北海道森町802m三九郎岳
- GPS
- 04:43
- 距離
- 5.5km
- 登り
- 599m
- 下り
- 110m
コースタイム
天候 | 快晴微風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年05月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
感想参照 |
感想
ルート/森町グリーンピア大沼奥ゲート〜320林道終点〜宿野辺川右股沢入渓〜470右股〜山頂往復
タイム/6時17分ゲート〜7時01分林道終点〜10時15分750藪突入〜11時山頂11時40分〜14時34分林道終点〜15時10分ゲート
天気/快晴微風
メンバー/イワさん、寺さん、ひろみちゃん、Sさん、gan
レベル/難易度★☆面白さ★☆体力★☆藪漕ぎ★☆
地図/木地挽山
★領域
週末の土曜日は夕方まで秀岳荘本店で一日お手伝いをやることにしていた。
夕方には終わるから何処の沢に行こうかと地図で適当に探し出す。
今年は例年よりも雪解けが遅いからいつもは定番の黒松内岳の沢にはまだたっぷり雪が残っているだろう。
全くの偶然だが森町のグリーンピア大沼の奥に三九郎岳という一風変わった山を見つける。
南峰は802m、北峰が817mと僅かに高い。
問題は沢だ。
宿野辺川の支流右股沢を詰めると藪漕ぎの距離もそれほどではなさそうに見える。
何の情報もない沢を遡行する喜びが既に体中に充満しているのが分かる。
いまやベテランの領域に入ったイワさん、寺さんに加え、ひろみちゃんに寺さんの山友Sさんの参加で5人が揃う。
夕方定山渓で落ち合い、寺さんのパジェロで一路八雲へと向かう。
★二次会
イワさんの運転で私と寺さんは早速宴会の開始だ。
ものの10分でビール3缶を空けた寺さんは絶好調だ。
ビールの後にふなぐちを飲み出した私のペースは遅い。
早めに酔ったら八雲で待っている馬場さんと飲めない。
中山を越えると夕陽に映える羊蹄山がひときわ美しい。
予定の21時丁度に八雲の馬場亭に着く。
一年振り?に逢う馬場さんの人懐っこい笑顔に迎えられて二次会の始まりだ。
持参した肴に加えて、馬場さん奥さんの作ったホタテの煮付け、牛肉のたたきなど食べ切れないほどの豪勢な宴会だ。
HYMLのお陰でこうして馬場さんとは年に一度か二度の交流が続く。
殆どは私がお世話になっているから八雲方面には足を向けて眠れない。
有難いことだ。
23時酩酊状態に近い。
事務所の床に寝袋を広げたと思ったら朝になっていた。
★いびき三重奏
4時前に誰かが起きたと同時に全員が目覚める。
私はまだ前夜の酒で調子が悪い。
ひろみちゃんのご機嫌が斜めだ。
どうやら一睡もできなかったらしい。
主演奏は寺さん、それを補佐するようにイワさん、私が助演奏をしていたらしい。
ま、主因はあくまで寺さんだからと全ての責任を押し付ける私だ。
イワさんのお母さんが作ったシチューで朝食を済ませ、5時過ぎに大沼へ出発する。
天気は上々だが、朝は寒い。
大沼の国道から4.8kmでグリーンピア大沼の奥にゲートがある。
6時17分5名の沢屋が陽光の中を歩き出す。
★大盛り
ゲートの先にまたゲートがある。
その先で林道は二俣になる。
「赤井川林道宿野辺支線2.9km」と書いた標識がその間に立っている。
右の林道を進むとここ2,3日のものと思われる羆のうんこが大盛りで2箇所道の真ん中にある。
野郎3人が交互に雄叫びを上げて存在を知らせるが、役立っているのかは不明だ。
40分余り歩いて林道は終わる。
右股川は小川に近い感覚だ。
入渓して早々に私が転倒して手をしたたかに打ち付けた。
右手の甲が段々と痛みが増し、腫れて行くのが分かる。
以降滝の先行などでイワさん、寺さんにお願いする羽目となった。
★迷い
345分岐は左を進み、360は右を取る。390の分岐の水量は等しいが右が正解だ。445に2m未満の小滝があるが、わざと濡れるのを覚悟で直登する。
