かれてるので、そちらのレコを参考にして、あまり無理しないよーにして下さいね〜
PS。
写真25は「タニギキョウ」、写真40は「ニワゼキショウ」だと思います!
maltenさん。
コメントを下さりありがとうございます!
「タニギキョウ」と「ニワゼキショウ」の花の名前も教えて下さり、嬉しいです!助かりました!!!いつもレコを拝見しながら感心していましたが、maltenさんは、お花の事詳しいですよね!私も、頑張って勉強します。
犬鳴山系は、想像以上に、起伏が激しいですね。歩いてびっくりしました。
でも、仰る通り、樹林帯の中を歩くので、涼しく感じられ、快適に歩く事が出来ました。この夏に、もう一度、訪れたいと思います!
犬鳴古道は、元の道を歩いた事がないので、私は、道迷いしてしまいましたが、歩いた事があるのでしたら、大丈夫でしょう!なかなかワイルドで、探検気分満喫コースでしたよ!確かに、ヘビは、出そうでしたが(苦笑)
それにしても、ここの災害は、凄かったんですね。歩く事ができるように、一本づつ伐採された地元の方々には、頭が下がります。感謝しながら歩きました!!
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