岩石観察＝相模原市立博物館・勝坂遺跡・群集墳＋ヤツボ見学レンタサイクリング
hirokok510
体力度について
- GPS
- 10:05
- 距離
- 63.4km
- 登り
- 393m
- 下り
- 403m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 10:06
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 10:06
| 天候 | 晴れ一時雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2015年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車
自転車
|
写真
ミニ企画展「石のステンドグラス〜岩石の顕微鏡写真展〜」が今日までなので相模原市立博物館に立ち寄るー先月、田名向原旧石器館裏の河原で挑戦したホルンフェルスの顕微鏡写真
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感想
今日はいろいろな用事が重なっていたが、先週は運動不足気味だったので、思い切って相模川段丘の遺跡巡りをすることにした。最近はMTBを担いで輪行するのが億劫になり、レンタサイクル専門と化したーー？？この近くでレンタサイクルのある唯一の駅、小田急（京王）永山に出て、自転車を借りる。一日200円。ここから多摩丘陵を越えて相模川方面まで走るのは初めて。まず多摩丘陵をどこから超えるかが難問−−いろいろ考えた末、まずそのまま南下ーーGarmin社のGPSとスマホのナビと両方を使うーーしかしすぐに違う道には行ってしまう−−慌ててリコース――しかしなかなか戻れず、別ルートから行くーー標高110mあたりーー次第にどこを走っているかわからなくなり、慌てるーー幸い方向は間違っておらず、なんとナビの道に復帰した。給食センターの信号で南多摩尾根幹線道路に出て、多摩卸売市場前で鎌倉街道に出て、標高48mの新袋橋まで下って右折し、淵野辺を目指す。この辺り、道を随分間違え、アップダウンも多く予定時間より遅れてしまう。鶴見川・境川など多くの川を渡り（急いでいたので渡ったので自転車道路を確認できず）、下っては登るの繰り返しーー境川を渡り、再び標高110m位を登り返す。淵野辺駅付近で横浜線をくぐり、9時45分過ぎ、予定時間より30分近く遅れの到着。まず企画展の岩石の顕微鏡写真の展示を見る。ホルンフェルスやチャート、蛇紋岩やカンラン岩など様々な石の偏光顕微鏡写真が展示されていて興味深い。それから考古展示を見るーー今日これから向かう勝坂式土器などと今日の講演にある後期古墳などを見て、学芸員にお願いして少し解説をお願いした。あいにく土器の専門家ではなかったが、勉強になった。また昭和初年、勝坂遺跡のA地区の発掘で出土した顔面把手付土器のホログラム展示があり、空襲で失われたものを残された実測図から復元したホログラムと教えられらた。勝坂式土器は縄文中期（約5千年前）の土器で、中期初頭（五領ヶ台式など）と中期後半の加曽利E式との中間に位置づけられている。勝坂遺跡ではA地区以外では勝坂式土器はあまり出土せず、加曽利E式器の土器が多く出土するようだーーつまりA地区よりのD地点などの方が少し遅い時期の遺跡らしい。
展示を見てから二階の体験コーナーで偏光顕微鏡を覗いて石を見ることにした。高校生らのボランティアや先生らが世話をしてくれる。見れる石は砂岩や玄武岩、砂岩、閃緑岩などに限られるが、それでも輝石やカンラン石など様々な美しく光る石の破片が含まれている事に驚かされる。予定を30分ほど過ぎ、11時前に博物館を出て勝坂遺跡に向かう。ここからは比較的平坦な河岸段丘を相模川に向かって下っていく。相模川では河岸段丘が何段にも重なっている。相模川から3段あり、鳩川を挟んで上段段丘があり、その上に境川。