ニリンソウやシラネアオイが顔を見せる。
470でしばし迷う。
右から8mほどの滝が落ち込む。
水量は僅かに左が多い。
開けた左の方に進みたくなるが、読図では右に行くべきだ。
右に進んでその後の小沢の有無で確認することにして右を取る。
滝は左から容易に上がれる。
それまで開けていた谷間から急に狭い峡谷になって行き、未知の遡行の高揚感が溢れ出す。
スラブ状の2mの滝は左から上がり、495で小沢が左から入り、右は2mの滝だ。
510分岐は2:1の水量で左を取った先で10m弱の滝だ。
手強く見える。
右手に力が入らない私は寺さん、イワさんを下から見守るが、突破できない。
暑い時季ならシャワーで越えられたかもしれないが、それでも厳しい。
★納得
510分岐まで戻り、間の小尾根を使って右から大きく高巻くがトラバースでは気が抜けない。
15分はかかったようだ。
540で一面苔の付いた10m弱の滝だ。
その上直ぐに2mの滝が連続し、ここも右から高巻く。
550で分岐だ。
僅かに水量の多い左を進みむと手がかりのない5mの滝だ。
左側上におんこの木があるのに目を付けた。
先行した寺さんからシュリンゲをもらう。
すぐ2m滝を越えるとその先から小滝群の続く景観には惚れ惚れする。
おお、何の先入観も持たすに入った沢だけれど、「なかなかやるじゃないか」と5人の誰もが納得していた。
★口達者
585で5mの短冊をぶら下げたような滝は右から巻くとその上からナメが続く。
600で長さ10mに渡って割れた雪渓がある。
その先でも再び雪渓が出て、割れた間からは3mほどの滝が見える。
先の2m滝は直登可能だ。
そこから先一部の沢は左右からの笹で歩き難い。
645分岐は1:1で右を取り、685分岐は2:1で左を進む。
10時なった。
歩き出してから4時間になろうとしている。
体力の一番ないひろみちゃんの歩みが遅くなるが、口だけは達者だ。
700分岐の水量も等しい。
右を選ぶと730分岐は左の流れが顕著で右は地味だ。
左に進みたいところだが、早めに沢形が消えると見て先行する寺さんに右に行ってもらう。
740涸れ分岐を右に進むとほどなく沢形は消えて本格的な藪漕ぎの始まりだ。
太い笹にひろみちゃんが難儀して前へ進まない。
それでも何とか南峰北西のコルに着いた。
★地味
30分の本格的な藪漕ぎで着いた山頂は地味だった。
数本のピンクテープはあったが全て残雪季に来たものだろう。
沢には全く人跡はなかったから、それだけでも沢から上がった頂の価値は大きい。
周囲の潅木と笹で視界もいいとは言えないが、こんな山に来れたという満足感で満たされた5名が熱い握手を交わす。
沢屋には沢屋だけが知る登頂の喜びがあるのだ。
蚊がうるさく山頂ラーメンは取り止めた。
状況が許せば北峰まで行き、東面沢を下る積りだったが、パーティーの体力を考え往路を戻ることにした。
東面沢は次の機会の譲ろう。
★リーダー
山頂からコンパスで方角を何度も確かめ南東面へ向かって藪を下降する。
下りでは2回懸垂をした。
一箇所はシュリンゲで支点を取った。
寺さんもイワさんも実に頼りになる沢屋になっている。
今回は私の負傷で二人の果たした役割は大きい。
実質のリーダーはこの二人だった。
ザイルワークも手馴れたものだ。
ほぼ3時間かかり林道に着く。
記念撮影を済ませてのんびりと歩き車に着いた。
八雲まで走り遊楽亭という温泉宿による。
シャンプー付きで450円は上出来だ。
帰りの車内は馬鹿話で遡行以上に盛り上がる。
寺さんの友人Sさんは多分次回からは来ないかもしれない。
こんな馬鹿な連中とは一緒にいれない、と思っていたことだろう。
★おまけ
原始性溢れる素晴らしい沢だ。
470から600までが核心部となる。
高巻のトラバースも急で気が抜けない。
羆には十分注意すること。
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