道保川に沿って下り、勝坂遺跡のそばを流れる鳩川を渡ると相模川の段丘の端に出る。前に大山、丹沢山塊が大きい。46号線を進むとすぐ案内板があり、最初に勝坂遺跡A地区に向かう。住宅地を抜けて遺跡の前に出る。ここは大正時代末、最初に勝坂式土器（顔面把手付土器）を大山柏氏が発見した場所だ。D地区に戻り、復元竪穴住居地域を見学、さらに展示館を探す。博物館で見た有鹿神社の祭祀遺跡も探すが見当たらないーー。敷地内の草地をそのまま進めばよかったが、道があるように見えなかったので、いったん外に出て探したが、外からは見えないので、住民に尋ねて何とかたどり着く。中に入ればそのまま移動できるが、外からはわかりにくい場所だ。大きく外を回って展示室に入る。展示品の多くは復元品で、実物の多くは先に訪ねた相模原市立博物館にあるようだ。遺跡の入口や敷石住居跡などの遺構には説明板が設置されている。相模原市史によると、
「勝坂遺跡は、縄文時代中期（約5000〜4500年前）の集落跡です。大正十五年（1926年）、大山柏氏によって発見された土器は、装飾的な文様や顔面把手（がんめんとって、顔を表現した取っ手）などによって注目を浴び、後に「勝坂式土器」として縄文時代中期の目安とされました。
また、同時に発見された多くの打製石斧（だせいせきふ）を、土を掘る道具と考えて原始農耕論が提唱されたことは、我が国の考古学史上、極めて重要です。
昭和四十八年（1973年）の発掘調査で発見された集落の一部、勝坂遺跡D区（16,591平方メートル）が、昭和四十九年に国の史跡として保存され、昭和五十五年・五十九年に指定地が追加され、D区の面積は19,921平方メートルとなっています。平成二十二年四月に竪穴住居二軒、敷石住居一軒を復元した史跡勝坂遺跡公園として開園しました。
D区の東方、谷を隔てた台地に位置する大山柏氏の調査地点、勝坂遺跡A区では平成十七年（2005年）の発掘調査で発見された集落の一部、磯部字中峰2097番1ほか3,797平方メートルが平成十八年一月二十六日に新たに追加指定され保存されました。」とある。また遺跡D地区の中央には埋没谷地形がある。説明板には、
「勝坂遺跡は、鳩川流域沿いや湧水の流れる谷戸沿いにつくられた縄文集落群です。D区には、北と南に集落がつくられており、その間には埋没谷が走っています。現況の地形でも谷状に窪んでいることがうかがえます。
谷部などの水が流れる場所は、ドングリを水でさらすアク抜きなどに利用されることがありますが、この埋没谷は調査の結果、集落があったころにはほとんど埋まっていたことがわかりました。また、勝坂遺跡A区には集落を画す埋没谷が確認されています。」
とある。出土した石器や土器類から、クリ、スダジイ、オニグルミなど様々な植物を利用していたことが知られているが、こうした里山の植物のある風景を復元しているようだ。展示館で有鹿神社の場所を確認し、遺跡のある段丘の縁にある道から脇の階段を下っていくとその下は湿地状になっており、そこにはホトケドジョウなどの絶滅危惧種が生息しているらしい。そうした湿地と段丘の際に、有鹿神社の祠がある。相模原市立博物館の展示ではこの祠の周辺から大量の祭祀具が出土しており、「勝坂祭祀遺跡」という全国的にも珍しい古墳時代の祭祀遺跡であるようだ。ホトケドジョウの説明板はあったが、残念ながら「祭祀遺跡」の説明はない。出土品が市指定の有形文化財になっているので、説明板があってもよさそうなものだが――。ここまで階段を自転車を押して下ってきたが、下からは抜けられそうもないので、再び押して上の遺跡に戻り、46号線に出て52号線との交差点を左折し、相模川に向かっての下り。次の信号で右に渡り、わき道を登ってみると、当麻東原公園があった。中に入り、公園を進むと奥に小山が見えるーー当麻東原古墳だった。墳丘に登って相模川方面を眺めると、一番下の段丘面に水田が開かれていた。52号線に戻って進むと圏央道に進む道が工事中で入れない。どこから行けばよいか行ったり来たり、地図をよく見て52号線に戻り、相模川に沿った道に出てまっすぐ進むと田名向原遺跡に出た。考えてみれば少し登って圏央道手前の相模原愛川ICの少し先を左に回り込めば、ポンプ場のそばにある当麻谷原古墳を見に行けばよかったが、このときは位置関係がはっきり把握できていなかった。13時過ぎに田名向原旧石器館に着き、とりあえず荷物をロッカーに入れて（講演会開場は1時半）時間の許す限り古清水・大島のヤツボを探しに行く。しかし田名バスターミナルまでは厳しい登りで、結構時間を食い、13時半近くになったので清水手前で一旦旧石器館に戻る。浜田教授の講演は、残念ながら半分以上は古墳時代の概説で、残りのわずかな時間で当麻谷原古墳群などの話しだった。相模原市内に限ると前方後円墳はまだ見つかっておらず、旧石器から縄文時代の遺跡は多いのに、弥生時代（縄文晩期以降）以降の遺跡は急減し、古墳時代の遺跡もごく限られていて、なかなか話す材料に乏しいらしい。この辺りの古墳は皆古墳時代後期の円墳で、谷原1号墳（ポンプ場内に保存）からは水晶製切子玉、金環耳飾り、鉄鏃などの副葬品が、東原古墳からは多くの馬具や装飾品が出たらしい。しかし多くは盗掘にあっていてその後宅地開発なので破壊され、残っているものは少ない。田名向原遺跡公園にいくつか保存されている。古墳時代後期は支配者層の階層分化も進み、この地域の古墳はおそらく海老名などが中心であった高座郡（たかくらぐん）の郡司となった豪族の下で働く下級豪族のお墓だったか？またさらにその下で働く有力者ら、多くの小さなお墓が群集墓となって、相模川付近の横穴墓となっているようだ。古代の歴史は今の行政区割りとは別の古代の高座郡などの単位で考えないとよく見えないのだ。まだまだこの辺りの地域の歴史はわからないことだらけで、今後の遺跡発掘・新発見が必要のようだ。
相模原の古墳時代を学んだあと、再度、ヤツボを訪ねる。今度は荷物をもって坂を登り、古清水バス停あたりで住民に場所を確認し、大島バス停よりさらに先の工場のような建物の先を左折して進むと看板があった。大島水場のヤツボだ。自転車を置いてヤツボまで下り写真を撮る。
ここのヤツボには水神様を祀る石像があり、なかなか雰囲気がある。ヤツボに関するHPには、
「水場の倶利伽羅不動尊、不動明王の化身で龍が4本の手足を剣に絡ませ、なおも口に含んでこちらをにらめつけています。また観音寺や神沢不動堂内に安置されている尊像は光背部分が炎となって焼き尽くす様を表しています。
不動明王は胎蔵界曼陀羅の中の持明院部の中に描かれています。この尊像を最初に説かれた不空絹索神変真言経第九巻では「不動使者は左手に絹索をとり右手に剱をもち、半跏跌坐する。」とあります。左手の絹索とは糸を撚った綱のことでその様が龍に似ていることから、いつしか竜神や水神信仰とも結びついて瀧や湧水のある場所に祀られました。」
との説明があった。暗くてあまりよく写っていないが、こういうことだったようーー。水は水路をとうとうと流れ、しばらくその行先を眺めていた。次に古清水のヤツボに移動、こちらは水は沸いているが水たまりが大きく、動きが少ないためかアメンボなど虫が多かった。
空が黒い雲に覆われ、雨が降ってきたので急いで永山駅に向かって戻る。しかし空が暗くなって雨が激しくなると、スマホのナビがおかしくなり、ナビが入らなくなって、何処を走っているかあやしくなる。走りながらいじっていて、おかしなところを触って入らなくなったらしいが、暗いのでこのときは慌ててGarminのGPSに切り替えてなんとか手探りで進む。途中相模原駅付近の線路を渡った先で少し方向を見失い、歩行者に尋ねて、なんとか多摩方向に進路を改め、GPSのウエイポイントに復帰ししばらく登って、唐木田駅・南多摩尾根幹線道路に合流できて、辛うじて永山駅まで登りきることができたーー時間が過ぎてしまい、無人の駐輪場で鍵と超過料金を回収箱に入れて何とか帰宅したーー。
こっそり拍手
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